※本記事は当該企業が公開したIR資料(2026年3月期 決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標(営業利益・事業利益等)の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
野村不動産ホールディングス(証券コード3231)は2026年4月24日、2026年3月期(2025年4月~2026年3月)の決算を発表した。同社の決算説明資料によれば、売上高・事業利益・当期純利益はいずれも過去最高となり、14期連続の増配を実施する。2027年3月期についても売上高・各利益が過去最高となる見通しで、15期連続の増配を予想している。
①業績ハイライト
| 項目 | 2025年3月期実績 | 2026年3月期実績 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,576億円 | 9,425億円 | +1,848億円(+24.4%) |
| 事業利益※ | 1,251億円 | 1,473億円 | +222億円(+17.8%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 748億円 | 828億円 | +80億円(+10.8%) |
| 1株当たり当期純利益 | 86.77円 | 96.69円 | +9.92円 |
| 1株当たり配当金 | 34.00円 | 40.00円 | +6.00円 |
※資料の定義によれば、事業利益=営業利益+持分法投資損益+企業買収に伴い発生する無形固定資産の償却費+海外セグメントにおけるプロジェクト会社の持分売却損益。野村不動産グループは営業利益ではなく事業利益を主要な経営指標としている。
連結損益計算書では、営業利益は1,189億円から1,382億円(+192億円)、経常利益は1,067億円から1,248億円(+180億円)に増加した。一方で、浜松町ビルの建替に向けた減損等により特別損失が24億円から348億円(+323億円)に増加したが、資料は「売上高・各利益は過去最高となった」としている。
②セグメント別動向
資料は増減要因について、「住宅セグメントの住宅分譲の平均価格の上昇や、都市開発セグメントの収益不動産売却の増加、仲介・CREセグメントの取扱高の増加、運営管理セグメントの受注工事の増加により増収増益」とする一方、「海外セグメントはベトナムにおける計上戸数の減少により減収減益」と説明している。
| セグメント | 売上高(25/3期) | 売上高(26/3期) | 事業利益(25/3期) | 事業利益(26/3期) |
|---|---|---|---|---|
| 住宅 | 3,684億円 | 4,334億円 | 487億円 | 617億円 |
| 都市開発 | 2,133億円 | 3,247億円 | 416億円 | 539億円 |
| 海外 | 94億円 | 37億円 | 66億円 | 27億円 |
| 資産運用 | 155億円 | 163億円 | 98億円 | 105億円 |
| 仲介・CRE | 571億円 | 643億円 | 165億円 | 189億円 |
| 運営管理 | 1,138億円 | 1,298億円 | 119億円 | 135億円 |
住宅セグメントでは、分譲住宅の平均価格が7,558万円から8,959万円へ+1,400万円上昇し、粗利率は26.6%(前期比△0.4P)となった。都市開発セグメントでは、収益不動産の売却額が1,133億円から2,183億円へ増加し、粗利益は600億円を計上した。海外セグメントは、前期にベトナムの大型物件を計上した反動もあり、営業利益は17億円から△47億円となったが、持分法投資損益の増加等により事業利益は27億円を確保した。

③財務・資本効率
貸借対照表は、分譲住宅や収益不動産の用地取得の進捗、海外における住宅分譲プロジェクトへの参画等により、資産合計が26,865億円から28,119億円(+1,254億円)に増加した。有利子負債は15,453億円から15,993億円(+540億円)に増加した一方、純資産は7,514億円から8,027億円(+512億円)に増加し、自己資本比率は27.9%から28.5%(+0.6P)に上昇した。資料は「財務指針である30%水準を元にバランスシートを引続きコントロールする」としている。26/3期にはサステナブル・ファイナンスにより2,175億円を調達したことも記載されている。
資本効率については、ROEが10.4%から10.7%、ROAが5.1%から5.4%に上昇し、長期経営方針で掲げる財務指針(ROA5%以上、ROE10%以上)をいずれも上回った。1株当たり純資産は938円(前期末比+65円)、1株当たりNAV(Net Asset Value)は1,193円(同+57円)となった。

④株主還元
2026年3月期の年間配当金は予想通り40.00円(前期比+6.00円)となり、配当性向は前年を上回る41.4%となった。2027年3月期の年間配当金は1株当たり44.00円(前期比+4.00円)を予想しており、15期連続の増配となる見通し。同期の配当性向は26/3期を上回る43.7%を見込んでいる。長期経営方針では、財務指針としてDOE4%下限、総還元性向40~50%を目指す姿として掲げている。なお、投資単位当たりの金額引き下げを目的に、2025年4月1日を効力発生日として普通株式1株につき5株の株式分割を実施しており、本文中の1株当たり指標はいずれも遡り調整後の数値である。

⑤2027年3月期 会社予想
資料は「住宅セグメントの住宅分譲が好調に推移することや資産運用セグメントの運用資産残高の増加等により、売上高、各利益は過去最高となる予想」としている。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期予想 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 9,425億円 | 10,800億円 | +1,374億円(+14.6%) |
| 事業利益 | 1,473億円 | 1,500億円 | +26億円(+1.8%) |
| 営業利益 | 1,382億円 | 1,400億円 | +17億円 |
| 経常利益 | 1,248億円 | 1,250億円 | +1億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 828億円 | 860億円 | +31億円(+3.8%) |
| 1株当たり配当金 | 40.00円 | 44.00円 | +4.00円 |
セグメント別事業利益予想では、住宅が617億円から690億円(+72億円)、資産運用が105億円から115億円(+9億円)へ増加する一方、都市開発は賃貸粗利の減少等により539億円から520億円(△19億円)、海外は物件の供給調整により27億円から0億円(△27億円)、運営管理はDX費・人件費の増加により135億円から95億円(△40億円)へ減少する見込みとなっている。

⑥経営計画の進捗
2025年4月24日発表の3カ年経営計画(26/3期~28/3期)では、長期経営方針として事業利益の年平均成長率8%水準を財務指針に掲げ、28/3期の事業利益目標を1,600億円としている。これに対し、26/3期の事業利益実績は1,473億円(前期比+17.8%)、27/3期は1,500億円を予想しており、資料は「計画を上回る進捗」と評価している。投資・回収についても「計画に沿って順調に進捗」しているとし、進捗率は約3割超と記載されている。
⑦まとめ
野村不動産ホールディングスの2026年3月期は、住宅・都市開発を中心とする増収増益により、売上高・事業利益・当期純利益がいずれも過去最高を更新した。自己資本比率の上昇やROE・ROAの財務指針達成など資本効率面でも改善が進み、14期連続増配を実現している。2027年3月期は売上高・各利益がさらに過去最高を更新する見通しで、15期連続増配と43.7%への配当性向引き上げを予想するなど、株主還元の強化も継続する計画である。
※本記事は当該企業が公開したIR資料(2026年3月期 決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標(営業利益・事業利益等)の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。