※本記事は三菱重工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
三菱重工業は2026年5月12日、2025年度決算を発表した。受注高は76,536億円(前年度比+20%)、売上収益は49,741億円(同+14%)、事業利益は4,322億円(同+22%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,321億円(同+35%)となり、受注高・事業利益・当期利益・フリー・キャッシュ・フローがいずれも過去最高を記録した。全セグメントで前年度比増益となり、GTCC・原子力・製鉄機械・防衛宇宙が事業利益を牽引した。2026年度は事業利益5,400億円(同+25%)を見込み、配当は前年度の25円から4円増配の29円を予定する。
連結業績(当期 実績)
受注高はエナジーが大幅に増加し、GTCC・原子力・エンジニアリングが受注を伸ばした。売上収益はエナジー、プラント・インフラ、航空・防衛・宇宙の3セグメントで増収。事業利益は、火力事業の一部工事における損失や電源システムソリューションののれん減損、前年の土地売却のリバウンド等のマイナス要因があったものの、GTCC、原子力、製鉄機械、防衛・宇宙が大きく伸びたことで全セグメント増益となった。フリー・キャッシュ・フローは、GTCCを中心に前受金の入金が先行し、前年度比+5,506億円の8,934億円となった。
| 項目 | 当期(FY25) | 前期(FY24、除くML) | 増減(増減率) |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 76,536億円 | 64,051億円 | +12,484億円(+19.5%) |
| 売上収益 | 49,741億円 | 43,611億円 | +6,130億円(+14.1%) |
| 事業利益 | 4,322億円(8.7%) | 3,549億円(8.1%) | +772億円(+21.8%) |
| 親会社所有者帰属当期利益 | 3,321億円(6.7%) | 2,454億円(5.6%) | +866億円(+35.3%) |
| EBITDA | 5,537億円(11.1%) | 4,699億円(10.8%) | +837億円(+17.8%) |
| フリー・キャッシュ・フロー | 8,934億円 | 3,427億円 | +5,506億円 |
セグメント別の状況
エナジーは、GTCCが主に北米・アジアで受注好調、売上増と採算改善により増益。原子力は軽水炉・燃料サイクル関連の受注が好調で売上・利益ともに堅調。一方スチームパワーはサービス伸長で採算改善したものの一部工事で損失を計上し減益。プラント・インフラは、エンジニアリングが化学プラントで大型案件を受注し、製鉄機械・機械システムは前年度の大型受注の反動で受注は減少したが売上・利益は好調に推移した。物流・冷熱・ドライブシステムは、エンジンがアジア向け中心に増収増益、ターボチャージャは販売台数が減少したもののサプライチェーンの混乱収束により増益。航空・防衛・宇宙は、豪州向けフリゲートを受注した防衛・宇宙が工事進捗により増収増益となり、前年度比+52%の大幅増益となった。
| セグメント | 受注高(億円) | 売上収益(億円) | 事業利益(億円) |
|---|---|---|---|
| エナジー | 39,367(前期26,224) | 20,626(前期18,157) | 2,672(前期2,053、+30%) |
| プラント・インフラ | 11,580(前期10,002) | 8,808(前期8,521) | 841(前期596、+41%) |
| 物流・冷熱・ドライブシステム | 6,381(前期6,644) | 6,308(前期6,410) | 330(前期204、+62%) |
| 航空・防衛・宇宙 | 19,294(前期21,001) | 13,938(前期10,306) | 1,515(前期999、+52%) |
| その他及び全社又は消去 | △87(前期179) | 59(前期215) | △1,037(前期△304) |
| 合計 | 76,536(前期64,051) | 49,741(前期43,611) | 4,322(前期3,549、+22%) |

通期業績予想
2026年度は、受注高は前年度から減少を見込むもののGTCCを中心に高水準を維持する見通し。売上収益・事業利益はエナジー、航空・防衛・宇宙を中心とした売上増や利益率改善等により増加する見通しで、事業利益は過去最高だった前年度をさらに上回る5,400億円を見込む。当期利益は事業利益の増加にともない前年度を上回る3,800億円を予定。なお、本業績見通しには中東情勢の影響を含めていない。
| 項目 | 2026年度見通し | 2025年度実績 | 増減(増減率) |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 68,000億円 | 76,536億円 | △8,536億円(△11.2%) |
| 売上収益 | 54,000億円 | 49,741億円 | +4,258億円(+8.6%) |
| 事業利益 | 5,400億円(10.0%) | 4,322億円(8.7%) | +1,077億円(+24.9%) |
| 親会社所有者帰属当期利益 | 3,800億円(7.0%) | 3,321億円(6.7%) | +478億円(+14.4%) |
| EBITDA | 6,600億円(12.2%) | 5,537億円(11.1%) | +1,062億円(+19.2%) |
| 一株当たり配当金 | 29円(中間14円/期末15円) | 25円(中間12円/期末13円) | +4円 |

| セグメント | 受注高(億円) | 売上収益(億円) | 事業利益(億円) |
|---|---|---|---|
| エナジー | 34,500(FY25実績39,367) | 22,000(FY25実績20,626) | 3,400(FY25実績2,672、+27%) |
| プラント・インフラ | 10,000(FY25実績11,580) | 9,500(FY25実績8,808) | 900(FY25実績841、+7%) |
| インダストリアル・ソリューション | 7,500(FY25実績7,047) | 7,500(FY25実績6,999) | 300(FY25実績△20) |
| 航空・防衛・宇宙 | 16,500(FY25実績19,294) | 15,000(FY25実績13,938) | 1,700(FY25実績1,515、+12%) |
| その他及び全社又は消去 | △500(FY25実績△753) | 0(FY25実績△631) | △900(FY25実績△685) |
| 合計 | 68,000(FY25実績76,536) | 54,000(FY25実績49,741) | 5,400(FY25実績4,322、+25%) |
2026年4月1日付の組織再編により、データセンター&エネルギーマネジメント部を物流・冷熱・ドライブシステムセグメントへ移管し、同セグメントの名称を「インダストリアル・ソリューションセグメント」に改称した。上表のFY25実績は、この組織再編の影響を2025年度に遡り反映した参考値である。

株主還元
配当は、従前公表の一株当たり24円から1円上乗せした一株当たり25円(前年度比+2円)を予定する。2026年度は、前年度の25円から4円上乗せした一株当たり29円(中間14円・期末15円)を予定する。DOEは4.1%、ROEは12.2%(前年度比+1.5pt)。
中期経営計画/トピック
当社が推進する中期経営計画(24事計、対象期間FY24~FY26)について、2026年度の事業利益公表値は5,400億円となり、24事計公表時点の4,500億円を上回る見通しとなった。24事計期間のキャッシュ・アロケーションでは、伸長事業を中心に前受金の入金が計画より先行し、キャッシュ・インが24事計公表値を大きく上回る見通し。超過分は、FY27以降の高水準な受注残の履行に必要な運転資本や、GTCCの設備能力増強などの成長投資に充当する方針。なお、旧三菱ロジスネクスト株式会社は2026年4月30日付で株式会社ロジスネクストに社名変更のうえ、同年5月1日付で当社の連結対象から除外され、非継続事業(ML)に分類されている。
※本記事は三菱重工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。