栄研化学

栄研化学、2026年3月期は増収増益 当期純利益66.5%増

決算サマリー 2026.08.20
栄研化学、2026年3月期は増収増益 当期純利益66.5%増

※本記事は栄研化学が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

栄研化学は2026年3月期の決算および経営計画説明会を開催し、2026年3月期通期の連結業績と2027年3月期の通期業績予想、新たな中期経営計画「経営計画2030」を公表した。2026年3月期は主に海外向けの便潜血検査用試薬や医療機器の伸長により増収となり、連結子会社の持分譲渡益の計上もあって当期純利益は前期比66.5%増となった。一方、売上構成の変化により営業利益は前期比2.7%減少し、通期予想に対しては未達となった。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

2026年3月期の売上高は418億99百万円(前期比3.4%増)、営業利益は29億19百万円(同2.7%減)、経常利益は28億44百万円(同11.1%減)、当期純利益は37億8百万円(同66.5%増)だった。通期予想に対する達成率は売上高99.3%、営業利益89.8%、経常利益91.7%、当期純利益98.4%で、増収増益ながら予想には届かなかった。当期純利益の増加は、連結子会社の持分譲渡益を第2四半期に約20億円計上したことによる。

項目2025年3月期 実績2026年3月期 実績前年比 増減率(%)
売上高40,53941,8993.4
売上原価24,02725,7237.1
売上総利益16,51216,175△2.0
販売費及び一般管理費13,51213,255△1.9
営業利益2,9992,919△2.7
経常利益3,1982,844△11.1
当期純利益2,2283,70866.5

セグメント別売上高

セグメント別では、便潜血が134億70百万円(前期比4.1%増)、免疫血清(便潜血を除く)が98億16百万円(同2.3%増)、尿検査が46億23百万円(同0.1%増)、生化学が5億79百万円(同1.1%増)と増収となった一方、微生物は42億84百万円(同4.8%減)、器具・食品環境は18億18百万円(同7.2%減)、遺伝子関連は19億57百万円(同1.2%減)と減収だった。医療機器・その他は53億48百万円(同22.6%増)となった。便潜血は国内外で増収、特に海外向け売上が伸長した。微生物はPOCT製品や薬剤感受性検査用試薬が減収、器具・食品環境は検査器具の不採算品の発売中止により減収、遺伝子関連はUSAID閉鎖の影響でナイジェリア向け結核検査薬(TB-LAMP)の売上が減少した。医療機器は尿検査用装置、便潜血検査用装置、免疫血清検査用装置(東ソー株式会社から導入・販売)が増収した。

セグメント2025年3月期 実績2026年3月期 実績前年比 増減率(%)
便潜血12,94113,4704.1
免疫血清(便潜血を除く)9,5999,8162.3
尿検査4,6204,6230.1
微生物4,5014,284△4.8
生化学5735791.1
器具・食品環境1,9601,818△7.2
遺伝子関連1,9801,957△1.2
医療機器・その他4,3625,34822.6
合計40,53941,8993.4

地域別の状況

地域別売上高は、国内が304億42百万円(前期比2.1%増)、海外が114億57百万円(同7.0%増)で、海外売上高比率は2025年3月期の26.4%から2026年3月期は27.3%に上昇した。海外のうち米州は25億16百万円(同3.6%増)、EMEAは47億74百万円(同11.5%増)、APACは41億65百万円(同4.2%増)だった。国内は東ソー株式会社から導入・販売している免疫血清検査用試薬・装置、尿検査用装置等の検査用装置の売上が増加した。米州は装置切替タイミング等による一時的な出荷減があったものの、便潜血検査の対象年齢拡大、内視鏡トリアージ、化学法から免疫法へのシフトによる需要増加の流れが継続した。EMEAは便潜血検査用試薬・装置が伸長した一方、USAID閉鎖の影響でTB-LAMPの販売が減少した。APACは便潜血検査用試薬が伸長し、韓国では前期の医師ストライキの影響から回復した。

栄研化学2026年3月期セグメント別売上高の増減要因
出典:栄研化学 2026年3月期 決算および経営計画説明会 P.6(セグメント別売上高)
栄研化学2026年3月期地域別売上高の増減要因
出典:栄研化学 2026年3月期 決算および経営計画説明会 P.7(地域別売上高)

2027年3月期 通期業績予想

2027年3月期の通期業績予想は、売上高420億円(前期比0.2%増)、営業利益30億70百万円(同5.2%増)、経常利益29億円(同2.0%増)である一方、当期純利益は20億70百万円(同44.2%減)を見込む。研究開発費は36億円、設備投資は23億18百万円、減価償却費は26億54百万円を計画している。

項目2026年3月期 実績2027年3月期 予想前年比 増減率(%)
売上高41,89942,0000.2
国内30,44230,210△0.8
海外11,45711,7902.9
売上原価25,72325,650△0.3
売上総利益16,17516,3501.1
販売費及び一般管理費13,25513,2800.2
営業利益2,9193,0705.2
経常利益2,8442,9002.0
当期純利益3,7082,070△44.2
栄研化学2027年3月期セグメント別売上高予想
出典:栄研化学 2026年3月期 決算および経営計画説明会 P.10(セグメント別予想)

株主還元

2027年3月期の1株当たり配当は58円を計画している。また、経営計画2030の資本政策では、2027年3月期から2031年3月期累計で株主還元を継続し、総還元性向50%以上を目安とする方針を示した。

栄研化学の資本政策(キャッシュアロケーション)
出典:栄研化学 2026年3月期 決算および経営計画説明会 P.24(資本政策)

経営計画2030

栄研化学は現執行体制のもとでEIKEN ROAD MAP 2030・第2次中期経営計画を見直し、「経営計画2030」(2027年3月期~2031年3月期)として再策定した。2031年3月期に目指す事業領域・戦略の方向性に変更はないとしている。財務KPIとしては、新規事業・非連続成長による数字を除いたベースで、2031年3月期に売上高500億円以上、海外売上高比率35%以上、営業利益70億円以上、営業利益率14%以上、ROE10%以上、ROIC10%以上を掲げた。重点戦略として、国内事業の収益力強化、海外事業の成長加速、アライアンス・M&Aによる非連続成長の3点を挙げている。

※本記事は栄研化学が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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