通期・四半期とも見出し構成に変化はなく、分量増加は主に新たなM&A・事業再編イベントの説明追加によるもので、粒度は前年と同等。
調査の概要
本記事は、東証プライム市場の時価総額上位500社を対象に、決算短信の「経営成績等の概況」相当部分の記載がどう変化したかを調べた調査の一部で、大日本印刷分です。
通期: 2025年3月期決算短信 と 2026年3月期決算短信(開示日: 2025年5月13日 → 2026年5月13日)
四半期: 2026年3月期 第1四半期決算短信 と 2027年3月期 第1四半期決算短信(開示日: 2025年8月8日 → 2026年8月7日)
ここでいう定性文とは、決算短信のうち「1. 経営成績等の概況」相当の見出しから、次の大見出しの手前までの記述を指します。文字数は、タイトル名(『』)を除外し、空白を除いて計測しています。
通期決算短信の比較
文字数: 9,318字 → 9,595字(前期比+3%、増加)
見出し構成の変化: 変化なし
粒度の判定: 同等
セグメント情報注記: あり(1029字) → あり(1132字)
変化の型: 出来事型
増えた要素
- 情報セキュア関連の海外M&A(Rubicon SEZC株式取得、2025年7月連結子会社化)
- セールスプロモーション分野の組織再編(2025年10月)
- Turing(チューリング)株式会社との資本業務提携
- モビリティ関連と生活空間関連の事業統合(2025年10月)
- 財務戦略における政策保有株式の売却・計画的な自己株式取得の説明
- 半導体製造用フォトマスクへの300億円規模の設備投資計画(数値追加)
減った要素
- 光金属工業所・レゾナック・パッケージング買収の経緯の詳細説明
- 新光電気工業株式会社への出資完了の記述
- Rapidus株式会社への具体的な言及
要約: 見出し構成は(1)〜(5)で前年と同一(前年データの「(1)会社の経営の基本方針」は本文中の参照文言の誤検出で実際の見出し追加ではない)。分量増加は主にRubicon株式取得、事業統合、資本業務提携など今期起きたM&A・組織再編イベントの説明追加によるもので、要因分析や数値の粒度自体は前年と同程度。
四半期決算短信の比較
文字数: 3,613字 → 4,044字(前期比+11.9%、増加)
見出し構成の変化: 変化なし
粒度の判定: 同等
セグメント情報注記: あり(283字) → あり(452字)
変化の型: 出来事型
増えた要素
- AUSTRIACARD HOLDINGS AGの公開買付けによる取得決定(2026年5月)
- 講談社等とのインド合弁出版社「Kodansha India」設立
- 海外向けブランド「AN-IPPON」の立ち上げ
- 自治体向け「居場所づくりプラットフォーム」の展開
減った要素
- 「メタバース役所」へのAIチャットサービス実装の具体的言及
- 光金属工業所・レゾナック買収に関する詳細な経緯説明
要約: 見出し構成((1)〜(3))は前年同期と同一。文字数増加は海外M&A決定や新会社設立など今期新たに生じた事象の説明追加が中心で、因果表現はむしろ減少しており分析の深化とは言えない。
定性文の全文(前期・今期)
通期 2025年3月期
出典: 大日本印刷 2025年3月期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2025年5月13日(https://www2.jpx.co.jp/disc/79120/140120250512542581.pdf)
1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況当連結会計年度におけるDNPグループを取り巻く状況は、国内の雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しやインバウンド需要の拡大等により、景気に緩やかな回復が見られました。一方で、株価・為替の急激な変動、地政学リスクの長期化、原材料や燃料等のコストの高止まり、米国をはじめとする各国・地域の政策動向、国内の物価上昇など、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。また、地球環境や人権問題等への対応、AI(人工知能)やXR(Extended Reality)等の先進技術などによって、ビジネスはより複雑かつ多様になり、競争も激化しています。DNPグループは、環境・社会・経済の急激な変化やリスクに対応するだけでなく、自らが長期を見据えて変革を起こし、「より良い未来」をつくり出す事業活動を展開しており、独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを掛け合わせ、多様なパートナーとの連携を深めて、事業領域の拡張と業績の向上に努めています。当年度は2023-2025年度の3か年の「中期経営計画」の2年目として、「事業戦略」「財務戦略」「非財務戦略」に基づく具体的な取り組みを通じて、持続的な事業価値・株主価値の創出に注力しました。事業戦略では、中長期にわたって強みを発揮できる事業ポートフォリオの構築を進めるとともに、注力事業領域を中心に新しい価値の創出を加速させています。財務戦略では、創出したキャッシュを事業のさらなる成長のための投資と株主還元に適切に配分していきます。非財務戦略では、「人への投資の拡大」「知的資本の強化」「環境への取り組み」を中心に推進し、サステナブルな成長を支える経営基盤の強化を図っています。三つの戦略のより詳細な内容は、【3.経営方針(2)中期経営計画 ②三つの戦略】に記載しています。また、常に経営環境の変化を見極めながら、グループを挙げて事業継続マネジメント(BCM)の徹底を図り、企業活動の持続的な推進に努めています。これらの結果、当連結会計年度のDNPグループの売上高は1兆4,576億円(前期比2.3%増)、営業利益は936億円(前期比24.1%増)、経常利益は1,159億円(前期比17.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,106億円(前期比0.2%減)となりました。・スマートコミュニケーション部門イメージングコミュニケーション関連は、写真プリント用の昇華型熱転写記録材が欧米市場で好調に推移しました。また、国内の証明写真サービスや欧米での撮影サービスの増加もあり、前年を上回りました。情報セキュア関連は、1つのICチップで接触型と非接触型の規格に対応可能なデュアルインター フ ェ イ ス カ ー ド 等 の I C カ ー ド が 堅 調 に 推 移 し た も の の、 B P O (Business ProcessOutsourcing)の大型案件が減少し、前年を下回りました。マーケティング関連は、長年培ったマーケティング施策の実績や知見とデジタルの強みを掛け合わせた価値の提供に努めましたが、紙媒体の市場縮小の影響もあり、前年を下回りました。出版関連は、図書館運営業務が受託館数の増加により堅調に推移したものの、雑誌等の市場縮小の影響などにより、前年を下回りました。なお、出版印刷事業は、意思決定の迅速化及び部門間の連携強化とともに、市場環境の変化の先取りをしていくため、2025年4月に組織再編を行い、製造・販売一体の事業推進体制に移行しました。コンテンツ・XRコミュニケーション関連のうち、コンテンツ関連は、国内外で人気の知的財産(IP:Intellectual Property)を活用した大型企画展の主催をはじめ、イベント・物販ビジネスや、日本のIPの海外展開など、新たな価値の創出に努めました。XRコミュニケーション関連は、専門の強みを持つ社外のパートナーとの連携などに力を入れています。こうした取り組みやDNPの先進技術などが高く評価され、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)における「日本政府館」のバーチャルパビリオンの企画制作に採択されました。今後も多様なパートナーとの共創を拡げ、仮想空間(メタバース)の活用を通じて、不登校の子どもの教育機会や居場所の創出など、社会課題の解決や体験価値の提供に向けてさらに事業を強化・拡大していきます。その結果、部門全体の売上高は7,155億円(前期比0.5%減)となりました。営業利益は、紙媒体等の市場縮小による減収の影響を受けたものの、為替のプラス効果、人的資本や固定資産の適正化などの事業構造改革により、346億円(前期比32.5%増)となりました。・ライフ&ヘルスケア部門モビリティ・産業用高機能材関連は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが、スマートフォンやタブレット端末等の新機種用を中心にIT向けの需要が伸長しました。一方、車載向けは、2024年10月以降に需要の回復が見られたものの、年間を通じて電気自動車(EV)市場の需要停滞の影響が大きく、前年を下回りました。太陽電池関連は、世界的な需要の高まりにより、封止材を中心に好調に推移しました。自動車用部材の加飾フィルムは、内装用製品の販売が好調に推移しました。M&Aも積極的に行っており、2025年1月に、多様な成形品製造技術を駆使して、独自の自動車部品や産業機器向けの加飾部品等の事業を手掛ける株式会社光金属工業所の完全親会社であるHKホールディング株式会社の全株式を取得しました。2025年2月には、二次電池外装材・包装材などを手掛ける株式会社レゾナック・パッケージング(株式会社DNP高機能マテリアル彦根に社名変更)の全株式を取得しました。各社とDNPグループが培ってきた経営資源や技術・ノウハウなどの強みを掛け合わせることで、顧客への対応力をさらに強化し、競争力を向上させていきます。包装関連は、原材料の値上げの影響を受けたものの、価格転嫁が進展したことに加え、スナックや日用品向け包材、ペットボトル用無菌充填システムなどが増加しました。また、「DNP環境配慮®パッケージング GREEN PACKAGING 」や各種機能性包材の開発・販売にも注力し、前年を上回りました。メディカル・ヘルスケア関連は、医療用パッケージの開発・販売に注力しました。また、メディカル・ヘルスケア業界向けの物流拠点として、2025年4月に、東京都に「小豆沢(あずさわ)センター」を開設しました。各企業が個別に行っている医薬品・医療機器の保管からセット作業、配送までをBPOとして請け負うことにより、低コストで物流の効率化を実現いたします。また、この施設は、商業印刷関連の製造拠点をメディカル物流向けに転用したもので、投資の効率化を実現するとともに、事業ポートフォリオの変革につながっています。®生活空間関連は、高い耐久性とデザイン性を両立させた外装材「アートテック」が国内外で好調に推移したものの、国内の新設住宅着工戸数(持家)の減少などによって住宅向け内装材が減少し、前年を下回りました。飲料事業は、北海道外のボトラーへの販売が減少したものの、主要な販売チャネルでの価格改定の効果や、自動販売機・コンビニエンスストア・Webサイトでの販売が好調に推移し、前年を上回りました。その結果、部門全体の売上高は4,960億円(前期比5.0%増)となりました。営業利益は、包装関連事業の売上増加に加え、固定費の圧縮等のコストダウン、為替のプラス効果なども寄与し、237億円(前期比78.2%増)となりました。・エレクトロニクス部門デジタルインターフェース関連は、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクが前期の旺盛な開発需要からの反動で減少したものの、光学フィルムが液晶テレビ用パネルの大型化にともなう出荷面積の拡大等で堅調に推移し、前年を上回りました。なお、当期は、福岡県北九州市の黒崎工場内に新設したメタルマスクの生産ラインが稼働を開始しており、タブレット端末やノートPC、車載デバイスでの有機ELディスプレイの採用拡大の状況を先取りしていきます。半導体関連は、市場の回復によって半導体製造用フォトマスクが堅調に推移し、前年を上回りました。その結果、部門全体の売上高は2,477億円(前期比5.3%増)となりました。営業利益は、デジタルインターフェース関連を中心に注力事業の売上が増加しましたが、メタルマスクの生産ライン増設による設備費増加の影響を受け、573億円(前期比1.4%減)となりました。
(2)当期の財政状態の概況当連結会計年度末の資産、負債、純資産については、総資産は、現金及び預金の増加や、退職給付に係る資産、有形固定資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ377億円減少し、1兆9,178億円となりました。負債は、未払法人税等の増加や、支払手形及び買掛金、繰延税金負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ98億円減少し、7,090億円となりました。純資産は、当期純利益による増加や、剰余金の配当、自己株式の取得、その他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額の減少などにより、前連結会計年度末に比べ279億円減少し、1兆2,087億円となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ160億円増加し、2,506億円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,686億円、減価償却費537億円などにより1,327億円の収入(前連結会計年度は725億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出570億円、投資有価証券の取得による支出878億円、投資有価証券の売却による収入1,193億円などにより367億円の支出(前連結会計年度は183億円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出648億円、配当金の支払額150億円などにより874億円の支出(前連結会計年度は1,186億円の支出)となりました。なお、DNPグループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期自己資本比率 (%) 57.2 58.2 59.4 59.6 59.2時価ベースの自己資本比率 (%) 35.7 41.3 52.9 57.2 49.9キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年) 2.6 1.9 3.9 2.3 1.2インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) 42.6 111.7 54.4 81.6 133.6(注)自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※ キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)今後の見通し経営環境の先行きとして、国内では深刻な人手不足や物価の上昇、為替の急激な変動などが懸念されています。また、米国による相互関税など、各国・地域の政策の動向や、中国経済の成長力の低下、長期化する地政学リスクなどによって、世界経済も不透明な状況が続くと想定されます。こうした状況のなか、DNPグループは、変化に受け身で対応するのではなく、長期を見据えて自らが「より良い未来」をつくり出していきます。2026年には、1876年の創業から150周年を迎える節目となり、今後のさらなる発展のために、「経営の基本方針」(詳細な内容は、【3.経営方針
(1)会社の経営の基本方針】に記載しています。)に沿って、中期経営計画の各戦略をさらに加速させていきます。3か年の中期経営計画の最終年度である2026年3月期の「連結業績予想」「セグメント別業績予想」「各セグメントの取り組み」は以下の通りです。<連結業績予想> (単位:百万円)2026年3月期対前期増減率売上高 1,500,000 2.9%営業利益 94,000 0.4%経常利益 105,000 △9.4%親会社株主に帰属する当期純利益 90,000 △18.7%<セグメント別業績予想> (単位:百万円)2026年3月期売上高 営業利益対前期 対前期増減率 増減率スマートコミュニケーション部門 730,000 2.0% 33,000 △4.8%ライフ&ヘルスケア部門 517,000 4.2% 28,000 17.7%エレクトロニクス部門 255,000 2.9% 57,000 △0.6%計 1,502,000 2.9% 118,000 1.9%調整額 △2,000 – △24,000 -合計 1,500,000 2.9% 94,000 0.4%<各セグメントの取り組み>スマートコミュニケーション部門イメージングコミュニケーション関連では、コーティング等の精密塗工技術を活かした昇華型熱転写記録材で世界トップのシェアを獲得しています。これらの写真プリント用製品や各種サービスを強みとして、フォトイメージング事業を国内外で展開しています。写真の楽しみ方は時代とともに変化し、近年は特にスマートフォンやSNSの利用が広がるなかで、写真のプリント(モノ)だけでなく体験(コト)の価値に対する生活者のニーズが高まっています。DNPグループはこうした動きに対し、高セキュリティな情報インフラと管理体制により個人情報を守りながら、写真の撮影から加工・プリント販売まで行うサービスや、クラウド型の画像販売サービスなどを幅広く開発・提供していきます。情報セキュア関連では、企業・団体等での業務効率化・人件費削減・コスト競争力強化などの需要を背景に、BPO事業の拡大に努めます。また、国内トップシェアのICカード事業等で培ったDNP独自のセキュリティ関連の強みを活かし、グローバルな情報社会に欠かせない認証サービスや多様な決済手段を安全・安心な形で提供していきます。コンテンツ・XRコミュニケーション関連のうち、コンテンツ関連では、国内外の多様なIPホルダーやクリエイターとのネットワーク、デジタルアーカイブや高精細画像処理の技術、版権処理の実績と信頼などを活かし、国内外で企画展等のイベントや商品開発、ゲーム機器開発などの事業を展開していきます。XRコミュニケーション関連では、各種サービスのキーとなる個人情報等の重要情報を安全に認証する強みや、ビジネスプロセスを統合・最適化させる強みなどを活かしていきます。リアルとデジタルの双方で大量のデータを安全かつシームレスにつなぎ、メタバースをはじめ、情報社会の進化と人々の体験価値の向上に貢献していきます。出版・教育関連では、honto電子書店や、電子図書館、教育ICT等の事業を一層推進していきます。出版印刷事業については、2025年4月に製造・販売一体の事業推進体制に移行し、意思決定の迅速化と部門間連携を強化するとともに、市場環境の変化に迅速かつ適切に対応していきます。ライフ&ヘルスケア部門当部門全体では、より強靭な事業ポートフォリオの構築に努め、「市場成長性・魅力度」と「事業収益性」がより高い事業へのシフトを加速させるとともに、拠点の再編やリソースの最適化なども進め、収益力を高めていきます。モビリティ・産業用高機能材関連では、世界トップシェアを獲得しているリチウムイオン電池用バッテリーパウチについて、車載向けの需要が、従来のEVからPHEV・HEVにも拡大すると見込まれており、これらの取り込みに注力していきます。また、全固体・半固体電池などの次世代電池に向けたパウチの開発も進めます。加えて、安全で快適な次世代モビリティ社会の実現に向けた製品・サービスの早期事業化などにも注力していきます。メディカル・ヘルスケア関連では、原薬製造・製剤・剤形変更・医療用パッケージ製造等の製薬サポート事業を中心に進めていきます。また、DNPグループ内の強みの掛け合わせや社外のパートナーとの協業によって、画像診断事業や次世代医薬品事業の成長を加速させていきます。また、意匠性と、抗菌・抗ウイルス性能や耐候性等の機能性を高めた生活空間関連の製品、酸素・水蒸気等のガス透過を防いで内容物を守るとともに環境に配慮して心豊かな暮らしをデザインする各種パッケージ、太陽電池の耐久性等を高める封止材など、多様な高付加価値製品の開発・提供に注力していきます。エレクトロニクス部門世界トップシェアの製品を多く展開している当部門では、積極的な設備投資によって各事業の拡大をさらに加速させていきます。DNP独自の強みを活かした業界最先端の製品開発や、国内外の企業との協業等によるサービス開発も行い、事業の拡大に努めていきます。デジタルインターフェース関連では、世界トップシェアの有機ELディスプレイ製造用メタルマスクの事業で、多様な情報端末への有機ELディスプレイ拡大のニーズを先取りしていきます。すでに黒崎工場(福岡県)の大型メタルマスクの生産ラインを稼働させることで、生産能力を従来の2倍以上にする対応を進めており、今後の需要拡大のなかでも安定的に事業を成長させていきます。また、反射防止用表面フィルム等の光学フィルムについても、世界トップシェアの強みを活かしていきます。テレビ等のディスプレイの大型化に対応し、三原工場(広島県)に広幅の製造ラインを増設する計画で(2025年度上期稼働予定)、この生産能力拡大によって一層の増産とシェア拡大を図ります。半導体関連のフォトマスクでは、生成AIの拡がりなどによってクラウド環境やデータセンター等での中長期的な半導体需要の拡大が見込まれるなか、マルチビーム描画機の増設やミドルエンド向け製品の生産能力拡大などの設備投資を行い(2023-2025年度に順次稼働)、売上を拡大させていきます。また、ロジック半導体等の最先端製品の製造プロセスであるEUV(Extreme Ultra-Violet:極端紫外線)リソグラフィに対応したフォトマスクの製造も推進します。Rapidus株式会社が参画する国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に再委託先として参画し、製造プロセスと保証に関わる技術を提供します。2025年度までには線幅2ナノメートル(nm:10億分の1メートル)世代の製造プロセスの開発を完了し、2027年度の量産開始に向けて生産技術を確立していきます。ベルギーに本部を置く最先端の国際研究機関imec(Interuniversity Microelectronics Centre:大学際微細電子工学中央研究団)とも引き続き協力し、1nm世代も見据えたフォトマスク製造技術を開発していきます。また、次世代半導体パッケージの重要部材「有機インターポーザ」「TGVガラスコア基板」等の開発を進めたり、光電融合といった次世代の技術に対応した事業の開発を進めるなど、社外のパートナーとのアライアンスを強化すること等により、半導体サプライチェーンへの提供価値の拡大に努めています。近年は、大手半導体メーカーがガラスコア基板の採用を公表したほか、チップレット等の次世代半導体技術が注目されており、DNPはこうした市場のニーズに対して新しい価値の提供を加速させていきます。2025年3月には、半導体パッケージ基板のメーカー大手である新光電気工業株式会社の株式取得を目的とする特別目的会社への出資が完了しました。DNPグループは、独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを掛け合わせるとともに、パートナーとの連携を強化して、この三つのセグメントの事業を拡大し、「より良い未来」の実現を加速させていきます。リアルとバーチャル、アナログとデジタル、モノづくりとサービスなど、ハイブリッドな強みを有し、それらを掛け合わせる「オールDNP」の相乗効果を発揮できることは、他にはない差別化要因となっています。こうした強みを最大限に活かし、XRやメタバース、AIや自動運転などの技術革新を追い風とし、情報セキュリティや国内の少子高齢化、環境・エネルギー等の社会課題の解決やメガトレンドの変化をビジネスチャンスと捉え、新しい価値を開発して国内外の生活者に提供していきます。
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当DNPグループは、持続可能なより良い社会、より心豊かな暮らしを実現することを通じて、長期的な成長を図るとともに、安定的な利益還元を実施することで、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの期待に応えることを経営の重要な施策の一つと位置付けています。利益の配分については、株主の皆様に安定的かつ継続的に行うことを基本とし、中長期の経営視点から、財務基盤の安定を維持しつつ、成長事業への投資と株主還元のバランスを考慮した上で、業績や配当性向などを総合的に勘案して実行していきます。また、将来の事業展開に備えて適切な内部留保を確保し、経営基盤を強化していきます。内部留保資金については、資金需要や市場動向を鑑みながら、今後の新製品・新サービス・新技術の開発投資、新規事業展開のための設備投資、戦略的提携やM&A、それらを支える人材への投資などに充当していきます。自己株式取得については、株主還元と資本の適正化を目的として、適宜適切に実施していきます。こうした施策は将来にわたる利益の増大に寄与し、株主の皆様への利益還元につながるものと考えています。この基本方針に基づき、当期の配当金については、期末配当金を1株当たり22円とさせていただく予定です。なお、当社は2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、この期末配当金を当該株式分割前に換算すると1株当たり44円に相当します。中間配当金(1株当たり32円)とあわせて、年間配当金は76円となり、前期の64円から12円の増配となります。これにより、当期の連結配当性向は、15.9%になります。2026年3月期の配当金については、中間配当金18円、期末配当金22円とさせていただき、年間配当金は40円となる見込みです。
通期 2026年3月期
出典: 大日本印刷 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2026年5月13日
1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況当連結会計年度におけるDNPグループを取り巻く状況は、国内のインバウンド需要の拡大や個人消費の持ち直しなどにより、景気に緩やかな回復が見られました。一方で、長期化・拡大する地政学リスクの影響や、米国をはじめとする各国・地域の政策動向、原材料費・人件費・物価の変動など、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。また、地球環境や人権に関わる課題の解決も、サプライチェーン全体で一層強く求められています。DNPグループは、こうした環境・社会・経済の変化やリスクに対応するだけでなく、長期を見据えて自らが変革を起こし、「より良い未来」をつくり出す事業活動を展開しています。独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを掛け合わせ、生成AIをはじめとする先進技術も活かし、多様なパートナーとの連携をさらに深めながら、事業領域の拡張と業績の向上に取り組んでいます。当年度は、2023-2025年度の中期経営計画の最終年度として、「事業戦略」「財務戦略」「非財務戦略」に基づく取り組みを通じて、持続的な事業価値・株主価値の創出に注力しました。「事業戦略」では、中長期的に強みを発揮する事業ポートフォリオを構築するとともに、市場成長性と収益性が高い事業を中心に価値の創出を加速させました。「財務戦略」では、創出したキャッシュを事業のさらなる成長投資と株主還元に適切に配分すべく、政策保有株式の売却、計画的な自己株式の取得を行いました。「非財務戦略」では、「人への投資の拡大」「知的資本の強化」「環境への取り組み」を中心に、サステナブルな成長を支える経営基盤の強化を図りました。その結果、当連結会計年度のDNPグループの売上高は1兆5,125億円(前期比3.8%増)、営業利益は1,010億円(前期比7.9%増)、経常利益は1,192億円(前期比2.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却にともなう特別利益の計上もあり、1,039億円(前期比6.1%減)となりました。・スマートコミュニケーション部門イメージングコミュニケーション関連は、新型プリンター関連の需要増加等が寄与して写真プリント用部材が欧米・アジア市場で好調に推移したほか、IDカード用インクリボンが市場回復などを背景に堅調に推移し、前年を上回りました。情報セキュア関連は、デュアルインターフェイスのICカード(ICチップ1つで接触型と非接触型の規格に対応)が前年から減少したものの、BPO(Business Process Outsourcing)の大型案件などがあり、当事業全体で前年を上回りました。また、本人情報を登録・認証する政府向けID認証サービスをアフリカ中心に提供し、Laxton(ラクストン)ブランドで事業展開しているRubicon SEZC(ルビコン)の株式を取得し、2025年7月より連結子会社として協業を開始しました。マーケティング関連は、企業向け施策の実績・知見とデジタルの強みを掛け合わせた価値の提供に努めましたが、紙媒体の市場縮小の影響もあり、前年を下回りました。なお、セールスプロモーション分野で、DNP独自の専門性や機能を集約・統合することによるグループ全体の機能の強化と事業運営の効率化、競争力の強化と持続的な成長を目的に、2025年10月にグループ会社間における組織再編を実施しました。出版関連は、雑誌等の市場縮小の影響を受けたものの、教育・研究施設、図書館等の設計・内装施工に関する大型案件の完工が増加したことや、図書館運営業務が好調に推移したことによって、前年を上回りました。コンテンツ・XRコミュニケーション関連のうち、コンテンツ関連は、国内外で人気の知的財産(IP:Intellectual Property)を活用した巡回型イベントや物販、日本発IPの海外展開など、新たな価値の創出に努めました。XRコミュニケーション関連では、教育分野や行政サービスを中心に地域連動XRサービスを充実させ、各自治体等への提供を進めています。今後も継続して、国内各地域とともに新しい価値を創出・発信するコミュニケーションモデルを構築していきます。その結果、部門全体の売上高は7,503億円(前期比4.9%増)となりました。営業利益は、人的資本や固定資産の適正化などの事業構造改革により、400億円(前期比15.4%増)となりました。・ライフ&ヘルスケア部門モビリティ・産業用高機能材関連のうち、産業用高機能材関連は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが、スマートフォンやタブレット端末等のIT向けで新製品を中心に販売が伸長し、前年を上回りました。一方で車載向けは、米国の政策変更によってEVの販売が落ち込むなど電池需要が低迷し、前年を下回りました。太陽電池関連は、引き続き各国・地域で太陽電池等の再生可能エネルギー導入の拡大が見込まれるなか、太陽電池の電極やセル等を保護する封止材の生産能力を従来の約2倍に増強する生産ラインを2025年10月に泉崎工場(福島県)に導入し、これによる増産効果も寄与して、前年を上回りました。モビリティ関連は、自動車向け加飾フィルムが、内装用を中心に堅調に推移し、前年を上回りました。塗装工程の短縮に寄与する、環境に優しい高意匠外装用製品の販売にも注力しました。また、株式会社DNP光金属を中心として、高い意匠性や精度が求められる操作・表示部向けの自動車用加飾成型部品を対象としたハイエンドHMI(Human Machine Interface)領域への事業拡大を進めています。加えて、Turing(チューリング)株式会社との資本業務提携により、完全自動運転に必要な製品・サービスの開発を推進し、モビリティを中心としたスマート社会の実現に貢献していきます。®生活空間関連は、高い耐久性とデザイン性を両立させた内・外装材「アートテック」及び国内向け内装材は前年並みで推移しましたが、海外向け内装材は市況悪化の影響等により、全体で前年を下回りました。なお、事業構造改革の一環で、2025年10月にモビリティ関連と生活空間関連の事業を統合し、“モビリティと住まいがつながるスマート社会”の実現に向けた体制を構築しました。今後も、「オールDNP」で強みを掛け合わせ、社会や生活者への対応力と事業競争力をさらに強化していきます。包装関連は、2026年1月以降、物価高騰を背景とした買い控えの影響を受けたものの、紙カップやチューブ容器などが好調に推移したほか、PETボトル用無菌充填システムの販売も増加しまし®た。また、「DNP環境配慮パッケージング GREEN PACKAGING 」シリーズをはじめとする機能性包材の開発・販売にも注力し、当事業全体で前年を上回りました。メディカル・ヘルスケア関連は、医療用パッケージが好調に推移したことに加え、医薬品の原薬事業・製剤事業も堅調に推移し、前年を上回りました。飲料事業は、自動販売機の業界がダウントレンドにあるなか、夏場の好天の恩恵に加え、価格改定が寄与し、量販店・飲食店・Webサイトでの販売が伸長したことで、前年を上回りました。その結果、部門全体の売上高は5,123億円(前期比3.3%増)となりました。営業利益は、固定費等のコストダウン、固定資産の適正化などの事業構造改革により、372億円(前期比56.6%増)となりました。・エレクトロニクス部門デジタルインターフェース関連は、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクが、2024年5月に黒崎工場(福岡県)で生産開始した第8世代サイズのガラス基板向け大型メタルマスクの寄与があったものの、半導体メモリ不足に起因するミドルローエンドのスマートフォン減産の影響を受けて、第4四半期に需要が減少しました。ディスプレイ用光学フィルムは、液晶テレビ用パネルの大型化にともなう出荷面積の拡大や、2025年9月に三原工場(広島県)で生産を開始した2,500mmの広幅対応のコーティング装置が寄与したことで、堅調に推移し、当事業全体で前年を上回りました。半導体関連は、市況が堅調に推移し、積極的な投資により事業を拡大したことで、前年を上回りました。引き続き、EUV(Extreme Ultra-Violet:極端紫外線)リソグラフィ用フォトマスクやナノインプリントなどの最先端領域への事業展開に取り組んでいきます。その結果、部門全体の売上高は2,518億円(前期比1.6%増)となりました。営業利益は、為替の影響に加え、半導体製造用フォトマスクの設備投資・開発投資によって固定費が増加した影響等もあり、507億円(前期比11.6%減)となりました。なお、次世代半導体パッケージ向けのTGV(Through Glass Via:ガラス貫通電極)ガラスコア基板のパイロットラインを久喜工場(埼玉県)に新設し、2025年12月に稼働を開始しました。本ラインで当製品の量産検証を行い、2026年1月から高品質なサンプルの提供を開始しています。
(2)当期の財政状態の概況当連結会計年度末の資産、負債、純資産については、総資産は、現金及び預金、のれん、退職給付に係る資産の増加や、投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べ1,162億円増加し、2兆341億円となりました。負債は、社債、繰延税金負債の増加や、支払手形及び買掛金、未払法人税等の減少などにより、前連結会計年度末に比べ579億円増加し、7,670億円となりました。純資産は、当期純利益による増加や、退職給付に係る調整累計額の増加、剰余金の配当、自己株式の取得、その他有価証券評価差額金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ583億円増加し、1兆2,671億円となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ70億円減少し、2,435億円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,555億円、減価償却費528億円などにより403億円の収入(前連結会計年度は1,327億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出600億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出227億円、投資有価証券の売却による収入578億円などにより736億円の支出(前連結会計年度は367億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出507億円、配当金の支払額178億円、社債の発行による収入1,000億円などにより233億円の収入(前連結会計年度は874億円の支出)となりました。なお、DNPグループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期自己資本比率 (%) 58.2 59.4 59.6 59.2 58.5時価ベースの自己資本比率 (%) 41.3 52.9 57.2 49.9 60.0キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年) 1.9 3.9 2.3 1.2 6.5インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) 111.7 54.4 81.6 133.6 20.3(注)自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※ キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)今後の見通し経営環境の先行きとして、国内の雇用・所得環境の改善や各種政策の効果等による緩やかな回復が期待される一方で、各国・地域の政策動向の変化や地政学的リスクの高まりなどにより、不透明な状況が続くと想定されます。こうした状況のなか、DNPグループは「経営の基本方針」に沿って、長期を見据えて自ら「より良い未来」をつくり出していきます。2026年度は、1876年の創業から150周年の節目となり、4月にスタートさせた新たな3か年の中期経営計画の各戦略(詳細は【3.経営方針(2)新中期経営計画】に記載)に取り組み、成長を加速させていきます。2027年3月期の「連結業績予想」「セグメント別業績予想」「各セグメントの取り組み」は以下の通りです。<連結業績予想> (単位:百万円)2027年3月期対前期増減率売上高 1,530,000 1.2%営業利益 108,000 6.9%経常利益 124,000 4.0%親会社株主に帰属する当期純利益 95,000 △8.6%<セグメント別業績予想> (単位:百万円)2027年3月期売上高 営業利益対前期 対前期増減率 増減率スマートコミュニケーション部門 742,000 △1.1% 43,000 7.5%ライフ&ヘルスケア部門 516,000 0.7% 39,000 4.7%エレクトロニクス部門 274,000 8.8% 54,000 6.5%計 1,532,000 1.2% 136,000 6.3%調整額 △2,000 – △28,000 -合計 1,530,000 1.2% 108,000 6.9%<各セグメントの取り組み>スマートコミュニケーション部門DNPはイメージングコミュニケーション関連で、コーティング等の精密塗工技術を活かした昇華型熱転写記録材で世界トップのシェアを獲得しています。これら写真プリント用の各種製品・サービスを強みとし、フォトイメージング事業を国内外でさらに展開していきます。近年は特にスマートフォンやSNSでの写真の利用が広がるなか、DNPは時代とともに変化する生活者の写真の楽しみ方やニーズを先取りし、写真のプリント(モノ)だけでなく体験(コト)の価値を高めていきます。高セキュリティな情報インフラと管理体制によって個人情報を守りながら、写真の撮影から加工・プリント販売まで行うサービスや、クラウド型の画像販売サービスなどを幅広く開発・提供していきます。情報セキュア関連では、企業・団体等の業務効率化・人件費削減・コスト競争力強化などの需要を背景に、BPO事業の拡大に努めます。また、国内トップシェアのICカード事業等で培ったDNP独自のセキュリティ関連の強みを活かし、グローバルな情報社会に欠かせない認証サービスや多様な決済手段を安全・安心に提供していきます。コンテンツ・XRコミュニケーション関連のうち、コンテンツ関連では、国内外の多様なIPホルダーやクリエイターとのネットワーク、デジタルアーカイブや高精細画像処理の技術、版権処理の実績と信頼などを活かし、国内外で企画展等のイベントや商品開発、ゲーム機器開発などの事業を展開していきます。XRコミュニケーション関連では、各種サービスのキーとなる個人情報等の重要情報を安全に認証する強みや、ビジネスプロセスを統合・最適化させる強みなどを活かしていきます。リアルとデジタルの双方で大量のデータを安全かつシームレスにつなぎ、仮想空間のメタバースをはじめ、情報社会の進化と人々の体験価値の向上に貢献していきます。出版・教育関連では、hontoブランドの電子書店に加え、電子図書館や教育ICT等の事業を一層推進していきます。出版印刷事業については、2025年4月に製造・販売一体の事業推進体制に移行し、意思決定の迅速化と部門間連携の強化を進めています。市場環境の変化に迅速かつ適切に対応できる体制となり、着実な成果につながっています。ライフ&ヘルスケア部門モビリティ・産業用高機能材関連で、世界トップシェアのリチウムイオン電池用バッテリーパウチについて、足元では北米を中心に車載向けの需要が低迷しているものの、ESS(Energy StorageSystem:電力貯蔵システム)分野に製品ポートフォリオを拡大することで、市場でのDNPのプレゼンス向上と競争力拡大を図っていきます。また、全固体電池・半固体電池などの次世代電池に対して、バッテリーパウチで培った材料設計や加工の技術を活用し、中長期的な成長を見据えた技術/製品・サービス開発を推進していきます。加えて、安全で快適な次世代モビリティ社会の実現に向け、車載関連の製品・サービスの開発・事業化にも注力していきます。メディカル・ヘルスケア関連では、原薬製造・製剤・医療用パッケージ製造等の製薬サポート事業を中心に展開していきます。また、DNPグループ内の強みの掛け合わせや社外のパートナーとの協業によって、医薬品の価値向上や治験、画像診断等の事業の成長を加速させていきます。また、意匠性に加え、抗菌・抗ウイルス性能や耐候性等の機能を高めた生活空間関連製品や、酸素・水蒸気等のガス透過を抑制し、環境に配慮した各種パッケージ、太陽電池の耐久性向上に寄与する封止材など、市場成長性・魅力度と事業収益性が高い付加価値製品へのシフトを加速するとともに、構造改革を継続的に推進して収益力を高めていきます。エレクトロニクス部門世界トップシェアの製品を多く展開している当部門では、積極的な設備投資によって各事業の拡大をさらに加速させていきます。DNP独自の強みを活かした業界最先端の製品開発や、国内外の企業との協業等によるサービス開発も行い、持続可能な事業の拡大に努めていきます。デジタルインターフェース関連では、世界トップシェアの有機ELディスプレイ製造用メタルマスクの事業で、多様な情報端末での有機ELディスプレイの採用ニーズを先取りしていきます。すでに黒崎工場(福岡県)で大型メタルマスクの生産ラインを稼働させて、生産能力を従来の2倍以上にする取り組みを進めており、今後の需要拡大のなかでも安定的に事業を成長させていきます。また、反射防止用表面フィルム等の光学フィルムでも、世界トップシェアの強みを活かしていきます。テレビ等のディスプレイの大型化に対応し、三原工場(広島県)に広幅の製造ラインを増設しており、こうした生産能力拡大によって一層の増産とシェア拡大を図ります。半導体製造用フォトマスクは、生成AIの普及などによってクラウド環境やデータセンターで中長期的な半導体需要の拡大が見込まれるなか、2026-2028年度の中期経営計画でも300億円規模で生産拡大に向けた設備投資を行い、売上を拡大させていきます。また、ロジック半導体等の最先端製品の製造プロセスであるEUVリソグラフィに対応したフォトマスクの製造も推進します。また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に再委託先として参画し、製造プロセスと保証に関わる技術を提供し、2027年度の量産開始に向けて生産技術を確立していきます。ベルギーに本部を置く最先端の国際研究機関imec(Interuniversity Microelectronics Centre:大学際微細電子工学中央研究団)とも引き続き協力し、1nm(ナノメートル:10億分の1メートル)世代も見据えたフォトマスク製造技術を開発していきます。さらに、次世代半導体パッケージの重要部材「TGVガラスコア基板」等の開発や、光電融合といった次世代の技術に対応した事業の開発など、社外のパートナーとのアライアンス強化によって、半導体サプライチェーン全体への提供価値の拡大に努めています。近年は、大手半導体メーカーがガラスコア基板の採用を公表したほか、チップレット等の次世代半導体技術が注目されており、DNPはこうした市場のニーズを先取りして、新しい価値の提供を加速させていきます。DNPグループは、「P&I」(印刷と情報)の独自の強みの掛け合わせと、パートナーとの連携の強化によって、全セグメントの事業を拡大し、「より良い未来」の実現を加速させていきます。リアルとバーチャル、アナログとデジタル、モノづくりとサービスなど、ハイブリッドな強みを掛け合わせる「オールDNP」の相乗効果をさらに発揮し、他社にはない差別化要因・競争力を高めていきます。こうした強みを最大限に活かし、XRやメタバース、AIや自動運転などの技術革新も追い風として、情報セキュリティや国内の少子高齢化、環境・エネルギー等の社会課題の解決やメガトレンドの変化をビジネスチャンスに転換し、新しい価値を開発して国内外の生活者に提供していきます。
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当DNPグループは、持続可能なより良い社会、より心豊かな暮らしを実現することを通じて、長期的な成長を図るとともに、安定的な利益還元を実施することで、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの期待に応えることを経営の重要な施策の一つと位置付けています。利益の配分については、株主の皆様に安定的かつ継続的に行うことを基本とし、中長期の経営視点から、財務基盤の安定を維持しつつ、成長事業への投資と株主還元のバランスを考慮した上で、業績や配当性向などを総合的に勘案して実行していきます。また、将来の事業展開に備えて適切な内部留保を確保し、経営基盤を強化していきます。内部留保資金については、資金需要や市場動向を鑑みながら、今後の新製品・新サービス・新技術の開発投資、新規事業展開のための設備投資、戦略的提携やM&A、それらを支える人材への投資などに充当していきます。自己株式取得については、株主還元と資本の適正化を目的として、適宜適切に実施していきます。こうした施策は将来にわたる利益の増大に寄与し、株主の皆様への利益還元につながるものと考えています。この基本方針に基づき、当期の配当金については、期末配当金を1株当たり22円とさせていただく(注)1予定です。中間配当金(1株当たり18円)とあわせて、年間配当金は40円となり、前期の38円 から2円の増配となります。これにより、当期の連結配当性向は、17.0%になります。2026年5月13日に公表した「2026-2028年度 中期経営計画」の株主還元方針においては、持続的な(注)2利益成長に応じた累進配当および配当性向の引き上げにより、配当水準の向上を図ることを掲げております。自己株式取得については、株主還元と資本の適正化を目的として、成長投資とのバランスや株価水準、資本効率を考慮し、機動的かつ積極的に実施していきます。上記の方針に基づき、2027年3月期の配当金については、中間配当金19円、期末配当金22円とさせていただき、年間配当金は1円増配の41円とさせていただく予定です。(注)1.前期の年間配当金は1株につき54円ですが、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、当該株式分割を考慮すると前期の年間配当金は38円となります。
2.特別損益等の一過性の要因を除いた親会社株主に帰属する当期純利益を基準とする配当性向
四半期 2026年3月期 第1四半期
出典: 大日本印刷 2026年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2025年8月8日(https://www2.jpx.co.jp/disc/79120/140120250807535391.pdf)
1.経営成績等の概況(1)当四半期の経営成績の概況当第1四半期連結累計期間におけるDNPグループを取り巻く状況は、国内の雇用・所得環境の改善にともなう個人消費の持ち直しやインバウンド需要の拡大などにより、景気に緩やかな回復が見られました。一方で、地政学リスクの長期化や米国をはじめとする各国・地域の政策動向、株価や為替の急激な変動、原材料や燃料等のコスト高止まりや国内の物価上昇などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。また、地球環境や人権等の課題の解決が求められ、生成AI(人工知能)等の先進技術が進展するなど、ビジネス環境はより複雑かつ多様化し、競争も激化しています。DNPグループは、環境・社会・経済の急激な変化やリスクに対応するだけでなく、自らが長期を見据えて変革を起こし、「より良い未来」をつくり出す事業活動を展開しています。また、独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを掛け合わせ、多様なパートナーとの連携を深めて、事業領域の拡張と業績の向上に努めています。当年度は2023-2025年度の3か年で推進している「中期経営計画」の最終年度となります。引き続き、「事業戦略」「財務戦略」「非財務戦略」に基づく具体的な取り組みを通じて、持続的な事業価値・株主価値の創出に注力していきます。「事業戦略」では、中長期にわたって強みを発揮できる事業ポートフォリオの構築を進めるとともに、市場成長性と収益性が高い事業を中心に新しい価値の創出を加速させていきます。「財務戦略」では、創出したキャッシュを事業のさらなる成長への投資と株主還元に適切に配分していきます。「非財務戦略」では、「人への投資の拡大」「知的資本の強化」「環境への取り組み」を中心に推進し、サステナブルな成長を支える経営基盤の強化を図っていきます。また、常に経営環境の変化を見極めながら、グループを挙げて事業継続マネジメント(BCM)の徹底を図っています。その結果、当第1四半期連結累計期間のDNPグループの売上高は3,661億円(前年同期比2.7%増)、営業利益は229億円(前年同期比24.6%増)、経常利益は282億円(前年同期比10.2%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券の売却にともなう特別利益の計上もあり、453億円(前年同期比28.4%減)となりました。・スマートコミュニケーション部門イメージングコミュニケーション関連は、写真プリント用部材が米国市場で好調に推移したほか、IDカード用インクリボンの販売が市場回復などを背景に各国・地域で好調に推移し、前年を上回りました。情報セキュア関連は、ICカードのうち、1つのICチップで接触型と非接触型の規格に対応可能なデュアルインターフェイスカードが前年から減少したものの、BPO(Business ProcessOutsourcing)の大型案件があり、当事業全体では前年を上回りました。また、2025年7月に本人情報を登録・認証する政府向けID認証サービスをアフリカ中心に提供し、Laxton(ラクストン)ブランドで事業展開しているRubicon SEZC(ルビコン)の株式を取得し連結子会社としました。マーケティング関連は、長年培ったマーケティング施策の実績や知見とデジタルの強みを掛け合わせた価値の提供に努めましたが、紙媒体の市場縮小の影響などにより、前年を下回りました。出版関連は、図書館運営業務が好調に推移したものの、雑誌等の市場縮小の影響などにより、前年を下回りました。コンテンツ・XRコミュニケーション関連のうち、コンテンツ関連は、国内外で人気の知的財産(IP:Intellectual Property)を活用した巡回型イベントや物販、日本発IPの海外展開など、新たな価値の創出に努めました。XRコミュニケーション関連は、自治体における問い合わせ業務の負荷軽減や住民の待ち時間を軽減するといった課題を解決すべく、AIチャットサービス「AI職員提供サービス+(プラス)」を当社の「メタバース役所」に実装し提供を開始しました。その結果、部門全体の売上高は1,762億円(前年同期比0.9%増)となりました。営業利益は、紙媒体の市場縮小による減収の影響を受けたものの、人的資本や固定資産の適正化などの事業構造改革により、59億円(前年同期比3.3%増)となりました。・ライフ&ヘルスケア部門モビリティ・産業用高機能材関連は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが、IT向けの旺盛な需要に支えられて、スマートフォンやタブレット端末等の新機種用を中心に伸長しました。車載向けは、2024年10月以降の市況回復に加え、バッテリーメーカーの新工場立上げによる需要も取り込み、前年を上回りました。太陽電池関連は、為替変動の影響を受けたものの、世界的な需要の高まりにより、封止材を中心に引き続き好調に推移しました。自動車向け加飾フィルムは、内装用の販売が好調に推移しました。また、2025年1月には多様な成形品製造技術で独自の自動車部品や産業機器用加飾部品等を手掛ける株式会社光金属工業所(現:株式会社DNP光金属(*))の完全親会社であるHKホールディング株式会社を、2025年2月には二次電池外装材・包装材等を手掛ける株式会社レゾナック・パッケージング(現:株式会社DNP高機能マテリアル彦根)を、株式の取得によりそれぞれ連結子会社としました。各社の強みを掛け合わせ、「オールDNP」で顧客への対応力をさらに強化し、競争力を高めていきます。包装関連は、紙カップやレンジ包材等は好調に推移したものの、PETボトル用無菌充填システムの販売が減少したことから、当事業全体では前年を下回りました。生活空間関連は、国内の戸建住宅市場の縮小トレンドが続く一方で、建築基準法・建築物省エネ法の改正に関連する特需を取り込んだことで、前年並みとなりました。メディカル・ヘルスケア関連は、医療用パッケージが好調に推移したことに加え、国内における製剤事業も堅調に推移し、前年を上回りました。飲料事業は、自動販売機やコンビニエンスストア、ネットでの販売が好調に推移したほか、主要な販売チャネルでの価格改定の効果もあり、前年を上回りました。その結果、部門全体の売上高は1,271億円(前年同期比3.0%増)となりました。営業利益は、固定費の圧縮等のコストダウン、固定資産の適正化などの事業構造改革により、95億円(前年同期比99.1%増)となりました。(*)株式会社DNP光金属は、2025年7月1日付で、株式会社DNP光金属を存続会社、HKホールディング株式会社を消滅会社として吸収合併を行いました。・エレクトロニクス部門デジタルインターフェース関連は、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクが、スマートフォンでの有機ELディスプレイ採用拡大や、2024年5月から黒崎工場(福岡県)で生産を開始した、第8世代(G8)サイズのガラス基板に対応した大型メタルマスクの受注増加により、前年を上回りました。光学フィルムも液晶テレビ用パネルの大型化にともなう出荷面積の拡大等により堅調に推移し、その結果、当事業全体で前年を上回りました。なお、テレビの大型化に対応する光学フィルムの生産効率向上に向け、三原工場(広島県)に導入した2,500mm幅対応のコーティング装置の稼働を2025年9月から開始する予定です。半導体関連は、市場の回復もあり、当事業全体で概ね前年並みに推移しました。また、EUVマスクやナノインプリントなどの最先端領域への事業展開に取り組みました。その結果、部門全体の売上高は634億円(前年同期比7.7%増)となりました。営業利益は、デジタルインターフェース関連を中心に注力事業の売上増加により、139億円(前年同期比1.9%増)となりました。
(2)当四半期の財政状態の概況当第1四半期連結会計期間末の資産、負債、純資産については、総資産は、現金及び預金、有価証券の増加や、受取手形、売掛金及び契約資産、投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べ453億円増加し、1兆9,631億円となりました。負債は、社債の増加や、未払法人税等、賞与引当金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ477億円増加し、7,568億円となりました。純資産は、四半期純利益による増加や、剰余金の配当、自己株式の取得、その他有価証券評価差額金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ24億円減少し、1兆2,063億円となりました。
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明2026年3月期の業績見通しにつきましては、2025年5月13日に公表いたしました業績予想に変更はありません。
四半期 2027年3月期 第1四半期
出典: 大日本印刷 2027年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2026年8月7日(https://www2.jpx.co.jp/disc/79120/140120260806512937.pdf)
1.経営成績等の概況(1)当四半期の経営成績の概況当第1四半期連結累計期間におけるDNPグループを取り巻く状況は、国内の雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大を背景に、個人消費の持ち直しが見られるなど、国内景気に緩やかな回復が見られました。一方で、中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりや、米国をはじめとする各国・地域の政策動向、原材料費・人件費・物価の変動など、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。また、地球環境や人権に関わる課題の解決も、サプライチェーン全体で一層強く求められています。DNPグループは、こうした環境・社会・経済の変化やリスクについて、対応すべきものとして捉えるだけではなく事業機会として捉え、長期を見据えて自らが変革を起こし、「より良い未来」をつくり出す事業活動を展開しています。生成AIをはじめとする先進技術や多様なパートナーの強みも掛け合わせ、新たな価値を創出し、事業領域を拡大することで、持続的な成長を目指しています。DNPグループは現在、2026-2028年度の3か年の「中期経営計画」を推進しています。この計画では、「事業戦略」「財務戦略」「非財務戦略」の三つの戦略を柱として、持続的な企業価値及び株主価値の向上を目指します。「事業戦略」では、「注力事業の拡大と構造改革の推進」を掲げ、「P&I」(印刷と情報)から生まれた注力事業への積極投資による事業拡大、新たな価値創出と構造改革による収益力の強化、将来の成長を担う新たな注力事業の育成を進めています。「財務戦略」では、健全な財務基盤を維持しながら成長投資と株主還元の両立を図り、資本効率の向上に取り組んでいます。「非財務戦略」では、「人的資本の強化」及び「知的資本の強化」に加え、「環境への取り組み」を通じて持続的な成長基盤の構築を進め、中長期的な企業価値の向上につなげていきます。その結果、当第1四半期連結累計期間のDNPグループの売上高は3,729億円(前年同期比1.9%増)、営業利益は278億円(前年同期比21.3%増)、経常利益は352億円(前年同期比25.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は235億円(前年同期比48.0%減)となりました。・スマートコミュニケーション部門イメージングコミュニケーション関連は、写真プリント用部材が欧米・アジア市場を中心に好調に推移したほか、欧米での撮影サービスの増加もあり、前年を上回りました。情報セキュア関連は、BPO(Business Process Outsourcing)は堅調に推移したものの、デュアルインターフェイスICカード(ICチップ1つで接触型と非接触型の規格に対応)の販売数量減少の影響により、当事業全体では前年を下回りました。なお、当事業ではグローバル市場での競争力強化に力を入れており、2026年5月には欧州・アフリカ・北米で決済ICカード・国民IDソリューション・バリアブルセキュリティ印刷の事業を展開するAUSTRIACARD HOLDINGS AGを公開買付けで取得することを決定しました。今後は、同社及び2025年7月に連結子会社として協業を開始したRubicon SEZC(ルビコン)との協業を通じて、情報セキュア関連事業を強化するとともに、グローバル市場でのシェア拡大を推進していきます。マーケティング関連は、企業向け施策の実績・知見とデジタルの強みを掛け合わせた価値の提供に努めましたが、紙媒体の市場縮小の影響もあり、前年を下回りました。出版関連は、教育・研究施設、図書館等の設計・内装施工に関する大型案件の完工数や、図書館運営業務の受託件数が増加したものの、雑誌等の市場縮小の影響を受け、前年を下回りました。なお、 中 長 期 的 な 成 長 に 向 け た 取 り 組 み と し て、2026 年 7 月 に 株 式 会 社 講 談 社、IJ KakehashiServices Pvt. Ltd.と共同で、インド・デリーに合弁会社として出版社「Kodansha India PrivateLimited.」を設立しました。同社は、講談社の人気漫画コンテンツを現地の仕様で製造・出版し、急速に拡大するインド市場の需要獲得を目指します。当社は出版物の製造管理を担い、コンテンツ事業の海外展開と収益機会の拡大を推進していきます。コンテンツ・XRコミュニケーション関連のうち、コンテンツ関連では、人気の知的財産 (IP:Intellectual Property)を活用した巡回型イベントを北米、タイ、韓国、台湾などで開催しました。また、日本のアニメIPと各地の工芸品を掛け合わせた海外向けブランド「AN-IPPON(アニッポン)」を2026年6月に立ち上げ、北米市場における高付加価値商品の販売を開始しました。XRコミュニケーション関連では、不登校や孤独・孤立などの社会課題に対応する自治体向け「居場所づくりプラットフォーム」の展開を推進しました。AIを活用した対話支援機能等を強化するとともに、自治体へ提供しています。その結果、部門全体の売上高は1,739億円(前年同期比1.4%減)となりました。営業利益は、固定資産の適正化などの事業構造改革の効果があったものの、マーケティング関連の紙媒体の市場縮小等の影響もあり、51億円(前年同期比13.9%減)となりました。・ライフ&ヘルスケア部門産業用高機能材関連は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチのIT向けが、半導体メモリ不足によるモバイル機器市場低迷の影響を受けました。車載向けは、好調だった前年を下回りましたが、中東情勢に起因するガソリン価格の高騰によってEV(電気自動車)への関心が高まるなど、EV需要は回復傾向にあります。太陽電池関連は、データセンター向けに電力需要が急増する中、比較的簡易に導入できる太陽光発電への関心が高まり、太陽電池の電極やセル等を保護する封止材が好調に推移しました。加えて2025年10月に泉崎工場(福島県)に導入した封止材の生産ライン増強も寄与して、前年を上回りました。モビリティ関連は、自動車向け加飾フィルムが、内装用を中心に堅調に推移しました。また、自動車の塗装工程の短縮に寄与する、環境に優しい高意匠外装用製品の販売にも注力しています。加えて、株式会社DNP光金属を中心として、高い意匠性や精度が求められる操作・表示部向けの自動車用加飾成型部品などのハイエンドHMI(Human Machine Interface)領域への事業拡大を進めています。生活空間関連は、高い耐久性とデザイン性を両立させた「DNP内・外装焼付印刷アルミパネル ア®ートテック」が堅調に推移しました。また、内装材及び不燃・焼付化粧鋼板は前年並みを確保しました。その結果、全体では前年並みとなりました。包装関連は、中東情勢の影響によって原材料の価格上昇や一時的な供給不安が生じたものの、原材料の安定調達に努めるとともに、コスト上昇分の価格転嫁を実施しました。加えて、チューブ容器などの販売が堅調に推移し、当事業全体で前年を上回りました。メディカル・ヘルスケア関連は、医療用パッケージが好調に推移したことに加え、医薬品の製剤事業も堅調に推移し、前年を上回りました。飲料事業は、エリアに即した活動に加え、価格改定の効果などもあり、量販店・飲食店・Webサイトでの販売が伸長しました。また、自動販売機チャネルでも、業界がダウントレンドの中、前年に続いて伸長を維持し、前年を上回りました。その結果、部門全体の売上高は1,277億円(前年同期比0.5%増)となりました。営業利益は、固定費等のコストダウン、固定資産の適正化などの事業構造改革によって、115億円(前年同期比21.8%増)となりました。・エレクトロニクス部門デジタルインターフェース関連は、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクが、半導体メモリ不足にともなうミドル・ローエンドのスマートフォン減産の影響を受けたものの、第6世代(G6)サイズのハイエンド向けとG8サイズは増加しました。ディスプレイ用光学フィルムは、液晶テレビ用パネルの大型化にともなう出荷面積の拡大や、2025年9月に三原工場(広島県)で生産を開始した2,500mmの広幅対応のコーティング装置が寄与したことで、堅調に推移し、当事業全体で前年を上回りました。半導体関連は、半導体製造用フォトマスクについて、先端品が増加したほか、ボリュームゾーンも堅調に推移し、前年を上回りました。引き続き、積極的な投資による事業拡大及びEUV(Extreme Ultra-Violet:極端紫外線)リソグラフィ用フォトマスクやナノインプリントなどの最先端領域への事業展開に取り組んでいきます。その結果、部門全体の売上高は713億円(前年同期比12.4%増)となりました。営業利益は、注力事業である半導体関連の拡大等により、178億円(前年同期比28.2%増)となりました。
(2)当四半期の財政状態の概況当第1四半期連結会計期間末の資産、負債、純資産については、資産は、有価証券、投資有価証券の増加や、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ460億円増加し、2兆801億円となりました。負債は、繰延税金負債の増加や、賞与引当金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ52億円増加し、7,722億円となりました。純資産は、自己株式の取得や剰余金の配当による減少の一方、四半期純利益による増加やその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ407億円増加し、1兆3,078億円となりました。
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明2027年3月期の業績見通しにつきましては、2026年5月13日に公表いたしました業績予想に変更はありません。
本記事は各社が開示した決算短信の記載を機械的に抽出・比較し、AIが要約したものです。数値・表現は原資料をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。