※本記事は三菱製鋼が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
三菱製鋼は2026年5月13日、2026年3月期決算を発表した。売上高は1,546億円(前期比50億円減)、営業利益は48億円(同18億円減)、経常利益は40億円(同9億円減)と減収減益になった一方、親会社株主に帰属する当期純利益は31億円(同7億円増)と増益を確保した。国内鋼材事業では室蘭コンビナートの高炉トラブル・火災事故に伴う売上数量減や生産性悪化が響いたが、精密部品を中心とするばね事業が伸長した。2025年11月6日公表の前回予想に対しては、経常利益・当期純利益とも上振れとなった。
連結業績(当期 実績)
売上高は、精密部品や国内ばねを中心としたばね事業や、受注が好調な機器装置事業が伸長した一方、国内鋼材事業における需要減や室蘭コンビナートの高炉トラブル・火災事故に伴う売上数量減等により減収となった。営業利益は、精密部品等の収益貢献があったものの、国内鋼材事業の数量減と高炉トラブル・火災事故による室蘭コンビナート全体での生産性悪化により減益。高炉トラブル・火災事故の影響により、通常操業時に比べ営業利益は約35億円悪化し、一過性の復旧関連費用として特別損失9億円を計上した。当期純利益は、営業減益に加え特別損失計上があった一方、前期のドイツばね子会社撤退に伴う特別損失の解消や固定資産売却益、税効果の影響により増益となった。
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,546億円 | 1,596億円 | △50億円 |
| 営業利益 | 48億円 | 66億円 | △18億円 |
| 経常利益 | 40億円 | 49億円 | △9億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 31億円 | 24億円 | 7億円 |

セグメント別(事業別)の状況
セグメント別では、国内鋼材事業が高炉トラブル・火災事故の影響で損益が大幅に悪化した一方、ばね事業は精密部品の量産立上げに伴う増産や国内ばねの売価・コスト改善により前期比大幅増益となった。海外鋼材(インドネシア)・素形材・機器装置の各事業も堅調に推移した。
| セグメント | 指標 | 当期 | 前期 |
|---|---|---|---|
| 特殊鋼鋼材事業 | 売上高 | 649億円 | 815億円 |
| 特殊鋼鋼材事業 | 営業利益 | △10億円 | 33億円 |
| ばね事業 | 売上高 | 762億円 | 661億円 |
| ばね事業 | 営業利益 | 40億円 | 20億円 |
| 素形材事業 | 売上高 | 98億円 | 92億円 |
| 素形材事業 | 営業利益 | 8億円 | 4億円 |
| 機器装置事業 | 売上高 | 118億円 | 105億円 |
| 機器装置事業 | 営業利益 | 9億円 | 7億円 |

通期業績予想
2027年3月期は、国内鋼材事業の高炉トラブル・火災事故影響が解消されることで、増収増益を見込む。高炉の安定操業および受注正常化に一定期間を要しており、第1四半期の損益改善は限定的だが、第2四半期より収益が回復し、下期では損益の大幅な改善を見込む。当期純利益は、前期に計上した為替差益の解消や税効果影響の縮小により、前期並みを見込む。なお、中東情勢の影響については需要及び調達面で一定程度の影響を受ける可能性があるが、本業績予想には織り込んでいない。
| 項目 | 予想 | 前期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,660億円 | 1,546億円 |
| 営業利益 | 64億円 | 48億円 |
| 経常利益 | 51億円 | 40億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 31億円 | 31億円 |

株主還元
2026年3月期の年間配当金は1株当たり81.0円(前期64.0円)、配当性向40.1%、DOE2.8%となった。2027年3月期は年間配当金1株当たり104.0円、配当性向50.7%、DOE3.5%を予想している。
| 項目 | 27/3期(予想) | 26/3期(実績) | 25/3期(実績) |
|---|---|---|---|
| 1株当たり配当金 | 104.0円 | 81.0円 | 64.0円 |
| 配当性向 | 50.7% | 40.1% | 41.0% |
| DOE | 3.5% | 2.8% | 2.3% |

トピック:室蘭コンビナートの高炉トラブル・火災事故
当社は日本製鉄と共同で運営する北海製鉄(出資比率:日本製鉄80%、当社20%、操業は日本製鉄に委託)の高炉から溶銑供給を受けて国内鋼材事業を行っている。2025年9月に高炉トラブルが発生し溶銑供給が一時停止(同年11月下旬に操業再開)、同年12月には高炉の付帯設備である熱風炉の破損・火災事故により再び操業が停止した。2026年4月に操業を再開し、現在は安定操業および受注正常化に向けた取り組みを進めている。この影響により2026年3月期は通常操業時に比べ営業利益が約35億円悪化し、一過性の復旧関連費用として特別損失9億円を計上した。2027年3月期第1四半期は売上数量減や生産性悪化の影響を一定程度受ける見込みだが、第2四半期から収益が回復する想定としている。
※本記事は三菱製鋼が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。