※本記事はeBASEが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
eBASE株式会社は2026年3月期(第25期)連結決算で、売上高5,259百万円(前期比▲3.8%)、経常利益1,467百万円(同▲18.4%)となり、減収減益となった。主力のeBASE事業で未経験業界向けの大型カスタマイズ開発の負荷が増大し、利益率低下と既存顧客への深耕営業の停滞を招いたことが要因としている。一方、2027年3月期(第26期)は売上高5,400百万円、経常利益1,600百万円への回復を見込んでいる。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の連結業績は、売上高5,259百万円(前期比▲3.8%)、営業利益1,431百万円、経常利益1,467百万円(前期比▲18.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,026百万円となった。総資産は8,098百万円、純資産は7,368百万円、自己資本比率は91.0%だった。ROE(自己資本当期純利益率)は13.9%、ROA(総資産経常利益率)は18.1%だった。
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,259百万円 | 5,469百万円 | ▲3.8% |
| 営業利益 | 1,431百万円 | 1,731百万円 | △300百万円 |
| 経常利益 | 1,467百万円 | 1,797百万円 | ▲18.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,026百万円 | 1,250百万円 | △224百万円 |

セグメント別の状況
主力のeBASE事業(パッケージソフトビジネス)は売上高2,591百万円(前期比▲9.4%)、経常利益1,062百万円(同▲24.4%)となった。一方、eBASE-PLUS事業(IT開発アウトソーシングビジネス)は売上高2,679百万円(同+2.0%)、経常利益405百万円(同+3.4%)と増収増益だった。
| セグメント | 指標 | 当期 | 前期 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| eBASE事業 | 売上高 | 2,591百万円 | 2,861百万円 | ▲9.4% |
| eBASE事業 | 経常利益 | 1,062百万円 | 1,405百万円 | ▲24.4% |
| eBASE-PLUS事業 | 売上高 | 2,679百万円 | 2,626百万円 | +2.0% |
| eBASE-PLUS事業 | 経常利益 | 405百万円 | 391百万円 | +3.4% |

eBASE事業 業界別の状況
eBASE事業を業界別にみると、食品業界の売上高は1,337百万円(前期比▲2.6%、△35百万円)、日雑業界は970百万円(同▲20.6%、△251百万円)、住宅業界は283百万円(同+6.5%、+17百万円)だった。日雑業界は、未経験業界向けの大型「MDM eBASE」カスタマイズ開発案件の負荷増大により人的リソースが逼迫し、深耕営業が減少したことで前年同期比で大幅に減少したとしている。
| 業界 | 当期売上高 | 前期比 | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 食品業界 | 1,337百万円 | ▲2.6% | △35百万円 |
| 日雑業界 | 970百万円 | ▲20.6% | △251百万円 |
| 住宅業界 | 283百万円 | +6.5% | +17百万円 |
減収要因と収益改善に向けた構造改革
資料によると、2026年3月期の減収減益は、未経験業界の大型案件で想定以上の個別カスタマイズ開発が発生したことが構造的要因。これによりパッケージ比率低下と低利益率な役務売上の増加という利益率低下、リソース逼迫による既存顧客への深耕営業(高利益率案件獲得)の停滞という機会損失が生じたとしている。対策として、(1)業界別テンプレート開発や個別案件の汎用化・パッケージ化などによるパッケージ適応率の向上、(2)「Fit&Gap」ツール導入など開発プロセスのDX化による生産性向上、(3)カスタマイズ案件の収益性見直しによる適正価格化と案件審査の厳格化、というプライシング戦略を進める。また、創業以来初となる価格改定を実施し、基本ソフトライセンス単価を100万円から120万円、オプションソフトライセンス単価を70万円から80万円、役務サービス単価を1日6万円から9万円に引き上げた。新規契約は2026年4月から新価格を適用し即時貢献する一方、既存保守費等は2027年3月期以降、更新タイミングから順次適用され段階的に営業利益率を押し上げる見込みとしている。

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期(第26期)の連結業績予想は、売上高5,400百万円(前期比+2.7%)、経常利益1,600百万円(同+9.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,070百万円(同+4.2%)としている。なお、この業績予想には、M&Aに伴う取得関連費用やBtoBtoCビジネスの広告宣伝費について、現時点で想定される影響額を織り込んでいるとしている。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,400百万円 | 5,259百万円 | +2.7% |
| 経常利益 | 1,600百万円 | 1,467百万円 | +9.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,070百万円 | 1,026百万円 | +4.2% |

株主還元
資料の連結貸借対照表・純資産の推移によると、2026年3月期は配当金支払として624百万円を計上したことが利益剰余金の増減要因として示されている。1株当たり配当金や配当性向など、具体的な株主還元方針についての記載はない。
トピック:株式会社KSP-SPの子会社化
eBASEは2026年4月28日開催の取締役会において、株式会社KSP-SPの発行済株式の74.8%を取得し子会社化する株式譲渡契約の締結を決議した。KSP-SPが持つPOSデータ等の購買マイクロデータとeBASEの商品マイクロデータを組み合わせ、AIを活用した「次世代マイクロ・マーケティング事業」を始動するとしている。
※本記事はeBASEが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。