※本記事はJFEホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
JFEホールディングスは2026年5月8日、2026年3月期(25年度)通期決算説明会を開催した。25年度は売上収益4兆5,392億円、事業利益1,353億円(棚卸資産評価差等除きの実力ベースでは1,663億円)、当期利益701億円、年間配当80円、ROE2.7%という実績だった。26年度(2027年3月期)は中東情勢の影響を織り込まない前提で、事業利益2,150億円(実力ベース1,850億円)、当期利益1,500億円、年間配当80円、ROE6%程度を見込んでいる。なお、原油価格がWTI100ドル/バレルまで上昇した場合のコスト影響は月間100億円程度と試算されており、本見通しには反映されていない。
連結業績(2026年3月期 実績)
25年度の連結業績は、売上収益が4兆5,392億円で前回公表から減収となった。事業利益は1,353億円で前回公表から47億円の減益。個別開示項目は▲231億円で、土地売却益がある一方、京浜土地活用整備推進費、薄板事業再編影響等を含む減損損失、倉敷の電気炉建設に伴う撤去費用を含むGX設備建設関連撤去費用が生じた結果によるもの。当期利益は701億円で、前回公表から49億円の減益となった。
| 項目 | 2026年3月期 実績 | 前回公表比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 4兆5,392億円 | 減収(前回公表比) |
| 事業利益 | 1,353億円(実力ベース1,663億円) | ▲47億円 |
| 個別開示項目 | ▲231億円 | ―(開示なし) |
| 当期利益 | 701億円 | ▲49億円 |
| 年間配当金 | 80円(期末40円) | ― |
| ROE | 2.7% | ― |

セグメント別の状況(2026年3月期 実績)
25年度のセグメント利益は、前回公表対比で鉄鋼事業が20億円の減益、エンジニアリング事業が39億円の増益、商社事業が48億円の減益となった。鉄鋼事業(JFEスチール)は粗鋼生産2,137万トン(前回見通しから13万トン減)、鋼材輸出比率40.8%、鋼材平均価格約12万円、平均為替レート150円。セグメント利益は380億円(実力ベース690億円)で、24年度対比の実力収益(棚卸資産評価差等除く)は683億円の減益となった。エンジニアリング事業は受注高8,361億円(過去最高)、売上収益5,997億円(4年連続過去最高)、セグメント利益239億円(前回見通しから39億円改善)。商社事業(JFE商事)はセグメント利益402億円で、米州における回復遅延の結果、前回見通しから48億円の減益となった。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 実績 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 鉄鋼事業(JFEスチール) | セグメント利益 | 380億円(実力ベース690億円) | 前回公表比▲20億円 |
| 鉄鋼事業(JFEスチール) | 実力ベースセグメント利益(棚卸資産評価差等除く) | 690億円 | 24年度比▲683億円 |
| 鉄鋼事業(JFEスチール) | 粗鋼生産量 | 2,137万トン | 前回見通し比▲13万トン |
| 鉄鋼事業(JFEスチール) | 鋼材輸出比率 | 40.8% | ― |
| 鉄鋼事業(JFEスチール) | 鋼材平均価格 | 約12万円 | ― |
| 鉄鋼事業(JFEスチール) | 平均為替レート | 150円 | ― |
| エンジニアリング事業 | 受注高 | 8,361億円 | 過去最高 |
| エンジニアリング事業 | 売上収益 | 5,997億円 | 4年連続過去最高 |
| エンジニアリング事業 | セグメント利益 | 239億円 | 前回見通し比+39億円 |
| 商社事業(JFE商事) | セグメント利益 | 402億円 | 前回見通し比▲48億円 |

通期業績予想(2027年3月期)
26年度(2027年3月期)の業績見通しは、中東情勢の影響を織り込まない前提で、売上収益4兆8,000億円(前年度比増収)、事業利益2,150億円(実力ベース1,850億円、前年度比増益)。金融損益は足元の金利上昇を踏まえマイナス400億円の見通しで、セグメント利益は1,750億円。個別開示項目はプラス150億円で、スチールにおいて4月から6月に実行する資産売却を反映している。当期利益は1,500億円で、前年度比約800億円の増益を見込む。
| 項目 | 2027年3月期 予想 | 2026年3月期 実績 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 4兆8,000億円 | 4兆5,392億円 |
| 事業利益 | 2,150億円(実力ベース1,850億円) | 1,353億円(実力ベース1,663億円) |
| 金融損益 | ▲400億円 | ― |
| セグメント利益 | 1,750億円 | ― |
| 個別開示項目 | +150億円(資産売却等) | ▲231億円 |
| 当期利益 | 1,500億円(前年度比約+800億円) | 701億円 |
| 年間配当金 | 80円 | 80円(期末40円) |
| ROE | 6%程度 | 2.7% |
セグメント別では、鉄鋼事業のセグメント利益は前年度比620億円の増益(実力ベースでは10億円の増益)を見込む。内訳はコスト削減+350億円(福山6Aコークス・千葉ステンレス電気炉等の投資効果とその他操業改善)、数量+約100億円(粗鋼生産量増と高付加価値品拡大)、スプレッド▲200億円、棚卸資産評価差等+610億円(原料価格値上がり)、その他▲240億円(グループ会社+160億円等の増益を償却費・金利上昇影響が上回る)。粗鋼生産は前年度並みの2,150万トン程度、為替は約5円の円安を前提としている。エンジニアリング事業は洋上風力発電用モノパイル等の受注案件の遂行により、売上収益6,200億円・セグメント利益250億円の増収増益を見込む。年間受注高見通しは6,000億円(25年度8,300億円から減少見込み)だが、受注残高は年度末で1兆2,000億円と高水準を維持し、売上収益は過去最高を更新する見込み。JFE商事は米州事業の回復と国内鋼材単価上昇により、セグメント利益は前年度比48億円増の450億円を見込む。
| セグメント | 指標 | 2027年3月期 予想 |
|---|---|---|
| 鉄鋼事業(JFEスチール) | セグメント利益 | 1,000億円(実力ベース700億円、前年度比+620億円) |
| 鉄鋼事業(JFEスチール) | 粗鋼生産量想定 | 2,150万トン程度(前年度並み) |
| エンジニアリング事業 | 売上収益 | 6,200億円 |
| エンジニアリング事業 | セグメント利益 | 250億円 |
| エンジニアリング事業 | 受注高見通し | 6,000億円 |
| エンジニアリング事業 | 受注残高(年度末) | 1兆2,000億円 |
| 商社事業(JFE商事) | セグメント利益 | 450億円(前年度比+48億円) |

株主還元
配当については、25年度(2026年3月期)は期末40円を含む年間80円、26年度(2027年3月期)も1株当たり80円を見通している。26年度の配当性向は現状の収益見通しであれば33.9%となる見込みで、配当性向30%近くの水準に戻る見通しである。第8次中期経営計画期間(25~27年度)においては、1株当たり80円を下限とする配当方針を掲げている。
| 項目 | 2026年3月期 実績 | 2027年3月期 予想 |
|---|---|---|
| 年間配当金 | 80円(期末40円) | 80円 |
| 配当性向 | ―(開示なし) | 33.9% |

中期経営計画・トピック
JFEグループは長期ビジョン「JFEビジョン2035」および25~27年度の第8次中期経営計画のもと、国内生産体制の再構築(高付加価値品比率の向上、生産・事業再編)、海外事業の拡大(成長地域でのインサイダー型事業拡大)、グリーン鋼材の開発・普及に取り組んでいる。国内では、以前公表した薄板事業再編(完了時に年間100億円の収益改善効果を見込む。京浜地区の酸洗ラインを26年度、溶融亜鉛メッキライン(4CGL)を28年度に休止予定)に加え、形鋼事業の再編を新たに公表した。海外では、インドのJSWとの協業を拡大し、方向性電磁鋼板(GO)製造・販売事業の2拠点(J2ES、J2ES Nashik)に加え、一貫製鉄所の合弁会社JJSL(旧BPSL)を設立(3月に25%出資完了、6月に2回目の25%出資を予定)。26年度はJJSLから100億円規模の収益寄与を想定している。中東情勢については、原油価格がWTI100ドル/バレルで推移した場合のコスト影響を月間100億円程度と試算しており、今回の業績見通しには織り込んでいない。今後は影響を精査したうえで、速やかな価格転嫁で対応していく方針である。
※本記事はJFEホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。