※本記事はマーキュリーが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社マーキュリーの2026年2月期通期は、売上高1,601百万円(YoY△9%)、営業利益74百万円(同△56%)、経常利益82百万円(同△50%)、当期純利益162百万円(同28%)となった。減収は2025年2月期第3四半期に計上された大型スポット収益の反動減が主因で、営業利益は将来の成長に向けたサービス開発への積極投資を継続したことに加え、本社移転に伴い事業に直接関連しない一過性のコストが計画外に発生したことから減少した。当期純利益は投資有価証券譲渡による売却益の影響で増加している。2027年2月期は売上高1,703百万円(YoY+6%)、営業利益117百万円(同+57%)を見込む。
連結業績(2026年2月期 通期実績)
売上高はYoY△9%と減少したものの、通期予想はほぼ計画通りの着地となった。一方で営業利益は、販売管理費(研究開発費や本社移転関連費用等)が当初計画より上回ったことが要因となりYoY△56%と減少した。
| 項目(単位:百万円) | 2026年2月期 通期実績 | 2025年2月期 通期実績 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,601 | 1,763 | △9% |
| 売上総利益 | 633 | 787 | △20% |
| 販売管理費 | 559 | 617 | △9% |
| 営業利益 | 74 | 170 | △56% |
| 経常利益 | 82 | 166 | △50% |
| 当期純利益 | 162 | 126 | 28% |
2026年2月期の通期予想との対比では、売上高が予想1,600百万円に対し0%、売上総利益が予想640百万円に対し△1%、販売管理費が予想530百万円に対し+6%、営業利益が予想110百万円に対し△32%、経常利益が予想120百万円に対し△31%、当期純利益が予想85百万円に対し+91%となった。

財政状態は、投資有価証券の譲渡による現金及び預金の増加に伴い流動資産が939百万円から1,137百万円(YoY+21%)へ増加した。ソフトウエアの償却が進行したことにより固定資産は248百万円から220百万円(同△11%)に減少し、資産合計は1,357百万円(同+14%)となった。負債合計は245百万円(同△18%)、純資産は1,112百万円(同+25%)、自己資本比率は70.8%から78.4%に上昇した。
事業別の状況
プラットフォーム事業は2025年2月期第3四半期の大型スポット収益の反動減によりYoY△19%と減少した(当該要因を除くとYoY+2%と増加)。デジタルマーケティング事業はリスティング広告が好調なことからYoY+11%と増加し、その他はシステム開発受託の増収によりYoY+34%となった。
| 事業(単位:百万円) | 2026年2月期 通期 | 2025年2月期 通期 | YoY |
|---|---|---|---|
| プラットフォーム事業 | 1,006 | 1,237 | △19% |
| デジタルマーケティング事業 | 520 | 469 | +11% |
| その他 | 74 | 55 | +34% |
| 合計 | 1,601 | 1,763 | △9% |
プラットフォーム事業の内訳では、新築マンション領域がYoY△1%、中古マンション領域が大型スポット収益の反動減によりYoY△72%となった。中古マンション領域は一過性要因を除いた売上高ではYoY+28%と順調に進捗している。新築マンション領域では、SaaSプロダクトの平均顧客単価(月平均、ARPU含む)がYoY+2%で成長を維持し、顧客数は引き続き安定傾向にある。ARR(プラットフォーム事業におけるサブスクの年間売上高)はYoY+3%と安定成長を継続し、レベニューチャーンレート(解約率)はYoY+0.34ptと微増ながら引き続き低水準で推移した。

| デジタルマーケティング事業 サービス(単位:百万円) | 2026年2月期 通期 | 2025年2月期 通期 | YoY |
|---|---|---|---|
| リスティング広告運用 | 456 | 422 | +8% |
| CGM広告 | 37 | 24 | +54% |
| サイト制作 | 26 | 22 | +17% |
| 計 | 520 | 469 | +11% |
デジタルマーケティング事業は、リスティング広告および今期の重点サービスとして営業強化してきたCGM広告の伸長により全体でYoY+11%と増収となった。一方、CGM広告の掲載物件数は、人的リソースをSaaSサービスの価格改定に伴う営業に集中させた影響で微減した。その他は、タウンマンションプラス(DM)が22百万円(YoY△1%)、システム開発受託が47百万円(同+65%)、販売代理が3百万円(同+8%)で、計74百万円(同+34%)となった。
2027年2月期 通期業績予想
売上高はSaaS関連サービスの価格改定に伴うMRRの伸長などによりYoY+6%を予想する。営業利益は、高収益なSaaSサービスの増収が利益成長を牽引するほか、従来より圧迫要因となっていたソフトウェア償却費が減少に転じることからYoY+57%と大幅な増益の見込みとしている。事業別では、プラットフォーム事業がSaaS価格改定に伴う収益基盤の強化によりYoY+5%の増収、デジタルマーケティング事業はプランニングチームを新たに組成し高い水準での提案を平準化させることでYoY+7%を目指す。
| 項目(単位:百万円) | 2027年2月期 通期予想 | 2026年2月期 実績 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,703 | 1,601 | +6% |
| 営業利益 | 117 | 74 | +57% |
| 経常利益 | 129 | 82 | +56% |
| 当期純利益 | 79 | 162 | △51% |

株主還元
本決算説明資料には、配当や自己株式取得など株主還元に関する方針・実績の記載はない。
主要ビジネスアップデートと今後の成長戦略
2026年2月期の主要ビジネスアップデートとして、主力SaaSにおいて2026年4月からの新価格体系への移行を決定した。ARPU向上により事業基盤を強化し、より一層のサービスの安定運用とユーザビリティの向上に向けた取り組みを開始している。また、前期よりデータベースの強化を進めてきた賃貸データを活用し、2026年3月に新サービス「賃料査定DX」をリリースし、従来の新築マンション領域、中古マンション領域に加えて新たに賃貸領域に市場を拡大した。2025年7月には、Realnetマンションサマリに市場調査の効率化をサポートする新機能「査定レポート」を搭載している。

成長戦略として、従量課金だった「パンフレット」「間取図」「価格帳票」ダウンロード等の機能を基本プランにインクルードし、新価格体系への移行によるARPU向上とMRR最大化を図る「SaaS事業基盤の強化」、賃貸管理会社・仲介会社へターゲットを拡張する「賃貸データの収益化」、専属のプランニングチームを新たに配置する「Web広告継続成長」の3点を掲げる。新サービス「賃料査定DX」については、GA technologiesグループのイタンジ株式会社が運営する「ITANDI BB」との連携も計画している。なお、2023年2月期より開始したSaaSプロダクトにおける大規模な機能拡張は終了しており、ソフトウエアの減価償却費は今期より大幅に減少する見込みとしている。
※本記事はマーキュリーが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。