※本記事は太洋物産が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
貿易商社の太洋物産は、2025年9月期の連結業績で売上高19,662百万円(前期比104.8%)、売上総利益761百万円(前期比102.4%)、営業利益247百万円(前期比92.9%)、経常利益173百万円(前期比85.9%)、当期純利益148百万円(前期比91.4%)となった。食肉関連事業を中心に増収となった一方、株主優待関連費用の増加により販売費及び一般管理費が増加し、営業利益以下の各利益は前期比で減益となった。なお、2025年9月期の業績予想は2025年11月12日に下方修正を公表しており、資料では2024年11月14日に公表した期初予想との対比を「期初予想達成率」として表示している。当社は2008年9月期(第68期)の期末配当6.5円を最後に無配を継続している。
連結業績(2025年9月期 実績)
主要事業である食肉関連では、従来の収益の中心であった鶏肉の輸入事業から、利益率の高い外食産業向け加工食品の販売にシフトしたことや、新規アイテムの成約、国産鶏肉を含む利益率の高い商材の販売増加により売上が増加した。輸入豚肉は輸送コストの上昇や現地の供給過多による国内在庫過剰感の市況が続く中でも売上高・取扱数量ともに増加した。一方、牛肉は現地の価格高騰や供給量の減少、円安の長期化により売上高・取扱数量ともに減少した。売上総利益率は3.9%で前期と同水準(変わらず)だった。販売費及び一般管理費は、株主優待に関する費用の発生により株式費用が増加したことなどから前期比107.7%となり、営業利益・経常利益・当期純利益はいずれも前期比で減益となった。当社は経営目標として売上総利益率4%を掲げており、2025年9月期の3.9%は前年に続いて目標に近い水準を維持したとしている。
| 項目 | 2025年9月期(当期) | 2024年9月期(前期) | 前期比 | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 19,662百万円 | 18,758百万円 | 104.8% | +903百万円 |
| 売上原価 | 18,900百万円 | 18,014百万円 | 104.9% | +886百万円 |
| 売上総利益 | 761百万円 | 743百万円 | 102.4% | +17百万円 |
| 売上総利益率 | 3.9% | 3.9% | ±0pt | - |
| 販売費及び一般管理費 | 513百万円 | 477百万円 | 107.7% | +36百万円 |
| 営業利益 | 247百万円 | 266百万円 | 92.9% | △19百万円 |
| 営業利益率 | 1.3% | 1.4% | ▲0.1pt | - |
| 経常利益 | 173百万円 | 202百万円 | 85.9% | △28百万円 |
| 経常利益率 | 0.9% | 1.1% | ▲0.2pt | - |
| 当期純利益 | 148百万円 | 162百万円 | 91.4% | △14百万円 |
| 当期純利益率 | 0.8% | 0.9% | ▲0.1pt | - |
通期業績予想との対比
2025年9月期の業績予想は、2025年11月12日に下方修正を公表している。資料では、2024年11月14日に公表した期初予想との対比を期初予想達成率として表示しており、達成率は売上高86.1%、売上総利益99.0%、営業利益83.8%となった。株主優待費用等の増加により販売費及び一般管理費が計画を上回り、営業利益以下の各利益を押し下げる要因となったほか、食料部のタイ産加工食品を中心に売上を確保し輸入鶏肉の商材は概ね計画通りに推移したものの、想定していた農産品の新規事業の売上が計上できず、期初計画を下回った。
| 項目 | 期初予想(2024年11月14日公表) | 2025年9月期実績 | 予想比 | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 22,849百万円 | 19,662百万円 | 86.1% | △3,187百万円 |
| 売上原価 | 22,080百万円 | 18,900百万円 | 85.6% | △3,179百万円 |
| 売上総利益 | 769百万円 | 761百万円 | 99.0% | △8百万円 |
| 売上総利益率 | 3.4% | 3.9% | +0.5pt | - |
| 販売費及び一般管理費 | 474百万円 | 513百万円 | 108.4% | +39百万円 |
| 営業利益 | 295百万円 | 247百万円 | 83.8% | △47百万円 |
| 経常利益 | 254百万円 | 173百万円 | 68.5% | △80百万円 |
| 当期純利益 | 201百万円 | 148百万円 | 74.2% | △51百万円 |

セグメント別の状況
当社は2024年12月27日開示の「報告セグメントの変更に関するお知らせ」のとおり、2025年9月期第2四半期より報告セグメントを変更している。これまで営業開拓部に含まれていた農産品と中国関連分野を独立させ、また化学品を生活産業部に移すこととし、食料部、農産部、中国開拓部、生活産業部の4セグメントとした。比較のため、2025年9月期第1四半期以前の数値も新区分に組み替えて表示している。セグメント別では、食料部はタイ産加工食品や国産鶏肉の伸長により増収増益となった。農産部と中国開拓部は減収となり、うち中国開拓部は中国向けの輸出取引・三国間取引について販売体制の変更に伴い受注が一時的に減少したことなどにより通期で減収となった。生活産業部は豚肉の売上高・取扱数量の増加などにより増収増益となった。
| セグメント | 売上高(2025年9月期) | 売上高(2024年9月期) | 前期比 | 売上総利益(2025年9月期) | 売上総利益(2024年9月期) |
|---|---|---|---|---|---|
| 食料部 | 8,810百万円 | 7,219百万円 | 122.0% | 422百万円 | 382百万円 |
| 農産部 | 2,774百万円 | 3,019百万円 | 91.9% | 98百万円 | 105百万円 |
| 中国開拓部 | 5,994百万円 | 7,030百万円 | 85.3% | 156百万円 | 174百万円 |
| 生活産業部 | 2,083百万円 | 1,489百万円 | 140.0% | 83百万円 | 80百万円 |
| 総合計 | 19,662百万円 | 18,758百万円 | 104.8% | 761百万円 | 743百万円 |

財務体質
自己資本比率は前期末の9.7%から2025年9月期末は11.6%となり、1.9pt改善した。当社は財務体質の改善を経営課題とし、中長期目標として自己資本比率20%を設定しており、事業成長による利益拡大と内部留保優先の方針で改善を図るとしている。総資産は7,990百万円から8,363百万円(+373百万円)に、純資産は802百万円から993百万円(+190百万円)に増加した一方、有利子負債は5,414百万円から5,907百万円(+493百万円)に増加した。運転資金回転期間は3.51ヶ月から3.72ヶ月(+0.22ヶ月)となった。
資金調達
当社は2022年9月1日発行の新株式及び第1回新株予約権(行使価額修正選択権付き)に係る資金使途について、2025年11月14日開示で変更を決議した。太陽光事業への投資資金は375百万円から50百万円に、中国での貿易事業・越境EC事業の拡大資金は347百万円から151百万円に、それぞれ変更された。また、新たにタイ王国における日本のラーメンブランド展開および高品質食材事業向けとして、TBK GLOBAL TABLEへの出資及び貸付金20百万円(支出予定時期2025年11月~12月)が追加された。
2026年9月期業績予想
2026年9月期の連結業績予想は、売上高25,052百万円(前期比127.4%)、売上総利益778百万円(前期比102.3%)、営業利益290百万円(前期比117.2%)、経常利益228百万円(前期比131.2%)、当期純利益182百万円(前期比122.6%)とし、1株当たり当期純利益は94.36円を見込む。安定的な利益の獲得及び取扱商材の拡充、資金効率を鑑みた取扱品目の取捨選択、新規事業の取扱強化により着実な利益を積み上げるとしている。売上総利益率は3.1%と保守的に設定しており、引き続き売上総利益率4%の水準維持に取り組むとしている。外部環境の前提として、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化を含む資源価格の上昇や為替相場の変動等が及ぼす影響は、2025年11月時点の厳しい経営環境が継続するものと想定している。
| 項目 | 2026年9月期(予想) | 2025年9月期(実績) | 前期比 | 増減額 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 25,052百万円 | 19,662百万円 | 127.4% | +5,390百万円 |
| 売上原価 | 24,273百万円 | 18,900百万円 | 128.4% | +5,372百万円 |
| 売上総利益 | 778百万円 | 761百万円 | 102.3% | +17百万円 |
| 売上総利益率 | 3.1% | 3.9% | ▲0.8pt | - |
| 販売費及び一般管理費 | 488百万円 | 513百万円 | 95.2% | △24百万円 |
| 営業利益 | 290百万円 | 247百万円 | 117.2% | +42百万円 |
| 営業利益率 | 1.2% | 1.3% | ▲0.1pt | - |
| 経常利益 | 228百万円 | 173百万円 | 131.2% | +54百万円 |
| 経常利益率 | 0.9% | 0.9% | ±0pt | - |
| 当期純利益 | 182百万円 | 148百万円 | 122.6% | +33百万円 |
| 当期純利益率 | 0.7% | 0.8% | ▲0.1pt | - |
| 1株当たり当期純利益 | 94.36円 | 76.93円 | - | - |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - | - |

株主還元
当社は2008年9月期(第68期)に1株当たり6.5円の期末配当を実施したことを最後に無配を継続している。現在は財務基盤を盤石なものとすることを最優先として無配としているが、株主への安定した配当と配当水準の向上を目指し、早期の復配を目標としている。2026年9月期の1株当たり配当金予想も0.00円としており、無配の継続を予定している。また、当社は2025年9月25日に「株主優待制度の廃止に関するお知らせ」を開示し、毎年9月末日の保有株式数に応じて実施していた株主優待制度を、2024年9月期をもって廃止した。2024年9月期の株主優待にかかる費用は、「太洋物産プレミアム優待倶楽部」の運営費用を含めて36,803千円となり、2024年9月期の当期純利益162,799千円の22.6%に相当したことなどを踏まえた措置としている。株主還元方針としては、当面は自己資本比率の改善を優先し、将来的に復配を検討するとしている。

※本記事は太洋物産が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。