※本記事は村田製作所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
村田製作所の2025年度(2026年3月期)連結業績は、売上収益が1兆8,309億円(前期比+5.0%)で過去最高を更新し、営業利益は2,818億円(前期比+0.8%)となった。データセンター向け需要拡大でコンデンサが牽引した一方、スマートフォン向けの高周波モジュールや樹脂多層基板は減少した。2026年度(2027年3月期)は売上収益1兆9,600億円(前期比+7.1%)、営業利益3,800億円(前期比+34.8%)を計画。年間配当は1株70円(前期比+5円)へ増配予定。
連結業績(2025年度 実績)
スマートフォン向けで高周波モジュールや樹脂多層基板が減少したものの、サーバー向けを中心に幅広い用途でコンデンサが増加したことにより増収となった。営業利益は、製品価格の値下がりや固定費の増加、のれんの減損を含む一時費用の増加に対して、生産高増加に伴う操業度益やコストダウンにより増益となった。対ドル為替感応度(1円変動/年)は売上収益で約90億円、営業利益で約45億円。
| 項目 | 2025年度実績 | 2024年度実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 18,309億円 | 17,434億円 | +875億円(+5.0%) |
| 営業利益 | 2,818億円 | 2,797億円 | +21億円(+0.8%) |
| 税引前利益 | 3,086億円 | 3,044億円 | +42億円(+1.4%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 2,339億円 | 2,338億円 | +1億円(+0.0%) |
| ROIC(税引後) | 9.7% | 10.0% | ▲0.3pt |
セグメント別(事業別)の状況
事業別では、データセンター向け需要拡大を背景にコンデンサ(前期比+12.6%)やインダクタ・EMIフィルタ(同+11.0%)が増加し、両者を含む「コンポーネント」区分は売上収益11,597億円(前期比+12.3%)、営業利益3,151億円(同+14.5%)、ROIC(税引前)22.4%(前期21.2%)と増収増益になった。一方、スマートフォン向け高周波モジュール等の減少により高周波・通信(同▲11.0%)が減収となったほか、表面波フィルタ製品に係る事業ののれんの減損(▲438億円)や固定資産の減損(▲45億円)などの一時費用が発生し、これらを含む「デバイス・モジュール」区分はROIC(税引前)が▲3.5%(前期1.2%)へ悪化した。
| 事業(セグメント) | 2024年度売上収益 | 2025年度売上収益 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| コンデンサ | 8,318億円 | 9,364億円 | +12.6% |
| インダクタ・EMIフィルタ | 2,013億円 | 2,233億円 | +11.0% |
| 高周波・通信 | 4,436億円 | 3,948億円 | ▲11.0% |
| エナジー・パワー | 1,557億円 | 1,541億円 | ▲1.1% |
| 機能デバイス | 978億円 | 1,071億円 | +9.5% |
| その他 | 131億円 | 152億円 | +16.0% |
| 売上収益計 | 17,434億円 | 18,309億円 | +5.0% |

通期業績予想(2026年度)
2026年度は、データセンター関連需要の増加を背景に2期連続で売上収益の過去最高更新を計画。値下げや固定費の増加を、生産高増加に伴う操業度益と品種構成の良化で吸収し増益を計画している。事業別では、データセンター向け部品需要の拡大によりコンデンサ(前期比+13.4%)を含む「コンポーネント」区分が増収を計画する一方、高周波・通信(同▲4.3%)を含む「デバイス・モジュール」区分は減収を計画。設備投資は2,500億円(サーバー向けコンデンサの追加増産投資約800億円のうち約400億円を含む)を計画。
| 項目 | 2026年度予想 | 2025年度実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 19,600億円 | 18,309億円 | +1,291億円(+7.1%) |
| 営業利益 | 3,800億円 | 2,818億円 | +982億円(+34.8%) |
| 税引前利益 | 3,900億円 | 3,086億円 | +814億円(+26.4%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 2,930億円 | 2,339億円 | +591億円(+25.3%) |
| ROIC(税引後) | 12.3% | 9.7% | – |
事業別セグメント売上予想(2026年度通期):コンデンサ10,617億円(前期比+13.4%)、インダクタ・EMIフィルタ2,313億円(同+3.6%)、コンポーネント計12,930億円(同+11.5%)、高周波・通信3,779億円(同▲4.3%)、エナジー・パワー1,565億円(同+1.6%)、機能デバイス1,139億円(同+6.4%)、デバイス・モジュール計6,483億円(同▲1.2%)、その他187億円(同+23.2%)、売上収益計19,600億円(同+7.1%)。

株主還元
2025年度(2026年3月期)の年間配当は1株あたり65円(中間30円・期末35円、前期比+8円)。2026年度(2027年3月期)の配当予定は1株あたり70円(中間35円・期末35円、前期比+5円)。自己株式取得は2025年度実績1,000億円に対し、2026年度は過去最大となる上限1,500億円を計画(取得株式総数上限7,500万株、発行済株式総数(自己株式除く)に対する割合4.12%、取得期間2026年5月11日〜2027年1月29日、目的は資本効率の向上で取得分は消却を実施)。

中期経営計画/トピック
中期方針2027における設備投資計画6,800億円に対し、2025年度実績は2,478億円、2026年度予想は2,500億円。データセンター需要増加に対応するMLCCの追加投資については、中期方針の設備投資枠を超過してでも実行する方針。株主還元では、DOE5%達成を見据えた増配(2026年度DOE予測4.6%)と、資本効率改善のための自己株式取得(取得分は即消却)を継続する方針。
※本記事は村田製作所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。