ダイキン工業

【ダイキン工業】決算短信の「経営成績等の概況」はどう変わったか(2025年3月期→2026年3月期)

決算短信定性文(経営概況)リサーチ 2026.09.18
NO IMAGE

通期・四半期とも説明の粒度はほぼ維持されたまま、戦略経営計画の切り替え(FUSION25→FUSION30)や中東情勢など話題としている出来事が入れ替わった。

目次

調査の概要

本記事は、東証プライム市場の時価総額上位500社を対象に、決算短信の「経営成績等の概況」相当部分の記載がどう変化したかを調べた調査の一部で、ダイキン工業分です。

通期: 2025年3月期決算短信 と 2026年3月期決算短信(開示日: 2025年5月8日 → 2026年5月12日)

四半期: 2026年3月期 第1四半期決算短信 と 2027年3月期 第1四半期決算短信(開示日: 2025年8月5日 → 2026年8月4日)

ここでいう定性文とは、決算短信のうち「1. 経営成績等の概況」相当の見出しから、次の大見出しの手前までの記述を指します。文字数は、タイトル名(『』)を除外し、空白を除いて計測しています。

通期決算短信の比較

文字数: 8,275字 → 7,691字(前期比-7.3%、減少)

見出し構成の変化: 変化なし

粒度の判定: 同等

セグメント情報注記: あり(916字) → あり(904字)

変化の型: 出来事型

増えた要素

  • 経営トップ直轄の全社横断6テーマの番号立て(販売力強化・コストダウン・サービスソリューション拡大等)
  • 東京ゼロエミポイント事業による住宅需要押し上げの言及
  • 半導体需要減速による化学事業の営業利益大幅減の説明

減った要素

  • 戦略経営計画「FUSION25」後半3ヵ年計画の名称(新計画「FUSION30」に置換)
  • 創業100周年記念配当の説明(次期は通常配当のみ)

要約: 通期は文字数が7.3%減少したが、地域別・セグメント別の説明粒度はほぼ維持されている。全社横断テーマの立て方が2グループ計7項目から番号付き6テーマに整理され、戦略経営計画も「FUSION25」から新計画「FUSION30」に切り替わった。

四半期決算短信の比較

文字数: 6,411字 → 5,988字(前期比-6.3%、減少)

見出し構成の変化: 変化なし

粒度の判定: 同等

セグメント情報注記: あり(2198字) → あり(94字)

変化の型: 出来事型

増えた要素

  • 新戦略経営計画「FUSION30」の公表と「稼ぐ力の再強化」というテーマの説明
  • 中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格上昇・物件遅延の言及

減った要素

  • 米国新政権の関税政策への対応策構築という前年の具体的テーマ表現(今年は変動費低減・固定費構造可視化等に置換)

要約: 四半期は文字数が6.3%減少したものの、文数・因果表現・セグメント言及はむしろ微増しており粒度は同等。新戦略経営計画「FUSION30」の公表や中東情勢の緊迫化など、話題としている出来事が入れ替わった。

定性文の全文(前期・今期)

通期 2025年3月期

出典: ダイキン工業 2025年3月期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2025年5月8日(https://www2.jpx.co.jp/disc/63670/140120250507532745.pdf)

1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況当期の世界経済は、欧米を中心に厳しい局面が続きました。米国経済は、個人消費が堅調だったものの、住宅ローン金利高止まりの影響により住宅投資は低迷しました。欧州経済は、インフレ鎮静化と賃金上昇でサービス需要を中心に回復の動きが見られましたが、高金利と外需不振が経済の重石となりました。中国経済は、輸出産業が堅調だったものの、内需が伸び悩みました。日本経済は、物価高が経済を下押しする中、デジタル関連を中心に設備投資が拡大しました。アジア経済は、個人消費やインフラ投資、輸出の回復が経済を支えました。このような事業環境のもと、当社グループは、2025年を最終年度とする戦略経営計画「FUSION25」の後半3ヵ年計画(2023~2025年度)の完遂に向けて、成長戦略3テーマ「カーボンニュートラルへの挑戦」「顧客とつながるソリューション事業の推進」「空気価値の創造」をはじめとした重点戦略11テーマの施策展開を加速させ、経済価値・環境価値・社会価値の創出に取り組みました。また、当期は、全社収益構造及び利益率の改善・向上と、グループ総合力を結集したグローバル横断での成果創出に向けて、以下のテーマに取り組みました。(全社収益構造と利益率の改善・向上に向けたテーマ)・ 販売価格政策の推進と当社シェアの向上の両立・ 限界利益率の向上に向けた、グローバル横断でのコスト力強化・ 強靭なサプライチェーンの構築に向けた、グローバルでの生産・調達・物流改革の実行・ 既存固定費の削減と、先行投資・戦略投資の優先順位付け・ 実行してきた買収案件・生産能力増強投資・研究開発投資の成果創出(グローバル横断、グループトータルの総合力で大きな成果創出をめざすテーマ)・ グローバルでのアプライド空調事業の積極的拡大と、用途や市場ごとの付加価値提供による業務用空調ソリューション事業の収益拡大・ 差別化商品の投入、サービス力の強化、工事の省施工・省人化対応各地域で需要が低迷するなど厳しい事業環境が続く中、これらの取り組みを徹底実行し、それぞれの地域・事業の進捗状況をきめ細かくフォローしながら、事業環境の変化に対して臨機応変に先手を打つことで、当社事業へのマイナス影響を極小化するとともに、インド・日本など堅調な地域やアプライド空調事業・業務用空調ソリューション事業など好調な事業でのさらなる販売拡大やDXを活用した業務効率化などによる収益力向上に努めました。また、収益力強化につながる生産能力増強投資や研究開発投資、販売網・サービス網の拡充に向けた投資、今後の事業展開の加速に向けた人材育成・確保等の人的投資など、中長期の成長を見据えた投資も継続しました。当期の経営成績については、売上高は4兆7,523億35百万円(前期比8.1%増)となりました。利益面では、営業利益は4,016億69百万円(前期比2.4%増)、経常利益は3,664億46百万円(前期比3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,647億57百万円(前期比1.7%増)となりました。セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

① 空調・冷凍機事業空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前期比8.8%増の4兆3,845億48百万円となりました。営業利益は、前期比5.3%増の3,509億87百万円となりました。国内空調では、業務用市場の需要は、大型再開発やオフィスビル、商業施設の新設や改修など、設備投資が増加し、前期を上回りました。また、住宅用市場の需要は、4月から平均気温が平年を上回り、記録的な猛暑と残暑による需要の拡大もあり、前期を上回りました。当社グループは、このような状況下で、業務用空調機器市場においては、高い省エネ性能の「FIVE STAR ZEAS」、個別運転ニーズに応える「machi(マチ)マルチ」、既設の冷媒配管を利用しスムーズな空調機器更新が可能な更新用ビル用マルチエアコン「VRV Q」シリーズなど、高付加価値商品を拡販し、売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器市場においては、電気代高騰による省エネニーズの高まりと夏季シーズンでの空調機器の使用時間が大幅に増えたことを背景に、高い省エネ性の『うるさらX』を中心に省エネ提案により高付加価値商品を拡販し、売上高は前期を上回りました。2米州では、住宅用空調機器については、冷媒規制による製品切り替えにおいて価格上昇や供給懸念から現行冷媒機(R410A機)に対する駆け込み需要が増加しました。当社グループは、R410A機の増産に努めたことに加え、環境性と省エネ性に優れた低温暖化冷媒R32の新モデル機の販売加速・増産、省エネ性能の高い環境プレミアム商品『Fit(フィット)』の拡販を実行しましたが、R410A機の需要を取り込みきれず、独立系のディストリビューター(卸)への出荷が進まなかったため販売は減少しました。為替のプラス効果により、円貨換算後の売上高は前期を上回りました。アプライド空調機器については、メキシコでの新工場立ち上げ、既存工場やカスタムエアハンドリングユニットメーカーでの生産能力増強により、成長するデータセンター及び製造業市場の需要を取り込み、販売は伸長しました。また、ソリューション事業の拡大と新規買収も寄与し、売上高は前期を大きく上回りました。中国では、不動産不況の影響により需要が大きく減速し、地域全体の売上高は前期を下回りました。利益面では、高付加価値商品の拡販、コストダウン等に取り組み、これまでの高水準を維持しました。住宅用空調機器市場では、景気が減速する中、ユーザーダイレクトのオフラインの小売販売に加え、ショールームを活用したライブ放送・Web戦略・SNSなどオンラインを組み合わせた当社グループ独自の販売活動を強化しました。また、空調・換気・ヒートポンプ床暖房・空気質センサーなどのシステム商品の販売に加え、IoTやデータ分析を活用し、顧客ごとに最適な空気質やライフスタイルに応じた提案を行うホームソリューションを強化しました。業務用空調機器市場では、カーボンニュートラル政策の推進による政府物件・工場・グリーンビル(環境性能が高まるよう配慮して設計された建物)などの市場の伸びを受け、省エネを切り口とした提案を強化しました。アプライド空調機器市場では、インフラ・半導体・医療関連など底堅い需要がある分野に資源を投入したことに加え、保守・メンテナンス事業を強化しました。アジア・オセアニアでは、好調な経済を背景にインドでの販売が大きく伸長し、地域全体の売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器については、販売店や消費者への販促施策の展開に加え、需要が拡大しているインドにおいて地方都市の販売店網を強化し、売上高は前期を上回りました。業務用空調機器については、景気の先行き不透明感の高まりもありプロジェクトの遅延や投資の見直しが発生する中、販売店の開発・育成により販売を拡大し、売上高は前期を上回りました。アプライド空調機器については、工場・データセンター向けの販売を拡大し、売上高は前期を上回りました。欧州では、前年度より続いている住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器の需要の落ち込みはあるものの、業務用空調機器の拡販により地域全体の売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器では、需要減少に伴う流通在庫の高止まりにより販売が一時減速しましたが、イタリアや中欧等での拡販により、売上高は前期を上回りました。住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器については、主要市場(イタリア・ドイツ・フランス等)での各国政府の補助金制度の縮小による需要減に底打ちの兆しが見られますが、いまだエンドユーザーの間では買い控えが継続しています。このような状況に対し当社グループでは、商品ラインナップ拡充に加え、販売店開発や補助金申請支援などの販売力強化に継続して取り組みましたが、売上高は前期を下回りました。一方、業務用空調機器では、好調な観光セクターを追い風に拡大するホテル・レストラン向けの需要や、オフィス・店舗の省エネニーズを着実に取り込み、売上高は前期を上回りました。アプライド空調機器では、データセンター向けの販売が拡大したこと等により、売上高は前期を上回りました。中近東・アフリカでは、売上高は前期を大きく上回りました。サウジアラビアの政府系物件やUAEのデータセンター向けなどの業務用物件の受注増加が販売を牽引しました。トルコでは、住宅用空調機器において猛暑による需要増加や販売店支援等により販売が増加しました。フィルタ事業では、欧州の景気減速による販売低迷、半導体市場の回復遅れを受けた中国・東南アジアでの価格競争の激化等のマイナス影響がありましたが、需要が堅調に推移したことに加え、為替のプラス効果もあり、フィルタ事業全体の売上高は前期を上回りました。米国では、自前の販売店展開による高粗利商材の拡販などにより、業務用販売が伸長したことで、販売は増加しました。欧州では、北欧地域を中心に販売が伸長したものの、自動車産業を中心に不況の影響を受け、欧州全域での販売は前期並みとなりました。アジア・中東では、東南アジアにおいて安価な製品との競争が激化し、半導体市場での販売が減速したことに加え、中国では不動産不況の長期化による需要の停滞が続いていることもあり、中東・インドを含むアジア地域全体の販売は減少しました。また、国内では、建設業界の人手不足による工期延期、半導体製造装置向けでの在庫調整が続いておりますが、拡販施策の徹底により販売は増加しました。ガスタービン・集塵機事業は、油田向け特殊フィルタの販売地域を拡大し、販売は堅調に推移しました。舶用事業では、海上コンテナ冷凍装置、舶用エアコン・冷凍機の販売を伸ばし、売上高は前期を上回りました。3

② 化学事業化学事業セグメント合計の売上高は、前期比0.3%減の2,630億28百万円となりました。営業利益は、前期比10.4%減の461億19百万円となりました。フッ素化学製品全体の販売は、半導体・自動車分野を中心にした広範囲での需要低迷、それに伴う流通在庫調整の動きなどがありましたが、為替のプラス効果により売上高は前期並みとなりました。フッ素樹脂は、LAN電線分野での需要低迷や半導体装置向け材料分野での需要悪化により販売が落ち込んだものの、為替のプラス効果により売上高は前期並みとなりました。一方、フッ素ゴムについては、自動車分野等での流通在庫調整の影響により、売上高は前期を下回りました。化成品は、表面防汚コーティング剤や半導体プロセス向けエッチング剤の需要が回復したものの、撥水撥油剤や中間機能材分野での需要悪化により、売上高は前期並みとなりました。フルオロカーボンガスについては、需要の落ち込みと市況軟化による厳しい環境の中で、拡販と価格維持に努めた結果、売上高は前期を上回りました。

③ その他事業その他事業セグメント合計の売上高は、前期比2.1%増の1,047億57百万円となりました。営業利益は、前期比38.1%減の45億43百万円となりました。油機事業では、産業機械用油圧機器は、米国向けの販売が高水準を維持したものの、国内市場及び欧州市場向けの販売が減少したことにより、売上高は前期を下回りました。建機・車両用油圧機器は、国内市場及び米国市場向けの販売が減少したことにより、売上高は前期を下回りました。特機事業では、防衛省向けの受注が増加したことに加え、酸素濃縮装置及び低酸素システム(酸素濃度をコントロールすることで、短時間で高い運動効果が得られる高地空間を再現する機器)の販売が堅調に推移したことにより、売上高は前期を上回りました。電子システム事業では、品質課題の解決・設計開発期間の短縮・コストダウン支援といった顧客ニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『SpaceFinder(スペースファインダー)』と『Smart Innovator(スマートイノベーター)』の拡販に取り組みましたが、大口案件の減少などにより、売上高は前期を下回りました。4

(2)当期の財政状態の概況総資産は、5兆1,334億16百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,531億86百万円増加しました。流動資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,270億56百万円増加し、2兆8,536億54百万円となりました。固定資産は、建物及び構築物の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,261億30百万円増加し、2兆2,797億61百万円となりました。負債は、長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて737億95百万円増加し、2兆2,667億23百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて1,793億90百万円増加し、2兆8,666億93百万円となりました。

(3)当期のキャッシュ・フローの概況当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動では、仕入債務の増加等により、前連結会計年度に比べて1,148億82百万円収入が増加し、5,144億50百万円の収入となりました。投資活動では、投資有価証券の売却による収入の減少等により、前連結会計年度に比べて1,102億17百万円支出が増加し、3,374億6百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の減少等により、前連結会計年度に比べて238億45百万円支出が増加し、1,534億68百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べて598億99百万円減少し、256億8百万円のキャッシュの増加となりました。(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期自己資本比率(%) 51.4 51.5 51.9 54.0 54.6時価ベースの自己資本比率(%) 201.7 171.6 160.9 123.6 92.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年) 2.0 3.4 5.6 2.4 1.9インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) 39.3 27.7 7.8 9.0 11.9(注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。

※会計方針の変更により、2021年3月期は遡及適用後の数値を記載しております。5

(4)今後の見通し当社グループを取り巻く事業環境は、カーボンニュートラルに向けた企業や個人の意識の高まり、米国をはじめとしたデータセンター向けやインドでの空調需要の拡大はあるものの、インフレと高金利の影響で世界各地域で消費や住宅投資の低迷が続く見通しです。加えて、米国の関税引き上げに端を発した保護主義の台頭や欧州、中東などでの地政学リスクなど、不透明な状況が続いています。このような事業環境の中、当社グループは、2025年のグループ年頭方針「独自の強みと実行力で変化の波を乗り越えよう」のもと、グローバルに展開する地産地消の生産・販売体制、強固な販売網、環境・省エネ技術など、これまで培ってきた強みをベースに、アプライド機器・サービスソリューション事業の拡大や、売価施策と拡販・シェアアップの両立に向けた販売力強化とそのための差別化新商品の投入加速、グローバルコストダウンの最大化など、グローバル横串の取り組みを強化し実行することで、収益力の向上と経営体質の強化に取り組んでまいります。それにより、厳しい事業環境を打破して、過去最高業績の更新に繋げてまいります。具体的には、営業力・提案力強化に向けた先進事例やノウハウの横展開、各地域の用途や市場別のニーズに合わせた差別化新商品の投入や空調、換気、除加湿、床暖房などを組み合わせたシステム商材の拡充と開発スピードの向上、米国を中心にデータセンターや製造業、病院などで活発な投資が見込まれるアプライド空調での、これまでに拡充してきた販売網、保守・保全メニュー、機器更新に向けた提案力、計装エンジニアリング力を活かした更なる拡販と循環型ソリューション事業への転換加速、生産設備の自動化による省人化、ベースモデルの原価低減、基幹部品の標準化、銅からアルミへの材料置き換えによるコストダウンの最大化、デジタルの力を活用しての間接業務の効率化などをグループ一体で加速し、身軽で強靭な体質を構築してまいります。米国による追加関税の影響については、既に発効されている関税による直接影響は、価格転嫁を中心に吸収する計画です。今後の景気への影響は現時点では見通しが困難であり、計画に織り込んでおりませんが、販売への影響を複数のケースで想定したうえで、米国・メキシコ生産拠点を最大活用した関税影響の更なる抑制、関税の影響が他社に比べて有利になる商品を活かした拡販、コストダウンや固定費抑制の上積みなど、攻めと守りの両面からの吸収策を事前に構え、極小化してまいります。なお、当社メキシコ生産拠点の生産品はUSMCAの規定を満たしており、追加関税を無期限で猶予されております。2025年度通期の連結業績予想につきましては、売上高は前期比1.8%増の4兆8,400億円、営業利益は8.3%増の4,350億円、経常利益は10.5%増の4,050億円、親会社株主に帰属する当期純利益は2.7%増の2,720億円を見込んでおります。2025年度の為替レートについては、1米ドル140円、1ユーロ160円を前提にしております。業績見通しについては、当社が現時点で入手可能な情報と合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は見通しと大きく異なることがあります。その要因のうち、主なものは以下のとおりです。・政治情勢や景気、天候不順、製品需要などの市場環境の変化・為替相場・資金調達環境・有価証券の時価の変動・新たな商品・サービスや競合他社の出現・買収・他社との提携後における進捗状況・商品・サービスの品質問題や部品等の調達環境の変化、法規制・不正アクセスやサイバー攻撃による情報の流出・環境関連規制の強化や環境問題の発生・固定資産の減損、自然災害、新型感染症の流行6

(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当当社は、今後も戦略的投資を実行しながら事業拡大をはかるとともに、トータルコストダウンの推進、財務体質の強化などの体質改革を進めてまいります。これらの取り組みにより、真のグローバルエクセレントカンパニーをめざすと同時に、企業価値の一層の向上と株主への利益還元の向上をはかってまいります。具体的には、今後も、安定的かつ継続的に配当を実施していくことを基本に、連結純資産配当率(DOE)3.0%を維持するよう努めるとともに、連結配当性向についてもさらに高い水準をめざしていくことで、株主への還元の一層の拡充に取り組んでまいります。また、内部留保金につきましては、経営体質の一層の強化をはかるとともに、グローバル事業展開の加速、地球環境に貢献する商品開発の加速など、事業拡大・競争力強化のための戦略的投資に充当してまいります。当期(2025年3月期)の配当金は、創業100周年記念配当50円を中間配当に含み、年間330円(中間配当185円、期末配当145円)の案とさせていただきました。また、次期(2026年3月期)の配当金は、年間330円(中間配当165円、期末配当165円)の案とさせていただきました。

通期 2026年3月期

出典: ダイキン工業 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2026年5月12日

1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況当期の世界経済は、AI関連投資の拡大や内需の下支えなどを背景に、全体としては底堅く推移したものの、米国の関税政策や地政学リスクの高まりにより先行きの不透明感が増しました。米国経済は、AI関連投資が拡大したものの、金利の高止まりや物価上昇を背景に、住宅投資の低迷が続きました。欧州経済は、内需の持ち直しがみられる一方で、外需の弱さや関税を巡る不透明感が重しとなりました。中国経済は、不動産市場の低迷により厳しい状況が続きました。日本経済は、物価上昇が個人消費の抑制要因となる中、賃金上昇や設備投資の拡大を背景に底堅く推移しました。アジア経済は、外需減速の影響がみられたものの、ASEAN諸国を含め内需が全体を下支えしました。このような事業環境のもと、当社グループは、2025年度が最終年度となる戦略経営計画「FUSION25」で掲げた、カーボンニュートラルやソリューションの推進をはじめとする成長戦略を軸に、重点戦略テーマの実行を加速させ、中長期の成長と持続的な発展に向けた取り組みを推進しました。また、厳しい事業環境が続く中にあっても、収益基盤の強化と収益力の向上を実現すべく、当期は、以下の6テーマを経営トップ直轄の全社横断テーマとして定め、成果創出の最大化に取り組みました。

1. 販売力・営業力強化・利益率重視の販売施策

2. 新商品・差別化商品投入の加速・厳しい事業環境下で拡販と売価維持・アップの両立

3. 米国関税措置の対応を含むサプライチェーンの強化4. コストダウンの極大化・ベースモデルのコストダウン・銅からアルミ、ステンレスなどへの材料置換・米国関税措置の対応

5. グローバルでのサービス・ソリューション事業の加速・市場・用途別のソリューション展開・保守・修理サービス・部品販売の収益化

6. デジタル投資、プロセスイノベーションの成果創出これらの取り組みを進めるにあたっては、先行き不透明な事業環境が続く中でも、グローバルグループ一丸となって重点施策を徹底・実行し、マイナス影響の極小化に努めました。また、当期計画の達成に向け、事業環境の変化に対しても機動的かつ柔軟に対応してまいりました。当期の経営成績については、売上高は5兆150億36百万円(前期比5.5%増)となりました。利益面では、営業利益は4,149億91百万円(前期比3.3%増)、経常利益は4,081億71百万円(前期比11.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,752億29百万円(前期比4.0%増)となりました。セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

① 空調・冷凍機事業空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前期比5.4%増の4兆6,211億31百万円となりました。営業利益は、前期比7.4%増の3,769億91百万円となりました。国内空調では、業務用市場の需要は、インバウンド需要等を背景とした小売店舗などの建築着工件数が増加したほか、オフィス・商業施設を中心とする更新需要が堅調に推移し、前期を上回りました。住宅用市場の需要は、4月からの猛暑予測による先行需要の増加に加え、夏季の記録的な猛暑や、8月30日開始の東京ゼロエミポイント事業の影響もあり、前期を上回りました。当社グループは、このような状況下で、業務用空調機器市場においては、省エネ性と施工性に優れた「FIVE STAR ZEAS」に加え、低温暖化冷媒R32を採用し業界トップレベルの省エネ性を実現したビル用マルチエアコン「VRV 7」や、既設配管を再利用してスムーズな空調機器の更新を可能にする「VRV Q」シリーズなど、高付加価値商品を中心にユーザー提案を強化し、売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器市場においては、省エネ意識の高まりや夏場の使用時間増加を背景に、高温下でも安定した冷房性能を発揮する高外気タフネス冷房機能に加え、冷房しながら除湿を行い、湿度を抑えつつ冷やしすぎを防いで快適性を高めるプレミアム冷房を備えた高省エネ機種『うるさらX』を中心にユーザー提案を強化し、売上高は前期を上回りました。2米州では、住宅用空調機器については、米国関税に起因するインフレや住宅ローン金利の高止まりなど、依然として厳しい経済情勢が続く中、空調機器の更新需要の低迷や昨年度の冷媒規制に伴う駆け込み需要の影響で流通在庫が高止まりしていることから、需要の停滞が継続しました。このような状況の中、当社グループは、顧客の取り戻し、既存販売店の支援及び新規販売店の開発に取り組みました。また、環境性と省エネ性に優れた低温暖化冷媒R32機の拡販によるシェア拡大、省エネ性能の高い環境プレミアム商品『Fit(フィット)』の拡販、さらに、販売価格政策・コストダウンの推進により利益率の改善・向上にも努めました。これらの取り組みの結果、売上高は前期を上回りました。アプライド空調事業については、メキシコのチラー工場の活用に加え、既存工場の生産能力を拡充することで需要を着実に取り込み、さらにサービス事業の拡大も相まって販売は伸長しました。特に、市場成長が続くデータセンター向け分野においては、カスタムエアハンドリングユニットメーカーでの新工場稼働による生産能力増強を活かした販売拡大や、新規買収の効果も寄与し、売上高は前期を上回りました。中国では、不動産不況の影響により需要が大きく減速し、地域全体の売上高は前期を下回りました。利益面では、高付加価値商品の拡販、ソリューションの強化、コストダウン等に取り組み、これまでの高水準を維持しました。住宅用空調機器市場では、景気が減速する中、ユーザーダイレクトのオフラインの小売販売に加え、ライブ放送・Web戦略・SNSなどオンラインを組み合わせた当社グループ独自の販売活動を強化しました。また、空調・換気・ヒートポンプ床暖房・空気質センサーなどのシステム商品の販売に加え、IoTやデータ分析を活用し、顧客ごとに最適な空気質やライフスタイルに応じた提案を行うホームソリューションを強化しました。業務用空調機器市場では、カーボンニュートラル政策の推進による政府物件・工場・グリーンビル(環境性能が高まるよう配慮して設計された建物)などの市場に対し、省エネを切り口とした提案を強化しました。アプライド空調機器市場では、半導体・医療関連など底堅い需要がある分野に資源を投入したことに加え、サービス・保守事業の強化、省エネ更新・改造提案を強化しました。アジア・オセアニアでは、アセアン地域・インドでの天候不順等により、地域全体の売上高は前期を下回りました。住宅用空調機器については、アセアン地域・インドで昨年に比べ低温・多雨となった影響で需要が低迷し、流通在庫が高止まりしました。このような状況下で、販売店や消費者への販促施策の強化に取り組んだものの、売上高は前期を下回りました。一方、業務用空調機器については、アセアン地域で景気の先行き不透明感の高まりによりプロジェクトの遅延や投資の見直しが発生する中、販売店の開発・育成、インドでの継続的な販売拡大により、売上高は前期を上回りました。アプライド空調機器については、データセンター向け等の販売を強化しました。欧州では、地域全体の売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器では、従来、空調機の普及率が低かったドイツや英国に加え、7月以降に需要回復が続いたフランスでの高付加価値商品の拡販により、売上高は前期を上回りました。住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器では、需要は緩やかな回復基調ですが、燃焼式暖房の規制遅れ、補助金の制度や運用方法が安定せず、本格的な回復には至っておりません。当社グループは、燃焼式暖房からの置換が進むドイツで新商品を活用して販売を伸ばしたことに加え、為替のプラス効果もあり、売上高は前期を上回りました。業務用空調機器では、環境意識の高まりを背景にした低温暖化冷媒R32を採用した製品の提案強化及び各国での販売店開発により、売上高は前期を上回りました。中近東・アフリカでは、売上高は前期を上回りました。サウジアラビアやUAEでは大型物件向け販売が拡大しました。トルコでは、上期は住宅用空調機器、下期は業務用空調機器の販売が大きく伸長しました。フィルタ事業では、中国における価格競争の激化や、国内での投資抑制を背景とした市場縮小が続いたものの、全体として需要は堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。米国では、低収益事業縮小の影響がありましたが、OEMでの大型受注もあり、売上高は前期を上回りました。欧州では、南欧での大型案件の出荷や北欧地域での更新需要の獲得で売上を伸ばし、売上高は前期を上回りました。アジア・中東では、中国は不動産不況の長期化や需要の停滞が長引いている影響で販売は減少しましたが、マレーシアやタイの電子半導体、そのほか病院等の市場での拡販、中東の大口顧客からの新規受注が好調に推移したため、中東・インドを含むアジア地域全体の販売は増加しました。また、国内では、新設投資の停滞や半導体需要回復の遅れ、市場縮小の影響を受け、売上高は前期を下回りました。ガスタービン・集塵機事業は、集塵機事業において堅調な販売が続いたものの、海上油田向け特殊フィルタの販売低調により、売上高は前期並みとなりました。舶用事業では、冷凍機の販売が前期を下回りましたが、海上コンテナ冷凍装置の販売を伸ばし、舶用事業全体の売上高は前期を上回りました。3

② 化学事業化学事業セグメント合計の売上高は、前期比7.0%増の2,814億69百万円となりました。営業利益は、半導体需要減速の影響を大きく受け、前期比28.3%減の330億89百万円となりました。フッ素化学製品全体の販売は、半導体分野での流通在庫調整の長期化に加え、その他主要市場での需要の回復遅れが見られる中、比較的堅調な領域での拡販に努めた結果、売上高は前期を上回りました。フッ素樹脂は、新たなデータセンター分野での旺盛な需要の取り込みに注力しましたが、米国や中国の建築・建設市場の低迷や半導体向け流通在庫調整等の影響により、売上高は前期並みとなりました。一方、フッ素ゴムについては、中国や欧米での自動車市場向けを中心とする拡販により、売上高は前期を上回りました。化成品は、表面防汚コーティング剤や中間体機能材分野での需要に厳しさが見られたものの、半導体プロセス向けエッチング剤の分野で新たに連結対象拠点が加わった影響もあり、売上高は前期を上回りました。フルオロカーボンガスについては、米国・アジア・欧州での拡販に努めた結果、売上高は前期を上回りました。

③ その他事業その他事業セグメント合計の売上高は、前期比7.3%増の1,124億35百万円となりました。営業利益は、前期比8.4%増の49億25百万円となりました。油機事業では、産業機械用油圧機器は、国内市場並びに米国市場向けの販売が増加したことにより、売上高は前期を上回りました。一方、建機・車両用油圧機器は、国内主要顧客向けの販売が減少したことにより、売上高は前期を下回りました。特機事業では、医療用酸素濃縮装置及び低酸素システム(酸素濃度をコントロールすることで、短時間で高い運動効果が得られる高地空間を再現する機器)の受注が増加し、売上高は前期を上回りました。電子システム事業では、データサイエンスソフトの販売は減少しましたが、品質課題の解決・設計開発期間の短縮・コストダウン支援といった顧客ニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『Smart Innovator(スマートイノベーター)』の拡販と、設備CADシステムの増販により、売上高は前期並みとなりました。4

(2)当期の財政状態の概況総資産は、5兆8,092億40百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,758億24百万円増加しました。流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて4,092億26百万円増加し、3兆2,628億80百万円となりました。固定資産は、機械装置及び運搬具の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,665億98百万円増加し、2兆5,463億59百万円となりました。負債は、支払手形及び買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,259億78百万円増加し、2兆4,927億2百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替の変動によるその他の包括利益累計額の増加等により、前連結会計年度末に比べて4,498億45百万円増加し、3兆3,165億38百万円となりました。

(3)当期のキャッシュ・フローの概況当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動では、売上債権の増加等により、前連結会計年度に比べて486億2百万円収入が減少し、4,658億48百万円の収入となりました。投資活動では、有形固定資産の取得による支出の減少等により、前連結会計年度に比べて151億67百万円支出が減少し、3,222億39百万円の支出となりました。財務活動では、長期借入れによる収入の減少等により、前連結会計年度に比べて29億9百万円支出が増加し、1,563億78百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べて228億9百万円増加し、484億18百万円のキャッシュの増加となりました。(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期自己資本比率(%) 51.5 51.9 54.0 54.6 55.9時価ベースの自己資本比率(%) 171.6 160.9 123.6 92.1 94.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年) 3.4 5.6 2.4 1.9 2.3インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) 27.7 7.8 9.0 11.9 12.0(注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。5

(4)今後の見通し当社グループを取り巻く事業環境は、企業や個人のカーボンニュートラルへの意識の高まり、データセンター向けやインドでの空調需要の拡大はあるものの、インフレや高金利の影響により世界各地域で消費や住宅投資が低調に推移する見通しです。加えて、保護主義の台頭や欧州、中東などでの地政学リスクなど、不透明な状況が続くと見られます。このような事業環境の中、当社グループは、本日付けで公表しました戦略経営計画「FUSION 30」のもと、「環境と空気の新たな価値」を提供し、世界で選ばれ続ける高収益なサステナブル企業をめざして、ソリューション事業の成長加速、北米、IMEA(インド・中東・アフリカ)など成長地域での事業拡大、経営基盤の高度化に取り組んでまいります。具体的には、営業力・提案力強化に向けた地域別の諸施策の徹底やノウハウの横展開、各地域の用途や市場別のニーズに合わせた差別化新商品の投入や空調、換気、除加湿、床暖房などを組み合わせたシステム商材の拡充と開発スピードの向上に取り組んでまいります。また、米国を中心にデータセンターや製造業、病院などで活発な投資が見込まれるアプライド空調での、これまでに拡充してきた販売網、保守・保全メニュー、機器更新に向けた提案力、計装エンジニアリング力を活かした更なる拡販と循環型ソリューション事業への転換加速を進めてまいります。さらには、生産設備の自動化による省人化、ベースモデルの原価低減、基幹部品の標準化、銅からアルミへの材料置き換えによるコストダウンの極大化、AIを活用しての間接業務の効率化などをグループ一体で加速し、身軽で強靭な体質を構築してまいります。2026年度通期の連結業績予想につきましては、売上高は前期比2.7%増の5兆1,500億円、営業利益は5.1%増の4,360億円、経常利益は1.4%増の4,140億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1.0%増の2,780億円を見込んでおります。なお、中東情勢に関連し、これまでに顕在化した中東地域での事業の停滞、グローバルでの輸送コストの上昇、ナフサに由来する一部資材価格の上昇などの影響と、価格転嫁、高付加価値化や経費の効率化を中心とした吸収策を反映しております。今後の中東情勢の変化等により、開示すべき重大な影響が見込まれる場合には速やかに公表します。2026年度の為替レートについては、1米ドル145円、1ユーロ170円を前提にしております。業績見通しについては、当社が現時点で入手可能な情報と合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は見通しと大きく異なることがあります。その要因のうち、主なものは以下のとおりです。・政治情勢や景気、天候不順、製品需要などの市場環境の変化・為替相場・資金調達環境・有価証券の時価の変動・新たな商品・サービスや競合他社の出現・買収・他社との提携後における進捗状況・商品・サービスの品質問題や部品等の調達環境の変化、法規制・不正アクセスやサイバー攻撃による情報の流出・環境関連規制の強化や環境問題の発生・固定資産の減損、自然災害等6

(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当当社は、今後も戦略的投資を実行しながら事業拡大をはかるとともに、トータルコストダウンの推進、財務体質の強化などの体質改革を進めてまいります。これらの取り組みにより、真のグローバルエクセレントカンパニーをめざすと同時に、企業価値の一層の向上と株主への利益還元の向上をはかってまいります。具体的には、これまでの配当実績を踏まえ、配当性向の水準を意識しつつ、安定性を重視しながら、継続的な増配の実現に努めてまいります。当期(2026年3月期)の配当金は、年間340円(中間配当165円、期末配当175円)の案とさせていただきました。また、次期(2027年3月期)の配当金は、年間360円(中間配当180円、期末配当180円)の案とさせていただきました。

四半期 2026年3月期 第1四半期

出典: ダイキン工業 2026年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2025年8月5日(https://www2.jpx.co.jp/disc/63670/140120250804529468.pdf)

1.当四半期決算に関する定性的情報(1)経営成績に関する説明当第1四半期連結累計期間(2025年4月1日~6月30日)の世界経済は、米国の関税政策を巡る混乱と先行きの不透明感が景気の足かせとなりました。米国経済は、小売り・サービス業などが底堅く推移したものの、金利の高止まりと景気の先行き懸念から、住宅投資は低調に推移しました。欧州経済は、回復基調にある一方、関税発動前の駆け込み需要の反動により、経済が下押しされました。中国経済は、政府の消費刺激策や関税政策による輸出の前倒しにより消費・輸出は堅調だったものの、不動産市場はさらに悪化しました。日本経済は、物価上昇が消費者マインドを下押したものの、AI関連投資やインバウンド需要が堅調でした。アジア経済は、米国向けの駆け込み輸出や観光需要が経済を下支えしました。このような事業環境のもと、当社グループは、2025年度が最終年度となる戦略経営計画「FUSION25」の後半3ヵ年計画(2023~2025年度)で掲げた、カーボンニュートラル、エネルギー・サービス・ソリューションの推進といった成長戦略を軸に、重点戦略テーマの実行を加速させ、中長期の成長・発展に向けて取り組んでおります。また、厳しい事業環境が続く中にあってもマイナス影響を跳ね返すべく、2025年度は、以下を取り組むべき具体的なテーマとして定め、最大限の成果創出に向けて取り組んでおります。・ 販売価格政策の推進と当社シェアの向上の両立・ 米国新政権の関税政策に向けた対応策の構築と、状況変化に応じた迅速な実行・ 新商品・差別化商品投入の加速・ グループトータルでのコスト力・調達力の抜本的強化・ グローバルでのアプライド空調事業の積極的拡大と、用途や市場ごとの付加価値提供による業務用ソリューション事業の収益拡大・ 既存固定費の抜本的効率化と、システム投資等の投資効果極大化・ 全社最適でのグローバル生産拠点の最大活用、実行してきた買収案件の成果創出当第1四半期連結累計期間の経営成績については、売上高は1兆2,138億21百万円(前年同期比3.0%減)となりました。利益面では、営業利益は1,213億円(前年同期比5.1%増)、経常利益は1,189億5百万円(前年同期比13.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は815億26百万円(前年同期比29.2%増)となりました。セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

①空調・冷凍機事業空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前年同期比3.1%減の1兆1,326億79百万円となりました。営業利益は、前年同期比9.9%増の1,146億80百万円となりました。国内空調では、業務用市場の需要は、店舗向け空調市場が、インバウンド需要等を背景に小売・店舗の建築着工件数の増加により拡大したことなどから、前年同期を上回りました。住宅用市場の需要は、4月から猛暑予測による先行需要や買い替え需要の増加に加え、6月は西日本で観測史上最も早い梅雨明けなど全国的にも記録的な暑さとなり、前年同期を上回りました。当社グループは、このような状況下で、業務用空調機器市場においては、高い省エネ性能と優れた施工性を併せ持つ「FIVE STAR ZEAS」、低温暖化冷媒R32の採用と業界トップレベルの省エネ性を実現したビル用マルチエアコン「VRV 7」、既設の冷媒配管を利用しスムーズな空調機器更新が可能な更新用ビル用マルチエアコン「VRV Q」シリーズなど、高付加価値商品を拡販し、売上高は前年同期を上回りました。住宅用空調機器市場においては、電気代高騰や新築住宅での脱炭素志向型住宅の拡大を背景に、高い省エネ性の『うるさらX』を中心にユーザー提案を強化し、売上高は前年同期を上回りました。2米州では、住宅用空調機器については、依然として厳しい経済情勢において需要の停滞や、昨年度の冷媒規制に伴う駆け込み需要の影響で流通在庫が高止まりする中、当社グループは、顧客の取り戻し(ウィンバック)、既存販売店の支援及び新規販売店の開発に取り組みました。さらに、環境性と省エネ性に優れた低温暖化冷媒R32機の増産・拡販、省エネ性能の高い環境プレミアム商品『Fit(フィット)』の拡販を実行するとともに、販売価格政策の推進により利益率の改善・向上にも努めました。この結果、現地通貨での売上高は前年同期を上回りましたが、為替のマイナス影響により円貨換算後の売上高は前年同期を下回りました。アプライド空調機器については、昨年立ち上げたメキシコのチラー工場活用及び既存工場の生産能力増強により、拡大する需要を取り込み、販売は伸長しました。また、成長が続くデータセンター市場向けのカスタムエアハンドリングユニットメーカーでの拡販に加え、新規買収効果も寄与し、売上高は前年同期を上回りました。中国では、不動産不況の影響により需要が大きく減速し、地域全体の売上高は前年同期を下回りました。利益面では、高付加価値商品の拡販、ソリューションの強化、コストダウン等に取り組み、これまでの高水準を維持しました。住宅用空調機器市場では、景気が減速する中、ユーザーダイレクトのオフラインの小売販売に加え、ショールームを活用したライブ放送・Web戦略・SNSなどオンラインを組み合わせた当社グループ独自の販売活動を強化しました。また、空調・換気・ヒートポンプ床暖房・空気質センサーなどのシステム商品の販売に加え、IoTやデータ分析を活用し、顧客ごとに最適な空気質やライフスタイルに応じた提案を行うホームソリューションを強化し、前年同期並みの売上を確保しました。業務用空調機器市場では、カーボンニュートラル政策の推進による政府物件・工場・グリーンビル(環境性能が高まるよう配慮して設計された建物)などの市場に対し、省エネを切り口とした提案を強化しました。アプライド空調機器市場では、半導体・医療関連など底堅い需要がある分野に資源を投入したことに加え、サービス・保守事業の強化、省エネ更新・改造提案を強化しました。アジア・オセアニアでは、アセアン地域・インドでの天候不順等により、地域全体の売上高は前年同期を下回りました。住宅用空調機器については、アセアン地域・インドで昨年に比べ低温・多雨となった影響で需要が低迷し、流通在庫が高止まりしました。このような状況下で、販売店や消費者への販促施策の強化に取り組んだものの、売上高は前年同期を下回りました。一方、業務用空調機器については、アセアン地域で景気の先行き不透明感の高まりによりプロジェクトの遅延や投資の見直しが発生する中、インドでの継続的な販売拡大、販売店の開発・育成により、売上高は前年同期を上回りました。アプライド空調機器については、データセンター向け等の販売を強化しました。欧州では、地域全体の売上高は前年同期を上回りました。住宅用空調機器では、中東欧や、従来、空調機の普及率が低かったドイツや英国での拡販により、売上高は前年同期を上回りました。住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器については、昨年度後半に需要の減速が底を打ったと見られておりますが、全体としては横ばいで推移しており、市場の本格的な回復には至っておりません。そのような状況下においても、当社グループは、主にドイツや英国での販売を着実に伸ばし、売上高は前年同期を上回りました。業務用空調機器では、環境意識の高まりを背景に、低温暖化冷媒R32を採用した製品の販売を伸ばしました。中近東・アフリカでは、売上高は前年同期を大きく上回りました。サウジアラビアやUAEでの大型物件の受注増加が販売を牽引しました。トルコでは、住宅用空調機器において猛暑による需要増加により、売上高を大きく伸ばしました。フィルタ事業では、半導体市場の回復遅れを受けた中国・東南アジアでの価格競争の激化等のマイナス影響がありましたが、総じて需要は堅調に推移しました。しかしながら、フィルタ事業全体の売上高は、為替のマイナス影響もあり前年同期を下回りました。米国では、大手リテール店舗での高粗利商材の出荷が増え、住宅用販売が伸長しました。欧州では、北欧地域を中心に販売を伸ばしたものの、自動車産業を中心に不況の影響を受け、欧州全域での売上高は前年同期並みとなりました。アジア・中東では、中国において不動産不況の長期化により需要停滞が長引いている影響で大きく販売は減少しましたが、東南アジアでは半導体市場などで拡販した他、インドでの製薬市場攻略が奏功したことで、中東・インドを含むアジア地域全体の販売は増加しました。国内では、電子半導体市場向けで、建設業界の人手不足による工期延期や規模縮小に加え、市況低迷が続いており、販売は減少しました。また、ガスタービン・集塵機事業は、欧州での集塵機の販売が低調なこともあり、売上高は前年同期を下回りました。舶用事業では、海上コンテナ冷凍装置、舶用エアコン・冷凍機の販売を伸ばし、売上高は前年同期を上回りました。3

②化学事業化学事業セグメント合計の売上高は、前年同期比3.7%減の599億46百万円となりました。営業利益は、前年同期比

41.7%減の65億25百万円となりました。フッ素化学製品全体の販売は、半導体分野を中心とする需要低迷、それに伴う流通在庫調整の動き、さらに米国の関税政策の先行き不透明感に起因する米国取引への慎重な姿勢や保有在庫抑制などの動きがある中、当社グループは拡販に努めましたが、為替のマイナス影響もあり、売上高は前年同期を下回りました。フッ素樹脂は、米国のLAN電線や中国のデータセンター分野で需要の回復及び拡大が見られたものの、国内・中国・アジアでの半導体分野の需要低迷が続いたこともあり、売上高は前年同期を下回りました。一方、フッ素ゴムについては、米国や国内の一部需要に堅調さが見られたものの、中国・アジア・欧州などの自動車分野を中心とする需要回復の遅れから売上高は前年同期並みとなりました。化成品は、半導体プロセス向けエッチング剤の分野で新たに連結対象会社が加わったこともあり、エッチング剤の売上高は前年同期を大きく上回ったものの、表面防汚コーティング剤や撥水撥油剤の分野での需要低迷により、化成品全体の売上高は前年同期を下回りました。フルオロカーボンガスについては、欧州での需要と市況に厳しさが見られた中で、販売価格政策と米国での拡販に努めた結果、売上高は前年同期を上回りました。

③その他事業その他事業セグメント合計の売上高は、前年同期比6.6%増の211億95百万円となりました。営業利益は、前年同期の営業損失から改善し、1億2百万円となりました。油機事業では、産業機械用油圧機器は、国内市場の販売は前年同期並みでしたが、米国市場向けの販売が増加したことにより、売上高は前年同期を上回りました。また、建機・車両用油圧機器は、国内主要顧客向けの販売が増加したことにより、売上高は前年同期を上回りました。特機事業では、防衛省向けの受注増加と、酸素濃縮装置の販売が堅調に推移したことにより、売上高は前年同期を上回りました。電子システム事業では、品質課題の解決・設計開発期間の短縮・コストダウン支援といった顧客ニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『SpaceFinder(スペースファインダー)』、『Smart Innovator(スマートイノベーター)』及び設備CADシステムの拡販などにより、売上高は前年同期を上回りました。

(2)財政状態に関する説明① 資産、負債及び純資産の状況総資産は、5兆1,437億39百万円となり、前連結会計年度末に比べて103億23百万円増加しました。流動資産は、商品及び製品の増加等により、前連結会計年度末に比べて284億96百万円増加の2兆8,821億50百万円となりました。固定資産は、のれんの減少等により、前連結会計年度末に比べて181億72百万円減少の2兆2,615億88百万円となりました。負債は、長期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べて49億53百万円減少の2兆2,617億69百万円となりました。有利子負債比率は、前連結会計年度末の19.2%から19.7%となりました。純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べて152億76百万円増加の2兆8,819億69百万円となりました。

② キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間のキャッシュ・フローについては、営業活動では、棚卸資産の増加等により、前年同期に比べて858億61百万円収入が減少し、637億78百万円の収入となりました。投資活動では、有形固定資産の取得による支出の減少等により、前年同期に比べて86億64百万円支出が減少し、852億98百万円の支出となりました。財務活動では、長期借入金の返済による支出の増加等により、前年同期に比べて317億6百万円支出が増加し、277億40百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた当第1四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は、前年同期に比べて1,499億40百万円減少し、546億73百万円のキャッシュの減少となりました。4

(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明2026年3月期の連結業績予想につきましては、前回(2025年5月8日)に公表しました業績予想から変更しておりません。当社グループを取り巻く事業環境は、データセンター向けや環境意識の高まりを背景とした業務用空調機器の需要は堅調に推移しているものの、米国の関税政策による混乱と先行き不透明さから、世界各地域で景気の先行き懸念が高まっております。当社グループは、これまで取り組んできた、販売価格政策の推進と当社シェアの向上の両立や、グローバルでのアプライド空調事業の積極的拡大と用途や市場ごとの付加価値提供による業務用ソリューション事業の収益拡大、全社最適でのグローバル生産拠点の最大活用、実行してきた買収案件の成果創出など、グローバル全体での収益力強化と経営体質強化に向けた取り組みを加速してまいります。また、販売力・営業力の抜本的強化、新商品・差別化商品の投入加速、アフターサービスやソリューションで収益を得るビジネスモデルへの転換、コストダウンの極大化など6つのテーマを経営トップマターとして定め、グループの総力を挙げて取り組むことで、短期に成果につなげ、事業環境が厳しさを増す中でも今期計画の達成をより確かなものにするとともに、さらなる成果創出につとめ、過去最高業績の更新に繋げてまいります。なお、米国による追加関税による直接的な影響は、税率の変化を踏まえた上で、価格転嫁を中心に吸収する計画です。<参考>2026年3月期 連結業績予想 (単位:百万円)第2四半期(累計) 通 期売 上 高 2,470,000 4,840,000営 業 利 益 247,000 435,000経 常 利 益 231,000 405,000親 会 社 株 主 に 帰 属 す る152,000 272,000当 期 純 利 益業績見通しについては、当社が現時点で入手可能な情報と合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は見通しと大きく異なることがあります。その要因のうち、主なものは以下のとおりです。・政治情勢や景気、天候不順、製品需要などの市場環境の変化・為替相場・資金調達環境・有価証券の時価の変動・新たな商品・サービスや競合他社の出現・買収・他社との提携後における進捗状況・商品・サービスの品質問題や部品等の調達環境の変化、法規制・不正アクセスやサイバー攻撃による情報の流出・環境関連規制の強化や環境問題の発生・固定資産の減損、自然災害、新型感染症の流行5

四半期 2027年3月期 第1四半期

出典: ダイキン工業 2027年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2026年8月4日(https://www2.jpx.co.jp/disc/63670/140120260803506711.pdf)

1.当四半期決算に関する定性的情報(1)経営成績に関する説明当第1四半期連結累計期間(2026年4月1日~6月30日)の世界経済は、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇や物価高が経済の重しとなりました。米国経済は、AI関連投資を背景に堅調に推移しました。欧州経済は、エネルギー価格の上昇を背景に低成長に留まりました。中国経済は、不動産市場の低迷が続く一方、輸出は堅調に推移しました。日本経済は、設備投資やAI関連需要、底堅い雇用環境を背景に堅調に推移したものの、物価上昇が景気を下押ししました。アジア経済は、インドが高成長を維持、ASEAN地域では電子機器・部品輸出が景気を下支えしたものの、原油高や物価上昇が内需の重しとなりました。このような事業環境のもと、当社グループは、2030年度を最終年度とする戦略経営計画「FUSION30」を5月に公表し、「『環境と空気の新たな価値』を提供し、世界で選ばれ続ける高収益なサステナブル企業」をめざす姿と定め、事業拡大と環境社会への貢献の両立に取り組んでおります。とりわけ、ソリューションをはじめとする高収益領域での成長など、稼ぐ力の再強化を最優先課題として位置づけ、取り組みを推進しております。また、需要回復の遅れやコスト上昇などにより厳しい事業環境が続く中にあっても、「FUSION30」の初年度として、利益率の向上と過去最高業績の更新をめざすべく、以下の6テーマを全社重点テーマとして定め、グローバルグループ一丸となって成果創出の最大化に取り組んでおります。・ 販売価格政策の推進と、営業力強化および差別化商品の市場投入加速・ 変動費低減によるコスト競争力の強化・ グローバルにおけるサービス・ソリューション事業の収益拡大・ 固定費構造の可視化と抜本的見直しによる売上高固定費率の低減・ 買収会社の収益力強化による投資成果の早期最大化・ グローバルグループ横断での先進事例の展開による事業体質の強化と成果創出当第1四半期連結累計期間の経営成績については、売上高は1兆4,268億10百万円(前年同期比17.5%増)となりました。利益面では、営業利益は1,305億60百万円(前年同期比7.6%増)、経常利益は1,208億11百万円(前年同期比

1.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は801億36百万円(前年同期比1.7%減)となりました。セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

①空調・冷凍機事業空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前年同期比17.0%増の1兆3,250億51百万円となりました。営業利益は、前年同期比3.1%増の1,182億34百万円となりました。国内空調では、業務用市場の需要は、暑熱対策需要及びオフィス・商業施設を中心とする市場で堅調に推移し、前年同期を上回りました。住宅用市場の需要は、2027年度の省エネ規制により価格が上昇する見込みとの報道を受け、買い替え需要が増加し、前年同期を上回りました。当社グループは、このような状況下で、業務用空調機器市場においては、省エネ性と施工性に優れた「FIVE STAR ZEAS」に加え、低温暖化冷媒R32を採用し業界トップレベルの省エネ性を実現したビル用マルチエアコン「VRV 7」や、既設配管を再利用してスムーズな空調機器の更新を可能にする「VRV Q」シリーズなど、高付加価値商品を中心にユーザー提案を強化し、売上高は前年同期を上回りました。住宅用空調機器市場においては、省エネ意識の高まりや夏場の使用時間増加を背景に、冷房しながら除湿を行い、湿度を抑えつつ冷やしすぎを防いで快適性を高めるプレミアム冷房を装備した高省エネ機種『うるさらX』を中心にユーザー提案を強化し、売上高は前年同期を上回りました。2米州では、住宅用空調機器については、米国関税に起因するインフレ圧力や、住宅ローン金利の高止まりに加え、中東情勢の不安定化に伴う経済不確実性の高まりを背景に、需要の回復は依然として限定的であり、本格的な回復には至りませんでした。このような状況の中、当社グループは、顧客の取り戻し、既存販売店の支援及び新規販売店の開発に取り組み、住宅用ユニタリーの販売を拡大しました。また、省エネ性能に優れた環境配慮型プレミアム商品『Fit(フィット)』の販売体制強化やコストダウンの推進に努めました。これらの取り組みの結果、売上高は前年同期を上回りました。アプライド空調事業については、データセンター向け需要の拡大を背景に、チラー事業及びカスタムエアハンドリングユニット事業の販売が大きく伸長しました。加えて、サービス事業の拡大及び新規買収による増収効果も寄与し、売上高は前年同期を上回りました。中国では、不動産不況の影響により需要が大きく減速しましたが、為替のプラス効果もあり、地域全体の売上高は前年同期を上回りました。利益面では、高付加価値商品の拡販、ソリューションの強化、コストダウン、固定費削減等に取り組み、これまでの高水準を維持しました。住宅用空調機器市場では、景気が減速する中、ユーザーダイレクトのオフラインの小売販売に加え、ライブ放送・Web戦略・SNSなどオンラインを組み合わせた当社グループ独自の販売活動を強化しました。また、空調・換気・ヒートポンプ床暖房・空気質センサーなどのシステム商品の販売に加え、IoTやデータ分析を活用し、顧客ごとに最適な空気質やライフスタイルを提供するホームソリューションを強化しました。業務用空調機器市場では、カーボンニュートラル政策の推進による政府物件・工場・グリーンビル(環境性能が高まるよう配慮して設計された建物)などの市場に対し、省エネを切り口とした提案を強化しました。アプライド空調機器市場では、半導体・医療関連など底堅い需要がある分野に資源を投入したことに加え、サービス・保守事業の強化、省エネ更新・改造提案を強化しました。アジア・オセアニアでは、主にインドでの継続的な販売拡大により、地域全体の売上高は前年同期を上回りました。市場環境としては、中東情勢を背景としたエネルギー価格の高騰や物価上昇の進行等により、各国で個人消費の減退や、建築資材の高騰・不足に起因する大型物件の遅延等が発生しました。このような状況下で、住宅用空調機器については、新機種の投入や、販売店・消費者への販促施策の展開による中高級機の拡販を進め、売上高は前年同期を上回りました。業務用空調機器については、物件の遅延影響が顕在化する中、販売店の開発・育成を推進し、中・小型物件の獲得や地方市場の需要の取り込みにより、売上高は前年同期を上回りました。アプライド空調機器については、需要が堅調なデータセンター向け等の販売を拡大しました。欧州では、地域全体の売上高は前年同期を上回りました。住宅用空調機器では、5月後半及び6月後半の熱波により需要が拡大するフランス、ベルギー、オランダ、英国で高付加価値商品を中心に販売を伸ばし、売上高は前年同期を上回りました。住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器では、中東情勢を背景としたガス価格の高騰により、ランニングコスト面で優位性を有するヒートポンプ式暖房機器への需要が拡大しております。当社グループは、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ等で販売を伸ばし、売上高は前年同期を上回りました。業務用空調機器では、環境性と省エネ性に優れた低温暖化冷媒R32を採用した製品の販売を伸ばし、売上高は前年同期を上回りました。中近東・アフリカでは、売上高は前年同期を上回りました。サウジアラビアやUAEでは、中東情勢悪化の影響により物件の遅延や輸送リードタイムの長期化が発生し、販売に影響を受けました。一方、トルコでは住宅用空調機器の販売が伸長しました。フィルタ事業では、全体として堅調な需要を背景に、売上高は前年同期を上回りました。米国では、物価上昇等の影響を受け、住宅用市場を中心に需要が減少したことから、売上高は前年同期を下回りました。一方、欧州では、コントラクタ顧客向けの出荷増加などにより、売上高は前年同期を上回りました。アジア地域では、中国において価格競争の激化や不動産市況の低迷が継続したものの、半導体関連市場を中心に需要は回復基調で推移しました。また、東南アジアにおいても同市場向けの売上が拡大したほか、病院等の市場でも拡販を進めたことから、アジア地域全体の売上高は前年同期を上回りました。国内では、半導体関連市場を中心に需要が底堅く推移し、売上高は前年同期を上回りました。ガスタービン・集塵機事業は、ガスタービン向け交換用フィルタ及び海上油田向け特殊フィルタの販売が増加し、売上高は前年同期を上回りました。舶用事業では、海上コンテナ冷凍装置や冷凍機の販売を伸ばし、舶用事業全体の売上高は前年同期を上回りました。3

②化学事業化学事業セグメント合計の売上高は、前年同期比28.8%増の771億89百万円となりました。営業利益は、前年同期比75.6%増の114億58百万円となりました。フッ素化学製品全体の販売は、半導体分野を中心とする需要回復の波を受け、売上高は前年同期を大きく上回りました。フッ素樹脂は、半導体向けの需要が回復基調なことに加え、データセンター分野での需要拡大などにより、グローバル全体で売上高は前年同期を大きく上回りました。またフッ素ゴムについても、米州・中国・アジアでの半導体や自動車向け新規需要の取り込みにより、売上高は前年同期を上回りました。化成品は、半導体プロセス向けエッチング剤の拡販を中心に、売上高は前年同期を大きく上回りました。フルオロカーボンガスについては、日本・アジアを中心に拡販に努めた結果、売上高は前年同期を上回りました。

③その他事業その他事業セグメント合計の売上高は、前年同期比15.9%増の245億69百万円となりました。営業利益は、前年同期比735.7%増の8億58百万円となりました。油機事業では、産業機械用油圧機器は、国内市場向けの販売が増加したことにより、売上高は前年同期を大きく上回りました。建機車両用油圧機器は、国内主要顧客向けの販売が減少する一方、海外顧客向けの販売が増加したことにより、売上高は前年同期並みとなりました。特機事業では、医療用酸素濃縮装置及びオーバーホールの受注が減少し、売上高は前年同期を下回りました。電子システム事業では、品質課題の解決・設計開発期間の短縮・コストダウン支援といった顧客ニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『SpaceFinder(スペースファインダー)』と『Smart Innovator(スマートイノベーター)』や、設備CADシステムの拡販などにより、売上高は前年同期を上回りました。

(2)財政状態に関する説明① 資産、負債及び純資産の状況総資産は、5兆9,542億53百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,450億12百万円増加しました。流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて936億37百万円増加の3兆3,565億18百万円となりました。固定資産は、建設仮勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べて513億75百万円増加の2兆5,977億34百万円となりました。負債は、短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて4,051億47百万円増加の2兆8,978億49百万円となりました。有利子負債比率は、前連結会計年度末の18.8%から23.8%となりました。純資産は、自己株式の取得等により、前連結会計年度末に比べて2,601億35百万円減少の3兆564億3百万円となりました。

② キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間のキャッシュ・フローについては、営業活動では、仕入債務の増加等により、前年同期に比べて894億63百万円収入が増加し、1,532億42百万円の収入となりました。投資活動では、有形固定資産の取得による支出の増加等により、前年同期に比べて52億52百万円支出が増加し、905億50百万円の支出となりました。財務活動では、自己株式の取得による支出の増加等により、前年同期に比べて756億89百万円支出が増加し、1,034億29百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた当第1四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は、前年同期に比べて262億45百万円増加し、284億27百万円のキャッシュの減少となりました。4

(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明2027年3月期の連結業績予想につきましては、前回(2026年5月12日)に公表しました業績予想から変更しておりません。当社グループを取り巻く事業環境は、AI関連投資の拡大を背景にデータセンター向け需要が堅調に推移し、インドをはじめとする成長市場では空調需要が拡大する一方、北米住宅市場の回復の遅れ、中国の不動産市場の低迷が続いております。加えて、米国関税措置や中東情勢の緊迫化に伴う、ナフサ由来の部材や物流費の上昇など、事業環境の不確実性は引き続き高い状況にあります。このような事業環境の中、当社グループは、戦略経営計画「FUSION30」で掲げる「稼ぐ力の再強化」を最優先課題として、これまで取り組んできた、販売価格政策の推進と営業力強化および差別化商品の市場投入加速、変動費低減によるコスト競争力の強化、グローバルにおけるサービス・ソリューション事業の収益拡大、固定費構造の可視化と抜本的見直しなどの全社重点テーマを、環境変化に迅速に対応しながら着実に実行してまいります。それによって、計画に沿った利益率の向上と過去最高業績の更新に繋げるべく、グローバルグループ一丸となって取り組んでまいります。<参考>2027年3月期 連結業績予想 (単位:百万円)第2四半期(累計) 通 期売 上 高 2,610,000 5,150,000営 業 利 益 258,000 436,000経 常 利 益 244,000 414,000親 会 社 株 主 に 帰 属 す る163,000 278,000当 期 純 利 益業績見通しについては、当社が現時点で入手可能な情報と合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は見通しと大きく異なることがあります。その要因のうち、主なものは以下のとおりです。・政治情勢や景気、天候不順、製品需要などの市場環境の変化・為替相場・資金調達環境・有価証券の時価の変動・新たな商品・サービスや競合他社の出現・買収・他社との提携後における進捗状況・商品・サービスの品質問題や部品等の調達環境の変化、法規制・不正アクセスやサイバー攻撃による情報の流出・環境関連規制の強化や環境問題の発生・固定資産の減損、自然災害等5

本記事は各社が開示した決算短信の記載を機械的に抽出・比較し、AIが要約したものです。数値・表現は原資料をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。

Articles

株主優待

記事がありません。

個人投資家・企業様各位

目次