四半期は小売・フィンテックの施策説明が新指標を伴い細分化した一方、通期は冒頭サマリーの新設と一時要因の追加にとどまり粒度は前年並み。
調査の概要
本記事は、東証プライム市場の時価総額上位500社を対象に、決算短信の「経営成績等の概況」相当部分の記載がどう変化したかを調べた調査の一部で、丸井グループ分です。
通期: 2025年3月期決算短信 と 2026年3月期決算短信(開示日: 2025年5月13日 → 2026年6月18日(推定))
四半期: 2026年3月期 第1四半期決算短信 と 2027年3月期 第1四半期決算短信(開示日: 2025年8月5日 → 2026年8月4日)
ここでいう定性文とは、決算短信のうち「1. 経営成績等の概況」相当の見出しから、次の大見出しの手前までの記述を指します。文字数は、タイトル名(『』)を除外し、空白を除いて計測しています。
通期決算短信の比較
文字数: 22,675字 → 23,543字(前期比+3.8%、微増)
見出し構成の変化: 削除: (5)株主還元の「<次期の基本方針>」小見出し/見出し名称簡略化:「<当期の基本方針>」→「<基本方針>」(大項目(1)~(7)の構成自体に変化なし)
粒度の判定: 同等
セグメント情報注記: あり(696字) → あり(696字)
変化の型: 出来事型、要因分析深化型
増えた要素
- (1)当期の経営成績の概況冒頭に、グループ総取扱高・EPSが過去最高となった旨と小売・フィンテック両セグメント好調の要約文を新規追加
- 営業利益増減の内訳に、カードキャッシングの利息返還損失引当金繰入額(15億円)という新規要因を追加
減った要素
- (5)株主還元の「<次期の基本方針>」小見出しとその内容(次期株主還元方針は中長期戦略ページを参照する旨の案内)
要約: 冒頭に業績サマリー文が新設され、営業利益増減の内訳では利息返還損失引当金繰入額という新たな要因が加わるなど要因分析がやや細かくなった。一方、株主還元の「次期の基本方針」への参照案内はなくなった。大項目の構成・全体の粒度は前年と同程度で、文字数増(+3.8%)も既存項目内の数値更新が中心。
四半期決算短信の比較
文字数: 22,021字 → 23,859字(前期比+8.3%、増加)
見出し構成の変化: 変化なし
粒度の判定: 細分化
セグメント情報注記: あり(0字) → あり(0字)
変化の型: 施策説明充実型、出来事型
増えた要素
- (1)経営成績の概況冒頭に、グループ総取扱高・当期利益が第1四半期として過去最高となった旨の要約文を新規追加
- 小売セグメントの説明に新指標(テナント収入119億円、変動収入比率23%、「好き」応援イベントの年間開催数1,000回超・取扱高42億円等)を追加し、「売らない店づくり」という新たな方針説明に置き換え
- フィンテックセグメントに、ポイント還元型の応援・寄付機能を新規カードへ標準搭載する計画の説明を追加
- (4)連結業績予想に、前回公表(2026年5月15日)との比較(増減額・増減率)を伴う業績予想修正の説明を追加
減った要素
- 小売セグメントの非物販テナント面積構成比率やマルイの出店サービス「OMEMIE」に関する説明(新指標の説明に置き換え)
要約: 小売セグメントの説明がテナント収入額・変動収入比率・イベント取扱高といった新たな定量指標で書き分けられ、フィンテックセグメントにも新カード施策の説明が加わるなど自発的に説明が厚くなった。業績予想も前年は「変更なし」だったのに対し、今期は具体的な修正内容が示されている。文数・箇条書きが増え、前年同期より粒度は細かくなった。
定性文の全文(前期・今期)
通期 2025年3月期
出典: 丸井グループ 2025年3月期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2025年5月13日(https://www2.jpx.co.jp/disc/82520/140120250510539668.pdf)
1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況(連結業績)・EPSは143.2円(前年比+10%、前年差+12.5円)、利益の増加により前年を上回り、過去最高となりました。ROEは10.6%(前年差+0.7%)と株主資本コスト(6.7%)を上回り、34年ぶりに10%を超えました。ROICは3.8%(前年差+0.2%)と資本コスト(WACC 3.0%)を上回りました。
※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。・グループ総取扱高は4兆9,269億円(前年比+10%、前年差+4,397億円)、フィンテックのカードクレジット取扱高が全体をけん引したことにより、過去最高となりました。・売上収益は2,544億円(前年比+8%)、営業利益は445億円(前年比+9%)、経常利益は399億円(前年比+3%)、当期利益は266億円(前年比+8%)と4期連続の増収増益となりました。
※「1.経営成績等の概況」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入しています。
※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。2営業利益増減の内訳・債権流動化による債権譲渡益(80億円)が前年に比べ6億円増加し、償却額・費用等(80億円)が7億円増加したため、営業利益は1億円減少しました。・上記の債権流動化影響を除いた実質的な営業利益は36億円の増益(小売+16億円、フィンテック+18億円)となりました。□ 営業利益増減の内訳(セグメント別の状況)・小売セグメントの営業利益は前年を16億円上回る86億円(前年比+24%)、ROICは3.1%(前年差+0.5%)となりました。・フィンテックセグメントの営業利益は前年を17億円上回る441億円(前年比+4%)、ROICは4.8%(前年差△0.1%)となりました。□ セグメント別の売上収益・営業利益
※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。<小売セグメント>・マルイ・モディ店舗においては、リアル店舗ならではの価値創出をめざして、「売ること」を目的としない体験型テナントやスクール、飲食・サービスなどの導入を進めており、当期の非物販テナントの面積構成は65%(前年差+4%)となり、カテゴリー転換が着実に進みました。新たなテナントの導入により店舗の未稼働区画の面積は減少し、施設のバリューアップが進んだことから、営業利益は4期連続の増益となりました。3□ 非物販テナント構成の推移・お客さまがいつご来店されても楽しんでいただける店舗をめざし、イベントフルな店づくりを進めています。中でも、2022年からスタートしたマルイの出店サービス「OMEMIE(おめみえ)」は、全国のマルイ・モディの出店スペースの検索から契約までをオンラインで完結することができるサービスで、D2Cブランドや個人事業主の方などに幅広くご活用いただいており、これまでマルイに出店のなかった新規テナントの導入につながっています。その結果、新たなテナントが提供するサービスの体験会やワークショップなど、イベントのバリエーションが広がっています。<フィンテックセグメント>・戦略的に進めている「家計シェア最大化」の取り組みにより家賃払いやECでのご利用、公共料金などの定期払いが伸長したことで、第4四半期のカードクレジット取扱高は1兆1,517億円(前年比+10%)、通期では4兆5,305億円(前年比+10%)とそれぞれ過去最高となりました。□ カードクレジット取扱高の推移4・分割・リボ取扱高は4,321億円(前年比+10%)と拡大し、流動化債権を含む分割・リボ払い残高は過去最高の4,693億円(前年比+8%)となりました。・エポスカードの新規会員数は82万人(前年差+1万人)、期末会員数は過去最高の790万人(前年差+31万人)となりました。・これまで事業の成長をけん引してきたゴールドカードに加えて、一人ひとりの「好き」を応援するカードの取り組みを強化しています。「好き」を応援するカードは、一般カードに比べて若者の保有比率が高く、LTV(生涯利益)が2~7倍高いカードとなっています。アニメ・ゲームやエンターテインメントとコラボレーションしたカードは、熱量の高いファンが多く、SNSなどを通じて認知が広まりやすい特性もあり、ネット入会との親和性が高いことが特徴です。この「好き」を応援するカードは、フィンテックだけでなく、小売や共創投資に携わる社員からも提案が生まれており、企画数は全115企画に拡大しています。店舗では「好き」を応援するカードと連動したイベントなど、リアルでの体験の場を提供したり、ECではコラボグッズを開発・販売するなど、カード・店舗・ECを持つ当社グループならではの取り組みを行うことで、独自の体験価値を提供しています。これらの取り組みにより、「好き」を応援するカードの新規会員数は34万人、期末会員数は111万人(前年差+21万人)となりました。今後もグループ一体となって取り組みを強化することで、ロイヤリティの高い会員を拡大し、取扱高や新規入会数のさらなる拡大につなげていきます。□ 新規入会の推移□ カード会員数の推移5(LTVの安定性を表す指標)当社グループの収益構造はこれまでのビジネスモデルの転換にともない、店舗の不動産賃貸収入やカード手数料をはじめとする「リカーリングレベニュー(継続的収入)」が拡大し、売上・利益に占める構成が大きくなりました。お客さま・お取引先さまとの契約に基づく継続的収入であるリカーリングレベニューからは、翌期以降の将来収益を「成約済み繰延収益」としてとらえることが可能であり、収益の安定性を測る指標として使用できます。これらは、LTVを重視した当社グループの長期視点の経営において重要な要素であると考えています。・当期のリカーリングレベニュー(売上総利益ベース)は1,515億円(前年比+8%)となり、売上総利益に占める割合は66.8%(前年差△0.2%)となりました。・当期末の成約済み繰延収益は3,984億円(前年比+5%)となり、当期の売上総利益の約1.8倍の将来収益が見込まれています。なお、成約済み繰延収益の算出は、不動産賃貸収入は契約残年数、分割・リボ手数料やカードキャッシング利息は返済期間、加盟店手数料(リカーリング分)はカード有効期間、家賃保証は保証期間をもとに行っています。□ LTV経営の指標(注)売上総利益ベースのリカーリングレベニュー、およびその構成を算出する際の売上総利益には、販管費戻り(お取引先さまから継続的にいただく経費)を含めています。
(2)当期の財政状態の概況・営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)は、カードクレジット取扱高の拡大などにより6,298億円(前年差+396億円)となりました。総資産は1兆534億円(前年差+499億円)となりました。・有利子負債(リース債務を除く)は6,365億円(前年差+421億円)となりました。・自己株式の取得や配当金の支払などにより、自己資本は2,461億円(前年差△71億円)となり、自己資本比率は23.4%(前年差△1.8%)となりました。6□ バランスシートの状況
(3)当期のキャッシュ・フローの概況・営業キャッシュ・フローは、45億円の支出(前期は380億円の収入)となりました。営業キャッシュ・フローから営業債権等の増減を除いた基礎営業キャッシュ・フローは、税引前利益の増加などにより、前期より106億円増加し、497億円の収入となりました。・投資キャッシュ・フローは、有形および無形固定資産の取得131億円、投資有価証券の取得68億円などにより137億円の支出(前期は183億円の支出)となりました。・財務キャッシュ・フローは、有利子負債の増加による420億円の収入や自己株式の取得による支出185億円、配当金の支払195億円などにより28億円の収入(前期は79億円の支出)となりました。□ キャッシュ・フローの状況(注) 当社グループでは営業キャッシュ・フローから営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)等の増減を控除した「基礎営業キャッシュ・フロー」を収益性・健全性の指標としています。
(4)次期の見通し新たに2031年3月期を最終年度とする「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定しました。最終年度のPBR3~4倍、EPS成長率9%以上、TSR成長率は年率12%以上を目標に、さらなる企業価値向上に取り組みます。詳細につきましては9ページ記載の「(6)中長期的な会社の経営戦略」をご覧ください。・2026年3月期のEPSは155.0円(前年比+8%、前年差+11.8円)、ROEは11.2%(前年差+0.6%)、ROICは3.9%(前年差+0.1%)の見通しです。7・グループ総取扱高は5兆3,900億円(前年比+9%)の見通しです。・売上収益は2,725億円(前年比+7%)、営業利益は500億円(前年比+12%)、当期利益は280億円(前年比+5%)と増収増益の見通しです。・小売セグメントの営業利益は110億円(前年比+28%)の見通しです。・フィンテックセグメントの営業利益は470億円(前年比+7%)の見通しです。□ 2026年3月期連結業績見通し
(5)株主還元<当期の基本方針>株主還元については、適正な利益配分を継続的に実施することを基本方針とします。・配当については、EPSの長期的な成長に基づく継続的な配当水準の向上に努め、「高成長」と「高還元」の両立をはかります。株主資本配当率(DOE)8%程度を目安とし、長期安定的な増配の実現をめざします。・自己株式の取得については、財務状況や株価水準等を総合的に勘案し、資本効率と株主利益の向上に向けて、機動的に実施します。なお、取得した自己株式は原則として消却します。・配当の基準および自己株式取得の方針については、定期的に検証し適宜見直しを行います。<次期の基本方針>・今後の株主還元については、12ページ記載の「(6)中長期的な会社の経営戦略 4)資本政策と株主還元」をご覧ください。8<当期および次期の見通し>・当期の期末配当金については、年初公表のとおり1株当たり53円とします。中間配当金53円と合わせた年間配当金は106円(前年差+5円)、13期連続の増配となり9期連続で過去最高を更新、連結配当性向は74.0%(前年差△3.3%)となります。・当期の自己株式の取得については、185億円を取得し、株主資本配当率(DOE)は8.1%となりました。・次期の年間配当金については、1株当たり131円(前年差+25円)、14期連続の増配を見込んでいます。・次期の自己株式の取得については、本日公表のとおり取得枠として200億円を設定しています。株主資本配当率 自己株式年間配当金 連結配当性向(DOE) 取得中間配当金 期末配当金2022年3月期 52円 26円 26円 4.0% 60.6% 300億円2023年3月期 59円 29円 30円 4.6% 53.9% 240億円2024年3月期 101円 50円 51円 7.9% 77.3% 34億円2025年3月期 106円 53円 53円 8.1% 74.0% 185億円2026年3月期131円 65円 66円 10.0% 84.5% 未定(予想)
(6)中長期的な会社の経営戦略■ 会社の概要当社グループは、1931年の創業以来、小売と金融が一体となった独自のビジネスモデルを進化させ続けることで、他社にはない強みと地位を確立し、近年では、共創投資や新規事業投資からなる未来投資を加え、小売、フィンテック、未来投資の三位一体のビジネスモデルをめざしてきました。現在は、フィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスへと転換し、さらなる企業価値の拡大をめざしています。■ 会社の経営の基本方針当社グループのミッションは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会をステークホルダーの皆さまと共に創ることにあります。当社グループがめざすのは、お客さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員、将来世代すべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和と拡大です。そのために、すべてをステークホルダーの視点で考え、行動することにより共有できる価値づくりに取り組み、結果として企業価値の向上を図る「共創経営」を進めていきます。当社グループの「共創経営」の詳細については、「共創経営レポート2023」「VISION BOOK2050」をご覧ください。共創経営レポート(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/i-report.html)VISION BOOK 2050(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/s-report.html)9■ 経営ビジョン&戦略ストーリー2031の策定について2031年の創業100周年に向けて、「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定しました。経営ビジョンとして高い目標を掲げ、そこからバックキャスティングして戦略ストーリーを構築し、ビジョン・インパクト・事業戦略を連動させることで社会的価値の創出を実現していきます。1)経営ビジョン当社グループは、これまでの小売・フィンテック・共創投資による三位一体ビジネスから、フィンテックを中心とした「『好き』を応援するビジネス」へ転換することで、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを実現していきます。経営ビジョンの前提として、30年以上続くデフレ経済は変化の潮目を迎えており、消費者の行動にも変化が生じる中、これまでのポイント還元に代表されるコスパ消費とは対極となる「『好き』が駆動する経済」という新たな経済の可能性を見出し、この新しい市場を創造することで成長していきます。2)戦略ストーリー「『好き』を応援するビジネス」を通じてめざすインパクトと、その実現に向けた戦略は以下のとおりです。(「好き」を通じて誰かのため、社会のためへと広がる消費)・「好き」を応援するビジネスの目的は、「好き」を応援することで「自分のため」の消費が「誰かのため」となり、やがて「社会のため」へと広がっていくことでインパクトと利益を両立させることにあります。10・当社グループの「好き」を応援するカードでは、ご利用を通じて応援したい相手に寄付ができるカードの会員が拡大しており、「誰かのため」に「寄付」することに幸せを感じる新しいタイプの消費者が、今後もますます増えていくと予想されます。・新しいタイプの消費者にお応えすることで差別化戦略を進め、「好き」を応援するカードの会員を2031年3月期には300万人まで拡大し、2041年3月期にはゴールドカードを上回る会員数をめざします。(「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメント)・当社グループはこれまで若者の自己実現を応援してきましたが、今後は「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメントを通じて、すべての人の自己実現を支援していきます。・これまでのフィンテックのビジネスでは、丸井の店舗がある大都市圏を中心とした地域で「信用の共創」によりクレジットカードを発行してきましたが、今後はその対象範囲を広げ、地域を問わず小売の新たな自主運営体制の全国展開を通じて会員募集を行います。・また、今後拡大する自営業、スタートアップ、フリーランス等の多様な働き方に対しては「オーナーカード」、「ランサーズカード」、日本で働く外国人の方々に対しては協業を通じた「GTNカード」を含め、会員を拡大します。(支援戦略)・自主・PBに代わる新たな顧客接点として、コンパクトな面積で、高い集客力や会員募集力、客単価や荒利益率の向上が期待できる「好き」を応援するイベントとグッズ、カードの新しい自主運営ユニットを全国主要都市に展開することで、インパクトと利益の両立を支援します。・また、当社グループはこれまでDXを通じた顧客体験の向上をめざして、UXの先進企業でもあるグッドパッチ社との合弁会社や新たに設立したマルイユナイトを通じて、専門人材の採用を進めるとともにアジャイルな開発体制を整備してきました。・今後はプロフェッショナル人材の活躍を通じて、デジタルのUXと新自主運営ユニットによるリアルの体験を融合した独自の体験価値を提供することでロイヤルカスタマー化を推進します。(「フロー」を通じた創造性の発揮)・当社グループでは、能力と挑戦、創造性と幸せ、というビジネスにとって重要な要素を包括的に捉えることのできる「フロー」という概念に注目し、社員一人ひとりの働きがいと組織活力を高める取り組みを行ってきました。・今後は、「好き」を応援するコンクールなどを通じて自分の「好き」を仕事に活かす機会を増やし、創造性を発揮することで、アイデアやナレッジ、ノウハウなどの無形資産を活かしたビジネスを拡大し、2031年3月期までに無形資産比率を70%以上に高めることで企業価値の向上をめざします。(ソーシャル・イントラプレナーによる事業開発)・社外の起業家とのイノベーションの創出に加え、「会社にいながら社会を変えられるソーシャル・イントラプレナー(社内起業家)」の活躍を促すために、ビジネスプロデュース推進室を設置し、様々な雇用形態を通じて社内外から人材を募集し事業開発を進めます。・中長期的な人材育成のため「ソーシャル・イントラプレナー育成財団」を設立し、大学生、中高生向けに講座を提供します。将来的には当社グループへの入社やプロジェクトへの参加を通じ、当社グループの事業開発にも活かしていきます。(探究領域)・「好き」を応援するビジネスのグローバル化に取り組み、まずは「世界から見た『好き』の対象としての日本」というテーマで世界中から人材を募集し事業開発を進めます。113)リスク(金利上昇による金融費用増加への対応)・分割・リボ手数料については、2026年3月期の期中から手数料率を変更することを検討しており、収益の増加を見込んでいます。・調達金利については、平均調達年限を短縮することで調達利率の低減を図るとともに、格付の向上をめざして格付機関との対話を強化し、金融費用の増加抑制に取り組みます。4)資本政策と株主還元・2031年3月期には、バランスシートが1.5兆円規模に拡大する見通しとなり、小売の自己資本比率が50%と、当社が最適とする35%から乖離する見込みとなるため、300億円の資本最適化をすることで連結自己資本比率16%を目標にバランスシートの見直しを進めます。・株主還元方針については、2031年3月期に向けてROE15%以上をめざすことを鑑み、DOE8%から10%へ引き上げをいたします。・資本配分については、6年間の基礎営業キャッシュ・フロー3,500億円を、成長投資としては既存事業に900億円、DX投資・事業開発などの未来投資に600億円、資本最適化に向けた自己株式取得に300億円、株主還元に1,700億円を配分する計画です。□ 資本配分(26年3月期~31年3月期)125)KPI・2031年3月期におけるKPIはPBR3~4倍、EPS成長率は年率9%以上、TSR成長率は年率12%以上の高成長・高還元の実現をめざします。
(7)サステナビリティに関する考え方および取り組み■ 会社の考えるサステナビリティ<サステナビリティ全般>当社グループでは、2016年から環境への配慮、社会的課題の解決、ガバナンスへの取り組みがビジネスと一体となった未来志向のサステナビリティ経営への第一歩を踏み出しました。それまで取り組んできた「すべての人」に向けたビジネスを「インクルージョン(包摂)」というテーマでとらえ直し、重点テーマを整理し、取り組みを進めてきました。これらの取り組みは、国連の持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」の実現にも寄与するものです。そして、2019年には本格的なサステナビリティ経営に向け、2050年を見据えた長期ビジョン「丸井グループビジョン2050」を策定し、「ビジネスを通じてあらゆる二項対立を乗り越える世界を創る」ことを宣言しました。2021年には「ビジョン2050」に基づき、サステナビリティとWell-beingに関わる目標を「インパクト」として定義しました。インパクトは、「ビジョン2050」に定めた取り組みをアップデートし、「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『しあわせ』を共に創る」「共創のエコシステムをつくる」という共創をベースにした3つのテーマを定めました。2025年には新たに「経営ビジョンと戦略ストーリー2031」を策定し、「好き」が駆動する経済の実現に向けて、インパクトを「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『好き』が駆動する経済を創る」「働く人の『フロー』を生み出す社会を創る」の3つのテーマに再定義しています。ビジネスを通じて社会課題の解決と利益の両立をめざし、「インパクト」と「利益」の主要な取り組み項目を主要KPIとして設定しています。具体的な指標は「4)指標と目標」に記載しています。131)ガバナンスすべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和と拡大に向け、ステークホルダーをインクルードした経営の仕組みづくりに着手します。ステークホルダーの求める利益としあわせを共に実現する共創ステークホルダー経営 経営に向けて、ステークホルダーをボードメンバーに迎えることで、ガバナンス体制を進化させていきます。サステナビリティ経営の推進に向けて適時活動を検証するとともに、サステナビリティとビジネスの両立をめざす重点指標(KPI)の進捗を確認しています。サステナビリティマネジメント体制の強化に向け、2019年にサステナビリティアドバイサステナビリティマネジメントのザーおよび取締役会の諮問機関としてのサステナビリティ委員推進会を設置しました。外部有識者や将来世代を含むメンバーにて、グループ全体のサステナビリティ戦略および取り組みなど、未来に向けた対話を深め、積極的に取締役会に報告・提言を行っています。サステナビリティ経営の礎として、「グループ行動規範」を定め、そのもとに「丸井グループ人権方針」「丸井グループ安全衛生方針」「丸井グループ環境方針」等を定めています。外部環境の変化に対応し、デジタル化や技術革新による事業構造転換のさらなるスピードアップに向けて、CDO(Chief DigitalOfficer)を配置しています。また、情報セキュリティリスクへの対応を強化するため、情報セキュリティ委員会を設置し、グループ全体の情報資産などを保護・管理する最高セキュリティ責任者としてCSO(Chief Security Officer)を配置しています。さらに、今後の金融事業におけるリスク対応を強化するため、金融リスク委員会を設置し、マネーロンダリングへの対リスクマネジメントの推進応をはじめとした法令・規制・ガイドラインのコンプライアンスや不正利用への対応など、組織全体で効果的なリスク文化を推進するための戦略を講じています。サステナビリティ経営における高リスク分野の管理向上を図るため、各委員会の統括機能として、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議にて、当社グループのリスクを統合的に管理しています。規範・各種方針は、実効性を年1回検証するとともに、研修などを通じてグループ社員へ周知を図っています。今後も毎年、検討および見直し等を行い、時代に合わせたリスクマネジメントを推進していきます。2017年4月より次世代経営者育成プログラム「共創経営塾(CMA)」を開設しました。毎年10人~20人程度を選抜し、社外取次世代リーダーの育成締役の監修のもと、次世代の経営を担う人材の発掘と育成をめざします。2)戦略当社グループは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」ことをミッションとしています。金融と小売の融合を通じて、経済的な豊かさだけでなく精神的な豊かさとしての「しあわせ」を提供すること、一部の人たちだけでなく、すべての人が「しあわせ」になれる社会の実現をめざします。2050年を見据えた長期ビジョン「ビジョン2050」の策定に合わせ、当社グループが優先的に取り組むべき社会課題をインパクトとして定義しました。2025年からは、新たに「経営ビジョンと戦略ストーリー2031」を策定し、「好き」が駆動する経済の実現に向けて、共創を基盤にフィンテックを中心としたイベント・グッズ・サービス・共創投資・事業開発、そして人・組織・働き方などすべてを通じて「好き」を応援するビジネスを推進していきます。当社グループが取り組むべきことを3テーマ6つのインパクト目標として設定し、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」ビジョンの実現に向けた取り組みを進めることで、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会をめざします。14ⅰ.将来世代の未来を共に創る「脱炭素社会の実現」や「将来世代の事業創出の応援」により、地球と共存する持続可能な未来を将来世代につなげます。<自社排出の削減>温室効果ガス削減への取り組みとして、2019年9月に策定した新たな温室効果ガス削減の中長期目標は、国際的なイニシアティブである「Science Based Targets(SBT)イニシアティブ」により「1.5℃目標」として認定されました。さらに、2023年8月にSBTネットゼロ認定を取得しました。グループ全体の温室効果ガス削減目標は次のとおりです。2030年までに、2017年3月期比で・Scope1(※1)+Scope2(※2)を80%削減・Scope3(※3)を35%削減2050年までに2017年3月期比でグループ全体のScope1、2の合計およびScope3を90%削減し、残余分を炭素除去することでネットゼロを達成2024年3月期の実績・Scope1( 8,115 ト ン ) + Scope2( 22,483 ト ン ) 合 計30,599トン2017年3月期比 74.1%削減脱炭素社会の実現・Scope3(241,570トン)2017年3月期比 50.6%削減温室効果ガス排出量原単位(※4)は6.6(前年比88.0%)となりました。2018年7月にRE100に加盟し、2030年までにグループの事業で使用する電力を、すべて再生可能エネルギーにすることとしています。2024年3月期の再生可能エネルギー比率は70.7%となりました。
※1自社の燃料の使用による温室効果ガスの排出量※2自社の電力等の使用による温室効果ガスの排出量※3自社のバリューチェーンに関わる温室効果ガスの排出量※4温室効果ガス排出量(トン)/連結営業利益(百万円)にて算出<お客さまとの共創による社会排出の削減>当社グループは、株式会社UPDATER(旧みんな電力株式会社)と共に、「みんなで再エネ」プロジェクトをスタートしました。カード会員に対し、再エネ電力を簡単に申し込めるサービスを提供し、お客さまと共にCO2の社会排出削減に取り組みます。当社グループはこれまで、社外の起業家と共創投資を通じてイノベーションの創出をめざしてきました。今後はこれに加えて、社内起業家による事業創出に取り組みます。そのために、「会社にいながら社会を変えられるソーシャル・イントラプレナ将来世代の「事業創出」を応援 ー」という働き方を提唱し、広く発信していきます。中長期的な人材育成を進めるためにソーシャル・イントラプレナー育成財団を設立し、大学生、高校生向けに講座を提供します。将来的には卒業生の入社やプロジェクトへの参加を通じて当社グループの事業開発に活かしていきます。15ⅱ.一人ひとりの「好き」が駆動する経済を創る一人ひとりの「好き」の応援を通じて、個がエンパワーできる社会の実現を加速させます。当社グループは、これまで家具やファッションなど消費財の割賦販売を通じて若者の自己実現を応援してきましたが、今後は「好き」を応援する金融サービスを通じて、すべての人の自己実現を支援していきます。対象となるのは、全国の約7割に相当する地方に多く見られる一次産業や建築業、サービス業などに従事する人たちや自営業やスタートアップ、フリーランサー「好き」を応援するファイナンシといった多様な働き方をする人たち、そして多くの日本で働くャル・エンパワーメント外国人たちなどです。これらの人たちは「月給」に代表される定期的・安定的な収入ではなく、不定期で変動的な収入形態を持つため、クレジットカードを持つことができない人々が多数存在します。このような人たちを中心に、「好き」を活かした暮らしと仕事の可能性を開花させるための応援を推進していきます。動物保護団体に寄付できるエポスペットカードをはじめ、作家の創作活動に寄付できるヘラルボニーカード、山岳保全団体に寄付できるYAMAPエポスカード、再生可能エネルギーの生産者に寄付できるみんな電力エポスカードなど、「好き」を応「好き」の応援を通じた社会貢献援するカードを通じて応援したい相手に寄付できるカードのラインナップを増やしていきます。「自分のため」の消費が「誰かのため」になり、やがて「社会のため」に広がっていくことで、日本における寄付文化の醸成に貢献し、インパクトと利益の両立をめざします。ⅲ.働く人の「フロー」を生み出す社会を創る社員一人ひとりの働きがいや組織活力を高めるための取り組みを、フロントランナーとして推進していきます。世界中の優秀な人材を惹きつけ、その活躍を促進するため、ビジネスプロデュース推進室を設置します。さまざまな雇用形態社内外の共創の場を通じて、社内外からソーシャル・イントラプレナーを募り、「好き」が駆動する経済に向けた事業開発を進めていきます。当社グループは、能力と挑戦、創造性と幸せ、というビジネスにとって重要な4つの要素を包括的に捉える「フロー」という概念に注目し、社員一人ひとりの働きがいと組織活力を高める取り組みを推進しています。具体的には、「好き」を応援する創造性を発揮する人・働き方コンクールなどを通じて、自分の「好き」を仕事に活かす機会を増やし、創造性を発揮できる組織づくりを進めることで、アイデアやナレッジ、ノウハウなどの無形資産を活用したビジネスを拡大し、無形資産比率を70%以上に高めることで、企業価値の向上をめざします。3)リスク管理当社グループは、サステナビリティに関する課題を把握し評価するため、リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社(クレジットカード業務・小売業・施設運営・物流・総合ビルマネジメント等)の役員で構成されるESG委員会で議論された内容は、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議や、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っています。企業戦略に影響する世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。164)指標と目標当社グループは2031年3月期インパクトKPIとして共創をベースとする3つの目標「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『好き』を駆動する経済を創る」「働く人の『フロー』を生み出す社会を創る」を設定し、具体的な取り組みを推進していきます。早期のインパクト実現に向け、グループ各社・各部が中期経営計画を策定し、経営層へ進捗を報告する会議にて、年1回モニタリングを実施しています。なお、具体的な目標については、再定義したインパクトのもと現在検討を進めており、2025年6月に発行するインパクトブック2025にて公表予定です。<気候変動への取り組みとTCFDへの対応>気候変動は、もはや気候危機としてとらえるべきことであり、当社グループは、重要な経営課題の一つと認識し、パリ協定が示す「平均気温上昇を1.5℃に抑えた世界」の実現をめざしています。「丸井グループ環境方針(2022年3月改定)」に基づき、パリ協定の長期目標を踏まえた脱炭素社会へ積極的に対応すべく、ガバナンス体制を強化するとともに、事業への影響分析や気候変動による成長機会の取り込みおよびリスクへの適切な対応への取り組みを推進しています。当社グループはFSB(金融安定理事会)により設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同し、有価証券報告書(2019年3月期)にて、提言を踏まえ情報を開示しました。さらに分析を重ね、有価証券報告書(2020年3月期)にて、気候変動による機会および物理的リスク等の内容を拡充しました。今後も情報開示の充実を図るとともに、TCFD提言を当社グループの気候変動対応の適切さを検証するベンチマークとして活用し、サステナビリティ経営を進めていきます。1)ガバナンス気候変動に関わる基本方針や重要事項等を検討・審議する組織として、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会を設置しています。また、関連リスクの管理水準の向上を図る機関としてESG委員会を設置し、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議を通じて、当社グループ全体のリスク管理を行っています。事業戦略の策定や投融資等に際しては、こうした体制をもとに「丸井グループ環境方針」や気候変動に係る重要事項を踏まえ総合的に審議し決定することで、気候変動に関するガバナンスの強化を進めていきます。172)戦略(事業のリスクと機会)気候変動による世界的な平均気温の4℃上昇が社会に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することをめざす取り組みへの貢献が重要であると考えています。2℃以下シナリオ(1.5℃目標)への対応力を強化すべく、気候関連のリスクと機会がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定を進めています。当社グループは、フィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスを推進していきます。気候変動は、台風・豪雨等の水害による店舗・施設等への被害や規制強化にともなう炭素税の導入による費用の増加等のリスクが考えられます。一方、消費者の環境意識の向上に対応した商品・サービスの提供や環境配慮に取り組む企業への投資は当社グループのビジネスの機会であるととらえています。(財務影響の分析・算定)事業への財務的影響については、気候変動シナリオ等に基づき分析し2050年までの期間内に想定される利益への影響額として項目別に算定しています。リスクについては、物理的リスクとして、気温上昇が1.5℃以下に抑制されたとしても急性的に台風・豪雨等での水害が発生しうると予測しています。店舗の営業休止による不動産賃貸収入等への影響(約19億円)および建物被害(約30億円)、被災地におけるクレジットカードの貸倒率上昇によるコスト影響(約0.5億円)を算定。移行リスクとしては、将来のエネルギー関連費用の増加を予測し、再生可能エネルギーの調達コストの増加(約8億円)および炭素税導入による増税(約22億円)を算定しています。機会については、環境意識が高い消費者へのライフスタイル提案による店舗収益への影響(約19億円)およびカード会員の増加による長期的収益(約26億円)、環境配慮に取り組む企業への投資によるリターン(約9億円)を算定。カード会員の再生可能エネルギー電力の利用によりリカーリングが増加しゴールドカード会員化につながることでの長期的収益(約20億円)、業界平均を下回る低貸倒率を維持する独自の与信システムにより、災害時の貸倒償却額を抑制(約0.2億円)、電力小売事業への参入による調達コストの削減(約3億円)および炭素税の非課税(約22億円)を算定しています。今後もさまざまな動向を踏まえ定期的に分析し、評価の見直しと情報開示の充実を進めていきます。(前提要件)対象期間 2020年~2050年対象範囲 丸井グループの全事業気候変動シナリオ(IPCC・IEA等)に基づき分析項目別に対象期間内に想定される利益影響額を算定算定要件リスクは事象が発生した際の影響額で算定機会は原則、長期的な収益(LTV)で算定公共事業等のインフラ強化やテクノロジーの進化等は考慮しない18(気候変動によるリスクおよび機会)世の中の 丸井グループの 利益リスクの内容変化 リスク 影響額営業休止による不動産賃貸収入等への影響 約19億円店舗の営業休止物理浸水による建物被害(電源設備等の復旧) 約30億円台風・豪雨等的による水害リシステムセンターシステムダウンによるグループ全体の 対応済
※1スの停止 営業活動休止 ※2ク貸倒コストへの被災地におけるクレジットカードの貸倒率上昇 約0.5億円影響再エネ需要の 約8億円移再エネ価格の上昇 再エネ調達によるエネルギーコストの増加増加 (年間)行リ政府の約22億円ス環境規制の 炭素税の導入 炭素税による増税(年間)ク強化世の中の 丸井グループの 利益機会の内容変化 機会 影響額約19億円環境配慮に取り組むテナント導入等による収益
※3サステナブルな約26億円ライフスタイルのサステナブル志向の高いカード会員の増加環境意識の ※4提案向上・環境配慮に取り組む企業への投資によるライフスタイ 約9億円リターンルの変化一般家庭の約20億円再エネ需要へのカード会員の再エネ電力利用による収益
※5機 対応会低貸倒率により独自の与信システムにより業界平均を下回る低台風・豪雨等抑えられた 貸倒率の為、災害時の最終貸倒償却額を少額に約0.2億円による水害貸倒の回避額抑制電力調達の電力小売事業への 約3億円電力の直接仕入れによる中間コストの削減多様化 参入 (年間)政府の温室効果ガス排出量ゼロの達成による 約22億円環境規制の 炭素税の導入炭素税非課税 (年間)強化
※ 1 ハザードマップに基づき影響が最も大きい河川(荒川)の氾濫を想定(流域の2店舗に3カ月の影響)
※ 2 バックアップセンター設置済みのため利益影響は無いと想定※ 3 不動産賃貸収入の増加およびクレジットカード利用の増加※ 4 クレジットカードの新規入会や利用による収益を算定※ 5 リカーリング等でのゴールドカード会員の増加による収益を算定3)リスク管理当社グループは、グループの事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社(クレジットカード業務・小売業・施設運営・物流・総合ビルマネジメント等)の役員で構成されるESG委員会で議論された内容は、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議や、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っています。企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。194)指標と目標・温室効果ガスの削減については、グループ全体の温室効果ガス削減目標「2030年までに2017年3月期比Scope1+Scope2を80%削減、Scope3を35%削減(2050年までに2017年3月期比Scope1+Scope2の合計およびScope3を90%削減)」が、2019年9月にSBTイニシアティブにより「1.5℃目標」として認定されています。・2030年までにグループの事業活動で消費する電力の100%(中間目標:2025年までに70%)を再生可能エネルギーから調達することを目標として、2018年7月にRE100に加盟しています。■ 会社の考える人的資本経営当社グループでは「人の成長=企業の成長」という理念のもと、継続的な企業価値向上をめざし、2005年より企業文化の変革に取り組んできました。企業文化の変革に向けて、「企業理念」「対話の文化」「働き方改革」「多様性の推進」「手挙げの文化」「グループ会社間職種変更異動」「パフォーマンスとバリューの二軸評価」「Well-being」等の施策を同時進行で進めてきました。当社グループの「人的資本経営」のパフォーマンスデータについては、「2024年3月期ESGデータブック」の「社会(Social)」のカテゴリーをご覧ください。ESGデータブック(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/databook.html)<企業文化変革のための取り組み>1)企業理念当社グループの人的資本経営は「人の成長=企業の成長」という経営理念が根本となっています。この理念について、働く理由や会社に入って成し遂げたいことなどを対話の場を設けて話し合うことで、会社のパーパスと個人のパーパスのすり合わせを行い、10年以上で4,500名以上の社員が参加しました。その結果、理念を共有できない人が退職したことで一時的に退職率は上がりましたが、その後は低水準で定着しており、2025年3月期の退職率(定年退職者を除く)は3.5%となりました。また、入社3年以内の離職率は約17%と世の中の平均を大きく下回る水準で推移しており、会社と個人との「選び選ばれる関係」の基盤が構築されています。2)対話の文化かつての一方通行から、双方向のコミュニケーションを通じた「対話の文化」が醸成されてきました。「1.安全な場宣言から始める」「2.特に目的を定めない」「3.結論を求めない」「4.傾聴する」「5.人の発言を受けて発言する」「6.人の意見を否定しない」「7.間隔を置いて熟成させる」の7つの目安に沿って、会議やミーティングは必ず対話を交えて行われています。3)働き方改革働きやすい環境の実現のみならず、仕事の本質を「時間の提供」から「価値の創出」と考える企業文化の転換をめざしています。社員によるプロジェクト活動の結果、2008年3月期には月間11時間だった1人当たり残業時間は、2025年3月期では約5.5時間まで大幅に減少しました。4)多様性の推進2014年から「男女」「年代」「個人」の3つの多様性を掲げ、組織改革を推進しています。「男女」の多様性については、2014年3月期から女性活躍推進のプロジェクトをスタートし、「女性イキイキ指数」という独自のKPIを掲げて取り組みを進めた結果、2025年3月期では男性社員の育休取得率が7年連続で100%を達成し、さらに女性の上位職志向も58%まで向上しました。2022年3月期からは新たに「男性の産休取得」と「男女の性別役割分担の見直し」を目標に掲げ、より本質的な取り組みにも着手しています。205)手挙げの文化10年以上にわたり、社員が自ら手を挙げて参画する「手挙げの文化」づくりを進めてきました。手挙げの文化の目的は、社員一人ひとりの自主性を促し、自律的な組織をつくり、イノベーションを創出する企業になることです。「公認プロジェクト・イニシアティブ」「中期経営推進会議」など、幅広い手挙げの機会を設け、2025年3月期では自ら手を挙げて参画した社員の割合は約9割に達しました。6)グループ会社間職種変更異動社員の手挙げに基づいて、当社グループ内のさまざまな事業を跨ぐ「グループ会社間職種変更異動」を2013年から本格的に推進し、2025年3月期までに、全グループ社員の約86%が職種変更を経験しています。2016年実施のアンケートでは、約86%が「異動後に成長を実感した」と回答しており、個人の中の多様性とレジリエンス力が育まれています。今後は、共創投資先を中心に他企業への出向にも拡げ、より変化に強い人材の育成を進めます。217)パフォーマンスとバリューの二軸評価人事評価制度においては、業績に基づく評価だけでなく、バリューに関わる上司、同僚、部下からの360度評価を実施することで、「人の成長」という企業理念の実現をめざします。8)Well-being当社グループでは、一人ひとりがやりがいを持ってイキイキと仕事に取り組める活力のある組織をめざして、2016年からWell-beingに取り組んでいます。CWO(チーフウェルビーイングオフィサー)で取締役上席執行役員の小島玲子氏が中心となり、「幹部向けのレジリエンスプログラム」や社員の手挙げによる「Well-being推進プロジェクト」を通して、組織の中での一人ひとりのしあわせを実現していきます。<企業文化変革を通じた社員エンゲージメントの向上>当社独自の取り組みを含む8つの施策を通じて、経営のOSである企業文化を新しいOSへと更新してきました。また、これらの施策の結果、社員のエンゲージメントが高まりました。当社が独自に計測しているエンゲージメント指標を2012年と2024年で比較すると、仕事での「期待」は46%から81%へ、職場での「尊重」は28%から69%へ、自分の「強みを活かす」は38%から58%へと、それぞれ大幅に改善しました。1)戦略当社グループは、2019年に策定したビジョン2050で「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを掲げています。企業文化の変革によって、このビジョンの実現に向けたイノベーションが創出できるようになりましたが、これらはまだ小さな「芽」にすぎません。インパクトと利益という「双葉」をつけたこれらの「芽」を増やし、成長させることで、大きな樹に育て上げ、たくさんの果実を実らせることで、「社会課題解決企業」へと進化していきます。22「利益追求」と「社会課題解決」の2つを両立するための高いハードルをクリアするためには、一人ひとりの「創造力」を全開にすることが不可欠であり、そのために「仕事を通じてフロー体験できる」組織づくりに取り組みます。「フロー」は心理学者のチクセント・ミハイが提唱する概念で、人が能力と挑戦のレベルが釣り合っている時にしばしば体験する、「時を忘れ、我を忘れて」没頭する状態のことを指します。人はフローを体験することで、想像力をフルに発揮することができ、それによって高いハードルを乗り越え、成長することができます。また、フローはその体験自体が「しあわせ」をもたらします。「仕事を通じてフローを体験できる組織」を創ることで、めざす姿の実現と働く一人ひとりのしあわせの両立をめざします。そのために「働き方と組織のイノベーション」と「DXの推進」の2つの取り組みを進めます。(働き方と組織のイノベーション)働き方と組織のイノベーションでは、プロジェクト型の働き方と組織づくりを促進します。インパクトを実現したいという思いを持った社員が自ら手を挙げ、グループ会社の枠を超えて集まり、プロジェクト的に働くことでイノベーションを進めてきましたが、このような働き方はこれまで例外的でした。今後は、プロジェクト型を例外ではなく、当たり前の働き方として広げていきます。ⅰ.公認イニシアティブの拡大インパクトと利益を両立させ、さまざまなテーマを設定した「公認イニシアティブ」を前年から3チーム追加し、12チームに拡大します。各テーマについて自ら手を挙げて集まったメンバーが、社内外の枠を超えてプロジェクト的に活動することでイノベーションを創出します。23ⅱ.課長のいない組織人と組織の管理を担う課長が、組織の長ではなく、チームのサポーターとして、上から横に回ることで、一人ひとりのメンバーが自立自走するフラットな組織を創り、チームとしての創造力を促します。ⅲ.早期管理職登用人事制度を改定し、「企業価値向上への貢献が期待できる人材」には、「人的資本投資」として早期昇進を後押しすることで、最短で29歳であった管理職への登用を26歳に早めました。さらに2025年4月に人事制度を一部見直し、最短25歳での管理職登用が可能となりました。若手の優秀な人材が早期に活躍できる舞台を用意することで、イノベーションの創出を加速します。24(DXの推進)DXにおいて、現状とめざす姿のギャップを埋めるためには、デジタルの力を活かすことが欠かせません。デジタルのレバレッジとスピードを活用し、高速に仮説検証を繰り返すことが不可欠です。ⅰ.Mutureによる専門人材の採用2022年4月、UXデザインの先進企業であるグッドパッチ社との合弁会社Mutureを設立し、当社グループのブランドでは採用できなかった高度な専門人材の採用を開始しました。業界でも有数の人材が続々と参画しており、ライフスタイルアプリやOMEMIEの開発に貢献しています。ⅱ.CDXOの招聘Mutureを通じた専門人材の活躍でプロダクトの開発は大きく進展しましたが、これを全社的に拡げ、継続的に進化させるためには、部門横断で連携の取りにくい縦割型の意思決定プロセスや組織構造を変革する必要性が生じました。そこで、アジャイルな組織開発を推進するため、組織開発に関して高度な知見を持ち、デジタルの専門家と経営者の両方の視点を持つ株式会社グッドパッチ社の土屋尚史氏を2023年6月より執行役員CDXO(チーフデジタルトランスフォーメーションオフィサー)に迎えました。ⅲ.テックカンパニーの設立アジャイルなプロダクト開発の推進・波及を目的に、2024年9月、新会社 marui unite (マルイユナイト) を設立しました。プロダクト開発のテック専門組織としてグループの事業会社と一体となり、新たな体験価値の創出をスピード感をもって実現していくことで、当社グループのDXによる変革を後押ししていきます。「人的資本投資」については、これまで人材投資としていた教育・研修費に加え、単年度の損益項目の中で中長期的に企業価値向上につながる項目として、研究開発費に含めていた新規事業に25係る人件費や共創チームの人件費、さらにグループ会社間職種変更異動した社員の1年目の人件費などを含めて再定義しています。この再定義による2025年3月期の人的資本投資は88億円です。当社グループでは、人的資本投資を2022年3月期の77億円から、2026年3月期には100億円まで拡大することで、持続的な企業価値の向上をめざします。2)ガバナンス経営戦略と人材戦略の連動を図るため、2022年4月から取締役会の諮問機関として、人材戦略委員会を新設しました。委員長にはCHRO(チーフヒューマンリソースオフィサー)で専務執行役員の石井友夫氏が就任し、委員には社外取締役の岡島悦子氏が就任しました。人材戦略委員会は戦略検討委員会と連携し、人材戦略を取締役会に提言する役割を果たします。3)リスク管理当社グループの成長は、社員一人ひとりの成長や活躍により実現できると考えています。今後、人材獲得競争の激化や既存社員の流出、それにともなう将来の経営人材の不足等が顕在化した場合、事業の進化や継続性に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、すべての社員が自ら手を挙げてチャレンジできる風土をベースとした、将来の企業価値の源泉となる無形資産としての人的資本投資を重視しています。公募型の教育・研修プログラムはもとより、対話を通じてグループ経営にとって重要なテーマを考える「グループ公認プロジェクト」や一人ひとりが創造性を発揮し、価値を創出することを目的とした「グループ公認イニシアティブ」、経営に革新を起こせる人材を育成する「次世代経営者育成プログラム(共創経営塾:CMA)」の実施、さらにスタートアップ企業への出向など、計画的な人材投資により、さまざまな視点から、成長とやりがいを実感できる環境づくりを進めています。人材獲得に向けて、新卒採用においては長期インターンシップ等の新たな手法を積極的に活用することで、優秀な学生と早期に接点を設け、当社とのエンゲージメント向上につなげています。中途採用については、フィンテックはEC事業のさらなる拡大に向け、これまで社内育成を行ってきた基幹系システム人材に加え、UI/UXにスピーディに対応すべくWeb系システム人材の採用を推進しています。採用確保に向けては、丸井グループの独自のビジネスモデルや成長戦略を採用市場にて明示するとともに、2022年に立ち上げたUI/UXデザインの先進的企業であるグットパッチ社との合弁会社Mutureを通じた、UI/UXデザインの専門性を持つ人材の採用を行っています。また、デジタル顧客接点におけるアジャイルなプロダクト開発の推進・波及を目的として2024年9月に立ち上げた新会社 marui uniteでは、DXによる変革を加速するために、エンジニアリング領域などで活躍するデジタル人材の採用を積極的に進めていきます。4)指標と目標更なる企業文化の変革に向け、自ら「社会実験企業」を宣言することで、「失敗を許容し、挑戦を奨励する」文化を育みます。そのために、行動KPIとして、チャレンジに向けた「打席数」や「試行回数」などを設けています。「たくさん実験して、早く失敗することで、成功のためのノウハウを蓄積する」 fail fast,fail forwardを奨励し、イノベーションを創出し続ける企業をめざします。26当社グループの2017年3月期から2021年3月期までの5年間の人的資本投資は320億円です。一方で、同期間に創出された、アニメ事業や家賃保証、共創投資などの新たな事業による限界利益をリターンとみなすと、2017年3月期から2026年3月期までの10年間に生み出される限界利益は560億円です。投資採算、資本効率に関しては、IRRによるリターンを算出する測定モデルを用いており、2026年3月期までを投資回収期間とするとIRRは12.7%となり、株主資本コストを上回る見込みです。この測定モデルをもとに効果検証を継続しながら、企業価値向上につながる人的資本投資をさらに推進していきます。また、人的資本投資のIRR12.7%は、店舗などを中心とした有形投資のハードルレートである10%を上回っています。したがいまして、今後は実効性を高めつつ人的資本投資を5年間で650億円以上に拡大することで、高効率な経営を実現します。
通期 2026年3月期
出典: 丸井グループ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2026年6月18日(推定)
1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況グループ総取扱高は前年比9%増の5兆3,921億円、EPSは前年比11%増の158.4円と、それぞれ過去最高となりました。小売はテナントおよびイベントカテゴリの伸長、フィンテックは「好き」を応援するカードの会員増加や分割・リボ手数料率の変更にともなう収入増加などにより、両セグメントともに好調に推移しました。(連結業績)・EPSは158.4円(前年比+11%、前年差+15.2円)、利益の増加により前年を上回り、過去最高となりました。ROEは11.6%(前年差+1.0%)と株主資本コスト(5.6%)を上回り、ROICは4.0%(前年差+0.2%)と資本コスト(WACC 2.6%)を上回りました。
※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。・グループ総取扱高は5兆3,921億円(前年比+9%、前年差+4,653億円)、フィンテックのカードクレジット取扱高が全体をけん引し、過去最高となりました。・売上収益は2,769億円(前年比+9%)、営業利益は502億円(前年比+13%)、経常利益は427億円(前年比+7%)、当期利益は285億円(前年比+7%)と5期連続の増収増益となりました。
※「1.経営成績等の概況」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入しています。
※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。2営業利益増減の内訳・債権流動化による債権譲渡益を82億円(前年差+2億円)、償却額・費用等を105億円(前年差+25億円)計上したこと、また、カードキャッシングの利息返還に備えて利息返還損失引当金繰入額を15億円(前年差+15億円)計上したことにより、営業利益は38億円減少しました。・上記の特殊要因を除いた実質的な営業利益は95億円の増益(小売+26億円、フィンテック+68億円)となりました。□ 営業利益増減の内訳(セグメント別の状況)・小売セグメントの営業利益は前年を26億円上回る112億円(前年比+30%)、ROICは4.2%(前年差+1.1%)となりました。・フィンテックセグメントの営業利益は前年を30億円上回る470億円(前年比+7%)、ROICは4.7%(前年差△0.1%)となりました。□ セグメント別の売上収益・営業利益
※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。<小売セグメント>・マルイ・モディ店舗においては、リアル店舗ならではの価値創出をめざして、「売ること」を目的としない体験型テナントやスクール、飲食・サービスなどの導入を進め、非物販テナントの面積構成は70%(前年差+5%)となり、カテゴリー転換が着実に進みました。新たなテナントの導入により店舗の未稼働区画の面積は減少し、施設のバリューアップが進んだことから、営業利益は5期連続の増益となりました。3□ 非物販テナント構成の推移・お客さまがいつご来店されても楽しんでいただける店舗をめざし、イベントフルな店づくりを進めています。全国のマルイ・モディの出店スペースの検索から契約までをオンラインで完結することができるマルイの出店サービス「OMEMIE(おめみえ)」により、新規テナントの導入が進んでいます。その結果、新たなテナントが提供するサービスの体験会やワークショップなど、イベントのバリエーションが広がっています。<フィンテックセグメント>・戦略的に進めている「家計シェア最大化」の取り組みにより家賃払いでのご利用、公共料金などの定期払いが伸長したことで、第4四半期のカードクレジット取扱高は1兆2,628億円(前年比+10%)、通期では4兆9,640億円(前年比+10%)とそれぞれ過去最高となりました。□ カードクレジット取扱高の推移4・分割・リボ取扱高は4,732億円(前年比+10%)と拡大し、流動化債権を含む分割・リボ払い残高は過去最高の4,994億円(前年比+6%)となりました。・エポスカードの新規会員数は87万人(前年差+6万人)、期末会員数は830万人(前年差+41万人)と、それぞれ過去最高となりました。・これまで事業の成長をけん引してきたゴールドカードに加えて、一人ひとりの「好き」を応援するカードの取り組みを強化しています。「好き」を応援するカードは、一般カードに比べて若者の保有比率が高く、LTV(生涯利益)が2~7倍高いカードとなっています。アニメ・ゲームやエンターテインメントとのコラボレーションカードは、熱量の高いファンが多く、SNSなどを通じて認知が広まりやすい特性もあり、ネット入会との親和性が高いことが特徴です。この「好き」を応援するカードは、フィンテックだけでなく、小売や共創投資に携わる社員からも提案が生まれており、企画数は全156企画に拡大しています。店舗では「好き」を応援するカードと連動したイベントなど、リアルでの体験の場を提供したり、ECではコラボグッズを開発・販売するなど、カード・店舗・ECを持つ当社グループならではの取り組みを行うことで、独自の体験価値を提供しています。これらの取り組みにより、「好き」を応援するカードの新規会員数は38万人(前年差+4万人)、期末会員数は138万人(前年差+26万人)となりました。今後もグループ一体となって取り組みを強化することで、ロイヤリティの高い会員を拡大し、取扱高や新規入会数のさらなる拡大につなげていきます。□ 新規入会の推移
※ 前年比:業界・エポスカードともに、1月~12月の12カ月間の新規カード発行枚数の前年比□ カード会員数の推移5(LTVの安定性を表す指標)当社グループの収益構造はこれまでのビジネスモデルの転換にともない、店舗の不動産賃貸収入やカード手数料をはじめとする「リカーリングレベニュー(継続的収入)」が拡大し、売上・利益に占める構成が大きくなりました。お客さま・お取引先さまとの契約に基づく継続的収入であるリカーリングレベニューからは、翌期以降の将来収益を「成約済み繰延収益」としてとらえることが可能であり、収益の安定性を測る指標として使用できます。これらは、LTVを重視した当社グループの長期視点の経営において重要な要素であると考えています。・当期のリカーリングレベニュー(売上総利益ベース)は1,651億円(前年比+9%)となり、売上総利益に占める割合は67.1%(前年差+0.3%)となりました。・当期末の成約済み繰延収益は4,757億円(前年比+19%)となり、当期の売上総利益の約1.9倍の将来収益が見込まれています。なお、成約済み繰延収益の算出は、不動産賃貸収入は契約残年数、分割・リボ手数料やカードキャッシング利息は返済期間、加盟店手数料(リカーリング分)はカード有効期間、家賃保証は保証期間をもとに行っています。□ LTV経営の指標(注)売上総利益ベースのリカーリングレベニュー、およびその構成を算出する際の売上総利益には、販管費戻り(お取引先さまから継続的にいただく経費)を含めています。
(2)当期の財政状態の概況・営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)は、カードクレジット取扱高の拡大などにより7,137億円(前年差+839億円)となりました。総資産は1兆1,413億円(前年差+879億円)となりました。・有利子負債(リース債務を除く)は7,163億円(前年差+798億円)となりました。・自己資本は2,442億円(前年差△20億円)となり、自己資本比率は21.4%(前年差△2.0%)となりました。6□ バランスシートの状況
(3)当期のキャッシュ・フローの概況・営業キャッシュ・フローは、460億円の支出(前期は45億円の支出)となりました。営業キャッシュ・フローから営業債権等の増減を除いた基礎営業キャッシュ・フローは、税引前利益は増加したものの、法人税の支払が増加したことなどにより、前期より46億円減少し、451億円の収入となりました。・投資キャッシュ・フローは、固定資産や投資有価証券の取得による支出198億円、固定資産や投資有価証券の売却による収入195億円などにより10億円の支出(前期は137億円の支出)となりました。・財務キャッシュ・フローは、有利子負債の増加による809億円の収入や自己株式の取得による支出77億円、配当金の支払214億円などにより513億円の収入(前期は28億円の収入)となりました。□ キャッシュ・フローの状況(注) 当社グループでは営業キャッシュ・フローから営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)等の増減を控除した「基礎営業キャッシュ・フロー」を収益性・健全性の指標としています。
(4)次期の見通し2031年3月期を最終年度とする「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」に基づき、最終年度のPBR3~4倍、EPS成長率9%以上、TSR成長率は年率12%以上を目標に、さらなる企業価値向上に取り組みます。詳細につきましては9ページに記載の「(6)中長期的な会社の経営戦略」をご覧ください。7・2027年3月期のEPSは164.0円(前年比+4%、前年差+5.6円)、ROEは11.8%(前年差+
0.2%)の見通しです。・グループ総取扱高は5兆9,000億円(前年比+9%)の見通しです。・売上収益は2,960億円(前年比+7%)、営業利益は550億円(前年比+10%)、経常利益は440億円(前年比+3%)、当期利益は295億円(前年比+4%)と増収増益の見通しです。・小売セグメントの営業利益は115億円(前年比+3%)の見通しです。・フィンテックセグメントの営業利益は510億円(前年比+8%)の見通しです。□ 2027年3月期連結業績見通し
(5)株主還元<基本方針>株主還元については、適正な利益配分を継続的に実施することを基本方針とします。・配当については、EPSの長期的な成長に基づく継続的な配当水準の向上に努め、「高成長」と「高還元」の両立を図ります。・株主資本配当率(DOE)は10%程度を目安とし、長期安定的な増配の実現をめざします。・自己株式の取得については、最適資本構成、財務状況および株価水準等を総合的に勘案し、資本効率と株主利益の向上に向けて、適宜機動的に実施します。なお、取得した自己株式は原則として消却します。・配当の基準および自己株式取得の方針については、定期的に検証し適宜見直しを行います。8<当期および次期の見通し>・当期の期末配当金については、年初公表のとおり1株当たり66円とします。中間配当金65円と合わせた年間配当金は131円(前年差+25円)、14期連続の増配となり10期連続で過去最高を更新、連結配当性向は82.7%(前年差+8.7%)となります。・当期の自己株式の取得については、77億円を取得し、株主資本配当率(DOE)は10.1%となりました。・次期の年間配当金については、1株当たり134円(前年差+3円)、15期連続の増配を見込んでいます。株主資本配当率 自己株式年間配当金 連結配当性向(DOE) 取得中間配当金 期末配当金2023年3月期 59円 29円 30円 4.6% 53.9% 240億円2024年3月期 101円 50円 51円 7.9% 77.3% 34億円2025年3月期 106円 53円 53円 8.1% 74.0% 185億円2026年3月期 131円 65円 66円 10.1% 82.7% 77億円2027年3月期134円 67円 67円 10.2% 81.7% 未定(予想)
(6)中長期的な会社の経営戦略■ 会社の概要当社グループは、1931年の創業以来、小売と金融が一体となった独自のビジネスモデルを進化させ続けることで、他社にはない強みと地位を確立し、近年では、共創投資や新規事業投資からなる未来投資を加え、小売、フィンテック、未来投資の三位一体のビジネスモデルをめざしてきました。現在は、フィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスへと転換し、さらなる企業価値の拡大をめざしています。■ 会社の経営の基本方針当社グループでは、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを掲げ、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」をミッションとしています。この実現には、私たちだけでなく、ステークホルダーの皆さまとの共創が必要です。当社グループでは、お客さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員、将来世代すべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和を企業価値としています。ステークホルダーの皆さまと共創する共創経営を進めることで、この企業価値の拡大とビジョンの実現をめざしています。当社グループの「共創経営」の詳細については、「共創経営レポート2023」「VISION BOOK2050」をご覧ください。共創経営レポート(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/i-report.html)VISION BOOK 2050(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/s-report.html)9■ 経営ビジョン&戦略ストーリー2031について2031年の創業100周年に向けて、「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定しています。経営ビジョンとして高い目標を掲げ、そこからバックキャスティングして戦略ストーリーを構築し、ビジョン・インパクト・事業戦略を連動させることで社会的価値の創出を実現していきます。101)経営ビジョン当社グループでは、2031年に向けた経営ビジョンとして「『好き』が駆動する経済」を掲げました。「好き」が駆動する経済とは、「機能と価格」という2軸で規定される「コスパ経済」の対極に位置する概念であり、一人ひとりの感情や価値観、つまり「好き」が原動力となるもう一つの経済のあり方です。この経営ビジョンの実現に向けて、これまでの小売・フィンテック・未来投資による三位一体のビジネスから、「好き」を中心に、小売やフィンテック、共創投資のノウハウ、そして、店舗やクレジットカードなどのアセットを活用する「好き」を応援するビジネスへと転換していきます。この「好き」を応援するビジネスを軸に、社会的なインパクトと利益の両立をめざすとともに、高成長と高還元の実現をめざします。2)戦略ストーリー2031「『好き』を応援するビジネス」を通じてめざすインパクトと、その実現に向けた戦略は以下のとおりです。(「好き」を通じて誰かのため、社会のためへと広がる消費)・「好き」を応援するビジネスの目的は、「好き」を応援することで「自分のため」の消費が「誰かのため」となり、やがて「社会のため」へと広がっていくことでインパクトと利益を両立させることにあります。・当社グループの「好き」を応援するカードでは、ご利用を通じて応援したい相手に寄付ができるカードの会員が拡大しており、「誰かのため」に「寄付」することにしあわせを感じる新しいタイプの消費者が、今後もますます増えていくと予想されます。・新しいタイプの消費者にお応えすることで差別化戦略を進め、「好き」を応援するカードの会員数を2031年3月期には300万人まで拡大し、2041年3月期にはゴールドカードの会員数を上回ることをめざします。11(「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメント)・当社グループはこれまで若者の自己実現を応援してきましたが、今後は「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメントを通じて、すべての人の自己実現を支援していきます。・これまでのフィンテックのビジネスでは、丸井の店舗がある大都市圏を中心とした地域で「信用の共創」によりクレジットカードを発行してきましたが、今後はその対象範囲を広げ、地域を問わず、「好き」を応援するカード・イベント・グッズをかけ合わせた「『好き』を応援するユニット」を軸に全国展開を通じて会員募集を行います。・また、今後拡大する自営業、スタートアップ、フリーランスなどの多様な働き方に対する「オーナーカード」、「ランサーズカード」、日本で働く外国人の方々に対する、協業を通じた「GTNカード」を含め、会員を拡大します。(支援戦略)・これまでの自主売場・PB商品に代わる新たな顧客接点として、コンパクトな面積で、高い集客力や会員募集力、客単価や利益率の向上が期待できる「好き」を応援するユニットを全国主要都市に展開することで、インパクトと利益の両立を実現します。・また、当社グループはこれまでDXを通じた顧客体験の向上をめざして、UXの先進企業でもあるグッドパッチ社との合弁会社や新たに設立したマルイユナイトを通じて、専門人材の採用を進めるとともにアジャイルな開発体制を整備してきました。・今後はプロフェッショナル人材の活躍を通じて、デジタルのUXと「好き」を応援するユニットによるリアルの体験を融合した独自の体験価値を提供することでロイヤルカスタマー化を推進します。12(「フロー」を通じた創造性の発揮)・当社グループでは、能力と挑戦、創造性としあわせ、というビジネスにとって重要な要素を包括的にとらえることのできる「フロー」という概念に注目し、社員一人ひとりの働きがいと組織活力を高める取り組みを行ってきました。・今後は、「好き」を応援するコンクールなどを通じて自分の「好き」を仕事に活かす機会を増やし、創造性を発揮することで、アイデアやナレッジ、ノウハウなどの無形資産を活かしたビジネスを拡大し、2031年3月期までに無形資産比率を70%以上に高めることで企業価値の向上をめざします。(ソーシャル・イントラプレナーによる事業開発)・社外の起業家とのイノベーションの創出に加え、「会社にいながら社会を変えられるソーシャル・イントラプレナー(社内起業家)」の活躍を促すために、ビジネスプロデュース推進室を設置し、さまざまな働き方を通じて社内外から人材を募集し事業開発を進めます。・中長期的な人材育成のため「ソーシャル・イントラプレナー育成財団」を設立し、大学生、中高生向けに講座を提供します。将来的には受講者の当社グループへの入社やプロジェクトへの参加を通じ、当社グループの事業開発にも活かしていきます。(探究領域)・「好き」を応援するビジネスのグローバル化に取り組み、まずは「世界から見た『好き』の対象としての日本」というテーマで世界中から人材を募集し事業開発を進めます。3)リスク(金利上昇による金融費用増加への対応)・分割・リボ手数料については、2025年10月より手数料率を変更し、収益の増加を見込んでいます。・調達金利については、平均調達年限を短縮することで調達利率の低減を図るとともに、格付の向上をめざして格付機関との対話を強化し、金融費用の増加抑制に取り組みます。134)資本政策と株主還元・2031年3月期には、バランスシートが1.5兆円規模に拡大する見通しとなり、セグメント別では小売の自己資本比率が50%と、当社グループが最適とする35%から乖離が見込まれるため、300億円の資本最適化をすることで連結自己資本比率16%を目標にバランスシートの見直しを進めます。・株主還元方針については、2031年3月期に向けてROE15%以上をめざすことを鑑み、株主資本配当率(DOE)10%としています。・資本配分については、6年間の基礎営業キャッシュ・フロー3,500億円を、成長投資として既存事業に900億円、DX投資・事業開発などの未来投資に600億円、資本最適化に向けた自己株式取得に300億円、株主還元に1,700億円を配分する計画です。・人的資本投資として700億円を予定しており、これを含めた高成長に向けた投資額は、合計で2,200億円となります。□ 資本配分(26年3月期~31年3月期)5)KPI・2031年3月期におけるKPIはPBR3~4倍、EPS成長率は年率9%以上、TSR成長率は年率12%以上の高成長・高還元の実現をめざします。14
(7)サステナビリティに関する考え方および取り組み■ 会社の考えるサステナビリティ<サステナビリティ全般>当社グループでは、2016年より環境への配慮、社会的課題の解決、ガバナンスへの取り組みがビジネスと一体となった未来志向のサステナビリティ経営への第一歩を踏み出しました。それまで取り組んできた「すべての人」に向けたビジネスを「インクルージョン(包摂)」というテーマでとらえ直したうえで、重点テーマを整理し、取り組みを進めてきました。これらの取り組みは、国連の持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」の実現にも寄与するものです。そして、2019年には本格的なサステナビリティ経営に向け、2050年を見据えた長期ビジョン「丸井グループビジョン2050」を策定し、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」ことを宣言しました。2021年には「ビジョン2050」に基づき、サステナビリティとWell-beingに関わる目標を「インパクト」として定義しました。インパクトは、「ビジョン2050」に定めた取り組みをアップデートし、「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『しあわせ』を共に創る」「共創のエコシステムをつくる」という共創をベースにした3つのテーマを定めました。2025年には新たに「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定し、「好き」が駆動する経済の実現に向けて、インパクトを「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『好き』が駆動する経済を創る」「働く人の『フロー』を生み出す社会を創る」の3つのテーマに再定義しています。ビジネスを通じて社会課題の解決と利益の両立をめざし、「インパクト」と「利益」の主要な取り組み項目を主要KPIとして設定しています。具体的な指標は「4)指標と目標」に記載しています。1)ガバナンスすべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和と拡大に向け、ステークホルダーをインクルードした経営の仕組みづくりに着手します。15ステークホルダーの求める利益としあわせを共に実現する共創ステークホルダー経営 経営に向けて、ステークホルダーをボードメンバーに迎えることで、ガバナンス体制を進化させていきます。サステナビリティ経営の推進に向けて活動を適時検証するとともに、インパクトとビジネスの両立をめざす重点指標(KPI)の進捗を確認しています。インパクトマネジメント体制の強化に向け、2019年にサステナビリティアドバイザーおよび取締役会の諮問機関としてのサステナビリティ委員会を設置しまインパクトマネジメントの推進 した。外部有識者や将来世代を含むメンバーにて、グループ全体のインパクト戦略および取り組みなど、未来に向けた対話を深め、積極的に取締役会に報告・提言を行っています。また、2026年に事業戦略と一体となってインパクトを推進することを目的に、サステナビリティ委員会をインパクト推進委員会に改称しています。サステナビリティ経営の礎として、「グループ行動規範」を定め、そのもとに「丸井グループ人権方針」「丸井グループ安全衛生方針」「丸井グループ環境方針」等を定めています。外部環境の変化に対応し、デジタル化や技術革新による事業構造転換のさらなるスピードアップに向けて、CDO(チーフデジタルオフィサー)を配置しています。また、情報セキュリティリスクへの対応を強化するため、情報セキュリティ委員会を設置し、グループ全体の情報資産などを保護・管理する最高セキュリティ責任者としてCSeO(チーフセキュリティオフィサー)を配置しています。さらに、今後の金融事業におけるリスク対リスクマネジメントの推進 応を強化するため、金融リスク委員会を設置し、マネー・ローンダリングへの対応をはじめとした法令・規制・ガイドラインのコンプライアンスや不正利用への対応など、組織全体で効果的なリスク文化を推進するための戦略を講じています。サステナビリティ経営における高リスク分野の管理向上を図るため、各委員会の統括機能として、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議にて、当社グループのリスクを統合的に管理しています。規範・各種方針は、実効性を年1回検証するとともに、研修などを通じてグループ社員へ周知を図っています。今後も毎年、検討および見直し等を行い、時代に合わせたリスクマネジメントを推進していきます。2017年4月より次世代経営者育成プログラム「共創経営塾(CMA)」を開設しました。毎年10人~20人程度を選抜し、社外取次世代リーダーの育成締役の監修のもと、次世代の経営を担う人材の発掘と育成をめざします。2)戦略当社グループは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」ことをミッションとしています。金融と小売の融合を通じて、経済的な豊かさだけでなく精神的な豊かさとしての「しあわせ」を提供すること、一部の人たちだけでなく、すべての人が「しあわせ」になれる社会の実現をめざします。2050年を見据えた長期ビジョン「ビジョン2050」の策定に合わせ、当社グループが優先的に取り組むべき社会課題をインパクトとして定義しました。2025年からは、新たに「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定し、「好き」が駆動する経済の実現に向けて、共創を基盤にフィンテックを中心としたイベント・グッズ・サービス・共創投資・事業開発、そして人・組織・働き方などすべてを通じて「好き」を応援するビジネスを推進していきます。当社グループが取り組むべきことを3テーマ6つのインパクト目標として設定し、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」ビジョンの実現に向けた取り組みを進めることで、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会をめざします。これらのインパクトは、外部環境の変化を踏まえたリスク分析をもとに策定しており、インパクト推進委員会で議論した後、取締役会で承認されています。16策定後は、インパクト推進委員会で検証・分析・進捗管理を行い、取締役会にてレビュー・評価を年に1回以上実施しています。ⅰ.将来世代の未来を共に創る「脱炭素社会の実現」や「将来世代の事業創出の応援」により、地球と共存する持続可能な未来を将来世代につなげます。<自社排出の削減>温室効果ガス削減への取り組みとして、2019年9月に策定した新たな温室効果ガス削減の中長期目標は、国際的なイニシアティブである「Science Based Targets(SBT)イニシアティブ」により「1.5℃目標」として認定されました。さらに、2023年8月にSBTネットゼロ認定を取得しました。グループ全体の温室効果ガス削減目標は次のとおりです。2030年までに、2017年3月期比で・Scope1(※1)+Scope2(※2)を80%削減・Scope3(※3)を35%削減2050年までに2017年3月期比でグループ全体のScope1、2の合計およびScope3を90%削減し、残余分を炭素除去することでネットゼロを達成2025年3月期の実績・Scope1( 9,003 ト ン ) + Scope2( 22,112 ト ン ) 合 計31,115トン2017年3月期比 73.7%削減脱炭素社会の実現・Scope3(213,096トン)2017年3月期比 56.5%削減温室効果ガス排出量原単位(※4)は5.5(前年比82.7%)となりました。2018年7月にRE100に加盟し、2030年までにグループの事業で使用する電力を、すべて再生可能エネルギーにすることとしています。2025年3月期の再生可能エネルギー比率は72.1%となりました。
※1自社の燃料の使用による温室効果ガスの排出量※2自社の電力等の使用による温室効果ガスの排出量※3自社のバリューチェーンに関わる温室効果ガスの排出量※4温室効果ガス排出量(トン)/連結営業利益(百万円)にて算出<お客さまとの共創による社会排出の削減>当社グループは、株式会社UPDATER(旧みんな電力株式会社)と共に、「みんなで再エネ」プロジェクトをスタートしました。カード会員に対し、再エネ電力を簡単に申し込めるサービスを提供し、お客さまと共にCO2の社会排出削減に取り組みます。当社グループはこれまで、社外の起業家と共創投資を通じてイノベーションの創出をめざしてきました。今後はこれに加えて、社内起業家による事業創出に取り組みます。そのために、「会社にいながら社会を変えられるソーシャル・イントラプレナ将来世代の「事業創出」を応援 ー」という働き方を提唱し、広く発信していきます。中長期的な人材育成を進めるためにソーシャル・イントラプレナー育成財団を設立し、大学生、高校生向けに講座を提供します。将来的には卒業生の入社やプロジェクトへの参加を通じて当社グループの事業開発に活かしていきます。17ⅱ.一人ひとりの「好き」が駆動する経済を創る一人ひとりの「好き」の応援を通じて、個がエンパワーできる社会の実現を加速させます。動物保護団体に寄付できるエポスペットカードをはじめ、作家の創作活動に寄付できるヘラルボニーカード、山岳保全団体に寄付できるYAMAPエポスカード、再生可能エネルギーの生産者に寄付できるみんな電力エポスカードなど、「好き」を応「好き」を通じて誰かのため、援するカードを通じて応援したい相手に寄付できるカードのラ社会のためへと広がる消費インナップを増やしていきます。「自分のため」の消費が「誰かのため」になり、やがて「社会のため」に広がっていくことで、日本における寄付文化の醸成に貢献し、インパクトと利益の両立をめざします。当社グループは、これまで家具やファッションなど消費財の割賦販売を通じて若者の自己実現を応援してきましたが、今後は「好き」を応援する金融サービスを通じて、すべての人の自己実現を支援していきます。対象となるのは、自営業やスタート「好き」を応援するアップ、フリーランサーといった多様な働き方をする人たち、ファイナンシャル・エンパワーメそして日本で働く多くの外国人たちなどです。これらの人たちの多くは「月給」に代表される定期的・安定的な収入ではなく、ント不定期で変動的な収入形態を持つため、クレジットカードを持つことができない人々が多数存在します。このような人たちを中心に、「好き」を活かした暮らしと仕事の可能性を開花させるための応援を推進していきます。ⅲ.働く人の「フロー」を生み出す社会を創る社員一人ひとりの働きがいや組織活力を高めるための取り組みを、フロントランナーとして推進していきます。世界中の優秀な人材を惹きつけ、その活躍を促進するため、ビジネスプロデュース推進室を設置しています。さまざまな雇用社内外に開かれた共創の場 形態を通じて、社内外からソーシャル・イントラプレナーを募り、「好き」が駆動する経済に向けた事業開発を進めていきます。当社グループは、能力と挑戦、創造性としあわせ、というビジネスにとって重要な4つの要素を包括的にとらえる「フロー」という概念に注目し、社員一人ひとりの働きがいと組織活力を高める取り組みを推進しています。具体的には、「好き」を応創造性を発揮する人・働き方援するコンクールなどを通じて、自分の「好き」を仕事に活かす機会を増やし、創造性を発揮できる組織づくりを進めることで、アイデアやナレッジ、ノウハウなどの無形資産を活用したビジネスを拡大し、無形資産比率を70%以上に高めることで、企業価値の向上をめざします。3)リスク管理当社グループは、サステナビリティに関する課題を把握し評価するため、リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社の役員で構成されるESG委員会で議論された内容は、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議や、取締役会の諮問機関であるインパクト推進委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っています。企業戦略に影響する世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。184)指標と目標当社グループは、社会的・環境的なインパクトの創出を通じた持続可能な価値創造をめざし、インパクト測定・評価マネジメントを導入しています。2031年3月期においては、共創を基盤とした以下の3つのテーマ「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『好き』を駆動する経済を創る」「働く人の『フロー』を生み出す社会を創る」を掲げ、具体的な取り組みを推進していきます。早期のインパクトKPIの達成に向け、グループ各社・各部が中期計画を策定し、経営層へ進捗を報告する会議にて、年1回モニタリングを実施しています。さらに、毎期実施するステークホルダーとの対話やビジネスを通じた社会実験を通じて、インパクトを特定し、改善に取り組んでいます。<気候変動への取り組みとTCFDへの対応>気候変動は、もはや気候危機としてとらえるべきことであり、当社グループは、重要な経営課題のーつと認識し、パリ協定が示す「平均気温上昇を1.5℃に抑えた世界」の実現をめざしています。「丸井グループ環境方針(2022年3月改定)」に基づき、パリ協定の長期目標を踏まえた脱炭素社会へ積極的に対応すべく、ガバナンス体制を強化するとともに、事業への影響分析や気候変動による成長機会の取り込みおよびリスクへの適切な対応への取り組みを推進しています。当社グループはFSB(金融安定理事会)により設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同し、有価証券報告書(2019年3月期)にて、提言を踏まえ情報を開示しました。さらに分析を重ね、有価証券報告書(2020年3月期)にて、気候変動による機会および物理的リスク等の内容を拡充しました。今後も情報開示の充実を図るとともに、TCFD提言を当社グループの気候変動対応の適切さを検証するベンチマークとして活用し、サステナビリティ経営を進めていきます。1)ガバナンス気候変動に関わる基本方針や重要事項等を検討・審議する組織として、取締役会の諮問機関であるインパクト推進委員会を設置しています。また、関連リスクの管理水準の向上を図る機関としてESG委員会を設置し、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議を通じて、当社グループ全体のリスク管理を行っています。事業戦略の策定や投融資等に際しては、こうした体制をもとに「丸井グループ環境方針」や気候変動に係る重要事項を踏まえ総合的に審議し決定することで、気候変動に関するガバナンスの強化を進めていきます。192)戦略(事業のリスクと機会)気候変動による世界的な平均気温の4℃上昇が社会に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することをめざす取り組みへの貢献が重要であると考えています。2℃以下シナリオ(1.5℃目標)への対応力を強化すべく、気候関連のリスクと機会がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定を進めています。当社グループは、フィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスを推進していきます。気候変動は、台風・豪雨等の水害による店舗・施設等への被害や規制強化にともなう炭素税の導入による費用の増加等のリスクが考えられます。一方、消費者の環境意識の向上に対応した商品・サービスの提供や環境配慮に取り組む企業への投資は当社グループのビジネスの機会であるととらえています。(財務影響の分析・算定)事業への財務的影響については、気候変動シナリオ等に基づき分析し2050年までの期間内に想定される利益への影響額として項目別に算定しています。リスクについては、物理的リスクとして、気温上昇が1.5℃以下に抑制されたとしても急性的に台風・豪雨等での水害が発生しうると予測しています。店舗の営業休止による不動産賃貸収入等への影響(約19億円)および建物被害(約30億円)、被災地におけるクレジットカードの貸倒率上昇によるコスト影響(約0.5億円)を算定しています。移行リスクとしては、将来のエネルギー関連費用の増加を予測し、再生可能エネルギーの調達コストの増加(約8億円)および炭素税導入による増税(約22億円)を算定しています。機会については、環境意識が高い消費者へのライフスタイル提案による店舗収益への影響(約19億円)およびカード会員の増加による長期的収益(約26億円)、環境配慮に取り組む企業への投資によるリターン(約9億円)を算定しています。カード会員の再生可能エネルギー電力の利用によりリカーリングが増加しゴールドカード会員化につながることでの長期的収益(約20億円)、業界平均を下回る低貸倒率を維持する独自の与信システムにより、災害時の貸倒償却額を抑制(約0.2億円)、電力小売事業への参入による調達コストの削減(約3億円)および炭素税の非課税(約22億円)を算定しています。今後もさまざまな動向を踏まえ定期的に分析し、評価の見直しと情報開示の充実を進めていきます。(前提要件)対象期間 2020年~2050年対象範囲 丸井グループの全事業気候変動シナリオ(IPCC・IEA等)に基づき分析項目別に対象期間内に想定される利益影響額を算定算定要件リスクは事象が発生した際の影響額で算定機会は原則、長期的な収益(LTV)で算定公共事業等のインフラ強化やテクノロジーの進化等は考慮しない20(気候変動によるリスクおよび機会)世の中の 丸井グループの 利益リスクの内容変化 リスク 影響額営業休止による不動産賃貸収入等への影響 約19億円店舗の営業休止物理浸水による建物被害(電源設備等の復旧) 約30億円台風・豪雨等的による水害リシステムセンターシステムダウンによるグループ全体の 対応済
※1スの停止 営業活動休止 ※2ク貸倒コストへの被災地におけるクレジットカードの貸倒率上昇 約0.5億円影響再エネ需要の 約8億円移再エネ価格の上昇 再エネ調達によるエネルギーコストの増加増加 (年間)行リ政府の約22億円ス環境規制の 炭素税の導入 炭素税による増税(年間)ク強化世の中の 丸井グループの 利益機会の内容変化 機会 影響額約19億円環境配慮に取り組むテナント導入等による収益
※3サステナブルな約26億円ライフスタイルのサステナブル志向の高いカード会員の増加環境意識の ※4提案向上・環境配慮に取り組む企業への投資によるライフスタイ 約9億円リターンルの変化一般家庭の約20億円再エネ需要へのカード会員の再エネ電力利用による収益
※5機 対応会低貸倒率により独自の与信システムにより業界平均を下回る低台風・豪雨等抑えられた 貸倒率の為、災害時の最終貸倒償却額を少額に約0.2億円による水害貸倒の回避額抑制電力調達の電力小売事業への 約3億円電力の直接仕入れによる中間コストの削減多様化 参入 (年間)政府の温室効果ガス排出量ゼロの達成による 約22億円環境規制の 炭素税の導入炭素税非課税 (年間)強化
※ 1 ハザードマップに基づき影響が最も大きい河川(荒川)の氾濫を想定(流域の2店舗に3カ月の影響)
※ 2 バックアップセンター設置済みのため利益影響は無いと想定※ 3 不動産賃貸収入の増加およびクレジットカード利用の増加※ 4 クレジットカードの新規入会や利用による収益を算定※ 5 リカーリング等でのゴールドカード会員の増加による収益を算定3)リスク管理当社グループは、グループの事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社の役員で構成されるESG委員会で議論された内容は、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議や、取締役会の諮問機関であるインパクト推進委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っています。企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。214)指標と目標・温室効果ガスの削減については、グループ全体の温室効果ガス削減目標「2030年までに2017年3月期比Scope1+Scope2を80%削減、Scope3を35%削減(2050年までに2017年3月期比Scope1+Scope2の合計およびScope3を90%削減)」が、2019年9月にSBTイニシアティブにより「1.5℃目標」として認定されています。・2030年までにグループの事業活動で消費する電力の100%(中間目標:2025年までに70%)を再生可能エネルギーから調達することを目標として、2018年7月にRE100に加盟しています。■ 会社の考える人的資本経営当社グループでは「人の成長=企業の成長」という理念のもと、継続的な企業価値向上をめざし、2005年より企業文化の変革に取り組んできました。企業文化の変革に向けて、「企業理念」「対話の文化」「働き方改革」「多様性の推進」「手挙げの文化」「グループ会社間職種変更異動」「パフォーマンスとバリューの二軸評価」「Well-being」等の施策を同時進行で進めてきました。当社グループの「人的資本経営」のパフォーマンスデータについては、「2025年3月期ESGデータブック」の「社会(Social)」のカテゴリーをご覧ください。ESGデータブック(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/databook.html)<企業文化変革のための取り組み>ⅰ.企業理念当社グループの人的資本経営は「人の成長=企業の成長」という経営理念が根本となっています。この理念について、働く理由や会社に入って成し遂げたいことなどを対話の場を設けて話し合うことで、会社のパーパスと個人のパーパスのすり合わせを行い、10年以上で4,500名以上の社員が参加しました。その結果、理念を共有できない人が退職したことで一時的に退職率は上がりましたが、その後は低水準で定着しており、2026年3月期の退職率(定年退職者を除く)は
3.6%となりました。また、入社3年以内の離職率は約17%と世の中の平均を大きく下回る水準で推移しており、会社と個人との「選び選ばれる関係」の基盤が構築されています。ⅱ.対話の文化かつての一方通行から、双方向のコミュニケーションを通じた「対話の文化」が醸成されてきました。「1.安全な場宣言から始める」「2.特に目的を定めない」「3.結論を求めない」「4.傾聴する」「5.人の発言を受けて発言する」「6.人の意見を否定しない」「7.間隔を置いて熟成させる」の7つの目安に沿って、会議やミーティングは必ず対話を交えて行われています。ⅲ.働き方改革働きやすい環境の実現のみならず、仕事の本質を「時間の提供」から「価値の創出」と考える企業文化の転換をめざしています。社員によるプロジェクト活動の結果、2008年3月期には月間11時間だった1人当たり残業時間は、2026年3月期では約6.0時間まで大幅に減少しました。ⅳ.多様性の推進2014年から「男女」「年代」「個人」の3つの多様性を掲げ、組織改革を推進しています。「男女」の多様性については、2014年3月期から女性活躍推進のプロジェクトをスタートし、「女性イキイキ指数」という独自のKPIを掲げて取り組みを進めた結果、2026年3月期では男性社員の育休取得率が8年連続で100%を達成し、さらに女性の上位職志向も57%まで向上しました。2022年3月期からは新たに「男性の産休取得」と「男女の性別役割分担の見直し」を目標に掲げ、より本質的な取り組みにも着手しています。22ⅴ.手挙げの文化10年以上にわたり、社員が自ら手を挙げて参画する「手挙げの文化」づくりを進めてきました。手挙げの文化の目的は、社員一人ひとりの自主性を促し、自律的な組織をつくり、イノベーションを創出する企業になることです。「公認プロジェクト・イニシアティブ」「中期経営推進会議」など、幅広い手挙げの機会を設け、2026年3月期では自ら手を挙げて参画した社員の割合は9割を超えました。ⅵ.グループ会社間職種変更異動社員の手挙げに基づいて、当社グループ内のさまざまな事業を跨ぐ「グループ会社間職種変更異動」を2013年から本格的に推進し、2026年3月期までに、全グループ社員の約87%が職種変更を経験しています。2016年実施のアンケートでは、約86%が「異動後に成長を実感した」と回答しており、個人の中の多様性とレジリエンス力が育まれています。今後は、共創投資先を中心に他企業への出向にも拡げ、より変化に強い人材の育成を進めます。23ⅶ.パフォーマンスとバリューの二軸評価人事評価制度においては、業績に基づく評価だけでなく、バリューに関わる上司、同僚、部下からの360度評価を実施することで、「人の成長」という企業理念の実現をめざします。ⅷ.Well-being当社グループでは、一人ひとりがやりがいを持ってイキイキと仕事に取り組める活力のある組織をめざして、2016年からWell-beingに取り組んでいます。CWO(チーフウェルビーイングオフィサー)で取締役常務執行役員の小島玲子氏が中心となり、「幹部向けのレジリエンスプログラム」や社員の手挙げによる「Well-being推進プロジェクト」を通して、組織の中での一人ひとりのしあわせを実現していきます。<企業文化変革を通じた社員エンゲージメントの向上>当社グループ独自の取り組みを含む8つの施策を通じて、経営のOSである企業文化を新しいOSへと更新してきました。また、これらの施策の結果、社員のエンゲージメントが高まりました。当社グループが独自に計測しているエンゲージメント指標を2012年と2025年で比較すると、仕事での「期待」は46%から80%へ、職場での「尊重」は28%から69%へ、自分の「強みを活かす」は38%から61%へと、それぞれ大幅に改善しました。1)戦略当社グループは、2019年に策定したビジョン2050で「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを掲げています。企業文化の変革によって、このビジョンの実現に向けたイノベーションが創出できるようになりましたが、これらはまだ小さな「芽」にすぎません。インパクトと利益という「双葉」をつけたこれらの「芽」を増やし、成長させることで、大きな樹に育て上げ、たくさんの果実を実らせることで、「社会課題解決企業」へと進化していきます。24「利益追求」と「社会課題解決」の2つを両立するための高いハードルをクリアするためには、一人ひとりの「創造力」を全開にすることが不可欠であり、そのために「仕事を通じてフロー体験できる」組織づくりに取り組みます。「フロー」は心理学者のチクセント・ミハイが提唱する概念で、人が能力と挑戦のレベルが釣り合っている時にしばしば体験する、「時を忘れ、我を忘れて」没頭する状態のことを指します。人はフローを体験することで、想像力をフルに発揮することができ、それによって高いハードルを乗り越え、成長することができます。また、フローはその体験自体が「しあわせ」をもたらします。「仕事を通じてフローを体験できる組織」を創ることで、めざす姿の実現と働く一人ひとりのしあわせの両立をめざします。そのために「働き方と組織のイノベーション」と「DXの推進」の2つの取り組みを進めます。(働き方と組織のイノベーション)働き方と組織のイノベーションでは、プロジェクト型の働き方と組織づくりを促進します。インパクトを実現したいという思いを持った社員が自ら手を挙げ、グループ会社の枠を超えて集まり、プロジェクト的に働くことでイノベーションを進めてきましたが、このような働き方はこれまで例外的でした。今後は、プロジェクト型を例外ではなく、当たり前の働き方として広げていきます。ⅰ.公認イニシアティブの拡大インパクトと利益を両立させ、さまざまなテーマを設定した「公認イニシアティブ」を前期の12テーマのうち、6テーマは活動を終了し、6テーマは活動を継続しました。当期は、さらに8テーマ追加し、14テーマに拡大しました。各テーマについて自ら手を挙げて集まったメンバーが、社内外の枠を超えてプロジェクト的に活動することでイノベーションを創出します。25ⅱ.課長のいない組織人と組織の管理を担う課長が、組織の長ではなく、チームのサポーターとして、上から横に回ることで、一人ひとりのメンバーが自立自走するフラットな組織を創り、チームとしての創造力を促します。ⅲ.早期管理職登用人事制度を改定し、「企業価値向上への貢献が期待できる人材」には、「人的資本投資」として早期昇進を後押ししています。旧制度では管理職への登用が可能となる年齢は最短39歳でしたが、現在では最短25歳での管理職登用が可能となっています。若手の優秀な人材が早期に活躍できる舞台を用意することで、イノベーションの創出を加速します。26(DXの推進)DXにおいて、現状とめざす姿のギャップを埋めるためには、デジタルの力を活かすことが欠かせません。デジタルのレバレッジとスピードを活用し、高速に仮説検証を繰り返すことが不可欠です。ⅰ.Mutureによる専門人材の採用2022年4月、UXデザインの先進企業であるグッドパッチ社との合弁会社Mutureを設立し、当社グループのブランドでは採用できなかった高度な専門人材の採用を開始しました。業界でも有数の人材が続々と参画しており、ライフスタイルアプリやOMEMIEの開発に貢献しています。ⅱ.CDXOの招聘Mutureを通じた専門人材の活躍でプロダクトの開発は大きく進展しましたが、これを全社的に拡げ、継続的に進化させるためには、部門横断で連携の取りにくい縦割型の意思決定プロセスや組織構造を変革する必要性が生じました。そこで、アジャイルな組織開発を推進するため、組織開発に関して高度な知見を持ち、デジタルの専門家と経営者の両方の視点を持つ株式会社グッドパッチ社の土屋尚史氏を2023年6月より執行役員CDXO(チーフデジタルトランスフォーメーションオフィサー)に迎えました。ⅲ.テックカンパニーの設立アジャイルなプロダクト開発の推進・波及を目的に、2024年9月、新会社マルイユナイト(marui unite) を設立しました。プロダクト開発のテック専門組織としてグループの事業会社と一体となり、新たな体験価値の創出をスピード感をもって実現していくことで、当社グループのDXによる変革を後押ししています。ⅳ.CTOの新設DXのさらなる推進に向け、2026年4月に新たにCTO(チーフテクノロジーオフィサー)を設置しました。エンジニアとしてAI・ディープラーニングの知見を持ち、スタートアップでCTOの経験を持つ、巣籠悠輔氏が執行役員CTOに就任しました。CTOを中心に、グループ全体のプロダクトの方向性を策定するとともに、プロダクト開発のプロセスを進化させることで「好き」を応援するビジネスを後押しし、企業価値の向上につなげていきます。27ⅴ.DXビジョン&戦略委員会の設置企業価値の持続的な向上に向け、グループ全体および各事業のDXにおけるビジョンおよび戦略課題について検討・提言することを目的に、2025年10月から取締役会の諮問機関としてDXビジョン&戦略委員会を新設しました。委員長にはCDXOで執行役員の土屋尚史氏、委員にはCTOで執行役員の巣籠悠輔氏が就任しています。社外取締役・外部有識者が参画することで多様な視点から議論を実施し、取締役会への報告・提言を行います。(人的資本投資)当社グループの人的資本経営において、「人的資本投資」はイノベーションを起こしやすい組織風土づくりを通じて、中長期的な企業価値向上につながる「当社グループ独自の新規事業」や「新サービス」を創出すると考えています。この人的資本投資には、従来は人材投資としていた教育・研修費に加え、新規事業に係る人件費や共創チームの人件費、グループ会社間職種変更異動した社員の1年目の人件費など、中長期的に企業価値向上につながる費用項目を含めています。2026年3月期の人的資本投資は97億円に拡大しました。2)ガバナンス経営戦略と人材戦略の連動を図るため、2022年4月から取締役会の諮問機関として、人材戦略委員会を設置しています。委員長にはCHRO(チーフヒューマンリソースオフィサー)で執行役員の長棹淳氏、委員には社外取締役の岡島悦子氏が就任しています。人材戦略委員会は戦略検討委員会と連携し、人材戦略を取締役会に提言する役割を果たします。3)リスク管理当社グループの成長は、社員一人ひとりの成長や活躍により実現できると考えています。今後、人材獲得競争の激化や既存社員の流出、それにともなう将来の経営人材の不足等が顕在化した場合、事業の進化や継続性に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、すべての社員が自ら手を挙げてチャレンジできる風土をベースとした、将来の企業価値の源泉となる無形資産としての人的資本投資を重視しています。公募型の教育・研修プログラムはもとより、対話を通じてグループ経営にとって重要なテーマを考える「グループ公認プロジェクト」や一人ひとりが創造性を発揮し、価値を創出することを目的とした「グループ公認イニシアティブ」、経営に革新を起こせる人材を育成する「次世代経営者育成プログラム(共創経営塾:CMA)」の実施、さらにスタートアップ企業への出向など、計画的な人材投資により、さまざまな視点から、成長とやりがいを実感できる環境づくりを進めています。人材獲得に向けて、新卒採用においては長期インターンシップ等の新たな手法を積極的に活用することで、優秀な学生と早期に接点を設け、当社とのエンゲージメント向上につなげています。中途採用については、フィンテックやEC事業のさらなる拡大に向け、これまで社内育成を行ってきた基幹系システム人材に加え、UI/UXにスピーディに対応すべくWeb系システム人材の採用を推進しています。採用確保に向けては、丸井グループの独自のビジネスモデルや成長戦略を採用市場にて明示するとともに、2022年に立ち上げたUI/UXデザインの先進的企業であるグットパッチ社との合弁会社Mutureを通じた、UI/UXデザインの専門性を持つ人材の採用を行っています。また、デジタル顧客接点におけるアジャイルなプロダクト開発の推進・波及を目的として2024年9月に立ち上げた新会社マルイユナイトでは、DXによる変革を加速するために、エンジニアリング領域などで活躍するデジタル人材の採用を積極的に進めていきます。284)指標と目標更なる企業文化の変革に向け、自ら「社会実験企業」を宣言することで、「失敗を許容し、挑戦を奨励する」文化を育みます。そのために、行動KPIとして、チャレンジに向けた「打席数」や「試行回数」などを設けています。「たくさん実験して、早く失敗することで、成功のためのノウハウを蓄積する」 fail fast,fail forwardを奨励し、イノベーションを創出し続ける企業をめざします。当社グループの2017年3月期から2021年3月期までの5年間の人的資本投資は320億円です。一方で、同期間に創出された、アニメ事業や家賃保証、共創投資などの新たな事業による限界利益をリターンとみなすと、2017年3月期から2026年3月期までの10年間に生み出された限界利益は566億円でした。投資採算、資本効率に関しては、IRRによるリターンを算出する測定モデルを用いており、2026年3月期までを投資回収期間とするとIRRは13.4%となり、株主資本コストを上回りました。この測定モデルをもとに効果検証を継続しながら、企業価値向上につながる人的資本投資をさらに推進していきます。人的資本投資のIRR13.4%は、店舗などを中心とした有形投資のハードルレートである10%を上回っています。今後は実効性を高めつつ人的資本投資を5年間で700億円以上に拡大することで、高効率な経営を実現します。
四半期 2026年3月期 第1四半期
出典: 丸井グループ 2026年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2025年8月5日(https://www2.jpx.co.jp/disc/82520/140120250804529175.pdf)
1.当四半期決算に関する経営成績等の概況(1)経営成績の概況(連結業績)・EPSは44.1円(前年比+33%、前年差+11.0円)、利益の増加により前年を上回りました。・グループ総取扱高は1兆2,840億円(前年比+9%、前年差+1,094億円)、フィンテックのカードクレジット取扱高が全体をけん引したことにより、第1四半期では過去最高となりました。・売上収益は674億円(前年比+13%)と5期連続の増収、営業利益は139億円(前年比+37%)と4期連続の増益、経常利益は124億円(前年比+34%)と4期連続の増益、当期利益は79億円(前年比+28%)と5期連続の増益となりました。
※「1.当四半期決算に関する経営成績等の概況」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入しています。
※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。営業利益増減の内訳・債権流動化による債権譲渡益(49億円)が前年に比べ32億円増加し、償却額・費用等(24億円)が6億円増加したため、営業利益は26億円増加しました。・上記の債権流動化影響を除いた実質的な営業利益は12億円の増益(小売+7億円、フィンテック+4億円)となりました。□ 営業利益増減の内訳2(セグメント別の状況)・小売セグメントの営業利益は25億円(前年比+40%)、前年を7億円上回りました。・フィンテックセグメントの営業利益は135億円(前年比+28%)、前年を30億円上回りました。□ セグメント別の売上収益・営業利益
※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。<小売セグメント>・マルイ・モディ店舗においては、リアル店舗ならではの価値創出をめざして、「売ること」を目的としない体験型テナントやスクール、飲食・サービスなどの導入を進めており、非物販テナントの面積構成は65%(前年差+4%)となり、カテゴリー転換が着実に進みました。新たなテナントの導入により店舗の未稼働区画の面積は減少し、施設のバリューアップが進んだことから、営業利益は4期連続の増益となりました。□ 非物販テナント構成の推移・お客さまがいつご来店されても楽しんでいただける店舗をめざし、イベントフルな店づくりを進めています。中でも、2022年からスタートしたマルイの出店サービス「OMEMIE(おめみえ)」は、全国のマルイ・モディの出店スペースの検索から契約までをオンラインで完結することができるサービスで、D2Cブランドや個人事業主の方などに幅広くご活用いただいており、これまでマルイに出店のなかった新規テナントの導入につながっています。その結果、新たなテナントが提供するサービスの体験会やワークショップなど、イベントのバリエーションが広がっています。3<フィンテックセグメント>・戦略的に進めている「家計シェア最大化」の取り組みにより家賃払いでのご利用、公共料金などの定期払いが伸長したことで、第1四半期のカードクレジット取扱高は1兆1,814億円(前年比+9%)となりました。□ カードクレジット取扱高の推移・分割・リボ取扱高は1,132億円(前年比+10%)と拡大し、流動化債権を含む分割・リボ払い残高は過去最高の4,767億円(前年比+8%)となりました。・エポスカードの新規会員数は21万人(前年差+3万人)、期末会員数は過去最高の800万人(前年差+35万人)となりました。・これまで事業の成長をけん引してきたゴールドカードに加えて、一人ひとりの「好き」を応援するカードの取り組みを強化しています。「好き」を応援するカードは、一般カードに比べて若者の保有比率が高く、LTV(生涯利益)が2~7倍高いカードとなっています。アニメ・ゲームやエンターテインメントとのコラボレーションカードは、熱量の高いファンが多く、SNSなどを通じて認知が広まりやすい特性もあり、ネット入会との親和性が高いことが特徴です。この「好き」を応援するカードは、フィンテックだけでなく、小売や共創投資に携わる社員からも提案が生まれており、企画数は全123企画に拡大しています。店舗では「好き」を応援するカードと連動したイベントなど、リアルでの体験の場を提供したり、ECではコラボグッズを開発・販売するなど、カード・店舗・ECを持つ当社グループならではの取り組みを行うことで、独自の体験価値を提供しています。これらの取り組みにより、「好き」を応援するカードの新規会員数は9万人、期末会員数は118万人(前年差+22万人)となりました。今後もグループ一体となって取り組みを強化することで、ロイヤリティの高い会員を拡大し、取扱高や新規入会数のさらなる拡大につなげていきます。4□ 新規入会の推移□ カード会員数の推移(LTVの安定性を表す指標)当社グループの収益構造はこれまでのビジネスモデルの転換にともない、店舗の不動産賃貸収入やカード手数料をはじめとする「リカーリングレベニュー(継続的収入)」が拡大し、売上・利益に占める構成が大きくなりました。お客さま・お取引先さまとの契約に基づく継続的収入であるリカーリングレベニューからは、翌期以降の将来収益を「成約済み繰延収益」としてとらえることが可能であり、収益の安定性を測る指標として使用できます。これらは、LTVを重視した当社グループの長期視点の経営において重要な要素であると考えています。・当期のリカーリングレベニュー(売上総利益ベース)は392億円(前年比+6%)となり、売上総利益に占める割合は64.6%(前年差△3.3%)となりました。・期首時点の成約済み繰延収益は3,984億円(前年比+5%)となり、2025年3月期の売上総利益の約1.8倍の将来収益が見込まれています。なお、成約済み繰延収益の算出は、不動産賃貸収入は契約残年数、分割・リボ手数料やカードキャッシング利息は返済期間、加盟店手数料(リカーリング分)はカード有効期間、家賃保証は保証期間をもとに行っています。5□ LTV経営の指標(注)売上総利益ベースのリカーリングレベニュー、およびその構成を算出する際の売上総利益には、販管費戻り(お取引先さまから継続的にいただく経費)を含めています。
(2)財政状態の概況・営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)は、カードクレジット取扱高の拡大などにより6,835億円(前期末差+537億円)となりました。総資産は1兆1,268億円(前期末差+734億円)となりました。・有利子負債(リース債務を除く)は7,281億円(前期末差+916億円)となりました。・自己株式の取得や配当金の支払などにより、自己資本は2,422億円(前期末差△40億円)となり、自己資本比率は21.5%(前期末差△1.9%)となりました。□ バランスシートの状況
(3)キャッシュ・フローの概況・営業キャッシュ・フローは、716億円の支出(前期は763億円の支出)となりました。営業キャッシュ・フローから営業債権等の増減を除いた基礎営業キャッシュ・フローは、税引前利益は増加したものの、法人税の支払が増加したことなどにより、前期より5億円減少し、79億円の収入となりました。・投資キャッシュ・フローは、有形および無形固定資産の取得59億円、投資有価証券の取得3億円などにより67億円の支出(前期は57億円の支出)となりました。・財務キャッシュ・フローは、有利子負債の増加による928億円の収入や自己株式の取得による支出32億円、配当金の支払96億円などにより797億円の収入(前期は833億円の収入)となりました。6□ キャッシュ・フローの状況(注)当社グループでは営業キャッシュ・フローから営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)等の増減を控除した「基礎営業キャッシュ・フロー」を収益性・健全性の指標としています。
(4)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明2026年3月期の業績予想については、現時点において2025年5月13日の公表から変更ありません。なお、通期見通しの概要は以下のとおりです。・2026年3月期のEPSは155.0円(前年比+8%、前年差+11.8円)、ROEは11.2%(前年差+0.6%)、ROICは3.9%(前年差+0.1%)の見通しです。・グループ総取扱高は5兆3,900億円(前年比+9%)の見通しです。・売上収益は2,725億円(前年比+7%)、営業利益は500億円(前年比+12%)、当期利益は280億円(前年比+5%)と増収増益の見通しです。・小売セグメントの営業利益は110億円(前年比+28%)の見通しです。・フィンテックセグメントの営業利益は470億円(前年比+7%)の見通しです。・年間配当金は14期連続の増配となり、過去最高の131円(前年差+25円)となる見通しです。7□ 2026年3月期連結業績見通し
(5)経営方針および経営戦略■ 会社の概要当社グループは、1931年の創業以来、小売と金融が一体となった独自のビジネスモデルを進化させ続けることで、他社にはない強みと地位を確立し、近年では、共創投資や新規事業投資からなる未来投資を加え、小売、フィンテック、未来投資の三位一体のビジネスモデルをめざしてきました。現在は、フィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスへと転換し、さらなる企業価値の拡大をめざしています。8■ 会社の経営の基本方針当社グループでは、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを掲げ、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」をミッションとしています。この実現には、私たちだけでなく、ステークホルダーの皆さまとの共創が必要です。当社グループでは、お客さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員、将来世代すべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和を企業価値としています。ステークホルダーの皆さまと共創する共創経営を進めることで、この企業価値の拡大とビジョンの実現をめざしています。当社グループの「共創経営」の詳細については、「共創経営レポート2023」「VISION BOOK2050」をご覧ください。共創経営レポート(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/i-report.html)VISION BOOK 2050(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/s-report.html)9■ 経営ビジョン&戦略ストーリー2031について2031年の創業100周年に向けて、「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定しています。経営ビジョンとして高い目標を掲げ、そこからバックキャスティングして戦略ストーリーを構築し、ビジョン・インパクト・事業戦略を連動させることで社会的価値の創出を実現していきます。1)経営ビジョン当社グループは、これまでの小売・フィンテック・未来投資による三位一体ビジネスから、フィンテックを中心とした「『好き』を応援するビジネス」へ転換をすることで「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」ビジョンを実現し高成長と高還元を両立していきます。この前提として、日本では脱デフレの兆しが見えてきた今、消費行動にも変化が見えつつあります。当社グループでは、この状況を踏まえ、一人ひとりの「好き」が原動力となる「『好き』が駆動する経済」という新たな経済によって、「好き」を起点に消費・生活の変化を促し、結果として社会的インパクトを生み出していきます。2)戦略ストーリー2031「『好き』を応援するビジネス」を通じてめざすインパクトと、その実現に向けた戦略は以下のとおりです。(「好き」を通じて誰かのため、社会のためへと広がる消費)・「好き」を応援するビジネスの目的は、「好き」を応援することで「自分のため」の消費が「誰かのため」となり、やがて「社会のため」へと広がっていくことでインパクトと利益を両立させることにあります。・当社グループの「好き」を応援するカードでは、ご利用を通じて応援したい相手に寄付ができるカードの会員が拡大しており、「誰かのため」に「寄付」することに幸せを感じる新しいタイプの消費者が、今後もますます増えていくと予想されます。10・新しいタイプの消費者にお応えすることで差別化戦略を進め、「好き」を応援するカードの会員数を2031年3月期には300万人まで拡大し、2041年3月期にはゴールドカードの会員数を上回ることをめざします。(「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメント)・当社グループはこれまで若者の自己実現を応援してきましたが、今後は「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメントを通じて、すべての人の自己実現を支援していきます。・これまでのフィンテックのビジネスでは、丸井の店舗がある大都市圏を中心とした地域で「信用の共創」によりクレジットカードを発行してきましたが、今後はその対象範囲を広げ、地域を問わず小売の新たな自主運営体制の全国展開を通じて会員募集を行います。・また、今後拡大する自営業、スタートアップ、フリーランス等の多様な働き方に対しては「オーナーカード」、「ランサーズカード」、日本で働く外国人の方々に対しては協業を通じた「GTNカード」を含め、会員を拡大します。(支援戦略)・これまでの自主売場・PB商品に代わる新たな顧客接点として、コンパクトな面積で、高い集客力や会員募集力、客単価や荒利益率の向上が期待できる「好き」を応援するイベントとグッズ、カードの新しい自主運営ユニットを全国主要都市に展開することで、インパクトと利益の両立を実現します。・また、当社グループはこれまでDXを通じた顧客体験の向上をめざして、UXの先進企業でもあるグッドパッチ社との合弁会社や新たに設立したマルイユナイトを通じて、専門人材の採用を進めるとともにアジャイルな開発体制を整備してきました。・今後はプロフェッショナル人材の活躍を通じて、デジタルのUXと新自主運営ユニットによるリアルの体験を融合した独自の体験価値を提供することでロイヤルカスタマー化を推進します。11(「フロー」を通じた創造性の発揮)・当社グループでは、能力と挑戦、創造性と幸せ、というビジネスにとって重要な要素を包括的に捉えることのできる「フロー」という概念に注目し、社員一人ひとりの働きがいと組織活力を高める取り組みを行ってきました。・今後は、「好き」を応援するコンクールなどを通じて自分の「好き」を仕事に活かす機会を増やし、創造性を発揮することで、アイデアやナレッジ、ノウハウなどの無形資産を活かしたビジネスを拡大し、2031年3月期までに無形資産比率を70%以上に高めることで企業価値の向上をめざします。(ソーシャル・イントラプレナーによる事業開発)・社外の起業家とのイノベーションの創出に加え、「会社にいながら社会を変えられるソーシャル・イントラプレナー(社内起業家)」の活躍を促すために、ビジネスプロデュース推進室を設置し、様々な働き方を通じて社内外から人材を募集し事業開発を進めます。・中長期的な人材育成のため「ソーシャル・イントラプレナー育成財団」を設立し、大学生、中高生向けに講座を提供します。将来的には受講者の当社グループへの入社やプロジェクトへの参加を通じ、当社グループの事業開発にも活かしていきます。12(探究領域)・「好き」を応援するビジネスのグローバル化に取り組み、まずは「世界から見た『好き』の対象としての日本」というテーマで世界中から人材を募集し事業開発を進めます。3)リスク(金利上昇による金融費用増加への対応)・分割・リボ手数料については、2025年10月より手数料率の変更を予定しており、収益の増加を見込んでいます。・調達金利については、平均調達年限を短縮することで調達利率の低減を図るとともに、格付の向上をめざして格付機関との対話を強化し、金融費用の増加抑制に取り組みます。4)資本政策と株主還元(資本政策)・2031年3月期には、バランスシートが1.5兆円規模に拡大する見通しとなり、セグメント別では小売の自己資本比率が50%と、当社グループが最適とする35%から乖離する見込みのため、300億円の資本最適化をすることで連結自己資本比率16%を目標にバランスシートの見直しを進めます。・株主還元方針については、2031年3月期に向けてROE15%以上をめざすことを鑑み、株主資本配当率(DOE)10%としています。・資本配分については、6年間の基礎営業キャッシュ・フロー3,500億円を、成長投資として既存事業に900億円、DX投資・事業開発などの未来投資に600億円、資本最適化に向けた自己株式取得に300億円、株主還元に1,700億円を配分する計画です。□ 資本配分(26年3月期~31年3月期)(株主還元)株主還元については、適正な利益配分を継続的に実施することを基本方針とします。・配当については、EPSの長期的な成長に基づく継続的な配当水準の向上に努め、「高成長」と「高還元」の両立を図ります。・株主資本配当率(DOE)は10%程度を目安とし、長期安定的な増配の実現をめざします。・自己株式の取得については、最適資本構成、財務状況および株価水準等を総合的に勘案し、資本効率と株主利益の向上に向けて、適宜機動的に実施します。なお、取得した自己株式は原則として消却します。・配当の基準および自己株式取得の方針については、定期的に検証し適宜見直しを行います。135)KPI・2031年3月期におけるKPIはPBR3~4倍、EPS成長率は年率9%以上、TSR成長率は年率12%以上の高成長・高還元の実現をめざします。
(6)サステナビリティに関する考え方および取り組み■ 会社の考えるサステナビリティ<サステナビリティ全般>当社グループでは、2016年より環境への配慮、社会的課題の解決、ガバナンスへの取り組みがビジネスと一体となった未来志向のサステナビリティ経営への第一歩を踏み出しました。それまで取り組んできた「すべての人」に向けたビジネスを「インクルージョン(包摂)」というテーマでとらえ直したうえで、重点テーマを整理し、取り組みを進めてきました。これらの取り組みは、国連の持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」の実現にも寄与するものです。そして、2019年には本格的なサステナビリティ経営に向け、2050年を見据えた長期ビジョン「丸井グループビジョン2050」を策定し、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」ことを宣言しました。2021年には「ビジョン2050」に基づき、サステナビリティとWell-beingに関わる目標を「インパクト」として定義しました。インパクトは、「ビジョン2050」に定めた取り組みをアップデートし、「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『しあわせ』を共に創る」「共創のエコシステムをつくる」という共創をベースにした3つのテーマを定めました。2025年には新たに「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定し、「好き」が駆動する経済の実現に向けて、インパクトを「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『好き』が駆動する経済を創る」「働く人の『フロー』を生み出す社会を創る」の3つのテーマに再定義しています。ビジネスを通じて社会課題の解決と利益の両立をめざし、「インパクト」と「利益」の主要な取り組み項目を主要KPIとして設定しています。具体的な指標は「4)指標と目標」に記載しています。141)ガバナンスすべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和と拡大に向け、ステークホルダーをインクルードした経営の仕組みづくりに着手します。ステークホルダーの求める利益としあわせを共に実現する共創ステークホルダー経営 経営に向けて、ステークホルダーをボードメンバーに迎えることで、ガバナンス体制を進化させていきます。サステナビリティ経営の推進に向けて活動を適時検証するとともに、サステナビリティとビジネスの両立をめざす重点指標(KPI)の進捗を確認しています。サステナビリティマネジメント体制の強化に向け、2019年にサステナビリティアドバイサステナビリティマネジメントのザーおよび取締役会の諮問機関としてのサステナビリティ委員推進会を設置しました。外部有識者や将来世代を含むメンバーにて、グループ全体のサステナビリティ戦略および取り組みなど、未来に向けた対話を深め、積極的に取締役会に報告・提言を行っています。サステナビリティ経営の礎として、「グループ行動規範」を定め、そのもとに「丸井グループ人権方針」「丸井グループ安全衛生方針」「丸井グループ環境方針」等を定めています。外部環境の変化に対応し、デジタル化や技術革新による事業構造転換のさらなるスピードアップに向けて、CDO(Chief DigitalOfficer)を配置しています。また、情報セキュリティリスクへの対応を強化するため、情報セキュリティ委員会を設置し、グループ全体の情報資産などを保護・管理する最高セキュリティ責任者としてCSO(Chief Security Officer)を配置しています。さらに、今後の金融事業におけるリスク対応を強化するリスクマネジメントの推進 ため、金融リスク委員会を設置し、マネー・ローンダリングへの対応をはじめとした法令・規制・ガイドラインのコンプライアンスや不正利用への対応など、組織全体で効果的なリスク文化を推進するための戦略を講じています。サステナビリティ経営における高リスク分野の管理向上を図るため、各委員会の統括機能として、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議にて、当社グループのリスクを統合的に管理しています。規範・各種方針は、実効性を年1回検証するとともに、研修などを通じてグループ社員へ周知を図っています。今後も毎年、検討および見直し等を行い、時代に合わせたリスクマネジメントを推進していきます。2017年4月より次世代経営者育成プログラム「共創経営塾(CMA)」を開設しています。毎年10人~20人程度を選抜し、社外次世代リーダーの育成取締役の監修のもと、次世代の経営を担う人材の発掘と育成をめざします。2)戦略当社グループは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」ことをミッションとしています。金融と小売の融合を通じて、経済的な豊かさだけでなく精神的な豊かさとしての「しあわせ」を提供すること、一部の人たちだけでなく、すべての人が「しあわせ」になれる社会の実現をめざします。2050年を見据えた長期ビジョン「ビジョン2050」の策定に合わせ、当社グループが優先的に取り組むべき社会課題をインパクトとして定義しました。2025年からは、新たに「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定し、「好き」が駆動する経済の実現に向けて、共創を基盤にフィンテックを中心としたイベント・グッズ・サービス・共創投資・事業開発、そして人・組織・働き方などすべてを通じて「好き」を応援するビジネスを推進していきます。当社グループが取り組むべきことを3テーマ6つのインパクト目標として設定し、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」ビジョンの実現に向けた取り組みを進めることで、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会をめざします。15ⅰ.将来世代の未来を共に創る「脱炭素社会の実現」や「将来世代の事業創出の応援」により、地球と共存する持続可能な未来を将来世代につなげます。<自社排出の削減>温室効果ガス削減への取り組みとして、2019年9月に策定した新たな温室効果ガス削減の中長期目標は、国際的なイニシアティブである「Science Based Targets(SBT)イニシアティブ」により「1.5℃目標」として認定されました。さらに、2023年8月にSBTネットゼロ認定を取得しました。グループ全体の温室効果ガス削減目標は次のとおりです。2030年までに、2017年3月期比で・Scope1(※1)+Scope2(※2)を80%削減・Scope3(※3)を35%削減2050年までに2017年3月期比でグループ全体のScope1、2の合計およびScope3を90%削減し、残余分を炭素除去することでネットゼロを達成2025年3月期の実績・Scope1( 9,003 ト ン ) + Scope2( 22,112 ト ン ) 合 計31,115トン2017年3月期比 73.7%削減脱炭素社会の実現・Scope3(213,096トン)2017年3月期比 56.5%削減温室効果ガス排出量原単位(※4)は5.5(前年比82.7%)となりました。2018年7月にRE100に加盟し、2030年までにグループの事業で使用する電力を、すべて再生可能エネルギーにすることとしています。2025年3月期の再生可能エネルギー比率は72.1%となりました。
※1自社の燃料の使用による温室効果ガスの排出量※2自社の電力等の使用による温室効果ガスの排出量※3自社のバリューチェーンに関わる温室効果ガスの排出量※4温室効果ガス排出量(トン)/連結営業利益(百万円)にて算出<お客さまとの共創による社会排出の削減>当社グループは、株式会社UPDATER(旧みんな電力株式会社)と共に、「みんなで再エネ」プロジェクトをスタートしました。カード会員に対し、再エネ電力を簡単に申し込めるサービスを提供し、お客さまと共にCO2の社会排出削減に取り組みます。当社グループはこれまで、社外の起業家と共創投資を通じてイノベーションの創出をめざしてきました。今後はこれに加えて、社内起業家による事業創出に取り組みます。そのために、「会社にいながら社会を変えられるソーシャル・イントラプレナ将来世代の「事業創出」を応援 ー」という働き方を提唱し、広く発信していきます。中長期的な人材育成を進めるためにソーシャル・イントラプレナー育成財団を設立し、大学生、高校生向けに講座を提供します。将来的には卒業生の入社やプロジェクトへの参加を通じて当社グループの事業開発に活かしていきます。16ⅱ.一人ひとりの「好き」が駆動する経済を創る一人ひとりの「好き」の応援を通じて、個がエンパワーできる社会の実現を加速させます。動物保護団体に寄付できるエポスペットカードをはじめ、作家の創作活動に寄付できるヘラルボニーカード、山岳保全団体に寄付できるYAMAPエポスカード、再生可能エネルギーの生産者に寄付できるみんな電力エポスカードなど、「好き」を応「好き」を通じて誰かのため、援するカードを通じて応援したい相手に寄付できるカードのラ社会のためへと広がる消費インナップを増やしていきます。「自分のため」の消費が「誰かのため」になり、やがて「社会のため」に広がっていくことで、日本における寄付文化の醸成に貢献し、インパクトと利益の両立をめざします。当社グループは、これまで家具やファッションなど消費財の割賦販売を通じて若者の自己実現を応援してきましたが、今後は「好き」を応援する金融サービスを通じて、すべての人の自己実現を支援していきます。対象となるのは、全国の約7割に相当する地方に多く見られる一次産業や建築業、サービス業などに従事する人たちや自営業やスタートアップ、フリーランサー「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメといった多様な働き方をする人たち、そして日本で働く多くのント外国人たちなどです。これらの人たちの多くは「月給」に代表される定期的・安定的な収入ではなく、不定期で変動的な収入形態を持つため、クレジットカードを持つことができない人々が多数存在します。このような人たちを中心に、「好き」を活かした暮らしと仕事の可能性を開花させるための応援を推進していきます。ⅲ.働く人の「フロー」を生み出す社会を創る社員一人ひとりの働きがいや組織活力を高めるための取り組みを、フロントランナーとして推進していきます。世界中の優秀な人材を惹きつけ、その活躍を促進するため、ビジネスプロデュース推進室を設置しています。さまざまな雇用社内外に開かれた共創の場 形態を通じて、社内外からソーシャル・イントラプレナーを募り、「好き」が駆動する経済に向けた事業開発を進めていきます。当社グループは、能力と挑戦、創造性と幸せ、というビジネスにとって重要な4つの要素を包括的に捉える「フロー」という概念に注目し、社員一人ひとりの働きがいと組織活力を高める取り組みを推進しています。具体的には、「好き」を応援する創造性を発揮する人・働き方コンクールなどを通じて、自分の「好き」を仕事に活かす機会を増やし、創造性を発揮できる組織づくりを進めることで、アイデアやナレッジ、ノウハウなどの無形資産を活用したビジネスを拡大し、無形資産比率を70%以上に高めることで、企業価値の向上をめざします。3)リスク管理当社グループは、サステナビリティに関する課題を把握し評価するため、リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社の役員で構成されるESG委員会で議論された内容は、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議や、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っています。企業戦略に影響する世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。174)指標と目標当社グループは、社会的・環境的なインパクトの創出を通じた持続可能な価値創造をめざし、インパクト測定・評価マネジメントを導入しています。2031年3月期においては、共創を基盤とした以下の3つのテーマ「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『好き』を駆動する経済を創る」「働く人の『フロー』を生み出す社会を創る」を掲げ、具体的な取り組みを推進していきます。早期のインパクトKPIの達成に向け、グループ各社・各部が中期計画を策定し、経営層へ進捗を報告する会議にて、年1回モニタリングを実施しています。さらに、毎期実施するステークホルダーとの対話やビジネスを通じた社会実験を通じて、インパクトを特定し、改善に取り組んでいます。<気候変動への取り組みとTCFDへの対応>気候変動は、もはや気候危機としてとらえるべきことであり、当社グループは、重要な経営課題のーつと認識し、パリ協定が示す「平均気温上昇を1.5℃に抑えた世界」の実現をめざしています。「丸井グループ環境方針(2022年3月改定)」に基づき、パリ協定の長期目標を踏まえた脱炭素社会へ積極的に対応すべく、ガバナンス体制を強化するとともに、事業への影響分析や気候変動による成長機会の取り込みおよびリスクへの適切な対応への取り組みを推進しています。当社グループはFSB(金融安定理事会)により設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同し、有価証券報告書(2019年3月期)にて、提言を踏まえ情報を開示しました。さらに分析を重ね、有価証券報告書(2020年3月期)にて、気候変動による機会および物理的リスク等の内容を拡充しました。今後も情報開示の充実を図るとともに、TCFD提言を当社グループの気候変動対応の適切さを検証するベンチマークとして活用し、サステナビリティ経営を進めていきます。1)ガバナンス気候変動に関わる基本方針や重要事項等を検討・審議する組織として、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会を設置しています。また、関連リスクの管理水準の向上を図る機関としてESG委員会を設置し、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議を通じて、当社グループ全体のリスク管理を行っています。事業戦略の策定や投融資等に際しては、こうした体制をもとに「丸井グループ環境方針」や気候変動に係る重要事項を踏まえ総合的に審議し決定することで、気候変動に関するガバナンスの強化を進めていきます。182)戦略(事業のリスクと機会)気候変動による世界的な平均気温の4℃上昇が社会に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することをめざす取り組みへの貢献が重要であると考えています。2℃以下シナリオ(1.5℃目標)への対応力を強化すべく、気候関連のリスクと機会がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定を進めています。当社グループは、フィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスを推進していきます。気候変動は、台風・豪雨等の水害による店舗・施設等への被害や規制強化にともなう炭素税の導入による費用の増加等のリスクが考えられます。一方、消費者の環境意識の向上に対応した商品・サービスの提供や環境配慮に取り組む企業への投資は当社グループのビジネスの機会であるととらえています。(財務的影響の分析・算定)事業への財務的影響については、気候変動シナリオ等に基づき分析し2050年までの期間内に想定される利益への影響額として項目別に算定しています。リスクについては、物理的リスクとして、気温上昇が1.5℃以下に抑制されたとしても急性的に台風・豪雨等での水害が発生しうると予測しています。店舗の営業休止による不動産賃貸収入等への影響(約19億円)および建物被害(約30億円)、被災地におけるクレジットカードの貸倒率上昇によるコスト影響(約0.5億円)を算定しています。移行リスクとしては、将来のエネルギー関連費用の増加を予測し、再生可能エネルギーの調達コストの増加(約8億円)および炭素税導入による増税(約22億円)を算定しています。機会については、環境意識が高い消費者へのライフスタイル提案による店舗収益への影響(約19億円)およびカード会員の増加による長期的収益(約26億円)、環境配慮に取り組む企業への投資によるリターン(約9億円)を算定しています。カード会員の再生可能エネルギー電力の利用によりリカーリングが増加しゴールドカード会員化につながることでの長期的収益(約20億円)、業界平均を下回る低貸倒率を維持する独自の与信システムにより、災害時の貸倒償却額を抑制(約0.2億円)、電力小売事業への参入による調達コストの削減(約3億円)および炭素税の非課税(約22億円)を算定しています。今後もさまざまな動向を踏まえ定期的に分析し、評価の見直しと情報開示の充実を進めていきます。(前提要件)対象期間 2020年~2050年対象範囲 丸井グループの全事業気候変動シナリオ(IPCC・IEA等)に基づき分析項目別に対象期間内に想定される利益影響額を算定算定要件リスクは事象が発生した際の影響額で算定機会は原則、長期的な収益(LTV)で算定公共事業等のインフラ強化やテクノロジーの進化等は考慮しない19(気候変動によるリスクおよび機会)世の中の 丸井グループの 利益リスクの内容変化 リスク 影響額営業休止による不動産賃貸収入等への影響 約19億円店舗の営業休止物理浸水による建物被害(電源設備等の復旧) 約30億円台風・豪雨等的による水害リシステムセンターシステムダウンによるグループ全体の 対応済
※1スの停止 営業活動休止 ※2ク貸倒コストへの被災地におけるクレジットカードの貸倒率上昇 約0.5億円影響再エネ需要の 約8億円移再エネ価格の上昇 再エネ調達によるエネルギーコストの増加増加 (年間)行リ政府の約22億円ス環境規制の 炭素税の導入 炭素税による増税(年間)ク強化世の中の 丸井グループの 利益機会の内容変化 機会 影響額約19億円環境配慮に取り組むテナント導入等による収益
※3サステナブルな約26億円ライフスタイルのサステナブル志向の高いカード会員の増加環境意識の ※4提案向上・環境配慮に取り組む企業への投資によるライフスタイ 約9億円リターンルの変化一般家庭の約20億円再エネ需要へのカード会員の再エネ電力利用による収益
※5機対応会低貸倒率により独自の与信システムにより業界平均を下回る台風・豪雨等抑えられた 低貸倒率により、災害時の最終貸倒償却額を 約0.2億円による水害貸倒の回避額少額に抑制電力調達の電力小売事業への 約3億円電力の直接仕入れによる中間コストの削減多様化 参入 (年間)政府の温室効果ガス排出量ゼロの達成による 約22億円環境規制の 炭素税の導入炭素税非課税 (年間)強化
※ 1 ハザードマップに基づき影響が最も大きい河川(荒川)の氾濫を想定(流域の2店舗に3カ月の影響)
※ 2 バックアップセンター設置済みのため利益影響は無いと想定※ 3 不動産賃貸収入の増加およびクレジットカード利用の増加※ 4 クレジットカードの新規入会や利用による収益を算定※ 5 リカーリング等でのゴールドカード会員の増加による収益を算定3)リスク管理当社グループは、グループの事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社の役員で構成されるESG委員会で議論された内容は、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議や、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っています。企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。204)指標と目標・温室効果ガスの削減については、グループ全体の温室効果ガス削減目標「2030年までに2017年3月期比Scope1+Scope2を80%削減、Scope3を35%削減(2050年までに2017年3月期比Scope1+Scope2の合計およびScope3を90%削減)」が、2019年9月にSBTイニシアティブにより「1.5℃目標」として認定されています。・2030年までにグループの事業活動で消費する電力の100%(中間目標:2025年までに70%)を再生可能エネルギーから調達することを目標として、2018年7月にRE100に加盟しています。■ 会社の考える人的資本経営当社グループでは「人の成長=企業の成長」という理念のもと、継続的な企業価値向上をめざし、2005年より企業文化の変革に取り組んできました。企業文化の変革に向けて、「企業理念」「対話の文化」「働き方改革」「多様性の推進」「手挙げの文化」「グループ会社間職種変更異動」「パフォーマンスとバリューの二軸評価」「Well-being」等の施策を同時進行で進めてきました。当社グループの「人的資本経営」のパフォーマンスデータについては、「2025年3月期ESGデータブック」の「社会(Social)」のカテゴリーをご覧ください。ESGデータブック(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/databook.html)<企業文化変革のための取り組み>ⅰ.企業理念当社グループの人的資本経営は「人の成長=企業の成長」という経営理念が根本となっています。この理念について、働く理由や会社に入って成し遂げたいことなどを対話の場を設けて話し合うことで、会社のパーパスと個人のパーパスのすり合わせを行い、10年以上で4,500名以上の社員が参加しました。その結果、理念を共有できない人が退職したことで一時的に退職率は上がりましたが、その後は低水準で定着しており、2025年3月期の退職率(定年退職者を除く)は3.5%となりました。また、入社3年以内の離職率は約17%と世の中の平均を大きく下回る水準で推移しており、会社と個人との「選び選ばれる関係」の基盤が構築されています。ⅱ.対話の文化かつての一方通行から、双方向のコミュニケーションを通じた「対話の文化」が醸成されてきました。「1.安全な場宣言から始める」「2.特に目的を定めない」「3.結論を求めない」「4.傾聴する」「5.人の発言を受けて発言する」「6.人の意見を否定しない」「7.間隔を置いて熟成させる」の7つの目安に沿って、会議やミーティングは必ず対話を交えて行われています。ⅲ.働き方改革働きやすい環境の実現のみならず、仕事の本質を「時間の提供」から「価値の創出」と考える企業文化の転換をめざしています。社員によるプロジェクト活動の結果、2008年3月期には月間11時間だった1人当たり残業時間は、2025年3月期では約5.5時間まで大幅に減少しました。ⅳ.多様性の推進2014年から「男女」「年代」「個人」の3つの多様性を掲げ、組織改革を推進しています。「男女」の多様性については、2014年3月期から女性活躍推進のプロジェクトをスタートし、「女性イキイキ指数」という独自のKPIを掲げて取り組みを進めた結果、2025年3月期では男性社員の育休取得率が7年連続で100%を達成し、さらに女性の上位職志向も58%まで向上しました。2022年3月期からは新たに「男性の産休取得」と「男女の性別役割分担の見直し」を目標に掲げ、より本質的な取り組みにも着手しています。21ⅴ.手挙げの文化10年以上にわたり、社員が自ら手を挙げて参画する「手挙げの文化」づくりを進めてきました。手挙げの文化の目的は、社員一人ひとりの自主性を促し、自律的な組織をつくり、イノベーションを創出する企業になることです。「公認プロジェクト・イニシアティブ」「中期経営推進会議」など、幅広い手挙げの機会を設け、2025年3月期では自ら手を挙げて参画した社員の割合は約9割に達しました。ⅵ.グループ会社間職種変更異動社員の手挙げに基づいて、当社グループ内のさまざまな事業を跨ぐ「グループ会社間職種変更異動」を2013年から本格的に推進し、2025年3月期までに、全グループ社員の約86%が職種変更を経験しています。2016年実施のアンケートでは、約86%が「異動後に成長を実感した」と回答しており、個人の中の多様性とレジリエンス力が育まれています。今後は、共創投資先を中心に他企業への出向にも拡げ、より変化に強い人材の育成を進めます。22ⅶ.パフォーマンスとバリューの二軸評価人事評価制度においては、業績に基づく評価だけでなく、バリューに関わる上司、同僚、部下からの360度評価を実施することで、「人の成長」という企業理念の実現をめざします。ⅷ.Well-being当社グループでは、一人ひとりがやりがいを持ってイキイキと仕事に取り組める活力のある組織をめざして、2016年からWell-beingに取り組んでいます。CWO(チーフウェルビーイングオフィサー)で取締役上席執行役員の小島玲子氏が中心となり、「幹部向けのレジリエンスプログラム」や社員の手挙げによる「Well-being推進プロジェクト」を通して、組織の中での一人ひとりのしあわせを実現していきます。<企業文化変革を通じた社員エンゲージメントの向上>当社独自の取り組みを含む8つの施策を通じて、経営のOSである企業文化を新しいOSへと更新してきました。また、これらの施策の結果、社員のエンゲージメントが高まりました。当社が独自に計測しているエンゲージメント指標を2012年と2024年で比較すると、仕事での「期待」は46%から81%へ、職場での「尊重」は28%から69%へ、自分の「強みを活かす」は38%から58%へと、それぞれ大幅に改善しました。1)戦略当社グループは、2019年に策定したビジョン2050で「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを掲げています。企業文化の変革によって、このビジョンの実現に向けたイノベーションが創出できるようになりましたが、これらはまだ小さな「芽」にすぎません。インパクトと利益という「双葉」をつけたこれらの「芽」を増やし、成長させることで、大きな樹に育て上げ、たくさんの果実を実らせることで、「社会課題解決企業」へと進化していきます。23「利益追求」と「社会課題解決」の2つを両立するための高いハードルをクリアするためには、一人ひとりの「創造力」を全開にすることが不可欠であり、そのために「仕事を通じてフロー体験できる」組織づくりに取り組みます。「フロー」は心理学者のチクセント・ミハイが提唱する概念で、人が能力と挑戦のレベルが釣り合っている時にしばしば体験する、「時を忘れ、我を忘れて」没頭する状態のことを指します。人はフローを体験することで、想像力をフルに発揮することができ、それによって高いハードルを乗り越え、成長することができます。また、フローはその体験自体が「しあわせ」をもたらします。「仕事を通じてフローを体験できる組織」を創ることで、めざす姿の実現と働く一人ひとりの幸せの両立をめざします。そのために「働き方と組織のイノベーション」と「DXの推進」の2つの取り組みを進めます。(働き方と組織のイノベーション)働き方と組織のイノベーションでは、プロジェクト型の働き方と組織づくりを促進します。インパクトを実現したいという思いを持った社員が自ら手を挙げ、グループ会社の枠を超えて集まり、プロジェクト的に働くことでイノベーションを進めてきましたが、このような働き方はこれまで例外的でした。今後は、プロジェクト型を例外ではなく、当たり前の働き方として広げていきます。ⅰ.公認イニシアティブの拡大インパクトと利益を両立させ、さまざまなテーマを設定した「公認イニシアティブ」を前年の12テーマのうち、6テーマは活動を終了、6テーマは活動を継続します。今年度は、さらに7テーマ追加し、13テーマに拡大します。各テーマについて自ら手を挙げて集まったメンバーが、社内外の枠を超えてプロジェクト的に活動することでイノベーションを創出します。24ⅱ.課長のいない組織人と組織の管理を担う課長が、組織の長ではなく、チームのサポーターとして、上から横に回ることで、一人ひとりのメンバーが自立自走するフラットな組織を創り、チームとしての創造力を促します。ⅲ.早期管理職登用人事制度を改定し、「企業価値向上への貢献が期待できる人材」には、「人的資本投資」として早期昇進を後押しすることで、最短で29歳であった管理職への登用を26歳に早めました。さらに2025年4月に人事制度を一部見直し、最短25歳での管理職登用が可能となりました。若手の優秀な人材が早期に活躍できる舞台を用意することで、イノベーションの創出を加速します。25(DXの推進)DXにおいて、現状とめざす姿のギャップを埋めるためには、デジタルの力を活かすことが欠かせません。デジタルのレバレッジとスピードを活用し、高速に仮説検証を繰り返すことが不可欠です。ⅰ.Mutureによる専門人材の採用2022年4月、UXデザインの先進企業であるグッドパッチ社との合弁会社Mutureを設立し、当社グループのブランドでは採用できなかった高度な専門人材の採用を開始しました。業界でも有数の人材が続々と参画しており、ライフスタイルアプリやOMEMIEの開発に貢献しています。ⅱ.CDXOの招聘Mutureを通じた専門人材の活躍でプロダクトの開発は大きく進展しましたが、これを全社的に拡げ、継続的に進化させるためには、部門横断で連携の取りにくい縦割型の意思決定プロセスや組織構造を変革する必要性が生じました。そこで、アジャイルな組織開発を推進するため、組織開発に関して高度な知見を持ち、デジタルの専門家と経営者の両方の視点を持つ株式会社グッドパッチ社の土屋尚史氏を2023年6月より執行役員CDXO(チーフデジタルトランスフォーメーションオフィサー)に迎えました。ⅲ.テックカンパニーの設立アジャイルなプロダクト開発の推進・波及を目的に、2024年9月、新会社マルイユナイト(marui unite) を設立しました。プロダクト開発のテック専門組織としてグループの事業会社と一体となり、新たな体験価値の創出をスピード感をもって実現していくことで、当社グループのDXによる変革を後押ししていきます。26当社グループの「人的資本投資」には、これまで人材投資としていた教育・研修費に加え、新規事業に係る人件費や共創チームの人件費、グループ会社間職種変更異動した社員の1年目の人件費など、中長期的に企業価値向上につながる費用項目を含めています。この人的資本投資については、持続的な企業価値の向上をめざして2022年3月期の77億円から2026年3月期には100億円まで拡大する方針としており、当第1四半期では27億円となりました。2)ガバナンス経営戦略と人材戦略の連動を図るため、2022年4月から取締役会の諮問機関として、人材戦略委員会を新設しました。委員長にはCHRO(チーフヒューマンリソースオフィサー)で専務執行役員の石井友夫氏が就任し、委員には社外取締役の岡島悦子氏が就任しました。人材戦略委員会は戦略検討委員会と連携し、人材戦略を取締役会に提言する役割を果たします。3)リスク管理当社グループの成長は、社員一人ひとりの成長や活躍により実現できると考えています。今後、人材獲得競争の激化や既存社員の流出、それにともなう将来の経営人材の不足等が顕在化した場合、事業の進化や継続性に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、すべての社員が自ら手を挙げてチャレンジできる風土をベースとした、将来の企業価値の源泉となる無形資産としての人的資本投資を重視しています。公募型の教育・研修プログラムはもとより、対話を通じてグループ経営にとって重要なテーマを考える「グループ公認プロジェクト」や一人ひとりが創造性を発揮し、価値を創出することを目的とした「グループ公認イニシアティブ」、経営に革新を起こせる人材を育成する「次世代経営者育成プログラム(共創経営塾:CMA)」の実施、さらにスタートアップ企業への出向など、計画的な人材投資により、さまざまな視点から、成長とやりがいを実感できる環境づくりを進めています。人材獲得に向けて、新卒採用においては長期インターンシップ等の新たな手法を積極的に活用することで、優秀な学生と早期に接点を設け、当社とのエンゲージメント向上につなげています。中途採用については、フィンテックやEC事業のさらなる拡大に向け、これまで社内育成を行ってきた基幹系システム人材に加え、UI/UXにスピーディに対応すべくWeb系システム人材の採用を推進しています。採用確保に向けては、丸井グループの独自のビジネスモデルや成長戦略を採用市場にて明示するとともに、2022年に立ち上げたUI/UXデザインの先進的企業であるグッドパッチ社との合弁会社Mutureを通じた、UI/UXデザインの専門性を持つ人材の採用を行っています。また、デジタル顧客接点におけるアジャイルなプロダクト開発の推進・波及を目的として2024年9月に立ち上げた新会社マルイユナイトでは、DXによる変革を加速するために、エンジニアリング領域などで活躍するデジタル人材の採用を積極的に進めていきます。4)指標と目標更なる企業文化の変革に向け、自ら「社会実験企業」を宣言することで、「失敗を許容し、挑戦を奨励する」文化を育みます。そのために、行動KPIとして、チャレンジに向けた「打席数」や「試行回数」などを設けています。「たくさん実験して、早く失敗することで、成功のためのノウハウを蓄積する」 fail fast,fail forwardを奨励し、イノベーションを創出し続ける企業をめざします。27当社グループの2017年3月期から2021年3月期までの5年間の人的資本投資は320億円です。一方で、同期間に創出された、アニメ事業や家賃保証、共創投資などの新たな事業による限界利益をリターンとみなすと、2017年3月期から2026年3月期までの10年間に生み出される限界利益は560億円です。投資採算、資本効率に関しては、IRRによるリターンを算出する測定モデルを用いており、2026年3月期までを投資回収期間とするとIRRは12.7%となり、株主資本コストを上回る見込みです。この測定モデルをもとに効果検証を継続しながら、企業価値向上につながる人的資本投資をさらに推進していきます。人的資本投資のIRR12.7%は、店舗などを中心とした有形投資のハードルレートである10%を上回っています。今後は実効性を高めつつ人的資本投資を5年間で650億円以上に拡大することで、高効率な経営を実現します。28
四半期 2027年3月期 第1四半期
出典: 丸井グループ 2027年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2026年8月4日(https://www2.jpx.co.jp/disc/82520/140120260803507652.pdf)
1.当四半期決算に関する経営成績等の概況(1)経営成績の概況グループ総取扱高は前年比10%増の1兆4,060億円、当期利益は前年比14%増の90億円と、それぞれ第1四半期では過去最高となりました。小売セグメントはテナントおよびイベントカテゴリの伸長、フィンテックセグメントは「好き」を応援するカードの会員数の増加や分割・リボ手数料率の変更にともなう収入の増加などにより、両セグメントともに好調に推移しました。(連結業績)・グループ総取扱高は1兆4,060億円(前年比+10%、前年差+1,220億円)、フィンテックのカードクレジット取扱高が全体をけん引し、第1四半期では過去最高となりました。・売上収益は724億円(前年比+7%)と6期連続の増収、営業利益は154億円(前年比+10%)、経常利益は128億円(前年比+3%)と、ともに5期連続の増益、当期利益は90億円(前年比+14%)と6期連続の増益となりました。・EPSは50.5円(前年比+14%、前年差+6.4円)、利益の増加により前年を上回りました。
※「1.当四半期決算に関する経営成績等の概況」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入しています。営業利益増減の内訳・債権流動化による債権譲渡益を34億円(前年差△15億円)、償却額・費用等を27億円(前年差+3億円)計上したことにより、営業利益は18億円減少しました。・上記の債権流動化影響を除いた実質的な営業利益は33億円の増益(小売+9億円、フィンテック+23億円)となりました。□ 営業利益増減の内訳2(セグメント別の状況)・小売セグメントの営業利益は34億円(前年比+38%)、前年を9億円上回りました。・フィンテックセグメントの営業利益は140億円(前年比+3%)、前年を5億円上回りました。□ セグメント別の売上収益・営業利益<小売セグメント>・マルイ・モディ店舗においては、リアル店舗ならではの価値創出をめざして「売らない店づくり」を進めており、お客さまに支持されるテナントを導入し多くのお客さまにご来店いただくことで、店舗価値を高めています。・テナント収入においては、より魅力的なテナントへの入替と売上に応じた変動収入の拡大への取り組みなどにより、未稼働面積の減少と収益性の向上が進み、第1四半期のテナント収入は119億円(前年比+2%)、変動収入の比率は前年から2%上昇し23%となりました。□ 定借テナント収入の推移・拡大に向けて取り組みを進めている「好き」を応援するイベントにおいては、マルイ店舗だけではなく外部施設での出店を推進したことで、年間開催数は1,000回を超えています。このイベントは、カード募集力のある社員が運営しているため、1日当たりのカード入会数は一般イベントの16倍となっています。イベント面積は前年を上回る規模で順調に拡大しており、取扱高は42億円(前年比+109%)となりました。3<フィンテックセグメント>・戦略的に進めている「家計シェア最大化」の取り組みにより家賃払いでのご利用、公共料金などの定期払いが伸長したことで、第1四半期のカードクレジット取扱高は1兆2,994億円(前年比+10%)と四半期で過去最高となりました。□ カードクレジット取扱高の推移・分割・リボ取扱高は1,232億円(前年比+9%)と拡大し、流動化債権を含む分割・リボ払い残高は過去最高の5,064億円(前年比+6%)となりました。・エポスカードの新規会員数は22万人(前年差+1万人)、期末会員数は841万人(前年差+41万人)と、それぞれ過去最高となりました。・これまで事業の成長をけん引してきたゴールドカードに加えて、一人ひとりの「好き」を応援するカードの取り組みを強化しています。「好き」を応援するカードは、一般カードに比べて若者の保有比率が高く、LTV(生涯利益)が2~7倍高いカードとなっています。アニメ・ゲームやエンターテインメントとのコラボレーションカードは、熱量の高いファンが多く、SNSなどを通じて認知が広まりやすい特性もあり、ネット入会との親和性が高いことが特徴です。この「好き」を応援するカードは、フィンテックだけでなく、小売や共創投資に携わる社員からも提案が生まれており、企画数は全161企画に拡大しています。これらの取り組みにより、「好き」を応援するカードの新規会員数は10万人(前年差+1万人)、期末会員数は146万人(前年差+27万人)となりました。今後は、利用時に付与されるポイントの一部を自動的にあらかじめ定められた団体へ還元する応援・寄付カードの拡大を進めるため、新たに開発する「好き」を応援するカードに、この応援・寄付機能を標準的に組み込む予定です。これらを通じて、「好き」をきっかけにご入会いただいたお客さまと長く深い関係性を構築していき、お客さま一人ひとりとのエンゲージメントを高めることで、継続利用と利用額の拡大につなげていきます。4□ 新規入会の推移□ カード会員数の推移(LTVの安定性を表す指標)当社グループの収益構造はこれまでのビジネスモデルの転換にともない、店舗の不動産賃貸収入やカード手数料をはじめとする「リカーリングレベニュー(継続的収入)」が拡大し、売上・利益に占める構成が大きくなりました。お客さま・お取引先さまとの契約に基づく継続的収入であるリカーリングレベニューからは、翌期以降の将来収益を「成約済み繰延収益」としてとらえることが可能であり、収益の安定性を測る指標として使用できます。これらは、LTVを重視した当社グループの長期視点の経営において重要な要素であると考えています。・当期のリカーリングレベニュー(売上総利益ベース)は438億円(前年比+12%)となり、売上総利益に占める割合は66.6%(前年差+2.0%)となりました。・期首時点の成約済み繰延収益は4,757億円(前年比+19%)となり、2026年3月期の売上総利益の約1.9倍の将来収益が見込まれています。なお、成約済み繰延収益の算出は、不動産賃貸収入は契約年数、分割・リボ手数料やカードキャッシング利息は返済期間、加盟店手数料(リカーリング分)はカード有効期間、家賃保証は保証期間をもとに行っています。5□ LTV経営の指標(注)売上総利益ベースのリカーリングレベニュー、およびその構成を算出する際の売上総利益には、販管費戻り(お取引先さまから継続的にいただく経費)を含めています。
(2)財政状態の概況・営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)は、カードクレジット取扱高の拡大などにより7,693億円(前期末差+557億円)となりました。総資産は1兆2,088億円(前期末差+675億円)となりました。・有利子負債(リース債務を除く)は8,062億円(前期末差+900億円)となりました。・自己株式の取得や配当金の支払などにより、自己資本は2,361億円(前期末差△81億円)となり、自己資本比率は19.5%(前期末差△1.9%)となりました。□ バランスシートの状況
(3)キャッシュ・フローの概況・営業キャッシュ・フローは、759億円の支出(前期は716億円の支出)となりました。営業キャッシュ・フローから営業債権等の増減を除いた基礎営業キャッシュ・フローは、法人税の支払が減少したことなどにより、前期より32億円増加し、111億円の収入となりました。・投資キャッシュ・フローは、有形および無形固定資産の取得による支出34億円などにより、30億円の支出(前期は67億円の支出)となりました。・財務キャッシュ・フローは、有利子負債の増加による900億円の収入や自己株式の取得による支出29億円、配当金の支払119億円などにより771億円の収入(前期は797億円の収入)となりました。6□ キャッシュ・フローの状況(注)当社グループでは営業キャッシュ・フローから営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)等の増減を控除した「基礎営業キャッシュ・フロー」を収益性・健全性の指標としています。
(4)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明2027年3月期の業績予想については、第1四半期の結果および最近の業績動向を踏まえ、2026年5月15日の公表から以下のとおり修正します。・2027年3月期のEPSは164.0円(前回公表どおり)、ROEは11.8%(前回公表どおり)の見通しです。・グループ総取扱高は5兆9,050億円(増減額+50億円、増減率+0.1%)の見通しです。
※増減額、増減率は前回公表との比較です。以下同じ。・売上収益は2,965億円(増減額+5億円、増減率+0.2%)、営業利益は555億円(増減額+5億円、増減率+0.9%)、経常利益は440億円(前回公表どおり)、当期利益は295億円(前回公表どおり)と増収増益の見通しです。・小売セグメントの営業利益は120億円(増減額+5億円、増減率+4.3%)の見通しです。・フィンテックセグメントの営業利益は510億円(前回公表どおり)の見通しです。・年間配当金は15期連続の増配となり、過去最高の134円(前回公表どおり)となる見通しです。7□ 2027年3月期連結業績見通し
(5)経営方針および経営戦略■ 会社の概要当社グループは、1931年の創業以来、小売と金融が一体となった独自のビジネスモデルを進化させ続けることで、他社にはない強みと地位を確立し、近年では、共創投資や新規事業投資からなる未来投資を加え、小売、フィンテック、未来投資の三位一体のビジネスモデルをめざしてきました。現在は、フィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスへと転換し、さらなる企業価値の拡大をめざしています。8■ 会社の経営の基本方針当社グループでは、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを掲げ、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」をミッションとしています。この実現には、私たちだけでなく、ステークホルダーの皆さまとの共創が必要です。当社グループでは、お客さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員、将来世代すべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和を企業価値としています。ステークホルダーの皆さまと共創する共創経営を進めることで、この企業価値の拡大とビジョンの実現をめざしています。当社グループの「共創経営」の詳細については、「共創経営レポート2023」「VISION BOOK2050」をご覧ください。共創経営レポート(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/i-report.html)VISION BOOK 2050(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/s-report.html)9■ 経営ビジョン&戦略ストーリー2031について2031年の創業100周年に向けて、「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定しています。経営ビジョンとして高い目標を掲げ、そこからバックキャスティングして戦略ストーリーを構築し、ビジョン・インパクト・事業戦略を連動させることで社会的価値の創出を実現していきます。1)経営ビジョン当社グループでは、2031年に向けた経営ビジョンとして「『好き』が駆動する経済」を掲げました。「好き」が駆動する経済とは、「機能と価格」という2軸で規定される「コスパ経済」の対極に位置する概念であり、一人ひとりの感情や価値観、つまり「好き」が原動力となるもう一つの経済のあり方です。この経営ビジョンの実現に向けて、これまでの小売・フィンテック・未来投資による三位一体のビジネスから、「好き」を中心に、小売やフィンテック、共創投資のノウハウ、そして、店舗やクレジットカードなどのアセットを活用する「好き」を応援するビジネスへと転換していきます。この「好き」を応援するビジネスを軸に、社会的なインパクトと利益の両立をめざすとともに、高成長と高還元の実現をめざします。2)戦略ストーリー2031「『好き』を応援するビジネス」を通じてめざすインパクトと、その実現に向けた戦略は以下のとおりです。(「好き」を通じて誰かのため、社会のためへと広がる消費)・「好き」を応援するビジネスの目的は、「好き」を応援することで「自分のため」の消費が「誰かのため」となり、やがて「社会のため」へと広がっていくことでインパクトと利益を両立させることにあります。10・当社グループの「好き」を応援するカードでは、ご利用を通じて応援したい相手に寄付ができるカードの会員が拡大しており、「誰かのため」に「寄付・応援」することにしあわせを感じる新しいタイプの消費者が、今後もますます増えていくと予想されます。・新しいタイプの消費者にお応えすることで差別化戦略を進め、「好き」を応援するカードの会員数を2031年3月期には300万人まで拡大し、2041年3月期にはゴールドカードの会員数を上回ることをめざします。(「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメント)・当社グループはこれまで若者の自己実現を応援してきましたが、今後は「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメントを通じて、すべての人の自己実現を支援していきます。・これまでのフィンテックのビジネスでは、丸井の店舗がある大都市圏を中心とした地域で「信用の共創」によりクレジットカードを発行してきましたが、今後はその対象範囲を広げ、地域を問わず、「好き」を応援するカード・イベント・グッズをかけ合わせた「『好き』を応援するユニット」を軸に全国展開を通じて会員募集を行います。・また、今後拡大する自営業、スタートアップ、フリーランスなどの多様な働き方に対する「オーナーカード」、「ランサーズカード」、日本で働く外国人の方々に対する、協業を通じた「GTNカード」を含め、会員を拡大します。(支援戦略)・これまでの自主売場・PB商品に代わる新たな顧客接点として、コンパクトな面積で、高い集客力や会員募集力、客単価や利益率の向上が期待できる「好き」を応援するユニットを戦略の柱にインパクトと利益の両立を実現します。・このユニットに特化することで、従来の面積・人員を削減し、営業効率を高めます。さらに、全国の外部施設への出店も進め、店舗資産の効率的な活用と収益の向上を図ります。・また、当社グループはこれまでDXを通じた顧客体験の向上をめざして、UXの先進企業でもあるグッドパッチ社との合弁会社や新たに設立したマルイユナイトを通じて、専門人材の採用を進めるとともにアジャイルな開発体制を整備してきました。・今後はプロフェッショナル人材の活躍を通じて、デジタルのUXと「好き」を応援するユニットによるリアルの体験を融合した独自の体験価値を提供することでロイヤルカスタマー化を推進します。11(「フロー」を通じた創造性の発揮)・当社グループでは、能力と挑戦、創造性としあわせ、というビジネスにとって重要な要素を包括的にとらえることのできる「フロー」という概念に注目し、社員一人ひとりの働きがいと組織活力を高める取り組みを行ってきました。・今後は、「好き」を応援するコンクールなどを通じて自分の「好き」を仕事に活かす機会を増やし、創造性を発揮することで、アイデアやナレッジ、ノウハウなどの無形資産を活かしたビジネスを拡大し、2031年3月期までに無形資産比率を70%以上に高めることで企業価値の向上をめざします。(ソーシャル・イントラプレナーによる事業開発)・社外の起業家とのイノベーションの創出に加え、「会社にいながら社会を変えられるソーシャル・イントラプレナー(社内起業家)」の活躍を促すために、「好き」を応援するビジネスコンクールなど共創の場を通じて、丸井グループの強みと個人の「好き」を融合させることで、多様な「好き」を事業化していきます。・中長期的な人材育成のため「ソーシャル・イントラプレナー育成財団」を設立し、大学生、中高生向けに講座を提供します。将来的には受講者の当社グループへの入社やプロジェクトへの参加を通じ、当社グループの事業開発にも活かしていきます。(探究領域)・「好き」を応援するビジネスのグローバル化に取り組み、まずは「世界から見た『好き』の対象としての日本」というテーマで世界中から人材を募集し事業開発を進めます。123)リスク(金利上昇による金融費用増加への対応)・収益の増加を見込み、分割・リボ手数料については、2025年10月より手数料率を変更しています。・調達金利については、平均調達年限を短縮することで調達利率の低減を図るとともに、格付の向上をめざして格付機関との対話を強化し、金融費用の増加抑制に取り組みます。4)資本政策と株主還元(資本政策)・2031年3月期には、バランスシートが1.5兆円規模に拡大する見通しとなり、セグメント別では小売の自己資本比率が50%と、当社グループが最適とする35%から乖離が見込まれるため、300億円の資本最適化をすることで連結自己資本比率16%を目標にバランスシートの見直しを進めます。・株主還元方針については、2031年3月期に向けてROE15%以上をめざすことを鑑み、株主資本配当率(DOE)10%としています。・資本配分については、6年間の基礎営業キャッシュ・フロー3,500億円を、成長投資として既存事業に900億円、DX投資・事業開発などの未来投資に600億円、資本最適化に向けた自己株式取得に300億円、株主還元に1,700億円を配分する計画です。・人的資本投資として700億円を予定しており、これを含めた高成長に向けた投資額は、合計で2,200億円となります。□ 資本配分(26年3月期~31年3月期)(株主還元)株主還元については、適正な利益配分を継続的に実施することを基本方針とします。・配当については、EPSの長期的な成長に基づく継続的な配当水準の向上に努め、「高成長」と「高還元」の両立を図ります。・株主資本配当率(DOE)は10%程度を目安とし、長期安定的な増配の実現をめざします。・自己株式の取得については、最適資本構成、財務状況および株価水準等を総合的に勘案し、資本効率と株主利益の向上に向けて、適宜機動的に実施します。なお、取得した自己株式は原則として消却します。・配当の基準および自己株式取得の方針については、定期的に検証し適宜見直しを行います。135)KPI・2031年3月期におけるKPIはPBR3~4倍、EPS成長率は年率9%以上、TSR成長率は年率12%以上の高成長・高還元の実現をめざします。
(6)サステナビリティに関する考え方および取り組み■ 会社の考えるサステナビリティ<サステナビリティ全般>当社グループでは、2016年より環境への配慮、社会的課題の解決、ガバナンスへの取り組みがビジネスと一体となった未来志向のサステナビリティ経営への第一歩を踏み出しました。それまで取り組んできた「すべての人」に向けたビジネスを「インクルージョン(包摂)」というテーマでとらえ直したうえで、重点テーマを整理し、取り組みを進めてきました。これらの取り組みは、国連の持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」の実現にも寄与するものです。そして、2019年には本格的なサステナビリティ経営に向け、2050年を見据えた長期ビジョン「丸井グループビジョン2050」を策定し、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」ことを宣言しました。2021年には「ビジョン2050」に基づき、サステナビリティとWell-beingに関わる目標を「インパクト」として定義しました。インパクトは、「ビジョン2050」に定めた取り組みをアップデートし、「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『しあわせ』を共に創る」「共創のエコシステムをつくる」という共創をベースにした3つのテーマを定めました。2025年には新たに「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定し、「好き」が駆動する経済の実現に向けて、インパクトを「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『好き』が駆動する経済を創る」「働く人の『フロー』を生み出す社会を創る」の3つのテーマに再定義しています。これらを踏まえ、ビジネスを通じて社会課題の解決と利益の両立をめざし、「インパクト」と「利益」の主要な取り組み項目を主要KPIとして設定しています。具体的な指標は「4)指標と目標」に記載しています。当社グループは、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)基準への準拠に向けて、Scope3排出量算定の高度化や気候関連シナリオ分析などのサステナビリティ開示の充実を進めています。現時点ではSSBJ基準のすべての要求事項に準拠していませんが、2029年3月期までの準拠を目標として取り組んでいます。なお、本開示は連結ベースで重要性に基づき作成し、サステナビリティ関連財務開示の信頼性向上のため、以下の体制により内部統制を実施しています。具体的には、温室効果ガス排出量等の環境および社会データの外部第三者機関による検証の実施や各拠点からのデータ収集および本社レビュー体制の構築、ESG委員会および金融リスク委員会による定期的なモニタリングなどを実施しています。141)ガバナンスすべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和と拡大に向け、ステークホルダーをインクルードした経営の仕組みづくりに着手します。ステークホルダーの求める利益としあわせを共に実現する共創ステークホルダー経営 経営に向けて、ステークホルダーをボードメンバーに迎えることで、ガバナンス体制を進化させていきます。取締役会の監督のもと、サステナビリティマネジメント体制の強化に向け、2019年にサステナビリティアドバイザーおよび取締役会の諮問機関として「サステナビリティ委員会」を設置しました。同委員会は、外部有識者や将来世代を含むメンバーにより構成され、グループ全体のサステナビリティ戦略および取り組みについて未来志向の対話を深めるとともに、取締役会に対して積極的に報告・提言を行っています。また、「ESG委サステナビリティマネジメントの員会」では環境・社会課題の特定およびKPI管理を、「金融体制 リスク委員会」ではフィンテック事業における信用リスクおよび気候関連金融リスク等への対応を担い、組織全体で効果的なリスク文化を推進するための戦略を講じています。これらの委員会は相互に連携し、サステナビリティ関連リスクおよび機会を統合的に管理しています。なお、2026年には、事業戦略と一体となってインパクトを推進することを目的に、「サステナビリティ委員会」を「インパクト推進委員会」に改称しています。取締役会は、共創サステナビリティ経営の推進に向けた活動を適時検証するため、温室効果ガス排出量および削減の進捗、再生可能エネルギーの導入状況、新興リスクの特定および対応状サステナビリティ関連事項の監督況、ならびにインパクトと利益の両立をめざすインパクトKPIの進捗等について、年間4回以上報告を受け、監督を行っています。共創サステナビリティ経営の実効性を高めるため、取締役等の報酬のうち約30%を業績連動型株式報酬とし、その算定に財務指標およびサステナビリティ関連指標を組み込んでいます。具取締役等報酬におけるサステナビ体的には、ROE、EPS年平均成長率、TSRに加え、COリティ関連指標の組み込み2削減量および外部評価機関によるESG評価を業績連動係数の算定に用いることで、インパクトと利益の両立に向けた取り組みを経営陣のインセンティブと連動させています。2)戦略当社グループは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」ことをミッションとしています。金融と小売の融合を通じて、経済的な豊かさだけでなく精神的な豊かさとしての「しあわせ」を提供すること、一部の人たちだけでなく、すべての人が「しあわせ」になれる社会の実現をめざします。2050年を見据えた長期ビジョン「ビジョン2050」の策定に合わせ、当社グループが優先的に取り組むべき社会課題をインパクトとして定義しました。2025年からは、新たに「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定し、「好き」が駆動する経済をビジョンとして掲げ、これを実現するための戦略として「好き」を応援するビジネスを推進し、「好き」を通じて自分のための消費が「誰かのため」、「社会のため」へと広がることでインパクトと利益の両立をめざします。当社グループが取り組むべきことを3テーマ6つのインパクト目標として設定し、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」ビジョンの実現に向けた取り組みを進めることで、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会をめざします。これらのインパクトは、外部環境の変化を踏まえたリスク分析をもとに策定しており、インパクト推進委員会で議論した後、取締役会で承認されています。策定後は、インパクト推進委員会で検証・分析・進捗管理を行い、取締役会にてレビュー・評価を年に1回以上実施しています。各プロセスを踏まえ、インパクトマネジメントとして、①社会課題の特定、②インパクトテーマの15設定、③KPI(アウトプット・アウトカム)の設定、④財務価値への接続、⑤モニタリングおよび開示を実施しています。ⅰ.将来世代の未来を共に創る「脱炭素社会の実現」や「将来世代の事業創出の応援」により、地球と共存する持続可能な未来を将来世代につなげます。<自社排出の削減>温室効果ガス削減への取り組みとして、2019年9月に策定した新たな温室効果ガス削減の中長期目標は、国際的なイニシアティブである「Science Based Targets(SBT)イニシアティブ」により「1.5℃目標」として認定されました。さらに、2023年8月にSBTネットゼロ認定を取得しました。グループ全体の温室効果ガス削減目標は次のとおりです。2030年までに、2017年3月期比で・Scope1(※1)+Scope2(※2)を80%削減・Scope3(※3)を35%削減2050年までに2017年3月期比でグループ全体のScope1、2の合計およびScope3を90%削減し、残余分を炭素除去することでネットゼロを達成2026年3月期の実績・Scope1( 8,363 ト ン ) + Scope2( 19,587 ト ン ) 合 計27,950トン2017年3月期比 76.4%削減脱炭素社会の実現・Scope3(207,931トン)2017年3月期比 57.5%削減温室効果ガス排出量原単位(※4)は4.7(前年比85.6%)となりました。2018年7月にRE100に加盟し、2030年までにグループの事業で使用する電力を、すべて再生可能エネルギーにすることとしています。2026年3月期の再生可能エネルギー比率は81.2%となりました。
※1自社の燃料の使用による温室効果ガスの排出量※2自社の電力等の使用による温室効果ガスの排出量※3自社のバリューチェーンに関わる温室効果ガスの排出量※4温室効果ガス排出量(トン)/連結営業利益(百万円)にて算出<お客さまとの共創による社会排出の削減>当社グループは、株式会社UPDATER(旧みんな電力株式会社)と共に、「みんなで再エネ」プロジェクトをスタートしました。カード会員に対し、再エネ電力を簡単に申し込めるサービスを提供し、お客さまと共にCO2の社会排出削減に取り組みます。当社グループはこれまで、社外の起業家と共創投資を通じてイノベーションの創出をめざしてきました。今後はこれに加えて、社内起業家による事業創出に取り組みます。そのために、「会社にいながら社会を変えられるソーシャル・イントラプレナ将来世代の「事業創出」を応援 ー」という働き方を提唱し、広く発信していきます。中長期的な人材育成を進めるためにソーシャル・イントラプレナー育成財団を設立し、大学生、中高生向けに講座を提供します。将来的には卒業生の入社やプロジェクトへの参加を通じて当社グループの事業開発に活かしていきます。16ⅱ.一人ひとりの「好き」が駆動する経済を創る一人ひとりの「好き」の応援を通じて、個がエンパワーできる社会の実現を加速させます。動物保護団体に寄付できるエポスペットカードをはじめ、作家の創作活動に寄付できるヘラルボニーカード、山岳保全団体に寄付できるYAMAPエポスカード、再生可能エネルギーの生産者に寄付できるみんな電力エポスカードなど、「好き」を応「好き」を通じて誰かのため、援するカードを通じて応援したい相手に寄付できるカードのラ社会のためへと広がる消費インナップを増やしていきます。「自分のため」の消費が「誰かのため」になり、やがて「社会のため」に広がっていくことで、日本における寄付文化の醸成に貢献し、インパクトと利益の両立をめざします。当社グループは、これまで家具やファッションなど消費財の割賦販売を通じて若者の自己実現を応援してきましたが、今後は「好き」を応援する金融サービスを通じて、すべての人の自己実現を支援していきます。対象となるのは、自営業やスタートアップ、フリーランサーといった多様な働き方をする人たち、「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメそして日本で働く多くの外国人たちなどです。これらの人たちントの多くは「月給」に代表される定期的・安定的な収入ではなく、不定期で変動的な収入形態を持つため、クレジットカードを持つことができない人々が多数存在します。このような人たちを中心に、「好き」を活かした暮らしと仕事の可能性を開花させるための応援を推進していきます。ⅲ.働く人の「フロー」を生み出す社会を創る社員一人ひとりの働きがいや組織活力を高めるための取り組みを、フロントランナーとして推進していきます。世界中の優秀な人材を惹きつけ、その活躍を促進するため、ビジネスプロデュース推進室を設置しています。さまざまな雇用社内外に開かれた共創の場 形態を通じて、社内外からソーシャル・イントラプレナーを募り、「好き」が駆動する経済に向けた事業開発を進めていきます。当社グループは、能力と挑戦、創造性としあわせ、というビジネスにとって重要な4つの要素を包括的にとらえる「フロー」という概念に注目し、社員一人ひとりの働きがいと組織活力を高める取り組みを推進しています。具体的には、「『好き』を創造性を発揮する人・働き方応援するビジネスコンクール」などを通じて、自分の「好き」を仕事に活かす機会を増やし、創造性を発揮できる組織づくりを進めることで、アイデアやナレッジ、ノウハウなどの無形資産を活用したビジネスを拡大し、無形資産比率を70%以上に高めることで、企業価値の向上をめざします。3)リスク管理当社グループは、サステナビリティに関する課題を把握し評価するため、リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社の役員で構成されるESG委員会で議論された内容は、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議や、取締役会の諮問機関であるインパクト推進委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っています。企業戦略に影響する世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。17サステナビリティ経営の礎として、「グループ行動規範」を定め、そのもとに「丸井グループ人権方針」「丸井グループ安全衛生方針」「丸井グループ環境方針」等を定めています。外部環境の変化に対応し、デジタル化や技術革新による事業構造転換のさらなるスピードアップに向けて、CDO(Chief DigitalOfficer)を配置しています。また、情報セキュリティリスクへの対応を強化するため、情報セキュリティ委員会を設置し、グループ全体の情報資産などを保護・管理する最高セキュリティ責任者としてCSeO(Chief Security Officer)を配置しています。さらに、今後の金融事業におけるリスク対応を強化すリスクマネジメントの推進 るため、金融リスク委員会を設置し、マネー・ローンダリングへの対応をはじめとした法令・規制・ガイドラインのコンプライアンスや不正利用への対応など、組織全体で効果的なリスク文化を推進するための戦略を講じています。サステナビリティ経営における高リスク分野の管理向上を図るため、各委員会の統括機能として、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議にて、当社グループのリスクを統合的に管理しています。規範・各種方針は、実効性を年1回検証するとともに、研修などを通じてグループ社員へ周知を図っています。今後も毎年、検討および見直し等を行い、時代に合わせたリスクマネジメントを推進していきます。4)指標と目標当社グループは、社会的・環境的なインパクトの創出を通じた持続可能な価値創造をめざし、インパクト測定・評価マネジメントを導入しています。2031年3月期においては、共創を基盤とした以下の3つのテーマ「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『好き』が駆動する経済を創る」「働く人の『フロー』を生み出す社会を創る」を掲げ、具体的な取り組みを推進していきます。早期のインパクトKPIの達成に向け、グループ各社・各部が中期計画を策定し、経営層へ進捗を報告する会議にて、年1回モニタリングを実施しています。さらに、毎期実施するステークホルダーとの対話やビジネスを通じた社会実験を通じて、インパクトを特定し、改善に取り組んでいます。<気候変動への取り組みとTCFDへの対応>気候変動は、もはや気候危機としてとらえるべきことであり、当社グループは、重要な経営課題の一つと認識し、パリ協定が示す「平均気温上昇を1.5℃に抑えた世界」の実現をめざしています。「丸井グループ環境方針(2022年3月改定)」に基づき、パリ協定の長期目標を踏まえた脱炭素社会へ積極的に対応すべく、ガバナンス体制を強化するとともに、事業への影響分析や気候変動による成長機会の取り込みおよびリスクへの適切な対応への取り組みを推進しています。当社グループはFSB(金融安定理事会)により設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タ18スクフォース)による提言に賛同し、有価証券報告書(2019年3月期)にて、提言を踏まえ情報を開示しました。さらに分析を重ね、有価証券報告書(2020年3月期)にて、気候変動による機会および物理的リスク等の内容を拡充しました。今後も情報開示の充実を図るとともに、TCFD提言を当社グループの気候変動対応の適切さを検証するベンチマークとして活用し、サステナビリティ経営を進めていきます。1)ガバナンス気候変動に関わる基本方針や重要事項等を検討・審議する組織として、取締役会の諮問機関であるインパクト推進委員会を設置しています。また、関連リスクの管理水準の向上を図る機関としてESG委員会を設置し、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議を通じて、当社グループ全体のリスク管理を行っています。事業戦略の策定や投融資等に際しては、こうした体制をもとに「丸井グループ環境方針」や気候変動に係る重要事項を踏まえ総合的に審議し決定することで、気候変動に関するガバナンスの強化を進めていきます。2)戦略(事業のリスクと機会)気候変動による世界的な平均気温の4℃上昇が社会に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することをめざす取り組みへの貢献が重要であると考えています。2℃以下シナリオ(1.5℃目標)への対応力を強化すべく、気候関連のリスクと機会がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定を進めています。当社グループは、フィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスを推進していきます。気候変動は、台風・豪雨等の水害による店舗・施設等への被害や規制強化にともなう炭素税の導入による費用の増加等のリスクが考えられます。一方、消費者の環境意識の向上に対応した商品・サービスの提供や環境配慮に取り組む企業への投資は当社グループのビジネスの機会であるととらえています。(財務的影響の分析・算定)事業への財務的影響については、気候変動シナリオ等に基づき分析し2050年までの期間内に想定される利益への影響額として項目別に算定しています。リスクについては、物理的リスクとして、気温上昇が1.5℃以下に抑制されたとしても急性的に台風・豪雨等での水害が発生しうると予測しています。店舗の営業休止による不動産賃貸収入等への影響(約19億円)および建物被害(約30億円)、被災地におけるクレジットカードの貸倒率上昇によるコスト影響(約0.5億円)を算定しています。移行リスクとしては、将来のエネルギー関連費用の増加を予測し、再生可能エネルギーの調達コストの増加(約8億円)および炭素税導入による増税(約22億円)を算定しています。機会については、環境意識が高い消費者へのライフスタイル提案による店舗収益への影響(約19億円)およびカード会員の増加による長期的収益(約26億円)、環境配慮に取り組む企業への投資によるリターン(約9億円)を算定しています。カード会員の再生可能エネルギー電力の利用によりリカーリングが増加しゴールドカード会員化につながることでの長期的収益(約20億円)、業界平均を下回る低貸倒率を維持する独自の与信システムにより、災害時の貸倒償却額を抑制(約0.2億円)、電力小売事業への参入による調達コストの削減(約3億円)および炭素税の非課税(約22億円)を算定しています。今後もさまざまな動向を踏まえ定期的に分析し、評価の見直しと情報開示の充実を進めていきます。19(前提要件)対象期間 2020年~2050年対象範囲 丸井グループの全事業気候変動シナリオ(IPCC・IEA等)に基づき分析項目別に対象期間内に想定される利益影響額を算定算定要件リスクは事象が発生した際の影響額で算定機会は原則、長期的な収益(LTV)で算定公共事業等のインフラ強化やテクノロジーの進化等は考慮しない(気候変動によるリスクおよび機会)世の中の 丸井グループの 利益リスクの内容変化 リスク 影響額営業休止による不動産賃貸収入等への影響 約19億円店舗の営業休止物理浸水による建物被害(電源設備等の復旧) 約30億円台風・豪雨等的による水害リシステムセンターシステムダウンによるグループ全体の 対応済
※1スの停止 営業活動休止 ※2ク貸倒コストへの被災地におけるクレジットカードの貸倒率上昇 約0.5億円影響再エネ需要の 約8億円移再エネ価格の上昇 再エネ調達によるエネルギーコストの増加増加 (年間)行リ政府の約22億円ス環境規制の 炭素税の導入 炭素税による増税(年間)ク強化世の中の 丸井グループの 利益機会の内容変化 機会 影響額約19億円環境配慮に取り組むテナント導入等による収益
※3サステナブルな約26億円ライフスタイルのサステナブル志向の高いカード会員の増加環境意識の ※4提案向上・環境配慮に取り組む企業への投資によるライフスタイ 約9億円リターンルの変化一般家庭の約20億円再エネ需要へのカード会員の再エネ電力利用による収益
※5機対応会低貸倒率により独自の与信システムにより業界平均を下回る台風・豪雨等抑えられた 低貸倒率により、災害時の最終貸倒償却額を 約0.2億円による水害貸倒の回避額少額に抑制電力調達の電力小売事業への 約3億円電力の直接仕入れによる中間コストの削減多様化 参入 (年間)政府の温室効果ガス排出量ゼロの達成による 約22億円環境規制の 炭素税の導入炭素税非課税 (年間)強化
※ 1 ハザードマップに基づき影響が最も大きい河川(荒川)の氾濫を想定(流域の2店舗に3カ月の影響)
※ 2 バックアップセンター設置済みのため利益影響は無いと想定20
※ 3 不動産賃貸収入の増加およびクレジットカード利用の増加※ 4 クレジットカードの新規入会や利用による収益を算定※ 5 リカーリング等でのゴールドカード会員の増加による収益を算定3)リスク管理当社グループは、グループの事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社の役員で構成されるESG委員会で議論された内容は、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議や、取締役会の諮問機関であるインパクト推進委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っています。企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。4)指標と目標・温室効果ガスの削減については、グループ全体の温室効果ガス削減目標「2030年までに2017年3月期比Scope1+Scope2を80%削減、Scope3を35%削減(2050年までに2017年3月期比Scope1+Scope2の合計およびScope3を90%削減)」が、2019年9月にSBTイニシアティブにより「1.5℃目標」として認定されています。・2030年までにグループの事業活動で消費する電力の100%(中間目標:2025年までに70%)を再生可能エネルギーから調達することを目標として、2018年7月にRE100に加盟しています。■ 会社の考える人的資本経営当社グループでは「人の成長=企業の成長」という理念のもと、継続的な企業価値向上をめざし、2005年より企業文化の変革に取り組んできました。企業文化の変革に向けて、「企業理念」「対話の文化」「働き方改革」「多様性の推進」「手挙げの文化」「グループ会社間職種変更異動」「パフォーマンスとバリューの二軸評価」「Well-being」等の施策を同時進行で進めてきました。当社グループの「人的資本経営」のパフォーマンスデータについては、「ESGデータブック」の「社会(Social)」のカテゴリーをご覧ください。ESGデータブック(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/databook.html)<企業文化変革のための取り組み>ⅰ.企業理念当社グループの人的資本経営は「人の成長=企業の成長」という経営理念が根本となっています。この理念について、働く理由や会社に入って成し遂げたいことなどを対話の場を設けて話し合うことで、会社のパーパスと個人のパーパスのすり合わせを行い、10年以上で4,500名以上の社員が参加しました。その結果、理念を共有できない人が退職したことで一時的に退職率は上がりましたが、その後は低水準で定着しており、2026年3月期の退職率(定年退職者を除く)は3.6%となりました。また、入社3年以内の離職率は約17%と世の中の平均を大きく下回る水準で推移しており、会社と個人との「選び選ばれる関係」の基盤が構築されています。ⅱ.対話の文化かつての一方通行から、双方向のコミュニケーションを通じた「対話の文化」が醸成されてきました。「1.安全な場宣言から始める」「2.特に目的を定めない」「3.結論を求めない」「4.傾聴する」「5.人の発言を受けて発言する」「6.人の意見を否定しない」「7.間隔を置いて熟成させる」の7つの目安に沿って、会議やミーティングは必ず対話を交えて行われています。21ⅲ.働き方改革働きやすい環境の実現のみならず、仕事の本質を「時間の提供」から「価値の創出」と考える企業文化の転換をめざしています。社員によるプロジェクト活動の結果、2008年3月期には月間11時間だった1人当たり残業時間は、2026年3月期では約6.0時間まで大幅に減少しました。ⅳ.多様性の推進2014年から「男女」「年代」「個人」の3つの多様性を掲げ、組織改革を推進しています。「男女」の多様性については、2014年3月期から女性活躍推進のプロジェクトをスタートし、「女性イキイキ指数」という独自のKPIを掲げて取り組みを進めた結果、2026年3月期では男性社員の育休取得率が8年連続で100%を達成し、さらに女性の上位職志向も57%まで向上しました。2022年3月期からは新たに「男性の産休取得」と「男女の性別役割分担の見直し」にも着手しています。ⅴ.手挙げの文化10年以上にわたり、社員が自ら手を挙げて参画する「手挙げの文化」づくりを進めてきました。手挙げの文化の目的は、社員一人ひとりの自主性を促し、自律的な組織をつくり、イノベーションを創出する企業になることです。「公認プロジェクト・イニシアティブ」「中期経営推進会議」など、幅広い手挙げの機会を設け、2026年3月期では自ら手を挙げて参画した社員の割合は9割を超えました。ⅵ.グループ会社間職種変更異動社員の手挙げに基づいて、当社グループ内のさまざまな事業を跨ぐ「グループ会社間職種変更異動」を2013年から本格的に推進し、2026年3月期までに、全グループ社員の約87%が職種変更を経験しています。2016年実施のアンケートでは、約86%が「異動後に成長を実感した」と回答しており、個人の中の多様性とレジリエンス力が育まれています。今後は、共創投資先を中心に他企業への出向にも拡げ、より変化に強い人材の育成を進めます。22ⅶ.パフォーマンスとバリューの二軸評価人事評価制度においては、業績に基づく評価だけでなく、バリューに関わる上司、同僚、部下からの360度評価を実施することで、「人の成長」という企業理念の実現をめざします。ⅷ.Well-being当社グループでは、一人ひとりがやりがいを持ってイキイキと仕事に取り組める活力のある組織をめざして、2016年からWell-beingに取り組んでいます。CWO(チーフウェルビーイングオフィサー)で常務執行役員の小島玲子氏が中心となり、「幹部向けのレジリエンスプログラム」や社員の手挙げによる「Well-being推進プロジェクト」を通して、組織の中での一人ひとりのしあわせを実現していきます。<企業文化変革を通じた社員エンゲージメントの向上>当社グループ独自の取り組みを含む8つの施策を通じて、経営のOSである企業文化を新しいOSへと更新してきました。また、これらの施策の結果、社員のエンゲージメントが高まりました。当社グループが独自に計測しているエンゲージメント指標を2012年と2025年で比較すると、仕事での「期待」は46%から80%へ、職場での「尊重」は28%から69%へ、自分の「強みを活かす」は38%から61%へと、それぞれ大幅に改善しました。231)戦略当社グループは、2019年に策定したビジョン2050で「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを掲げています。企業文化の変革によって、このビジョンの実現に向けたイノベーションが創出できるようになりましたが、これらはまだ小さな「芽」にすぎません。インパクトと利益という「双葉」をつけたこれらの「芽」を増やし、成長させることで、大きな樹に育て上げ、たくさんの果実を実らせることで、「社会課題解決企業」へと進化していきます。「利益追求」と「社会課題解決」の2つを両立するための高いハードルをクリアするためには、一人ひとりの「創造力」を全開にすることが不可欠であり、そのために「仕事を通じてフロー体験できる」組織づくりに取り組みます。「フロー」は心理学者のチクセントミハイが提唱する概念で、人が能力と挑戦のレベルが釣り合っている時にしばしば体験する、「時を忘れ、我を忘れて」没頭する状態のことを指します。人はフローを体験することで、創造力をフルに発揮することができ、それによって高いハードルを乗り越え、成長することができます。また、フローはその体験自体が「しあわせ」をもたらします。「仕事を通じてフローを体験できる組織」を創ることで、めざす姿の実現と働く一人ひとりのしあわせの両立をめざします。そのために「働き方と組織のイノベーション」と「DXの推進」の2つの取り組みを進めます。24(働き方と組織のイノベーション)働き方と組織のイノベーションでは、プロジェクト型の働き方と組織づくりを促進します。インパクトを実現したいという思いを持った社員が自ら手を挙げ、グループ会社の枠を超えて集まり、プロジェクト的に働くことでイノベーションを進めてきましたが、このような働き方はこれまで例外的でした。今後は、プロジェクト型を例外ではなく、当たり前の働き方として広げていきます。ⅰ.公認イニシアティブの拡大インパクトと利益を両立させ、さまざまなテーマを設定した「公認イニシアティブ」を当期の14テーマのうち、6テーマは活動を終了し、4テーマは事業会社へ移管、4テーマは活動を継続します。翌期は、さらに10テーマ追加し、14テーマで活動します。各テーマについて自ら手を挙げて集まったメンバーが、社内外の枠を超えてプロジェクト的に活動することでイノベーションを創出します。ⅱ.課長のいない組織人と組織の管理を担う課長が、組織の長ではなく、チームのサポーターとして、上から横に回ることで、一人ひとりのメンバーが自立自走するフラットな組織を創り、チームとしての創造力を促します。25ⅲ.早期管理職登用人事制度を改定し、「企業価値向上への貢献が期待できる人材」には、「人的資本投資」として早期昇進を後押ししています。旧制度では管理職への登用が可能となる年齢は最短39歳でしたが、現在では最短25歳での管理職登用が可能となっています。若手の優秀な人材が早期に活躍できる舞台を用意することで、イノベーションの創出を加速します。(DXの推進)DXにおいて、現状とめざす姿のギャップを埋めるためには、デジタルの力を活かすことが欠かせません。デジタルのレバレッジとスピードを活用し、高速に仮説検証を繰り返すことが不可欠です。ⅰ.Mutureによる専門人材の採用2022年4月、UXデザインの先進企業であるグッドパッチ社との合弁会社Mutureを設立し、当社グループのブランドでは採用できなかった高度な専門人材の採用を開始しました。業界でも有数の人材が続々と参画しており、ライフスタイルアプリやOMEMIEの開発に貢献しています。ⅱ.CDXOの招聘Mutureを通じた専門人材の活躍でプロダクトの開発は大きく進展しましたが、これを全社的に拡げ、継続的に進化させるためには、部門横断で連携の取りにくい縦割型の意思決定プロセスや組織構造を変革する必要がありました。そこで、アジャイルな組織開発を推進するため、組織開発に関する高度な知見を持ち、デジタルの専門家と経営者の双方の視点を併せ持つ株式会社グッドパッチ社の土屋尚史氏を、2023年6月に執行役員CDXO(チーフデジタルトランスフォーメーションオフィサー)として招聘しました。また、デジタル領域における経営体制の強化をはかるため、2026年6月に同氏は取締役に就任しました。26ⅲ.テックカンパニーの設立アジャイルなプロダクト開発の推進・波及を目的に、2024年9月、新会社マルイユナイト(marui unite) を設立しました。プロダクト開発のテック専門組織としてグループの事業会社と一体となり、新たな体験価値の創出をスピード感をもって実現していくことで、当社グループのDXによる変革を後押ししていきます。ⅳ.CTOの新設DXのさらなる推進に向け、2026年4月に新たにCTO(チーフテクノロジーオフィサー)を設置しました。エンジニアとしてAI・ディープラーニングの知見を持ち、スタートアップでCTOの経験を持つ、巣籠悠輔氏が執行役員CTOに就任しました。CTOを中心に、グループ全体のプロダクトの方向性を策定するとともに、プロダクト開発のプロセスを進化させることで「好き」を応援するビジネスを後押しし、企業価値の向上につなげていきます。v.DXビジョン&戦略委員会の設置企業価値の持続的な向上に向け、グループ全体および各事業のDXにおけるビジョンおよび戦略課題について検討・提言することを目的に、2025年10月から取締役会の諮問機関としてDXビジョン&戦略委員会を新設しました。委員長にはCDXOで取締役執行役員の土屋尚史氏、委員にはCTOで執行役員の巣籠悠輔氏が就任しています。取締役と外部有識者が参画することで多様な視点から議論を実施し、取締役会への報告・提言を行います。■ 人的資本投資当社グループの人的資本経営において、「人的資本投資」はイノベーションを起こしやすい組織風土づくりを通じて、中長期的な企業価値向上につながる「当社グループ独自の新規事業」や「新サービス」を創出すると考えています。この人的資本投資には、従来は人材投資としていた教育・研修費に加え、新規事業に係る人件費や共創チームの人件費、グループ会社間職種変更異動した社員の1年目の人件費など、中長期的に企業価値向上につながる費用項目を含めています。当期第1四半期の人的資本投資は29億円に拡大しました。2)ガバナンス経営戦略と人材戦略の連動を図るため、2022年4月から取締役会の諮問機関として、人材戦略委員会を設置しています。委員長にはCHRO(チーフヒューマンリソースオフィサー)で執行役員の長棹淳氏が就任しています。人材戦略委員会は戦略検討委員会と連携し、人材戦略を取締役会に提言する役割を果たします。273)リスク管理当社グループの成長は、社員一人ひとりの成長や活躍により実現できると考えています。今後、人材獲得競争の激化や既存社員の流出、それにともなう将来の経営人材の不足等が顕在化した場合、事業の進化や継続性に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、すべての社員が自ら手を挙げてチャレンジできる風土をベースとした、将来の企業価値の源泉となる無形資産としての人的資本投資を重視しています。公募型の教育・研修プログラムはもとより、対話を通じてグループ経営にとって重要なテーマを考える「グループ公認プロジェクト」や一人ひとりが創造性を発揮し、価値を創出することを目的とした「グループ公認イニシアティブ」、経営に革新を起こせる人材を育成する「次世代経営者育成プログラム(共創経営塾:CMA)」の実施、さらにスタートアップ企業への出向など、計画的な人材投資により、さまざまな視点から、成長とやりがいを実感できる環境づくりを進めています。人材獲得に向けて、新卒採用においては長期インターンシップ等の新たな手法を積極的に活用することで、優秀な学生と早期に接点を設け、当社とのエンゲージメント向上につなげています。中途採用については、フィンテックやEC事業のさらなる拡大に向け、これまで社内育成を行ってきた基幹系システム人材に加え、UI/UXにスピーディに対応すべくWeb系システム人材の採用を推進しています。採用確保に向けては、丸井グループの独自のビジネスモデルや成長戦略を採用市場にて明示するとともに、2022年に立ち上げたUI/UXデザインの先進的企業であるグッドパッチ社との合弁会社Mutureを通じた、UI/UXデザインの専門性を持つ人材の採用を行っています。また、デジタル顧客接点におけるアジャイルなプロダクト開発の推進・波及を目的として2024年9月に立ち上げた新会社マルイユナイトでは、DXによる変革を加速するために、エンジニアリング領域などで活躍するデジタル人材の採用を積極的に進めていきます。4)指標と目標更なる企業文化の変革に向け、自ら「社会実験企業」を宣言することで、「失敗を許容し、挑戦を奨励する」文化を育みます。そのために、行動KPIとして、チャレンジに向けた「打席数」や「試行回数」などを設けています。「たくさん実験して、早く失敗することで、成功のためのノウハウを蓄積する」 fail fast,fail forwardを奨励し、イノベーションを創出し続ける企業をめざします。当社グループの2017年3月期から2021年3月期までの5年間の人的資本投資は320億円です。一方で、同期間に創出された、アニメ事業や家賃保証、共創投資などの新たな事業による限界利益をリターンとみなすと、2017年3月期から2026年3月期までの10年間に生み出された限界利益は566億円でした。投資採算、資本効率に関しては、IRRによるリターンを算出する測定モデルを用いており、2026年3月期までを投資回収期間とするとIRRは13.4%となり、株主資本コストを上回りました。この測定モデルをもとに効果検証を継続しながら、企業価値向上につながる人的資本投資をさらに推進していきます。28人的資本投資のIRR13.4%は、店舗などを中心とした有形投資のハードルレートである10%を上回っています。今後は実効性を高めつつ人的資本投資を5年間で700億円以上に拡大することで、高効率な経営を実現します。29
本記事は各社が開示した決算短信の記載を機械的に抽出・比較し、AIが要約したものです。数値・表現は原資料をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。