ヤマトホールディングス

【ヤマトホールディングス】決算短信の「経営成績等の概況」はどう変わったか(2025年3月期→2026年3月期)

決算短信定性文(経営概況)リサーチ 2026.09.18
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通期・四半期とも「新たなビジネスモデルの事業化」を「グリーン・モビリティ」戦略として柱名を刷新し、四半期では統合型物流拠点の拠点数など具体情報が加わって粒度がやや細分化した。

目次

調査の概要

本記事は、東証プライム市場の時価総額上位500社を対象に、決算短信の「経営成績等の概況」相当部分の記載がどう変化したかを調べた調査の一部で、ヤマトホールディングス分です。

通期: 2025年3月期決算短信 と 2026年3月期決算短信(開示日: 2025年3月31日(推定) → 2026年3月24日(推定))

四半期: 2026年3月期 第1四半期決算短信 と 2027年3月期 第1四半期決算短信(開示日: 2025年6月24日(推定) → 2026年6月17日(推定))

ここでいう定性文とは、決算短信のうち「1. 経営成績等の概況」相当の見出しから、次の大見出しの手前までの記述を指します。文字数は、タイトル名(『』)を除外し、空白を除いて計測しています。

通期決算短信の比較

文字数: 16,125字 → 14,932字(前期比-7.4%、減少)

見出し構成の変化: 追加: ②法人向けビジネスの拡大/③「グリーン・モビリティ」の事業化/削除: ②法人ビジネス領域の拡大/③新たなビジネスモデルの事業化(いずれも柱の名称変更で、他の見出し検出は本文中の①②③番号の内容更新による誤検出)

粒度の判定: 同等

セグメント情報注記: あり(380字) → あり(379字)

変化の型: 施策説明充実型、出来事型

増えた要素

  • 「グリーン・モビリティ」の事業化という柱名への再編(EVライフサイクルサービス・MY MEDICA・Sustainable Shared Transportを統合的に整理)
  • 宅急便当日配送サービス・同一都道府県内運賃の新設
  • 統合型ビジネスソリューション拠点(福島県郡山市)の開設
  • ベトナム人大型トラックドライバー採用・育成プラットフォーム構築
  • 自動配送ロボットを活用したラストマイル実証実験、生成AI活用人材育成
  • 熱中症対策(ファン付きベスト・ウェアラブルデバイス)の具体策

減った要素

  • 報告セグメント区分変更に関する説明(前期のみ記載の経過措置文)
  • 「法人ビジネス領域の拡大」という柱名(「法人向けビジネスの拡大」に置換)

要約: 通期は文字数がやや減少(-7.4%)し、セグメント別の柱の名称を「法人ビジネス領域の拡大」→「法人向けビジネスの拡大」、「新たなビジネスモデルの事業化」→「グリーン・モビリティの事業化」に変更した。新サービス(当日配送、統合型物流拠点、ベトナム人ドライバー採用等)の説明が追加された一方、前期にあった報告セグメント区分変更の経過説明は削除され、粒度自体は同程度。

四半期決算短信の比較

文字数: 9,054字 → 9,059字(前期比+0.1%、ほぼ横ばい)

見出し構成の変化: 追加: (1)経営成績の概況/②法人向けビジネスの拡大/③「グリーン・モビリティ」の事業化/(2)財政状態の概況、削除: (1)経営成績の状況/②法人ビジネス領域の拡大/③新たなビジネスモデルの事業化/(2)財政状態の状況(「状況」→「概況」の表記統一は変化なし、②③は柱の名称変更)

粒度の判定: 細分化

セグメント情報注記: あり(2305字) → あり(2349字)

変化の型: 施策説明充実型、要因分析深化型

増えた要素

  • 統合型ビジネスソリューション拠点の具体的拠点数(当第1四半期開設の東京・滋賀・岡山を含む全国9拠点)
  • 「都市部近距離輸送」におけるAIを活用した配車一元管理の説明
  • 人材ポートフォリオ最適化・事業特性に応じた人事制度導入検討などの人事戦略の追加説明

減った要素

  • 「法人ビジネス領域の拡大」という柱名(「法人向けビジネスの拡大」に置換)
  • 「新たなビジネスモデルの事業化」という柱名(「グリーン・モビリティの事業化」に置換)

要約: 四半期は総文字数はほぼ横ばいだが、統合型物流拠点の具体的な拠点数(全国9拠点)やAI活用配車の説明など、前年同期になかった具体的な数値・施策が加わった。前年比言及やセグメント言及も増えており、粒度はやや細分化した。柱の名称は通期同様「グリーン・モビリティ」表記に統一された。

定性文の全文(前期・今期)

通期 2025年3月期

出典: ヤマトホールディングス 2025年3月期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2025年3月31日(推定)(https://www2.jpx.co.jp/disc/90640/140120250331505112.pdf)

1.経営成績の概況(1)経営成績の概況当連結会計年度における経済環境は、世界的なインフレ傾向に落ち着きが見られる中、国内においては、物価上昇に対する価格転嫁の動きが続くなど足元の景況感は改善傾向にあり、実質賃金の減少に歯止めがかかりつつあるものの、個人消費の低迷、人手不足の深刻化など、依然として本格的な景気回復が見通しづらい状況にあります。このような状況下、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」に基づき、宅急便ネットワークの強靭化による基盤領域の利益成長、ビジネスソリューションの提供を通じた法人ビジネス領域の拡大、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化およびグループ経営基盤の強化など「経済価値」を生み出すとともに、社会の持続可能性に向けた「環境価値」「社会価値」を創造する取組みを推進しています。当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。区分 前連結会計年度 当連結会計年度 増減 伸率(%)営 業 収 益 (百万円) 1,758,626 1,762,696 4,069 0.2営 業 利 益 (百万円) 40,059 14,206 △25,853 △64.5経 常 利 益 (百万円) 40,458 19,587 △20,871 △51.6親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) 37,626 37,937 311 0.8当連結会計年度の営業収益は1兆7,626億96百万円となり、前連結会計年度に比べ40億69百万円の増収となりました。これは、収益構成の変革に向けた取組みにより、投函サービスの収入は減少したものの、宅配便の収入が増加したことおよびM&Aの実施を含め法人ビジネスが拡大したことなどによるものです。営業費用は1兆7,484億90百万円となり、前連結会計年度に比べ299億23百万円増加しました。これは、外部環境の変化による時給単価の上昇やパートナー企業に対する委託単価の上昇が継続した中で、ラストマイル領域は経営資源の適正配置や「置き配」ニーズへの対応などにより生産性が向上したものの、輸送領域のオペレーション見直しおよび新たなビジネスモデルの事業化に向けた費用が先行して増加したことなどによるものです。この結果、当連結会計年度の営業利益は142億6百万円となり、前連結会計年度に比べ258億53百万円の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、バランスシート・マネジメントの強化に取り組む中で、投資有価証券売却益や固定資産売却益を計上したことなどにより379億37百万円となり、前連結会計年度に比べ3億11百万円の増益となりました。<ヤマトグループ全体としての取組み>

①宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大社会的インフラとしての宅急便ネットワークをより効率的かつ持続的な形に強靭化するため、引き続き、ネットワーク・オペレーションの構造改革を推進しています。業務量変動への柔軟な対応や拠点間輸送の効率化、荷待ち時間の短縮などを実現するため、小規模・多店舗展開してきたラストマイル集配拠点の集約・大型化やターミナル機能の再定義、デジタルテクノロジーを活用した作業指示の自動化や業務量に応じた経営資源の最適配置、バックオフィスの業務プロセス改革などに取り組んでいます。また、輸送サービスのラインアップ拡充や個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」を通じた顧客体験価値の向上、宅配便3商品の「カーボンニュートラル配送」などにより、お客様への提供価値を拡大するとともに、外部環境の変化を踏まえた届出運賃の年次での見直しおよび法人顧客との契約の見直しなど、適正な運賃・料金収受に向けた取組みを推進しています。当連結会計年度においては、引き続き「クロネコメンバーズ」会員のお客様からの指定に基づき、宅急便および宅急便コンパクトの「置き配」サービスを提供するなど、より多くのお客様に快適な受け取り体験を提供するとともに、再配達の削減、物流の効率化や温室効果ガス(GHG)排出量の削減に向けた取組みを推進しました。また、小さな荷物の配送ニーズに応えるため、専用資材の事前購入により全国一律420円で荷物が送れる「こねこ便420」の東京都での拡販を推進しました。

②法人ビジネス領域の拡大世界の政治・経済とサプライチェーンのブロック化や環境問題などのリスク要因が増大し、企業は対応を求められる中、ヤマトグループは変化を機会と捉え、サプライチェーン全体に拡がる法人顧客の経営課題の解決を目指すソリューションビジネスを成長領域と位置づけています。国内外の倉庫や貨物専用機(フレイター)を含めた輸配送ネットワーク、ロジスティクスや通関、不動産関連のノウハウといったグループ経営資源を活かした付加価値の高いソリューションを提供することで、利益成長を目指しています。コントラクト・ロジスティクス事業については、エクスプレス事業とのシナジーを重視し、宅配便を利用する法人顧客の課題解決や事業成長を支援するソリューションの提供を通じて、宅配便のさらなる利用拡大や提供価値に応じたプライシングの適正収受、新たなロジスティクス収入の獲得などの取組みを強化しています。グローバル事業については、サプライチェーンの変化を好機と捉え、これまで宅急便で培った国内の膨大な顧客基盤を活かしつつ、オートモーティブやハイテク、食品産業など、ヤマトグループが強みを発揮している領域のさらなる拡大に努めるとともに、日本、米国・メキシコ、中国、インド、東南アジアを中心に営業力の強化を進めています。また、フォワーディングの混載効率向上や越境ECへの提案強化、注力地域の内需拡大に伴う物流需要の取込みなどに取り組んでいます。なお、コントラクト・ロジスティクス事業とグローバル事業の拡大を加速させるため、自律的な成長施策に加え、M&Aや戦略的業務提携の検討も推進しています。当連結会計年度においては、株式会社ナカノ商会の発行済株式の87.74%を取得して連結子会社とし、コントラクト・ロジスティクス事業の拡大、エクスプレス事業とのシナジー創出、両社リソースの共同利用等のコストシナジー創出に向けたPMI(経営統合プロセス)を推進しています。

③新たなビジネスモデルの事業化持続可能な未来の実現に向けて、既存の経営資源を活用しつつ、パートナーとともに、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化を推進しています。モビリティ事業については、車両整備サービスを基盤に、ヤマトグループ内での環境投資や実証実験を通じて蓄積したEV、太陽光発電設備、エネルギーマネジメントなどのノウハウを活用し、車両を使用する事業者様の脱炭素化に向けた取組みを推進しています。当連結会計年度においては、温室効果ガス(GHG)削減計画の立案からEV・充電器の導入・運用支援、メンテナンス、エネルギーマネジメント、再生可能エネルギー由来電力の供給までワンストップで提供する「EVライフサイクルサービス」を開始しました。加えて、宅急便で培った法人顧客や物流事業者とのパートナーシップ、輸配送ネットワーク・オペレーション構築のノウハウを活かし、安定した輸送力の確保と環境に配慮した持続可能なサプライチェーンを構築するため、SustainableShared Transport株式会社が中心となり、荷主企業や物流事業者など多様なステークホルダーが参画できる共同輸配送のオープンプラットフォームを活用したサービスの提供を2025年2月より開始しました。また、安定的なスピード輸送の提供による新たな需要の獲得と流通拡大による地域経済の活性化、輸送サービス品質の維持・向上を図るため、成田、羽田、新千歳、北九州、那覇の各空港をつなぐ貨物専用機(フレイター)を運航しています。引き続き、生鮮品や機械類、アパレルなどスピード輸送を求めるお客様への拡販を推進するとともに、お客様のさらなるニーズに対応していきます。さらに、地域社会の多様なニーズに応えるため、荷物の発送・受取サービスに留まらない新たなサービス提供を目指す地域密着型店舗「ネコサポ」の展開や、IoT電球「HelloLight」を活用した「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」の拡販などに取り組むとともに、地域創生に向けた取組み強化を目的として資本・業務提携を実施した、ふるさと納税代行事業者とともに、地方自治体に向けた地域情報の発信や魅力的な返礼品の開発、寄附サイトの運営代行、管理システムの提供、返礼品の流通加工やラストマイル配送に至る一貫したソリューションの提供を通じて、ふるさと納税市場におけるシェア拡大を図るとともに、地域産品の流通や観光振興などに取り組んでいます。なお、従業員の健康リスクが高い傾向にある自動車運送事業者様における、健康管理や健康に起因する事故防止に向けた取組みを支援するため、医薬品卸売事業者と連携して「株式会社MY MEDICA(マイメディカ)」を設立し、2025年2月よりオンライン医療サービス「MY MEDICA」の提供を開始しました。

④グループ経営基盤の強化ヤマトグループは、持続的な企業価値向上を実現するための基盤として、引き続き、人事戦略、デジタル戦略を推進し、サステナブル経営およびコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。人事戦略については、事業構造改革と連動した人材の最適配置を優先課題として、組織・要員の適正化と評価・報酬制度の見直しに取り組んでいます。また、付加価値を創出する人材の育成に向けて、自主・自律的なキャリア形成を促進する人材マネジメント体系の整備・運用を推進しています。そして、多様な社員の働きやすさと働きがいを向上させるため、多様化する社員のライフプランに適合する福利厚生制度の構築や社員の健康管理・健康増進施策を推進するとともに、ダイバーシティの推進や人権デューデリジェンスの実施、女性活躍の推進に継続的に取り組んでいます。デジタル戦略については、DX推進体制を強化し、デジタル基盤を活用したお客様への提供価値の拡大や「仕分け作業」や「運び方」、「働き方」の変革、バックオフィスの業務プロセス改革など、事業と一体となったDX推進に取り組んでいます。サステナブル経営の強化については、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた2つのビジョン「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」に基づき、特定した重要課題(マテリアリティ)に対する取組みを強化しています。環境の領域については、「2050年温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ(自社排出)」および「2030年温室効果ガス(GHG)排出量48%削減(2021年3月期比)」の実現に向け、引き続き「EV23,500台の導入」「太陽光発電設備810基の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進するとともに、サプライチェーン(Scope3)における実質排出量の把握や削減目標の設定などに取り組んでいます。当連結会計年度においては、川崎市の脱炭素先行地域において、官民連携により再生可能エネルギー由来電力を地産地消で100%使用する営業所の稼働を開始しました。本営業所は、物流拠点に最適化したヤマト運輸独自のエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入しており、営業所内の電力使用量、太陽光発電設備での発電量、蓄電池の充放電量をリアルタイムで可視化・自動で調整し、効率的なエネルギーマネジメントを行うとともに、最大使用電力を制御することで、電力コストの低減を図っています。なお、2025年1月にヤマトエナジーマネジメント株式会社を設立しました。今後は同社が中心となり、ヤマトグループのみならず車両を使用する事業者様に対し、ヤマトグループの拠点や各地域の発電事業者が発電した再生可能エネルギー由来電力などを提供することで、物流の脱炭素化を推進し、企業と社会の発展に取り組んでいきます。社会の領域については、引き続き、人命の尊重を最優先とし、社員やパートナーの安全・健康に対する取組みを強化するとともに、多様な社員が活躍できる職場環境に向けた整備を進めています。そして、社会の諸課題に向き合い、ビジネスパートナーとの定期的な協議の実施や、課題の早期発見と解消のための体制・プロセス・仕組みの整備など、適切な関係に基づくサステナブル・サプライチェーンの構築を推進しています。コーポレート・ガバナンスの強化については、引き続き、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持・強化などに取り組むとともに、株主・投資家との建設的な対話や情報開示の充実を通じて、持続的な企業価値向上に努めています。<セグメント別の概況>当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えて分析しています。○エクスプレス事業

① エクスプレス事業は、個人および法人のお客様に対し、宅急便を中心とした国内輸配送サービスを提供しており、サービスラインアップの拡充や個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」を通じた顧客体験価値の向上、宅配便3商品の「カーボンニュートラル配送」などにより、お客様への提供価値を拡大するとともに、外部環境の変化を踏まえた届出運賃の年次での見直しおよび法人顧客との契約の見直しなど、適正な運賃・料金収受を推進しています。また、EC化の進展や少子高齢化・過疎化の進展、労働力不足や気候変動のさらなる深刻化を踏まえ、社会的インフラとしての宅急便ネットワークをより効率的かつ持続的な形に強靭化するため、ネットワーク・オペレーションの構造改革を推進しています。

② 当連結会計年度においては、引き続き、外部環境の変化によるコスト上昇を踏まえ、届出運賃・料金を改定した上で、基盤である宅急便部門における小口法人・個人のお客様に対する営業強化および法人部門における大口法人のお客様の課題解決や事業成長を支援するソリューション提供を見据えた新規取引の拡大、既存のお客様に対する提供価値に応じた適正な運賃・料金収受の取組みを推進しました。また、「クロネコメンバーズ」会員のお客様からの指定に基づく、宅急便および宅急便コンパクトの「置き配」サービスの提供など、より多くのお客様に快適な受け取り体験を提供するとともに、再配達の削減、物流の効率化や温室効果ガス(GHG)排出量の削減に向けた取組みを推進しました。加えて、小さな荷物の配送ニーズに応えるため、専用資材の事前購入により全国一律420円で荷物が送れる「こねこ便420」の東京都での拡販を推進しました。ネットワーク・オペレーションの構造改革については、業務量変動への柔軟な対応や拠点間輸送の効率化、荷待ち時間の短縮などを実現するため、小規模・多店舗展開してきたラストマイル集配拠点の集約・大型化やターミナル機能の再定義、デジタルテクノロジーを活用した作業指示の自動化や業務量に応じた経営資源の最適配置、バックオフィスの業務プロセス改革などの取組みを推進しました。

③ 外部顧客への営業収益は、収益構成の変革に向けた取組みにより宅配便の収入が増加したものの、投函サービスの収入減少などにより1兆5,347億10百万円となり、前連結会計年度に比べ0.9%減少しました。営業費用は、ラストマイル領域は経営資源の適正配置や「置き配」ニーズへの対応などにより生産性が向上したものの、輸送領域のオペレーション見直しおよび新たなビジネスモデルの事業化に向けた費用が先行して増加したことなどにより前連結会計年度に比べ86億93百万円増加した結果、営業損失は128億99百万円となりました。○コントラクト・ロジスティクス事業

① コントラクト・ロジスティクス事業は、宅配便を利用する法人顧客の課題解決や事業成長を支援するソリューションを提供しています。エクスプレス事業とのシナジーを重視し、宅配便のさらなる利用拡大や提供価値に応じた適正な運賃・料金収受、新たなロジスティクス収入の獲得などに取り組んでいます。

② 当連結会計年度においては、引き続き、セールスドライバーがお客様との接点から得る気づきなどの情報を活用し、各地域に配置した法人営業担当者が最適な提案を行えるよう営業体制の強化を図るとともに、より付加価値の高いサプライチェーンソリューションの提案やオペレーションの品質・生産性改善を加速させるため、地域特性を踏まえた組織・人材の適正化などに取り組みました。また、株式会社ナカノ商会の発行済株式の87.74%を取得して連結子会社とし、コントラクト・ロジスティクス事業の拡大、エクスプレス事業とのシナジー創出、両社リソースの共同利用等のコストシナジー創出などに向けたPMI(経営統合プロセス)を推進しています。

③ 外部顧客への営業収益は、前連結会計年度の新型コロナウイルスワクチンや大型リコール案件に関するロジスティクスの反動減が影響したものの、株式会社ナカノ商会の連結子会社化などにより970億74百万円となり、前連結会計年度に比べ9.0%増加しました。営業利益は、オペレーションの効率化を進めたものの営業収益の減少を補うには至らず55億82百万円となり、前連結会計年度に比べ41億20百万円減少しました。○グローバル事業

① グローバル事業は、日本国内および海外事業会社が連携し、国際フォワーディングや国際エクスプレス、海外現地におけるコントラクト・ロジスティクス等を組み合わせ、法人顧客のグローバルサプライチェーン全体を最適化するソリューションを提供しています。サプライチェーンの変化を好機と捉え、これまで宅急便で培った国内の膨大な顧客基盤を活かしつつ、オートモーティブやハイテク、食品産業などヤマトグループが強みを発揮している領域のさらなる拡大に努めるとともに、日本、米国・メキシコ、中国、インド、東南アジアを中心に営業力の強化を進めています。

② 当連結会計年度においては、引き続き、フォワーディングの混載効率向上や、拡大する越境ECへの提案強化、注力地域の内需拡大に伴う物流需要の取込みなどを推進しました。また、地政学的リスクおよび機会を踏まえ、東南アジア-欧州間におけるトラックと鉄道による国際複合一貫輸送サービスや、米国とメキシコとの国境における通関手続きを必要としない「空港間保税転送」を活用した、迅速で定時性の高い越境トラック輸送サービスを提供するなど、グローバルサプライチェーンの強靭化に取り組みました。

③ 外部顧客への営業収益は、越境ECの取扱数量の増加などにより859億50百万円となり、前連結会計年度に比べ16.1%増加しました。営業利益は、越境ECの取扱数量増加による営業収益の拡大に加え、国際フォワーディングの混載効率向上などにより90億27百万円となり、前連結会計年度に比べ23億64百万円増加しました。(参考)区分 前連結会計年度 当連結会計年度 増減 伸率(%)宅急便・宅急便コンパクト・EAZY (百万個) 1,886 1,961 75 4.0ネ コ ポ ス ・ ク ロ ネ コ ゆ う パ ケ ッ ト (百万個) 409 391 △18 △4.5ク ロ ネ コ ゆ う メ ー ル (百万冊) 626 110 △516 △82.4クロネコゆうメールの前連結会計年度の実績は、クロネコDM便の実績を含みます。○モビリティ事業

① モビリティ事業は、運送事業者様の安全運行と車両稼働時間の拡大に資する、稼働を止めない車両整備サービスを提供しています。また、これまでヤマトグループ内での環境投資や実証実験を通じて蓄積したEV、太陽光発電設備、エネルギーマネジメントなどのノウハウを活用し、車両を使用する事業者様の脱炭素化に向けて、温室効果ガス(GHG)削減計画の立案からEV・充電器の導入・運用支援、メンテナンス、エネルギーマネジメント、再生可能エネルギー由来電力の供給を、事業者様がワンストップで利用できる「EVライフサイクルサービス」の拡販を推進しています。

② 当連結会計年度においては、作業効率と社員の働きやすさを追求した車両整備工場の稼働など、需要の多い地域においてさらなるネットワーク強化を図るとともに、車両整備サービスの拡販と適正単価の収受に取り組みました。また「EVライフサイクルサービス」のファーストユーザーとして、医薬品卸売業の事業者様への提供を開始しました。

③ 外部顧客への営業収益は、契約車両台数の増加に加え、適正単価の収受などにより205億5百万円となり、前連結会計年度に比べ1.7%増加しました。営業利益は、車両の整備や回送における委託費の増加などにより37億81百万円となり、前連結会計年度に比べ3億51百万円減少しました。○その他

① ヤマトグループが保有するITやコールセンター、金融サービスなどの機能は、お客様のサプライチェーン全体に対する提供価値拡大に向けた取組みを支えています。当連結会計年度においては、引き続き、お客様の業務効率化とエンドユーザーの利便性向上に資するITサービスの提供などを推進しました。

② 外部顧客への営業収益は244億55百万円となり、前連結会計年度に比べ22億79百万円減少しました。また、営業利益は82億円となり、前連結会計年度に比べ77百万円増加しました。<その他の取組み>

① ヤマトグループは、人命の尊重を最優先とし、安全に対する様々な取組みを実施しており、輸送を主な事業とするグループ各社を中心に、安全管理規程の策定および管理体制の構築、年度計画の策定など、運輸安全マネジメントに取り組んでいます。当連結会計年度においては、引き続き「こども交通安全教室」を幼稚園・小学校などで開催するとともに、グループ全体での「交通事故ゼロ運動」や全国のドライバーが安全運転の技能や知識を競い合う「全国安全大会」を開催するなど、安全意識の向上を図る取組みを推進しました。

② ヤマトグループは、豊かな地域づくりがヤマトグループの成長と発展の基盤であると考え、地域社会の健全で持続的な発展とそこに暮らす人々の質の高い生活の確保を目指し、企業市民活動に取り組んでいます。環境の領域では、全国にネットワークを有する企業グループとして、地域の豊かな自然を将来に繋げていくため、次世代を担う子どもたちへの環境教育をサポートする「クロネコヤマト環境教室」を、2005年から全国で3,000回以上開催しており、累計参加人数は約26万人となりました。また、地域コミュニティの領域では、お客様や地域の皆様に対する感謝の気持ちを込めて、年齢や地域の枠を超えたすべての皆様へ本物の音楽をお届けすることを目的とした音楽宅急便「クロネコ ファミリーコンサート」を、1986年から全国で361回開催しており、累計参加人数は約59万人となりました。

③ ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、公益財団法人ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パン製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。

(2)財政状態の概況総資産は1兆2,674億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ856億46百万円増加しました。これは主に、株式会社ナカノ商会の株式を取得したことにより顧客関連資産が258億27百万円、のれんが158億27百万円および有形固定資産が129億39百万円増加したことによるものです。負債は6,670億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ772億76百万円増加しました。これは主に、借入金が695億83百万円増加したことによるものです。純資産は6,003億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ83億69百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が379億37百万円となったことおよび退職給付会計における割引率の見直しなどにより退職給付に係る調整額が172億79百万円増加した一方で、剰余金の配当を157億97百万円実施したことに加え、自己株式を310億86百万円取得したことによるものです。以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の49.6%から46.5%となりました。

(3)キャッシュ・フローの概況営業活動によるキャッシュ・フローは477億32百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が166億1百万円減少しました。これは主に、未払費用の増減額が124億75百万円、未払消費税等の増減額が87億50百万円減少したこと、および売上債権の増減額が73億21百万円増加した一方で、法人税等の支払額が174億38百万円減少したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは443億56百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が219億21百万円増加しました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が353億7百万円あった一方で、投資有価証券の売却による収入が125億29百万円増加したことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは94億21百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収支が401億99百万円増加しました。これは主に、借入れによる収入が418億63百万円増加したことおよび自己株式の取得による支出が189億28百万円減少した一方で、社債の発行による収入が199億28百万円減少したことによるものです。以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,080億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ133億54百万円増加しました。

(4)今後の見通しヤマトグループを取り巻く事業環境は、不安定な国際情勢や金融市場の変動などにより、依然として先行き不透明な状況が続いています。また、物価上昇の影響や自動車運転業務における時間外労働の上限規制の適用(2024年問題)など、外部環境の変化に伴うコスト上昇が継続すると見込まれます。さらに、中長期的には、EC化のさらなる進展や地政学リスクの増大、少子高齢化・過疎化の進展、労働力不足や気候変動の深刻化などを想定しています。このような中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」を2030年の目指す姿として定めました。そして、2027年3月期を最終年度として策定した中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を「宅急便ネットワークの強靭化と事業ポートフォリオを変革する3年間」と位置づけ、宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大、サプライチェーン全体に拡がるソリューションの提供を通じた法人ビジネス領域の拡大、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化、グループ経営基盤の強化などに取り組み、「経済価値」を生み出すとともに、社会の持続可能性への取組みによる「環境価値」「社会価値」を創造していきます。2026年3月期につきましては、基盤領域である宅急便ビジネスにおいては、収益構成の変革と付加価値に応じた適正なプライシング収受に注力し、法人ビジネスにおいては、法人向け輸配送ネットワークおよびオペレーションノウハウを生かした顧客への案件提案と獲得につなげることで、営業収益を再び成長軌道に乗せていきます。また、拠点戦略を通じて宅急便ネットワークをより効率的・持続的な形に強靭化を図るとともに、顧客ニーズに対応し、輸送・積載効率を高め、固定費抑制と業務量に応じた変動費管理によりオペレーティングコストの適正化を図ることで、さらなる利益成長につなげていきます。通期の連結業績予想は、営業収益1兆8,800億円、営業利益400億円、経常利益400億円、親会社株主に帰属する当期純利益240億円を見込んでいます。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題ヤマトグループを取り巻く事業環境は、不安定な国際情勢や金融市場の変動などにより、依然として先行き不透明な状況が続いています。また、物価上昇の影響や自動車運転業務における時間外労働の上限規制の適用(2024年問題)など、外部環境の変化に伴うコスト上昇が継続すると見込まれます。さらに、中長期的には、EC化のさらなる進展や地政学リスクの増大、少子高齢化・過疎化の進展、労働力不足や気候変動の深刻化などを想定しています。このような中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」を2030年の目指す姿として定めました。そして、2027年3月期を最終年度として策定した中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を「宅急便ネットワークの強靭化と事業ポートフォリオを変革する3年間」と位置づけ、以下①~⑤の取組みを推進していきます。

① 宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大宅配便市場は、ECの成長とともに拡大傾向にあるものの、基盤領域である個人および小口法人の市場は、人口減少や個人消費の低迷に伴う影響を受けています。また、EC化の進展と人口動態の変化に伴い、ラストマイル領域における集荷と配達の業務量や輸送領域における都市部・地方部間の荷物の流動量が変化しており、宅急便ネットワークの収益性は低下傾向にあります。これらの状況を踏まえ、基盤領域である宅急便ビジネスを安定的に利益を確保できる事業構造に転換させるため、収益構成の変革に取り組み、付加価値に応じたプライシング適正化を進めていきます。また、セールスドライバーがお客様に向き合い、より良いサービスの提供に専念できる環境を整備する「営業所改革」を柱に、お客様のニーズを捉えた商品・サービスの開発、地域の市場性に基づく集配拠点の再配置と荷物の発送・受取に留まらないサービスを提供する地域密着型店舗「ネコサポ」の展開などを迅速に進めていきます。加えて、地域創生に向けた取組み強化を目的として資本・業務提携を実施した、ふるさと納税代行事業者とともに、地方自治体に向けた一貫したソリューションの提供を通じて、ふるさと納税市場におけるシェア拡大を図るとともに、地域産品の流通や観光振興などに、引き続き取り組んでいきます。輸送領域においては、社会的インフラとしての宅急便ネットワークをより効率的かつ持続的な形に強靭化し、顧客ニーズに対応しつつ、輸送・積載効率を高め、固定費の抑制および業務量に応じた変動費のコントロールを実現するため、荷物の流動量の変化に即したターミナル間およびターミナル・集配拠点間の運び方見直し、仕分け作業を担う働き手の適正配置などに取り組んでいきます。

② 法人ビジネス領域の拡大世界の政治・経済とサプライチェーンのブロック化や環境問題などのリスク要因が増大し、企業が対応を求められる中、ヤマトグループは変化を機会と捉え、サプライチェーン全体に拡がるお客様の経営課題の解決を目指すソリューションビジネスを成長領域と位置付けています。国内外の倉庫や貨物専用機(フレイター)を含めた輸配送ネットワーク、ロジスティクスや通関、不動産関連のノウハウなどのグループ経営資源を活かした付加価値の高いソリューションを法人のお客様に提供することで、利益成長を加速させていきます。エクスプレス事業の法人部門においては、大口法人のお客様の多様な輸送ニーズに応えるとともに、収益・顧客構成の変革と付加価値に応じた適正なプライシング収受に注力していきます。また、コントラクト・ロジスティクス事業を中心として、連結子会社化した株式会社ナカノ商会とのシナジー創出に取り組んでいきます。グローバル事業においては、不安定な国際情勢により生じるサプライチェーンの変化を好機と捉え、国際フォワーディング、国際エクスプレス、海外コントラクト・ロジスティクスを柱に、オートモーティブやハイテク、食品産業など、ヤマトグループが強みを発揮している領域のさらなる拡大に努めるとともに、日本、米国・メキシコ、中国、インド、東南アジアを中心に営業力を強化します。注力市場を絞り込むことでフォワーディングの混載効率を向上させることや、越境ECへの提案強化、注力する地域における消費財などの内需拡大に伴う物流需要の取込みなど、M&Aも活用しながら推進するとともに、国内の法人部門やコントラクト・ロジスティクス事業との連携によるお客様のビジネス成長の支援に取り組んでいきます。

③ 新たなビジネスモデルの事業化持続可能な未来の実現に向けて、既存の経営資源を活用しつつ、多様なパートナーとともに、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化を推進します。モビリティ事業においては、車両整備サービスを基盤に、ヤマトグループ内での環境投資や実証実験を通じて蓄積したEV、太陽光発電設備、エネルギーマネジメントなどのノウハウを活用したサービスを提供することで、物流の脱炭素化を推進し、企業と社会の発展に取り組みます。具体的には、温室効果ガス(GHG)削減計画の立案からEV・充電器の導入・運用支援、メンテナンス、エネルギーマネジメント、再生可能エネルギー由来電力の供給までワンストップで提供する「EVライフサイクルサービス」の拡販や、ヤマトエナジーマネジメント株式会社が中心となり、ヤマトグループのみならず車両を使用する事業者様に対し、ヤマトグループの拠点や各地域の発電事業者が発電した再生可能エネルギー由来電力の提供などを推進していきます。また、宅急便で培った法人顧客や物流事業者とのパートナーシップ、輸配送ネットワーク・オペレーション構築のノウハウを活かし、安定した輸送力の確保と環境に配慮した持続可能なサプライチェーンを構築するため、Sustainable Shared Transport株式会社が中心となり、荷主企業や物流事業者など多様なステークホルダーが参画できる共同輸配送のオープンプラットフォームを活用したサービスの拡販を推進していきます。なお、2025年2月に提供を開始したオンライン医療サービス「MY MEDICA(マイメディカ)」を通じて、従業員の健康リスクが高い傾向にある自動車運送事業者様における、健康管理や健康に起因する事故防止に向けた取組みを支援していきます。

④ グループ経営基盤の強化持続的な企業価値向上を実現するための基盤として、引き続き、人事戦略、デジタル戦略、環境・社会戦略を推進し、サステナブル経営およびコーポレート・ガバナンスの強化などに取り組みます。人事戦略については、事業構造改革と連動した人材の最適配置を優先課題として、組織・要員の適正化と評価・報酬制度の見直しに取り組みます。また、付加価値を創出する人材の育成に向けて、自主・自律的なキャリア形成を促進する職務を起点とした人材マネジメント体系の整備・運用を推進します。そして、多様な社員の働きやすさと働きがいの向上に向けて、多様化する社員のライフプランに適合する福利厚生制度の構築や社員の健康管理・健康増進施策を推進するとともに、ダイバーシティの推進や人権デューデリジェンスの実施、女性活躍の推進に継続的に取り組みます。これらの取組みを通じて、社員一人ひとりの活躍と貢献を最大化し、より高い付加価値の創出を目指していきます。デジタル戦略については、宅急便で蓄積したビッグデータを活用した商品開発、プライシング最適化、将来予測のモデル化・精緻化によるコスト抑制などを主軸としたデータドリブン経営を推進していきます。また、DX推進体制を強化し、「オペレーション」や「働き方」の変革、バックオフィスの業務プロセス改革を加速し、新たなビジネス創出も視野に入れた事業と一体となったDXを推進していきます。環境・社会戦略については、「2050年温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ(自社排出)」および「2030年温室効果ガス(GHG)排出量48%削減(2021年3月期比)」の実現に向け、引き続き「EV23,500台の導入」「太陽光発電設備810基の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進するとともに、サプライチェーン(Scope3)排出量の把握方法の策定などに取り組みます。また、社会の諸課題に向き合い、ビジネスパートナーとの定期的な協議の実施や課題の早期発見と解消のための体制・プロセス・仕組みの整備など、適切な関係構築を通じたサステナブル・サプライチェーンの構築を推進していきます。コーポレート・ガバナンスの強化については、引き続き、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持・強化などに取り組むとともに、経営管理の高度化を推進し、株主・投資家との建設的な対話や情報開示の充実を通じて、持続的な企業価値向上に努めていきます。

⑤ 資本効率をより重視した経営の浸透上記の①~④を推進することに加え、資本効率をより重視した経営の浸透を図り、資本コストを上回る資本収益性の実現に取り組むため、営業利益率およびROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)を経営指標として設定しています。事業の収益性向上および利益成長の加速に加えて、バランスシート・マネジメントの強化とキャッシュ・フローの最適化に取り組むことで、資本効率の改善を図り、EPS(1株当たり当期純利益)および株主価値向上の基盤を構築していきます。本中期経営計画期間においては、オペレーションの効率化に資する拠点戦略やDX推進などへの成長投資を実施するとともに、お客様に対する環境負荷の少ない物流サービスの提供とオペレーションのエネルギー効率向上の両立を通じた低炭素社会の実現に向けて、EVや太陽光発電設備等への環境投資も実施します。なお、成長領域であるコントラクト・ロジスティクス事業およびグローバル事業では、自律的な成長施策に加え、M&Aや戦略的業務提携も活用していきます。上記計画を財務面から支えるため、バランスシート・マネジメントの強化に取り組み、固定資産の流動化等を適宜検討するとともに、キャッシュの創出状況、保有現預金や自己資本比率等の状況、グループ資金の有効活用など、財務の健全性と効率性を意識しながら、必要に応じて金融機関からの借入および社債の発行を通じた資金調達を実施していきます。財務の健全性の観点から自己資本比率は45~50%程度、D/Eレシオ(負債資本倍率)は0.3~0.5倍程度を目安とします。株主還元については、親会社株主に帰属する当期純利益を基準とする配当性向40%以上、総還元性向50%以上を目標とし、自己株式の取得については、成長投資の進捗状況、キャッシュ・フローの動向、株価等の観点を踏まえ、柔軟に検討していきます。

通期 2026年3月期

出典: ヤマトホールディングス 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2026年3月24日(推定)

1.経営成績等の概況(1)経営成績の概況当連結会計年度における経済環境は、物価上昇の見通しが強まる中での実質賃金減少の継続などにより、個人消費の停滞感が根強く残りました。また、深刻化する人手不足や、年度末にかけての中東情勢の緊迫化を背景としたエネルギー・原材料価格の高騰など、依然として厳しい事業環境が続いており、先行きは見通しづらい状況にあります。このような状況の中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」に基づき、宅急便ネットワークの強靭化による基盤領域の利益成長、ビジネスソリューションの提供を通じた法人向けビジネスの拡大、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化およびグループ経営基盤の強化など、「経済価値」を生み出すとともに、持続可能な社会に向けた「環境価値」「社会価値」を創造する取組みを推進しています。当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。区分 前連結会計年度 当連結会計年度 増減 伸率(%)営 業 収 益 (百万円) 1,762,696 1,865,675 102,979 5.8営 業 利 益 (百万円) 14,206 28,304 14,098 99.2経 常 利 益 (百万円) 19,587 26,258 6,670 34.1親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) 37,937 13,662 △24,275 △64.0当連結会計年度の営業収益は1兆8,656億75百万円となり、前連結会計年度に比べ1,029億79百万円の増収となりました。これは、宅急便部門が向き合う小口法人・個人のお客様からの宅急便取扱数量の拡大、法人部門が向き合う大口法人のお客様に対するプライシングの適正化、および法人向けビジネスの拡大など、収益構成の変革に向けた取組みが進展したことによるものです。営業費用は1兆8,373億70百万円となり、前連結会計年度に比べ888億80百万円増加しました。これは、宅急便ネットワークの強靭化に向けた社員やパートナーの待遇向上など人的資本への投資や集配拠点の再配置などネットワーク投資の実行、調達単価の上昇などによるものです。一方で、輸送領域のオペレーションの見直しに取り組み、コストコントロールに注力しました。この結果、当連結会計年度の営業利益は283億4百万円となり、前連結会計年度に比べ140億98百万円の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度においても資本効率の向上に向けた資産の流動化や政策保有株式の売却を継続して進めたものの、前連結会計年度に本社ビル等の大型のセール・アンド・リースバックに伴う特別利益を計上した反動などにより136億62百万円となり、前連結会計年度に比べ242億75百万円の減益となりました。<ヤマトグループ全体としての取組み>

①宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大基盤領域である宅急便ビジネスを安定的に利益確保できる事業構造に転換させるため、付加価値に応じたプライシングの適正化を進めています。また、セールスドライバーがお客様に向き合い、より良いサービス提供に専念できる環境整備に注力するとともに、お客様のニーズを捉えた商品・サービスの開発、地域の市場性に基づく集配拠点の再配置、宅急便の発送・受け取りにとどまらないサービスを提供する地域密着型店舗「ネコサポ」の展開を進めています。2025年10月より宅急便の届出運賃を改定するとともに、同年11月には、午前中にお預かりした荷物を当日中にお届けする「宅急便当日配送サービス」の提供開始と、同一都道府県内運賃を新設しました。加えて、宅急便ネットワークの強靭化に資する輸送の効率化も進めています。お客様のニーズや輸送パートナーの適切な働き方に対応しつつ、輸送・積載効率を高め、オペレーティングコストを適正化するため、長距離区間は、中継拠点を定め、リレー方式でつなぐ輸送方法への切り替えや、貨物専用機の活用を含めたモーダルシフトの推進など、これまでの運び方を見直すとともに、ターミナルにおいては仕分け作業を担う人材の適正配置などに取り組んでいます。

②法人向けビジネスの拡大輸配送ネットワークに、倉庫オペレーションや国際フォワーディングなどの付加価値を組み合わせ、お客様のビジネス拡大を支援することで、ヤマトグループの利益成長を目指しています。法人のお客様の物流全般や経営課題の解決に取り組むコントラクト・ロジスティクス事業では、企業間物流における在庫・配送拠点やEC事業者様の総合物流センターの運営など、提供価値を拡大しています。2025年10月には、ヤマトグループの輸送ターミナルと高付加価値機能を持つロジスティクスセンターを融合した統合型ビジネスソリューション拠点を、福島県郡山市に開設しました。同様の拠点を需要地に展開し、お客様や地域に新たな価値を提供していきます。また、グローバル事業が提供する国際輸送と海外コントラクト・ロジスティクスも組み合わせることで、お客様のサプライチェーン全体に対する価値提供を進めています。北米、中国、そして東南アジアを中心に営業力を強化し、国際フォワーディングの効率向上、越境EC事業者様への提案強化、内需拡大に伴う物流需要の取込みなどを、M&Aや戦略的業務提携も検討しながら推進しています。

③「グリーン・モビリティ」の事業化ヤマトグループは、中長期的な輸送力不足の深刻化や気候変動への対応など、環境・社会課題に向き合い、ビジネスパートナーとともに課題解決に積極的に取り組むことで、温室効果ガス排出量の削減や、持続可能で効率的な物流システムの構築、社員の健康管理などの知見とノウハウを蓄積してきました。それらを「グリーン・モビリティ」のビジネスモデルとして磨き上げ、サプライチェーンの持続可能性を高めるソリューションとしてお客様に提供することで、ヤマトグループの新たな成長につなげていきます。「クルマ」および「エネルギー」の観点では、車両整備サービスに加え、EVの調達や効率的な活用ノウハウ、再生可能エネルギー由来電力の供給、ヤマトグループで開発したエネルギーマネジメントシステムなどをパッケージ化した「EVライフサイクルサービス」の提供により、車両を使用する法人のお客様の環境対応ニーズに応えています。また、「ヒト」の観点では、オンライン医療サービス「MY MEDICA」の提供を通じて、健康リスクが高い傾向にある、運送事業者様の従業員の健康管理や、健康に起因する事故防止に向けた取組みを支援しています。2025年7月には、運輸・交通関係者の安全と健康を支援する特定非営利活動法人とパートナーシップ契約を締結し、共同セミナーの開催や、システム連携を通じたトラック運送事業者様の健康起因事故削減を推進しています。さらに、Sustainable Shared Transport株式会社が中心となり、幹線輸送を基盤にシステム上であらゆる荷主企業様と物流事業者をマッチングするオープンプラットフォームを活用した共同輸配送サービスの提供を通じて、業界の垣根を越えた物流の効率化に取り組んでいます。2025年8月には全国約1,600社の地域物流事業者が加盟する協同組合連合会と連携協定を締結し、全国各地をつなぐ物流ネットワークの拡充や共同輸配送の利用促進を推進しています。

④グループ経営基盤の強化ヤマトグループは、持続的な企業価値向上を実現するための基盤として、引き続き、人事戦略、デジタル戦略を推進するとともに、サステナブル経営およびコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。人事戦略については、持続的な成長に向けて、引き続きセールスドライバーをはじめとした社員の待遇のさらなる向上や、働く環境の整備に向けた投資を推進しています。ヤマト運輸株式会社では、2025年6月より熱中症対策の一環として「ファン付きベスト」の導入拡大および全国の事業所にWBGT(暑さ指数)を測定する機器の設置を推進するとともに、熱中症リスクを感知する「ウェアラブルデバイス」を試験導入しました。また、お客様に向き合う第一線の組織と人材をこれまで以上に強化するため、間接部門の業務効率化と組織のスリム化を図りながら、宅急便の営業所や法人営業支店などへの人材配置を進めるとともに、リーダー人材の育成に注力しています。そして、社員の働きがい向上のため、営業職や企画職などを対象に、パフォーマンスに応じて報酬を決定する制度改正を進めています。また、日本の物流業界における大型トラックドライバーの高齢化を踏まえ、持続可能な物流の実現に向けて、特定技能制度を活用したベトナム人大型トラックドライバーの採用・育成プラットフォームを構築する取組みを、パートナーと連携して開始しました。デジタル戦略については、DX推進体制を強化し、デジタル基盤を活用したお客様への提供価値の拡大や「仕分け作業」や「運び方」、「働き方」の変革、バックオフィスの業務プロセス改革など、事業と一体となったDX推進に取り組んでいます。ヤマト運輸株式会社では、大型マンションでの自動配送ロボットを活用したラストマイルモデル構築に向けた実証実験を開始しました。マンション規模の拡大に伴い居住者の荷物受け取りに対するニーズが多様化する中で、新たな運び方の運用および効果を検証しています。また、生成AIをはじめとした進化するテクノロジーを有効活用し、バックオフィスや管理部門の業務効率化、およびお客様へのさらなる付加価値創出を図るため、各組織でAI活用推進の中心となる人材を育成する研修を実施しています。サステナブル経営の強化については、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた2つのビジョン「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」に基づき、特定した重要課題(マテリアリティ)に対して引き続き取組みを強化しています。環境の領域については、「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ(自社排出)」および「2030年温室効果ガス排出量48%削減(2021年3月期比)」の実現に向け、引き続き「EVの導入」「太陽光発電設備の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進するとともに、サプライチェーンにおける実質排出量(Scope3)の把握や削減目標の設定などに取り組んでいます。社会の領域については、引き続き、人命の尊重を最優先とし、社員やパートナーの安全・健康に対する取組みを強化するとともに、多様な社員が活躍できる職場環境に向けた整備を進めています。そして、社会の諸課題に向き合い、ビジネスパートナーとの定期的な協議の実施や、課題の早期発見と解消のための体制・プロセス・仕組みの整備など、適切な関係に基づくサステナブル・サプライチェーンの構築を推進しています。コーポレート・ガバナンスの強化については、引き続き、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持・強化などに取り組むとともに、株主・投資家との建設的な対話や情報開示の充実を通じて、持続的な企業価値向上に努めています。<セグメント別の概況>○エクスプレス事業

① エクスプレス事業は、個人および法人のお客様に対し、宅急便を中心とした国内輸配送サービスを提供しており、宅急便部門が向き合う小口法人・個人のお客様からの宅急便取扱数量の拡大、法人部門が向き合う大口法人のお客様を中心とした付加価値に応じたプライシングの適正化を進めています。また、セールスドライバーがお客様に向き合い、より良いサービス提供に専念できる環境整備に注力するとともに、お客様のニーズを捉えた商品・サービスの開発、地域の市場性に基づく集配拠点の再配置、宅急便の発送・受け取りにとどまらないサービスを提供する地域密着型店舗「ネコサポ」の展開を進めています。また、宅急便ネットワークの強靭化に資する輸送の効率化も進めています。

② 当連結会計年度においては、引き続き、外部環境の変化によるコスト上昇を踏まえ、宅急便部門における小口法人・個人のお客様に対する営業強化および法人部門における大口法人のお客様の多様な輸送ニーズへの対応や、付加価値に応じたプライシング適正化の取組みを推進しました。具体的には、2025年10月より宅急便の届出運賃を改定するとともに、同年11月には、午前中にお預かりした荷物を当日中にお届けする「宅急便当日配送サービス」の提供開始と、同一都道府県内運賃を新設しました。また、EC事業者様との連携による「置き配」サービスの提供拡大など、より多くのお客様に快適な受け取り体験を提供し、再配達の削減、物流の効率化や温室効果ガス排出量の削減にも資する取組みを推進しました。加えて、小さな荷物の配送ニーズに応えるため、専用資材の事前購入により全国一律料金で荷物が送れる「こねこ便420」について、沖縄県を除く全国で拡販を推進しました。宅急便ネットワークの強靭化については、お客様のニーズや輸送パートナーの適切な働き方に対応しつつ、輸送・積載効率を高め、オペレーティングコストを適正化するため、長距離区間は、中継拠点を定め、リレー方式でつなぐ輸送方法への切り替えや、貨物専用機の活用を含めたモーダルシフトの推進など、これまでの運び方を見直すとともに、仕分け作業を担う人材の適正配置などの取組みを推進しました。

③ 外部顧客への営業収益は、宅急便部門が向き合う小口法人・個人のお客様からの宅急便取扱数量の拡大、および法人部門が向き合う大口法人のお客様に対するプライシングの適正化が進展したことなどにより1兆5,579億78百万円となり、前連結会計年度に比べ1.5%増加しました。営業利益は22億99百万円となり、前連結会計年度に比べ151億98百万円増加しました。○コントラクト・ロジスティクス事業

① コントラクト・ロジスティクス事業は、輸配送ネットワークに倉庫オペレーションなどの付加価値を組み合わせ、法人のお客様の課題解決や事業成長を支援するソリューションを提供しています。

② 当連結会計年度においては、連結子会社化した株式会社ナカノ商会のノウハウも活用し、企業間の在庫・配送拠点やEC事業者様の総合物流センターの運営など、より付加価値の高いサプライチェーンソリューションの提案や、オペレーションの品質・生産性改善などに取り組みました。また、2025年10月には、ヤマトグループの輸送ターミナルと高付加価値機能を持つロジスティクスセンターを融合した統合型ビジネスソリューション拠点を、福島県郡山市に開設しました。

③ 外部顧客への営業収益は、新規案件の獲得が進展したこと、および株式会社ナカノ商会の連結子会社化などにより1,646億2百万円となり、前連結会計年度に比べ69.6%増加しました。営業利益は62億17百万円となり、前連結会計年度に比べ6億34百万円増加しました。○グローバル事業

① グローバル事業は、日本国内および海外事業会社が連携し、国際フォワーディングや国際エクスプレス、海外現地におけるコントラクト・ロジスティクス等を組み合わせ、法人のお客様のグローバルサプライチェーン全体を最適化するソリューションを提供しています。サプライチェーンの変化を好機と捉え、これまで宅急便で培った国内の膨大な顧客基盤を活かしつつ、オートモーティブやハイテク、食品産業などヤマトグループが強みを発揮している領域のさらなる拡大に努めるとともに、日本、北米、中国、東南アジアを中心に営業力の強化を進めています。

② 当連結会計年度においては、国内事業会社および各国に展開するグループ現地法人がこれまで以上に連携を強化し、一体的に事業推進する体制を整備するとともに、引き続き、国際フォワーディングの混載効率向上や、拡大する越境EC事業者様への提案強化、注力地域の内需拡大に伴う物流需要の取込みなどを推進しました。

③ 外部顧客への営業収益は、国際フォワーディングの拡販が進展したことなどにより975億52百万円となり、前連結会計年度に比べ13.5%増加しました。営業利益は81億50百万円となり、前連結会計年度に比べ8億77百万円減少しました。(参考)区分 前連結会計年度 当連結会計年度 増減 伸率(%)宅急便・宅急便コンパクト・EAZY (百万個) 1,961 1,941 △20 △1.0ネ コ ポ ス ・ ク ロ ネ コ ゆ う パ ケ ッ ト (百万個) 391 451 60 15.4ク ロ ネ コ ゆ う メ ー ル (百万冊) 110 95 △14 △13.6○モビリティ事業

① モビリティ事業は、これまでヤマトグループ内での環境投資や実証実験を通じて蓄積したEV、太陽光発電設備、エネルギーマネジメントなどのノウハウを活用し、車両を使用する法人のお客様の環境対応ニーズに応えるため、車両整備サービスに加え、EVの調達や効率的な活用ノウハウ、再生可能エネルギー由来電力の供給、ヤマトグループで開発したエネルギーマネジメントシステムなどをパッケージ化した「EVライフサイクルサービス」の拡販を推進しています。また、運送事業者様の安全運行と車両稼働時間の拡大に資する、稼働を止めない車両整備サービスを提供しています。

② 当連結会計年度においては、「EVライフサイクルサービス」の営業体制を強化し、拡販を推進しました。また、業務プロセスの見直しにより自動車整備士が本業に注力できる環境作りを推進するとともに、車両整備サービスの拡販と適正料金の収受に取り組みました。

③ 外部顧客への営業収益は、契約車両台数の増加に加え、適正料金の収受などにより220億33百万円となり、前連結会計年度に比べ7.5%増加しました。営業利益は、コストの適正化に注力したことなどにより52億21百万円となり、前連結会計年度に比べ14億40百万円増加しました。○その他

① ヤマトグループが保有するITやコールセンター、金融サービスなどの機能は、お客様のサプライチェーン全体に対する提供価値拡大に向けた取組みを支えています。当連結会計年度においては、引き続き、お客様の業務効率化とエンドユーザーの利便性向上に資するITサービスの提供などを推進しました。

② 外部顧客への営業収益は235億7百万円となり、前連結会計年度に比べ3.9%減少しました。営業利益は66億29百万円となり、前連結会計年度に比べ15億71百万円減少しました。<その他の取組み>

① ヤマトグループは、人命の尊重を最優先とし、安全に対する様々な取組みを実施しており、輸送を主な事業とするグループ各社を中心に、安全管理規程の策定および管理体制の構築、年度計画の策定など、運輸安全マネジメントに取り組んでいます。ヤマト運輸株式会社では、2025年10月より集配車両約4.6万台のドライブレコーダーを順次リニューアルし、運転状況の可視化を通じた安全意識と運転技術のさらなる向上を図っています。また、引き続き「こども交通安全教室」を幼稚園・小学校などで開催するとともに、グループ全体での「交通事故ゼロ運動」を実施するなど、安全意識の向上を図る取り組みを推進しました。

② ヤマトグループは、豊かな地域づくりがヤマトグループの成長と発展の基盤であると考え、地域社会の健全で持続的な発展とそこに暮らす人々の質の高い生活の確保を目指し、企業市民活動に取り組んでいます。環境の領域では、全国にネットワークを有する企業グループとして、地域の豊かな自然を将来に繋げていくため、次世代を担う子どもたちへの環境教育をサポートする「クロネコヤマト環境教室」を、2005年から全国で3,600回以上開催しており、累計参加人数は約27万人となりました。また、地域コミュニティの領域では、お客様や地域の皆様に対する感謝の気持ちを込めて、年齢や地域の枠を超えたすべての皆様へ本物の音楽をお届けすることを目的とした音楽宅急便「クロネコ ファミリーコンサート」を、1986年から全国で367回開催しており、累計参加人数は約60万人となりました。

③ ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、公益財団法人ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パン製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。

(2)財政状態の概況総資産は1兆2,801億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ127億42百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が301億58百万円増加した一方で、不動産戦略に基づく固定資産の流動化により土地が104億79百万円減少したこと、およびコントラクト・ロジスティクス事業においてのれんの評価に伴いのれんを134億34百万円償却したことによるものです。これに加え、エクスプレス事業を中心として車両の調達を一部リースに切り替えたことから、車両が75億25百万円減少した一方で、リース資産が132億98百万円増加しました。負債は6,981億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ310億35百万円増加しました。これは主に、リース資産を取得したことによりリース債務が174億41百万円増加したこと、およびその他の事業における割賦販売の取扱高が増加したことに伴い運転資金としての借入が増加したことなどから短期借入金が70億96百万円増加したことによるものです。純資産は5,820億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ182億93百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が136億62百万円となった一方で、剰余金の配当を148億7百万円実施したこと、ならびに自己株式を189億15百万円取得したことによるものです。以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の46.5%から44.6%となりました。

(3)キャッシュ・フローの概況営業活動によるキャッシュ・フローは722億18百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が244億85百万円増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ249億36百万円減少した一方で、非資金損益項目である減価償却費およびのれん償却額が前連結会計年度に比べ191億45百万円増加したこと、投資活動によるキャッシュ・フローに含まれる損益項目である固定資産売却損益および投資有価証券売却損益が前連結会計年度に比べ185億33百万円増加したことによるものです。これに加え、未払消費税等の増加により未払消費税等の増減額が前連結会計年度に比べ147億29百万円増加した一方で、法人税等の支払額が前連結会計年度に比べ149億10百万円増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは72億70百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が370億86百万円減少しました。これは主に、車両の調達をリースに切り替えたことに伴い有形固定資産の取得による支出が前連結会計年度に比べ173億93百万円減少したこと、および前連結会計年度にコントラクト・ロジスティクス事業において連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が353億7百万円あった一方で、投資有価証券の売却による収入が前連結会計年度に比べ120億13百万円減少したことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは370億73百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が464億94百万円増加しました。これは主に、借入れによる収入が前連結会計年度に比べ578億83百万円減少した一方で、自己株式の取得による支出が前連結会計年度に比べ121億78百万円減少したことによるものです。以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,378億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ297億65百万円増加しました。

(4)今後の見通しヤマトグループを取り巻く事業環境は、不安定な国際情勢や金融市場の変動などにより、依然として先行き不透明な状況が続いています。また、物価上昇の影響や中長期的な輸送力不足の深刻化など、外部環境の変化に伴うコスト上昇が継続すると見込まれます。さらに、中長期的には、EC化のさらなる進展や地政学リスクの増大、少子高齢化・過疎化の進展、労働力不足や気候変動の深刻化などを想定しています。このような中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」を2030年の目指す姿として定めています。そして、2027年3月期を最終年度として策定した中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を「宅急便ネットワークの強靭化と事業ポートフォリオを変革する3年間」と位置づけ、宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大、サプライチェーン全体に拡がるソリューションの提供を通じた法人向けビジネスの成長、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化、グループ経営基盤の強化などに取り組み、「経済価値」を生み出すとともに、社会の持続可能性への取組みによる「環境価値」「社会価値」を創造していきます。具体的には、基盤領域である宅急便ネットワークにおいて、多様化するお客様のニーズに合わせた提供価値の拡大を図るとともに、コスト上昇および提供価値を適切に反映したプライシングの適正化を計画的に進めます。また、「AI・データドリブン経営」を本格化させ、データに基づく最適な経営資源の配置やバックオフィス業務の効率化を通じ、オペレーション全体の生産性向上を図ります。そして新たな顧客体験価値を創出することで、収益力の強化を図っていきます。あわせて、事業ポートフォリオの変革を加速させます。これまで宅急便で培ってきた経営資源を最大限に生かし、サプライチェーン全体の課題解決を支援するソリューション提供を通じて、成長領域と位置づける法人向けビジネス(コントラクト・ロジスティクス事業やグローバル事業)の拡大に注力していきます。また、「グリーン・モビリティ」の事業化を通じ、車両を使用する顧客企業の低炭素化需要を獲得するなど、グループ内のシナジーを最大化させることで、新たな収益の柱として成長軌道に乗せていきます。通期の連結業績予想は、営業収益1兆9,200億円、営業利益420億円、経常利益420億円、親会社株主に帰属する当期純利益240億円を見込んでいます。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題ヤマトグループを取り巻く事業環境は、不安定な国際情勢や金融市場の変動などにより、依然として先行き不透明な状況が続いています。また、物価上昇の影響や中長期的な輸送力不足の深刻化など、外部環境の変化に伴うコスト上昇が継続すると見込まれます。さらに、中長期的には、EC化のさらなる進展や地政学リスクの増大、少子高齢化・過疎化の進展、労働力不足や気候変動の深刻化などを想定しています。このような中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」を2030年の目指す姿として定めています。そして、2027年3月期を最終年度として策定した中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を「宅急便ネットワークの強靭化と事業ポートフォリオを変革する3年間」と位置づけ、以下①~⑤の取組みを推進していきます。

① 宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大宅配便市場は、ECの成長とともに拡大傾向にあるものの、基盤領域である個人および小口法人の市場は、人口減少や個人消費の低迷に伴う影響を受けています。また、EC化の進展と人口動態の変化に伴い、ラストマイル領域における集荷と配達の業務量や輸送領域における都市部・地方部間の荷物の流動量が変化しており、宅急便ネットワークの収益性は低下傾向にあります。これらの状況を踏まえ、基盤領域である宅急便ビジネスを安定的に利益を確保できる事業構造に転換させるため、収益構成の変革に取り組み、付加価値に応じたプライシングの適正化を計画的に進めていきます。また、セールスドライバーがお客様に向き合い、より良いサービスの提供に専念できる環境を整備するとともに、地域の市場性に基づく集配拠点の再配置、お客様のニーズを捉えた商品・サービスや、宅急便の発送・受け取りにとどまらないサービス開発を進めています。輸送領域においては、社会的インフラとしての宅急便ネットワークをより効率的かつ持続的な形に強靭化し、顧客ニーズに対応しつつ、輸送・積載効率を高め、固定費の抑制および業務量に応じた変動費のコントロールを実現するため、荷物の流動量の変化に即したターミナル間およびターミナル・集配拠点間の運び方見直し、仕分け作業を担う働き手の適正配置などに取り組みます。

② 法人向けビジネスの拡大世界の政治・経済とサプライチェーンのブロック化や環境問題などのリスク要因が増大し、企業が対応を求められる中、ヤマトグループは変化を機会と捉え、サプライチェーン全体に拡がるお客様の経営課題の解決を目指すソリューションビジネスを成長領域と位置付けています。法人のお客様の物流全般や経営課題の解決に取り組むコントラクト・ロジスティクス事業では、企業間物流における在庫・配送拠点やEC事業者様の総合物流センターの運営など、提供価値を拡大していきます。また、事業成長の基盤として、全国の物流拠点への仕分け・輸配送機能とロジスティクス機能が一体となった統合型ビジネスソリューション拠点の活用および展開を進めます。全国を網羅する強靭な輸配送ネットワークと一体化したこれらの拠点を活用し、お客様のサプライチェーン全体の最適化と事業戦略に貢献することで、法人向けビジネスのさらなる拡大を推進します。グローバル事業においては、国際輸送と海外コントラクト・ロジスティクスも組み合わせることで、お客様のサプライチェーン全体に対する価値提供を進めています。北米、中国、そして東南アジアを中心に営業力を強化し、国際フォワーディングの効率向上、越境EC事業者様への提案強化、内需拡大に伴う物流需要の取込みなどを、M&Aや戦略的業務提携も検討しながら推進していきます。

③ 新たなビジネスモデルの事業化持続可能な未来の実現に向けて、中長期的な輸送力不足の深刻化や気候変動への対応など、環境・社会課題に向き合い、ビジネスパートナーとともに課題解決に積極的に取り組むことで、温室効果ガス(GHG)排出量の削減や、効率的な物流システムの構築、社員の健康管理などの知見とノウハウを蓄積してきました。それらを「グリーン・モビリティ」のビジネスモデルとして磨き上げ、ヤマトグループの新たな成長につなげていきます。具体的には、EVの導入・運用を支援する「EVライフサイクルサービス」の拡販や、ヤマトエナジーマネジメント株式会社を中心とした再生可能エネルギーの供給などのエネルギー事業を推進します。あわせて、多様なステークホルダーが参画する共同輸配送のオープンプラットフォームの展開、自動車運送事業者向けの健康管理支援サービス等を通じ、物流業界全体の持続可能性向上と課題解決に貢献します。

④ グループ経営基盤の強化持続的な企業価値向上を実現するための基盤として、引き続き、人事戦略、デジタル戦略、環境・社会戦略を推進し、サステナブル経営およびコーポレート・ガバナンスの強化などに取り組んでいきます。人事戦略については、引き続きセールスドライバーをはじめとした社員の待遇のさらなる向上や、働く環境の整備に向けた投資を推進しています。また、お客様に向き合う第一線の組織と人材をこれまで以上に強化するため、間接部門の業務効率化と組織のスリム化を図りながら、宅急便の営業所や法人営業支店などへの人材配置を進めるとともに、リーダー人材の育成に注力しています。そして、社員の働きがい向上のため、営業職や企画職などを対象に、パフォーマンスに応じて報酬を決定する制度改正を進めます。デジタル戦略については、「AI・データドリブン経営」を本格化させ、データ活用による最適な経営資源の配置やバックオフィス業務の効率化を通じ、オペレーション全体の生産性向上を図るとともに、新たな顧客体験価値を創出することで、収益力の強化を図ります。あわせて、各組織でAI活用推進の中心となる人材育成を進めます。サステナブル経営の強化については、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた2つのビジョン「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」に基づき、特定した重要課題(マテリアリティ)に対して引き続き取組みを強化していきます。環境の領域については、「2050年温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ(自社排出)」および「2030年温室効果ガス排出量48%削減(2021年3月期比)」の実現に向け、引き続き「EVの導入」「太陽光発電設備の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進するとともに、サプライチェーンにおけるGHGの実質排出量(Scope3)の把握や削減目標の設定などに取り組んでいきます。社会の領域については、引き続き、人命の尊重を最優先とし、社員やパートナーの安全・健康に対する取組みを強化するとともに、多様な社員が活躍できる職場環境に向けた整備を進めています。そして、社会の諸課題に向き合い、ビジネスパートナーとの定期的な協議の実施や、課題の早期発見と解消のための体制・プロセス・仕組みの整備など、適切な関係に基づくサステナブル・サプライチェーンの構築を推進していきます。コーポレート・ガバナンスの強化については、引き続き、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持・強化などに取り組むとともに、経営管理の高度化を推進し、株主・投資家との建設的な対話や情報開示の充実を通じて、持続的な企業価値向上に努めていきます。

⑤ 資本効率をより重視した経営の浸透上記の①~④を推進することに加え、資本効率をより重視した経営の浸透を図り、資本コストを上回る資本収益性の実現に取り組むため、営業利益率およびROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)を経営指標として設定しています。事業の収益性向上および利益成長の加速に加えて、バランスシート・マネジメントの強化とキャッシュ・フローの最適化に取り組むことで、資本効率の改善を図り、EPS(1株当たり当期純利益)および株主価値向上の基盤を構築していきます。本中期経営計画期間においては、オペレーションの効率化に資する拠点戦略やAI・DX推進などへの成長投資を実施するとともに、お客様に対する環境負荷の少ない物流サービスの提供とオペレーションのエネルギー効率向上の両立を通じた低炭素社会の実現に向けて、EVや太陽光発電設備等への環境投資も実施します。なお、成長領域であるコントラクト・ロジスティクス事業およびグローバル事業では、自律的な成長施策に加え、M&Aや戦略的業務提携も活用していきます。上記計画を財務面から支えるため、バランスシート・マネジメントの強化に取り組み、固定資産の流動化等を適宜検討するとともに、キャッシュの創出状況、保有現預金や自己資本比率等の状況、グループ資金の有効活用など、財務の健全性と効率性を意識しながら、必要に応じて金融機関からの借入および社債の発行を通じた資金調達を実施していきます。財務の健全性の観点から自己資本比率は45%程度、D/Eレシオ(負債資本倍率)は

0.3~0.5倍程度を目安とします。株主還元については、親会社株主に帰属する当期純利益を基準とする配当性向40%以上を目標とし、自己株式の取得については、成長投資の進捗状況、キャッシュ・フローの動向、株価等の観点を踏まえ、柔軟に検討していきます。

四半期 2026年3月期 第1四半期

出典: ヤマトホールディングス 2026年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2025年6月24日(推定)(https://www2.jpx.co.jp/disc/90640/140120250624597678.pdf)

1.経営成績等の概要(1)経営成績の状況当第1四半期における経済環境は、足元の景況感に緩やかな改善傾向が見られる一方で、物価上昇と実質賃金減少の継続等により、個人消費は本格的な回復には至っておりません。また、人手不足やエネルギー・原材料価格の高止まりといった厳しい事業環境が継続しており、地政学リスクの高まり等の影響を含め、先行きは依然として見通しづらい状況にあります。このような状況の中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」に基づき、宅急便ネットワークの強靭化による基盤領域の利益成長、ビジネスソリューションの提供を通じた法人ビジネス領域の拡大、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化およびグループ経営基盤の強化など「経済価値」を生み出すとともに、社会の持続可能性に向けた「環境価値」「社会価値」を創造する取組みを推進しています。当第1四半期の連結業績は、以下のとおりとなりました。区分 前第1四半期 当第1四半期 増減 伸率(%)営 業 収 益 (百万円) 405,632 437,352 31,720 7.8営 業 利 益 (百万円) △14,204 △6,494 7,710 -経 常 利 益 (百万円) △14,875 △6,656 8,218 -親会社株主に帰属する四半期純利益 (百万円) △10,112 △5,424 4,688 -当第1四半期の営業収益は4,373億52百万円となり、前年同期に比べ317億20百万円の増収となりました。これは、宅急便部門が向き合う小口法人・個人のお客様からの宅急便取扱数量の拡大、法人部門が向き合う大口法人のお客様に対するプライシングの適正化、および法人向けビジネスの拡大など、収益構成の変革に向けた取組みが進展したことによるものです。営業費用は4,438億47百万円となり、前年同期に比べ240億9百万円増加しました。これは、宅急便ネットワークの強靭化に向けた社員やパートナーの待遇改善など人的資本への投資や集配拠点の再配置などネットワーク投資の実行、宅急便取扱数量の増加に伴う費用増加などによるものです。一方で、輸送領域のオペレーション見直しに取り組み、コストコントロールに注力しました。この結果、当第1四半期の営業損失は64億94百万円となり、前年同期に比べ77億10百万円の改善となりました。<ヤマトグループ全体としての取組み>

①宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大基盤領域である宅急便ビジネスを安定的に利益確保できる事業構造に転換させるため、付加価値に応じたプライシングの適正化を進めています。また、セールスドライバーがお客様に向き合い、より良いサービス提供に専念できる環境整備に注力するとともに、お客様のニーズを捉えた商品・サービスの開発、地域の市場性に基づく集配拠点の再配置、宅急便の発送・受け取りにとどまらないサービスを提供する地域密着型店舗「ネコサポ」の展開を進めています。加えて、宅急便ネットワークの強靭化に資する輸送の効率化も進めています。お客様のニーズや輸送パートナーの適切な働き方に対応しつつ、輸送・積載効率を高め、オペレーティングコストを適正化するため、長距離区間は、中継拠点を定め、リレー方式でつなぐ輸送方法への切り替えや、貨物専用機の活用を含めたモーダルシフトの推進など、これまでの運び方を見直すとともに、ターミナルにおいては仕分け作業を担う人材の適正配置などに取り組んでいます。

②法人ビジネス領域の拡大輸配送ネットワークに、倉庫オペレーションや国際フォワーディングなどの付加価値を組み合わせ、お客様のビジネス拡大を支援することで、ヤマトグループの利益成長を目指しています。法人のお客様の物流全般や経営課題の解決に取り組むコントラクト・ロジスティクス事業では、連結子会社化した株式会社ナカノ商会のノウハウも活用し、企業間の在庫・配送拠点やEC事業者様の総合物流センターの運営など、提供価値を拡大しています。さらに、グローバル事業が提供する国際輸送と海外コントラクト・ロジスティクスも組み合わせることで、お客様のサプライチェーン全体に対する価値提供を進めています。海外では、米国およびメキシコ、中国、インド、そして東南アジアを中心に営業力を強化し、注力市場に対する国際フォワーディングの効率向上、越境EC事業者様への提案強化、内需拡大に伴う物流需要の取込みなどを、M&Aや戦略的業務提携も検討しながら推進しています。

③「グリーン・モビリティ」の事業化ヤマトグループは、2024年問題や気候変動への対応など、環境・社会課題に向き合い、ビジネスパートナーとともに課題解決に積極的に取り組むことで、温室効果ガス排出量の削減や、持続可能で効率的な物流システムの構築、社員の健康管理などの知見とノウハウを蓄積してきました。それらを「グリーン・モビリティ」のビジネスモデルとして磨き上げ、サプライチェーンの持続可能性を高めるソリューションとしてお客様に提供することで、ヤマトグループの新たな成長につなげていきます。「クルマ」および「エネルギー」の観点では、車両整備サービスに加え、EVの調達や効率的な活用ノウハウ、再生可能エネルギー由来電力の供給、ヤマトグループで開発したエネルギーマネジメントシステムなどをパッケージ化した「EVライフサイクルサービス」の提供により、車両を使用する法人のお客様の環境対応ニーズに応えています。また、「ヒト」の観点では、オンライン医療サービス「MY MEDICA」の提供を通じて、健康リスクが高い傾向にある、運送事業者様の従業員の健康管理や、健康に起因する事故防止に向けた取組みを支援しています。さらに、幹線輸送を基盤にシステム上であらゆる荷主企業様と物流事業者様をマッチングするオープンプラットフォームを活用した共同輸配送サービスの提供を通じて、業界の垣根を越えた物流の効率化に取り組んでいます。

④グループ経営基盤の強化ヤマトグループは、持続的な企業価値向上を実現するための基盤として、引き続き、人事戦略、デジタル戦略を推進するとともに、サステナブル経営およびコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。人事戦略については、持続的な成長に向けて、引き続きセールスドライバーをはじめとした社員の待遇のさらなる向上や、働く環境の整備に向けた投資を推進しています。ヤマト運輸株式会社では、2025年6月より熱中症対策の一環として「ファン付きベスト」の導入拡大および全国の事業所にWBGT(暑さ指数)を測定する機器の設置を推進するとともに、熱中症リスクを感知する「ウェアラブルデバイス」を試験導入しました。また、お客様に向き合う第一線の組織と人材をこれまで以上に強化するため、間接部門の業務効率化と組織のスリム化を図りながら、宅急便の営業所や法人営業支店などへの人材配置を進めるとともに、リーダー人材の育成に注力しています。そして、社員の働きがい向上のため、営業職や企画職などを対象に、パフォーマンスに応じて報酬を決定する制度改正を進めています。デジタル戦略については、DX推進体制を強化し、デジタル基盤を活用したお客様への提供価値の拡大や「仕分け作業」や「運び方」、「働き方」の変革、バックオフィスの業務プロセス改革など、事業と一体となったDX推進に取り組んでいます。サステナブル経営の強化については、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた2つのビジョン「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」に基づき、特定した重要課題(マテリアリティ)に対して引き続き取組みを強化しています。環境の領域については、「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ(自社排出)」および「2030年温室効果ガス排出量48%削減(2021年3月期比)」の実現に向け、引き続き「EVの導入」「太陽光発電設備の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進するとともに、サプライチェーンにおける実質排出量(Scope3)の把握や削減目標の設定などに取り組んでいます。また、社会の領域については、引き続き、人命の尊重を最優先とし、社員やパートナーの安全・健康に対する取組みを強化するとともに、多様な社員が活躍できる職場環境に向けた整備を進めています。そして、社会の諸課題に向き合い、ビジネスパートナーとの定期的な協議の実施や、課題の早期発見と解消のための体制・プロセス・仕組みの整備など、適切な関係に基づくサステナブル・サプライチェーンの構築を推進しています。コーポレート・ガバナンスの強化については、引き続き、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持・強化などに取り組むとともに、株主・投資家との建設的な対話や情報開示の充実を通じて、持続的な企業価値向上に努めています。<セグメント別の概況>○エクスプレス事業

① エクスプレス事業は、個人および法人のお客様に対し、宅急便を中心とした国内輸配送サービスを提供しており、宅急便部門が向き合う小口法人・個人のお客様からの宅急便取扱数量の拡大、法人部門が向き合う大口法人のお客様を中心とした付加価値に応じたプライシングの適正化を進めています。また、セールスドライバーがお客様に向き合い、より良いサービス提供に専念できる環境整備に注力するとともに、お客様のニーズを捉えた商品・サービスの開発、地域の市場性に基づく集配拠点の再配置、宅急便の発送・受け取りにとどまらないサービスを提供する地域密着型店舗「ネコサポ」の展開を進めています。また、宅急便ネットワークの強靭化に資する輸送の効率化も進めています。

② 当第1四半期においては、引き続き、外部環境の変化によるコスト上昇を踏まえ、宅急便部門における小口法人・個人のお客様に対する営業強化および法人部門における大口法人のお客様の多様な輸送ニーズへの対応や、付加価値に応じたプライシング適正化の取組みを推進しました。また、EC事業者様との連携による「置き配」サービスの提供拡大など、より多くのお客様に快適な受け取り体験を提供し、再配達の削減、物流の効率化や温室効果ガス排出量の削減にも資する取組みを推進しました。加えて、小さな荷物の配送ニーズに応えるため、専用資材の事前購入により全国一律料金で荷物が送れる「こねこ便420」について、沖縄県を除く全国で販売開始しました。宅急便ネットワークの強靭化については、お客様のニーズや輸送パートナーの適切な働き方に対応しつつ、輸送・積載効率を高め、オペレーティングコストを適正化するため、長距離区間は、中継拠点を定め、リレー方式でつなぐ輸送方法への切り替えや、貨物専用機の活用を含めたモーダルシフトの推進など、これまでの運び方を見直すとともに、仕分け作業を担う人材の適正配置などの取組みを推進しました。

③ 外部顧客への営業収益は、宅急便部門が向き合う小口法人・個人のお客様からの宅急便取扱数量の拡大、および法人部門が向き合う大口法人のお客様に対するプライシングの適正化が進展したことなどにより3,632億3百万円となり、前年同期に比べ2.8%増加しました。営業費用は、宅急便ネットワークの強靭化に向けた社員やパートナーの待遇改善など人的資本への投資や集配拠点の再配置などネットワーク投資の実行、宅急便取扱数量の増加に伴う費用が増加した一方で、輸送領域のオペレーション見直しに取り組み、コストコントロールに注力したことなどにより、3,867億94百万円となりました。この結果、営業損失は134億37百万円となり、前年同期に比べ72億68百万円の改善となりました。○コントラクト・ロジスティクス事業

① コントラクト・ロジスティクス事業は、輸配送ネットワークに倉庫オペレーションなどの付加価値を組み合わせ、法人のお客様の課題解決や事業成長を支援するソリューションを提供しています。

② 当第1四半期においては、連結子会社化した株式会社ナカノ商会のノウハウも活用し、企業間の在庫・配送拠点やEC事業者様の総合物流センターの運営など、より付加価値の高いサプライチェーンソリューションの提案や、オペレーションの品質・生産性改善などに取り組みました。

③ 外部顧客への営業収益は、新規案件の獲得が進展したこと、および株式会社ナカノ商会の連結子会社化などにより377億20百万円となり、前年同期に比べ95.0%増加しました。営業利益は12億13百万円となり、前年同期に比べ35百万円増加しました。○グローバル事業

① グローバル事業は、日本国内および海外事業会社が連携し、国際フォワーディングや国際エクスプレス、海外現地におけるコントラクト・ロジスティクス等を組み合わせ、法人のお客様のグローバルサプライチェーン全体を最適化するソリューションを提供しています。サプライチェーンの変化を好機と捉え、これまで宅急便で培った国内の膨大な顧客基盤を活かしつつ、オートモーティブやハイテク、食品産業などヤマトグループが強みを発揮している領域のさらなる拡大に努めるとともに、日本、米国およびメキシコ、中国、インド、東南アジアを中心に営業力の強化を進めています。

② 当第1四半期においては、国内事業会社および各国に展開するグループ現地法人がこれまで以上に連携を強化し、一体的に事業推進する体制を整備するとともに、引き続き、国際フォワーディングの混載効率向上や、拡大する越境EC事業者様への提案強化、注力地域の内需拡大に伴う物流需要の取込みなどを推進しました。

③ 外部顧客への営業収益は、国際フォワーディングの拡販が進展したことなどにより248億19百万円となり、前年同期に比べ13.2%増加しました。営業利益は26億6百万円となり、前年同期に比べ1億43百万円増加しました。(参考)区分 前第1四半期 当第1四半期 増減 伸率(%)宅急便・宅急便コンパクト・EAZY (百万個) 451 463 11 2.6ネ コ ポ ス ・ ク ロ ネ コ ゆ う パ ケ ッ ト (百万個) 99 107 7 7.7ク ロ ネ コ ゆ う メ ー ル (百万冊) 33 27 △5 △18.0○モビリティ事業

① モビリティ事業は、これまでヤマトグループ内での環境投資や実証実験を通じて蓄積したEV、太陽光発電設備、エネルギーマネジメントなどのノウハウを活用し、車両を使用する法人のお客様の環境対応ニーズに応えるため、車両整備サービスに加え、EVの調達や効率的な活用ノウハウ、再生可能エネルギー由来電力の供給、ヤマトグループで開発したエネルギーマネジメントシステムなどをパッケージ化した「EVライフサイクルサービス」の拡販を推進しています。また、運送事業者様の安全運行と車両稼働時間の拡大に資する、稼働を止めない車両整備サービスを提供しています。

② 当第1四半期においては、「EVライフサイクルサービス」の営業体制を強化し、拡販を推進しました。また、業務プロセスの見直しにより自動車整備士が本業に注力できる環境作りを推進するとともに、車両整備サービスの拡販と適正単価の収受に取り組みました。

③ 外部顧客への営業収益は、契約車両台数の増加に加え、適正単価の収受などにより50億92百万円となり、前年同期に比べ1.7%増加しました。営業利益は、コストの適正化に注力したことなどにより16億7百万円となり、前年同期に比べ3億56百万円増加しました。○その他

① ヤマトグループが保有するITやコールセンター、金融サービスなどの機能は、お客様のサプライチェーン全体に対する提供価値拡大に向けた取組みを支えています。当第1四半期においては、引き続き、お客様の業務効率化とエンドユーザーの利便性向上に資するITサービスの提供などを推進しました。

② 外部顧客への営業収益は65億16百万円となり、前年同期に比べ5.9%増加しました。営業利益は16億37百万円となり、前年同期に比べ49百万円減少しました。<その他の取組み>

① ヤマトグループは、人命の尊重を最優先とし、安全に対する様々な取組みを実施しており、輸送を主な事業とするグループ各社を中心に、安全管理規程の策定および管理体制の構築、年度計画の策定など、運輸安全マネジメントに取り組んでいます。

② ヤマトグループは、豊かな地域づくりがヤマトグループの成長と発展の基盤であると考え、地域社会の健全で持続的な発展とそこに暮らす人々の質の高い生活の確保を目指し、企業市民活動に取り組んでいます。環境の領域では、全国にネットワークを有する企業グループとして、地域の豊かな自然を将来に繋げていくため、次世代を担う子どもたちへの環境教育をサポートする「クロネコヤマト環境教室」を、2005年から全国で3,500回以上開催しており、累計参加人数は約27万人となりました。

③ ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、公益財団法人ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パン製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。

(2)財政状態の状況(資産、負債および純資産の状況)総資産は1兆2,397億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ276億81百万円減少しました。これは主に、自己株式取得や配当金の支払いなどにより現金及び預金が278億8百万円減少したことによるものです。負債は6,731億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ60億56百万円増加しました。これは主に、夏季賞与を計上したことなどにより未払費用が447億65百万円増加した一方で賞与引当金が171億40百万円減少したことや、支払手形及び買掛金が134億57百万円、法人税等を納付したことにより未払法人税等が106億42百万円減少したことによるものです。純資産は5,666億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ337億37百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失が54億24百万円となったこと、および剰余金の配当を75億13百万円実施したこと、ならびに自己株式を189億15百万円取得したことによるものです。以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の46.5%から44.8%となりました。(キャッシュ・フローの状況)営業活動によるキャッシュ・フローは184億76百万円の収入となり、前第1四半期連結累計期間に比べ収入が139億17百万円増加しました。これは主に、税金等調整前四半期純損失が66億14百万円となり収支が84億45百万円改善したこと、および未払消費税等の増減額が82億93百万円増加した一方で、法人税等の支払額が55億78百万円増加したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは142億47百万円の支出となり、前第1四半期連結累計期間に比べ支出が16億88百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が13億11百万円減少したことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは318億53百万円の支出となり、前第1四半期連結累計期間に比べ支出が124億86百万円増加しました。これは主に、自己株式の取得による支出が189億23百万円増加した一方で、短期借入金の純増減額による支出が63億円減少したことによるものです。以上により、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は1,804億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ275億94百万円減少しました。

(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明ヤマトグループを取り巻く経済環境は、足元で景況感に緩やかな改善傾向が見られる一方で、物価上昇と実質賃金減少の継続等により、個人消費は本格的な回復には至っておりません。また、人手不足やエネルギー・原材料価格の高止まりといった厳しい事業環境が継続しており、地政学リスクの高まり等の影響を含め、先行きは見通しづらい状況にあります。このような中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」を2030年の目指す姿として定めました。そして、2027年3月期を最終年度として策定した中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030~1st Stage~」を「宅急便ネットワークの強靭化と事業ポートフォリオを変革する3年間」と位置づけ、宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大、サプライチェーン全体に拡がるソリューションの提供を通じた法人ビジネス領域の拡大、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化、グループ経営基盤の強化などに取り組み、「経済価値」を生み出すとともに、社会の持続可能性への取組みによる「環境価値」「社会価値」を創造していきます。2026年3月期は、基盤領域である宅急便ビジネスにおいては、収益構成の変革と付加価値に応じた適正なプライシング収受に注力し、法人ビジネスにおいては、法人向け輸配送ネットワークおよびオペレーションノウハウを生かした顧客への案件提案と獲得につなげることで、営業収益を再び成長軌道に乗せていきます。また、拠点戦略を通じて宅急便ネットワークをより効率的・持続的な形に強靭化を図るとともに、顧客ニーズに対応し、輸送・積載効率を高め、固定費抑制と業務量に応じた変動費管理によりオペレーティングコストの適正化を図ることで、さらなる利益成長につなげていきます。当第2四半期(累計)および通期の連結業績予想は、業績が概ね計画通り推移しているため、前回発表(2025年5月1日発表)から変更ありません。

四半期 2027年3月期 第1四半期

出典: ヤマトホールディングス 2027年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2026年6月17日(推定)(https://www2.jpx.co.jp/disc/90640/140120260617572329.pdf)

1.経営成績等の概況(1)経営成績の概況当第1四半期における経済環境は、賃上げを背景とした所得環境の改善の兆しが一部にみられるものの、歴史的な円安水準の長期化を背景とする物価上昇の影響などから個人消費は力強さを欠き、依然として停滞感が残る状況となりました。また、深刻化する人手不足や、中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学的リスクを背景としたエネルギー・原材料価格の高騰など、コスト上昇圧力が継続しています。こうしたコスト増に対する適正な運賃・料金などへの価格転嫁に対する理解が社会全体で広がりつつある一方で、国内の生産活動や荷動きには慎重な姿勢もみられるなど、依然として先行きは見通しづらい事業環境が続いています。このような状況の中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」に基づき、宅急便ネットワークの強靭化による基盤領域の利益成長、ビジネスソリューションの提供を通じた法人向けビジネスの拡大、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化およびグループ経営基盤の強化など、「経済価値」を生み出すとともに、持続可能な社会に向けた「環境価値」「社会価値」を創造する取組みを推進しています。当第1四半期の連結業績は、以下のとおりとなりました。区分 前第1四半期 当第1四半期 増減 伸率(%)営 業 収 益 (百万円) 437,352 443,332 5,979 1.4営 業 利 益 (百万円) △6,494 △4,871 1,622 -経 常 利 益 (百万円) △6,656 △4,938 1,717 -親会社株主に帰属する四半期純利益 (百万円) △5,424 △5,887 △463 -当第1四半期の営業収益は4,433億32百万円となり、前年同期に比べ59億79百万円の増収となりました。これは、宅急便部門が向き合う小口法人・個人のお客様からの宅急便取扱数量の拡大、法人部門が向き合う大口法人のお客様に対するプライシングの適正化、および法人向けビジネスの拡大など、収益構成の変革に向けた取組みが進展したことによるものです。営業費用は4,482億3百万円となり、前年同期に比べ43億56百万円増加しました。これは、宅急便ネットワークを強靭化するための、社員やパートナーの待遇向上といった人的投資を実行したことや、エネルギー価格の上昇や部材の調達単価の上昇などによるものです。一方で、輸送領域においては、データやAIを活用した輸配送オペレーションの効率化や積載率の向上など、オペレーティングコストの適正化に注力しました。この結果、当第1四半期は48億71百万円の営業損失となり、前年同期に比べ16億22百万円の赤字幅縮小となりました。<ヤマトグループ全体としての取組み>

①宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大基盤領域である宅急便ビジネスにおいて、安定的に利益を確保できる事業構造に転換させるため、付加価値に応じたプライシングの適正化を進めています。また、セールスドライバーがお客様に向き合い、より良いサービス提供に専念できる環境整備に注力するとともに、お客様のニーズを捉えた商品・サービスの開発を進めています。加えて、宅急便ネットワークの強靭化に資する輸送の効率化も進めています。お客様のニーズや輸送パートナーの適切な働き方に対応しつつ、輸送・積載効率を高め、オペレーティングコストを適正化するため、「都市部近距離輸送」におけるAIを活用した配車の一元管理による稼働の最適化や、長距離区間におけるモーダルシフトの推進など、これまでの運び方を見直すことで、輸送ネットワークの最適化を進めています。

②法人向けビジネスの拡大輸配送ネットワークに、倉庫オペレーションや国際フォワーディングなどの付加価値を組み合わせ、お客様のビジネス拡大を支援することで、ヤマトグループの利益成長を目指しています。法人のお客様の物流全般や経営課題の解決に取り組むコントラクト・ロジスティクス事業では、企業間物流における在庫・配送拠点やEC事業者様の総合物流センターの運営など、提供価値を拡大しています。また、ヤマトグループの輸送ターミナルと高付加価値機能を持つロジスティクスセンターを融合した「統合型ビジネスソリューション拠点」の展開も進めており、当第1四半期に開設した東京、滋賀、岡山の3拠点を含む全国9拠点を通じ、販売機会の最大化やリードタイムの短縮、環境負荷の低減など、法人のお客様に対する付加価値を提供しています。グローバル事業においては、国際輸送と海外コントラクト・ロジスティクスを組み合わせることで、お客様のサプライチェーン全体に対する価値提供を進めています。北米、中国、そして東南アジアにおける営業力を強化し、国際フォワーディングの効率向上、越境EC事業者様への提案強化、内需拡大に伴う物流需要の取込みなどを、M&Aや戦略的業務提携も検討しながら推進しています。

③「グリーン・モビリティ」の事業化ヤマトグループは、中長期的な輸送力不足の深刻化や気候変動といった環境・社会課題に向き合う中で蓄積してきた温室効果ガス排出量の削減や、持続可能で効率的な物流システムの構築、社員の健康管理などの知見とノウハウを「グリーン・モビリティ」のビジネスモデルとして磨き上げ、サプライチェーンの持続可能性を高めるソリューションとして提供しています。具体的には、再生可能エネルギーの活用拡大と電力調達コストの抑制を両立するヤマトエナジーマネジメント株式会社の事業展開や、車両を使用する法人のお客様の環境対応ニーズに応えるEVライフサイクルサービスの提供、および運送事業者の従業員の健康管理を支援するオンライン医療サービス MY MEDICA を通じ、物流業界全体の課題解決とヤマトグループの新たな成長につなげています。

④グループ経営基盤の強化ヤマトグループは、持続的な企業価値向上を実現するための基盤として、人事戦略、デジタル戦略を推進するとともに、サステナブル経営およびコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。人事戦略については、持続的な成長と収益力の再構築に向けて、引き続き社員の待遇向上などの人的投資を推進するとともに、経営戦略と連動した人材ポートフォリオの最適化を推進しています。具体的には、間接部門の業務効率化と組織のスリム化を図り、創出した人材を第一線へ再配置するとともに、成長領域であるコントラクト・ロジスティクス事業やグローバル事業において事業特性に応じた人事制度の導入を検討するなど、営業力の強化と収益力の向上に取り組んでいます。デジタル戦略については、データやAIの活用による事業モデルの変革と新たな顧客体験価値の創出を図る「AI・データドリブン経営」を推進しています。営業領域においては、データ分析を用いたターゲット顧客の精緻化に加え、デジタルツールの活用による営業プロセスの高度化を通じ、価値提案力の強化を進めています。また、バックオフィス領域においては、生成AIや自律型AIエージェントによる、作業時間の短縮や業務の自動化に注力しています。さらに、全社的なデータ基盤の拡充やAI活用環境の整備を進めるとともに、システム開発プロセスのAIの活用による効率化など、業務プロセスの刷新を通じて、経営資源の最適配置とオペレーション全体の生産性向上に取り組んでいます。サステナブル経営の強化については、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた2つのビジョン「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」に基づき、特定した重要課題(マテリアリティ)に対して引き続き取組みを強化しています。環境の領域については、「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ(自社排出)」および「2030年温室効果ガス排出量48%削減(2021年3月期比)」の実現に向け、引き続き「EVの導入」「太陽光発電設備の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進するとともに、サプライチェーンにおける実質排出量(Scope3)の把握や削減目標の設定などに取り組んでいます。社会の領域については、引き続き、人命の尊重を最優先とし、社員やパートナーの安全・健康に対する取組みを強化するとともに、多様な社員が活躍できる職場環境整備を進めています。そして、社会の諸課題に向き合い、ビジネスパートナーとの定期的な協議の実施や、課題の早期発見と解消のための体制・プロセス・仕組みの整備など、適切な関係に基づくサステナブル・サプライチェーンの構築を推進しています。コーポレート・ガバナンスの強化については、引き続き、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持・強化などに取り組むとともに、株主・投資家との建設的な対話や情報開示の充実を通じて、持続的な企業価値向上に努めています。<セグメント別の概況>○エクスプレス事業

① エクスプレス事業は、個人および法人のお客様に対し、宅急便を中心とした国内輸配送サービスを提供しており、宅急便部門が向き合う小口法人・個人のお客様からの宅急便取扱数量の拡大、法人部門が向き合う大口法人のお客様を中心とした付加価値に応じたプライシングの適正化を進めています。また、セールスドライバーがお客様に向き合い、より良いサービス提供に専念できる環境整備に注力するとともに、お客様のニーズを捉えた商品・サービスの開発を進めています。加えて宅急便ネットワークの強靭化に資する輸送の効率化も進めています。

② 当第1四半期においては、引き続き、外部環境の変化によるコスト上昇を踏まえ、宅急便部門が向き合う小口法人・個人のお客様からの宅急便取扱数量の拡大や法人部門が向き合う大口法人のお客様への付加価値に応じたプライシングの適正化を推進しました。また、宅急便ネットワークの強靭化に向けて、ネットワーク全体の稼働最適化やモーダルシフトの推進など、オペレーティングコストの適正化に取り組みました。

③ 外部顧客への営業収益は、宅急便部門が向き合う小口法人・個人のお客様からの宅急便取扱数量の拡大および法人部門が向き合う大口法人のお客様に対するプライシングの適正化が進展したことなどにより3,646億80百万円となり、前年同期に比べ0.4%増加しました。営業損失は131億39百万円となり、前年同期に比べ2億98百万円の赤字幅縮小となりました。○コントラクト・ロジスティクス事業

① コントラクト・ロジスティクス事業は、輸配送ネットワークに倉庫オペレーションなどの付加価値を組み合わせ、法人のお客様の課題解決や事業成長を支援するソリューションを提供しています。

② 当第1四半期においては、企業間の在庫・配送拠点やEC事業者様の総合物流センターの運営など、より付加価値の高いサプライチェーンソリューションの提案や、オペレーションの品質・生産性改善などに取り組みました。加えて、ヤマトグループの輸送ターミナルと高付加価値機能を持つロジスティクスセンターを融合した統合型ビジネスソリューション拠点の展開も進めており、当第1四半期に開設した東京、滋賀、岡山の3拠点を含む全国9拠点において、販売機会の最大化やリードタイムの短縮、環境負荷の低減など、法人のお客様に対する付加価値を提供しています。

③ 外部顧客への営業収益は、新規案件の獲得が進展したことなどにより411億67百万円となり、前年同期に比べ9.1%増加しました。営業利益は19億8百万円となり、前年同期に比べ6億94百万円増加しました。○グローバル事業

① グローバル事業は、日本国内および海外事業会社が連携し、国際フォワーディングや国際エクスプレス、海外現地におけるコントラクト・ロジスティクスなどを組み合わせ、法人のお客様のグローバルサプライチェーン全体を最適化するソリューションを提供しています。サプライチェーンの変化を好機と捉え、これまで宅急便で培った国内の膨大な顧客基盤を活かしつつ、オートモーティブやハイテク、食品産業などヤマトグループが強みを発揮している領域のさらなる拡大に努めるとともに、日本、北米、中国、東南アジアにおける営業力の強化を進めています。

② 当第1四半期においては、国内事業会社および各国に展開するグループ現地法人がこれまで以上に連携を強化し、一体的に事業推進する体制を整備するとともに、引き続き、国際フォワーディングの混載効率向上や、拡大する越境EC事業者様への提案強化、注力地域の内需拡大に伴う物流需要の取込みなどを推進しました。特に越境EC領域においては、厳格なコンプライアンス体制に基づく高品質かつ確実な通関機能と宅急便ネットワークを連携させた付加価値の高い輸配送の提供と、収益性を重視した適正単価の収受に注力しました。

③ 外部顧客への営業収益は、越境EC顧客に対するプライシングの適正化や顧客基盤の拡大に加え、購買戦略の見直しなどを通じたフォワーディング事業の収益性改善が進展したことなどにより263億31百万円となり、前年同期に比べ6.1%増加しました。営業利益は26億60百万円となり、前年同期に比べ53百万円増加しました。(参考)区分 前第1四半期 当第1四半期 増減 伸率(%)宅急便・宅急便コンパクト・EAZY (百万個) 463 449 △13 △3.0ネ コ ポ ス ・ ク ロ ネ コ ゆ う パ ケ ッ ト (百万個) 107 126 19 18.2ク ロ ネ コ ゆ う メ ー ル (百万冊) 27 24 △2 △10.3○モビリティ事業

① モビリティ事業は、運送事業者の安全運行と車両稼働時間の拡大に資する、稼働を止めない車両整備サービスを提供しています。また、再生可能エネルギーの活用拡大と電力調達コストの抑制を両立するヤマトエナジーマネジメント株式会社の事業展開や、車両を使用する法人のお客様の環境対応ニーズに応えるEVライフサイクルサービスの提供を推進しています。

② 当第1四半期においては、業務プロセスの見直しにより自動車整備士が本業に注力できる環境作りを推進するとともに、車両整備サービスの拡販と適正料金の収受に取り組みました。エネルギー事業においては、再生可能エネルギーの活用拡大と電力調達コストの抑制に向け、ヤマトグループ各拠点に対する電力供給を推進しました。

③ 外部顧客への営業収益は、車両整備において、契約車両台数の増加に加え、料金の適正化や自社作業比率の増加を進めたこと、またエネルギー事業において燃料価格高騰に伴う市場価格調整額が増加したことなどにより55億35百万円となり、前年同期に比べ8.7%増加しました。営業利益は20億50百万円となり、前年同期に比べ4億42百万円増加しました。○その他

① ヤマトグループが保有するITやコールセンターなどの機能は、お客様のサプライチェーン全体に対する提供価値拡大に向けた取組みを支えています。当第1四半期においては、お客様の業務効率化とエンドユーザーの利便性向上に資するITサービスの提供などを推進しました。

② 外部顧客への営業収益は56億17百万円となり、前年同期に比べ13.8%減少しました。営業利益は15億24百万円となり、前年同期に比べ1億13百万円減少しました。<その他の取組み>

① ヤマトグループは、人命の尊重を最優先とし、安全に対する様々な取組みを実施しており、輸送を主な事業とするグループ各社を中心に、安全管理規程の策定および管理体制の構築、年度計画の策定など、運輸安全マネジメントに取り組んでいます。また、「こども交通安全教室」を幼稚園・小学校などで開催するとともに、グループ全体での「交通事故ゼロ運動」を実施するなど、安全意識の向上を図る取組みを推進しました。

② ヤマトグループは、豊かな地域づくりがヤマトグループの成長と発展の基盤であると考え、地域社会の健全で持続的な発展とそこに暮らす人々の質の高い生活の確保を目指し、企業市民活動に取り組んでいます。環境の領域では、全国にネットワークを有する企業グループとして、地域の豊かな自然を将来に繋げていくため、次世代を担う子どもたちへの環境教育をサポートする「クロネコヤマト環境教室」を、2005年から全国で3,600回以上開催しており、累計参加人数は約27万人となりました。また、地域コミュニティの領域では、お客様や地域の皆様に対する感謝の気持ちを込めて、年齢や地域の枠を超えたすべての皆様へ本物の音楽をお届けすることを目的とした音楽宅急便「クロネコ ファミリーコンサート」を、1986年から全国で367回開催しており、累計参加人数は約60万人となりました。

③ ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、公益財団法人ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パン製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。

(2)財政状態の概況(資産、負債および純資産の概況)総資産は1兆2,909億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億35百万円増加しました。これは主に、統合型ビジネスソリューション拠点を開設したことなどによりリース資産が76億64百万円、保有する株式の含み益が増加したことなどにより投資有価証券が59億80百万円増加した一方で、現金及び預金が68億52百万円減少したことによるものです。負債は7,187億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ205億94百万円増加しました。これは主に、夏季賞与を計上したことなどにより未払費用が460億41百万円増加した一方で、賞与引当金が181億37百万円減少したことによるものです。これに加え、リース資産を取得したことによりリース債務が92億64百万円増加した一方で、代金引換サービスの利用が減少したことなどにより支払手形及び買掛金が147億95百万円減少しました。純資産は5,721億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ98億58百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失が58億87百万円となったこと、剰余金の配当を72億94百万円実施した一方で、保有する株式の含み益の増加に伴いその他有価証券評価差額金が36億91百万円増加したことによるものです。以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の44.6%から43.5%となりました。(キャッシュ・フローの概況)営業活動によるキャッシュ・フローは91億87百万円の収入となり、前第1四半期連結累計期間に比べ収入が92億88百万円減少しました。これは主に、税金等調整前四半期純損失が67億円となり前第1四半期連結累計期間に比べ収支が86百万円減少したこと、および2026年3月期の業績改善に伴い消費税等の納付額が増加したことにより未払消費税等の増減額が66億77百万円減少したことによるものです。これに加え、前第1四半期連結累計期間において自己株式の取得のための預託金を払い出したことに伴い営業活動によるキャッシュ・フローが増加したことなどからその他の営業キャッシュ・フローが前第1四半期連結累計期間に比べ113億11百万円減少しました。また、子会社の清算に伴い2026年3月期に法人税等の計算上の損失が発生したことなどから法人税等の支払額が前第1四半期連結累計期間に比べ55億41百万円減少しました。投資活動によるキャッシュ・フローは81億28百万円の支出となり、前第1四半期連結累計期間に比べ支出が61億18百万円減少しました。これは主に、設備投資におけるリース取引の活用などにより有形固定資産の取得による支出が前第1四半期連結累計期間に比べ82億20百万円減少した一方で、スタートアップ企業への出資に伴い投資有価証券の取得による支出が前第1四半期連結累計期間に比べ13億97百万円増加したことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは81億47百万円の支出となり、前第1四半期連結累計期間に比べ支出が237億5百万円減少しました。これは主に、自己株式の取得による支出が前第1四半期連結累計期間に比べ189億24百万円減少したこと、および連結子会社の資金管理を強化したことに伴い短期借入金が減少したことなどにより短期借入金の純増減額が前第1四半期連結累計期間に比べ53億58百万円増加したことによるものです。以上により、当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は2,311億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ66億40百万円減少しました。

(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明ヤマトグループを取り巻く事業環境は、賃上げによる所得環境の改善の兆しがあるものの、物価上昇に伴う個人消費の停滞などから、先行き不透明な状況が続く見通しです。また、人手不足の深刻化や、中東情勢の緊迫化などを背景としたエネルギー・原材料価格の高騰などにより、コスト上昇は継続すると想定しています。このような状況の中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」に基づき、宅急便ネットワークの強靭化による基盤領域の利益成長、ビジネスソリューションの提供を通じた法人向けビジネスの拡大、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化およびグループ経営基盤の強化など、「経済価値」を生み出すとともに、持続可能な社会に向けた「環境価値」「社会価値」を創造する取組みを推進しています。当第2四半期(累計)および通期の連結業績予想は、業績が概ね計画通り推移しているため、前回発表(2026年5月14日発表)から変更ありません。

本記事は各社が開示した決算短信の記載を機械的に抽出・比較し、AIが要約したものです。数値・表現は原資料をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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