※本記事はダイキン工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ダイキン工業は2026年3月期の連結決算で、売上高5兆150億円(前期比106%)、営業利益4,150億円(同103%)となり、売上高・営業利益とも前年度を上回り過去最高業績を更新した。空調・冷凍機事業は増収増益で営業利益率も改善した一方、化学事業は増収減益となった。次期(2027年3月期)は、戦略経営計画「FUSION30」のもと、売上高5兆1,500億円、営業利益4,360億円を計画し、更なる過去最高業績の達成を目指す。期末配当は現公表から10円増額の175円を予定し、年間配当金は340円の見込み。次期は年間360円を計画している。
連結業績(2025年度 実績)
売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期を上回り、過去最高業績を更新した。第4四半期(1-3月)は増益に転じ、年間計画を達成した。為替影響を除く前年度比は売上高105%、営業利益106%。想定を上回る需要減の影響を受けるなか、経営トップ直轄の全社横断6テーマ(販売力・営業力強化、新商品投入加速、サプライチェーン強化、コストダウン極大化、サービス・ソリューション事業、デジタル投資)の成果創出を加速し、販売力・営業力の強化、戦略的売価施策、コストダウンの取組みを推進した。
| 項目 | 当期(2025年度) | 前期(2024年度) | 前年度比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 50,150億円 | 47,523億円 | 106% |
| 営業利益 | 4,150億円(利益率8.3%) | 4,017億円(利益率8.5%) | 103% |
| 経常利益 | 4,082億円(利益率8.1%) | 3,664億円(利益率7.7%) | 111% |
| 税金等調整前当期純利益 | 4,036億円(利益率8.0%) | 3,761億円(利益率7.9%) | – |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,752億円(利益率5.5%) | 2,648億円(利益率5.6%) | 104% |
事業セグメント別実績
空調・冷凍機事業は増収増益、営業利益率も改善した。米州・中国の住宅用の需要減少、アジアでの景気低迷と天候不順の影響を受けるなか、アプライド・業務用など需要が好調な事業で販売を拡大。米州で住宅用ユニタリーのシェアを大きく挽回したことに加え、日本・欧州でも高付加価値商品を拡販した。中国では住宅用マルチエアコンの販売に資源を集中した。米国の関税措置による直接影響(営業利益約410億円)は、価格転嫁とコストダウンで吸収した。化学事業は増収減益。半導体分野の需要回復遅れ、流通在庫の調整により、半導体製造装置向けの高機能樹脂の販売が減少した。(フィルタ事業は空調・冷凍機事業に含む)
| セグメント | 売上高(当期) | 前期比 | 営業利益(当期) | 前期比 | 利益率(当期) |
|---|---|---|---|---|---|
| 空調・冷凍機 | 46,211億円 | 105% | 3,770億円 | 107% | 8.2% |
| 化学 | 2,815億円 | 107% | 331億円 | 72% | 11.8% |
| その他 | 1,124億円 | 107% | 49億円 | 108% | 4.4% |
| 全社計 | 50,150億円 | 106% | 4,150億円 | 103% | 8.3% |

地域別動向(空調・冷凍機事業)
地域別に見ると、米州・欧州・日本で増収となる一方、中国・アジアは前年度を下回った。米州の住宅用の業界需要は長引くインフレや住宅ローン金利の高止まり、流通在庫調整の影響により低迷したが、当社は住宅用ユニタリーのシェアアップと売価施策により売上を拡大、アプライドはデータセンター向けを中心に需要が好調に推移した。中国は不動産市況の悪化や消費の冷え込みにより前年度比94%となったが、高付加価値商品の拡販やコストダウンにより営業利益率は高水準を維持した。アジアはアセアン地域各国での景気減速に加えインドの天候不順の影響を受け前年度比94%となった。次期(2026年度計画)は、アジアが同107%へ回復する見込みの一方、中国は同94%と厳しい見通しを示している。
| 地域 | 当期実績(2025年度) | 前年度比 | 次期計画(2026年度) | 計画比 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 6,758億円 | 105% | 6,950億円 | 103% |
| 欧州 | 7,842億円 | 110% | 8,100億円 | 103% |
| 中国 | 4,035億円 | 94% | 3,800億円 | 94% |
| 米州 | 18,986億円 | 109% | 19,900億円 | 105% |
| アジア | 5,065億円 | 94% | 5,300億円 | 105% |
| オセアニア | 1,566億円 | 107% | 1,600億円 | 102% |
| 中近東 | 1,768億円 | 117% | 1,560億円 | 88% |
| アフリカ | 192億円 | 115% | 200億円 | 104% |
| 計(空調・冷凍機事業) | 46,211億円 | 105% | 47,410億円 | 103% |

通期業績予想(2027年3月期=2026年度計画)
戦略経営計画「FUSION30」を策定し、稼ぐ力を再強化する。2028年度の目標として、営業利益率10%、ROE12%をめざす。今期は、経営環境の先行きが不透明ななか、競争力・収益力の強化に向けた施策をグローバルで推進し、利益率の改善を図り、過去最高業績を達成する計画。為替影響を除く前年度比は売上高105%、営業利益110%。空調事業はアプライド・業務用ソリューション事業の拡大に努め、各地域で販売力強化、戦略的売価施策と高付加価値商品の拡販を推進する。グローバルでのトータルコストダウンにより、原材料市況高騰や物流費上昇、米国の関税措置などのコストアップの影響を極小化する方針。
| 項目 | 予想(2026年度) | 前期実績(2025年度) | 予想比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 51,500億円 | 50,150億円 | 103% |
| 営業利益 | 4,360億円(利益率8.5%) | 4,150億円(利益率8.3%) | 105% |
| 経常利益 | 4,140億円(利益率8.0%) | 4,082億円(利益率8.1%) | 101% |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 2,780億円(利益率5.4%) | 2,752億円(利益率5.5%) | 101% |
| セグメント | 売上高(予想) | 予想比 | 営業利益(予想) | 予想比 | 利益率(予想) |
|---|---|---|---|---|---|
| 空調・冷凍機 | 47,410億円 | 103% | 3,930億円 | 104% | 8.3% |
| 化学 | 3,000億円 | 107% | 390億円 | 118% | 13.0% |
| その他 | 1,090億円 | 97% | 40億円 | 81% | 3.7% |
| 全社計 | 51,500億円 | 103% | 4,360億円 | 105% | 8.5% |

株主還元
配当方針を変更した。変更前は「安定的かつ継続的に配当を実施していくことを基本に、連結純資産配当率(DOE)3.0%を維持するようつとめるとともに、連結配当性向についてもさらに高い水準をめざし、株主還元の一層の充実を図る」としていたが、変更後は「これまでの配当実績を踏まえ、配当性向の水準を意識しつつ、安定性を重視しながら、継続的な増配の実現につとめる」とした。期末配当は、売上高・営業利益が過去最高となったことから、現公表から10円増額の175円を予定。すでに実施済みの中間配当165円と合わせて、年間配当金は340円を予定する。次期配当については、年間360円(中間180円、期末180円)を予定している。
| 項目 | 前期(2024年度) | 当期(2025年度案) | 次期予想(2026年度) |
|---|---|---|---|
| 中間配当 | 185円(創業100周年記念配当50円含む) | 165円 | 180円 |
| 年間配当金 | 330円 | 340円 | 360円 |
| 1株当たり当期純利益(年間) | 904.3円 | 939.9円 | 949.3円 |
| DOE(参考) | 3.6% | 3.3% | 3.2% |

中期経営計画/トピック
戦略経営計画「FUSION30」を策定し、2028年度の目標として営業利益率10%、ROE12%を掲げた。中東情勢の悪化により想定されるリスク(中東地域での事業停滞、原油高に伴うエネルギー価格・輸送運賃の上昇、樹脂ほか原油関連製品の調達難、物流の遅延・停滞、実体経済への影響波及による投資抑制・消費低迷)については、代替部品・サプライヤの探索、価格転嫁、省エネ機器の拡販、システム提案の強化、もう一段のコスト低減、緊急的な経費削減などの対策を本計画に織り込んでいる。なお、想定を上回る景気悪化や需要の急激な落ち込みなど事業環境が大きく変化した場合には、経営計画を柔軟に見直すとしている。
※本記事はダイキン工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。