※本記事はエンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
エン株式会社の2026年3月期(通期、2025年4月〜2026年3月)連結業績は、売上高590.9億円(前期比▲10.0%)、営業利益39.6億円(同▲32.7%)、経常利益41.9億円(同▲29.5%)、当期純利益26.1億円(同▲65.7%)となった。前期はタイミー社株式売却益54.3億円の計上があったが、当期は大きな特別損益がなく減益となった。同社はengage/エンゲージ事業のカカクコム社への承継や構造改革によるコスト削減を進めつつ、エン転職への投資再開や人材紹介事業の強化、AIを活用した新たな成長戦略への投資を進めている。
連結業績(当期 実績)
売上高はメディアで減収となった一方、エージェントや海外は増収。営業利益は構造改革により広告宣伝費・人件費が前期比で減少したものの、メディアの減益が影響し減益となった。経常利益は営業利益の減少により減益。当期純利益は前期に計上したタイミー社株式売却益(54.3億円)の反動もあり大幅な減益となった。
| 項目 | 25.3期通期 | 26.3期通期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 65,678百万円 | 59,093百万円 | ▲10.0% |
| 原価 | 13,240百万円 | 9,478百万円 | ▲28.4% |
| 売上総利益 | 52,437百万円 | 49,615百万円 | ▲5.4% |
| 販管費 | 46,545百万円 | 45,652百万円 | ▲1.9% |
| 営業利益 | 5,892百万円 | 3,962百万円 | ▲32.7% |
| 経常利益 | 5,943百万円 | 4,191百万円 | ▲29.5% |
| 当期純利益 | 7,628百万円 | 2,616百万円 | ▲65.7% |

セグメント別の状況
国内HR事業のメディアはエン転職・engageともに減収。engageはカカクコム社への事業承継決定に伴う費用効率化により赤字幅が縮小した。エージェントはen worldの営業生産性向上と増員により増収、エン エージェントのコスト最適化により増益。教育・評価サービスは増員による人件費増加で減益。海外はメディア・エージェント、ITエンジニア派遣ともに堅調に推移し増収増益となった。
| セグメント | 指標 | 25.3期 | 26.3期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| エン転職 | 売上高 | 173.9億円 | 153.0億円 | ▲12.0% |
| エン転職 | 営業利益 | 49.4億円 | 25.8億円 | ▲47.8% |
| engage | 売上高 | 97.5億円 | 70.5億円 | ▲27.6% |
| engage | 営業利益 | ▲7.4億円 | ▲1.5億円 | – |
| メディアその他(ミドルの転職・AMBI等) | 売上高 | 156.1億円 | 153.4億円 | ▲1.8% |
| メディアその他(ミドルの転職・AMBI等) | 営業利益 | 50.0億円 | 44.5億円 | ▲10.9% |
| エージェント | 売上高 | 99.1億円 | 108.5億円 | +9.4% |
| エージェント | 営業利益 | 13.1億円 | 16.2億円 | +23.4% |
| 採用サービスその他(ゼクウ・back check等) | 売上高 | 17.9億円 | 25.3億円 | +41.1% |
| 採用サービスその他(ゼクウ・back check等) | 営業利益 | 4.7億円 | 7.9億円 | +66.7% |
| 教育・評価サービス | 売上高 | 16.8億円 | 17.5億円 | +3.8% |
| 教育・評価サービス | 営業利益 | 5.1億円 | 4.5億円 | ▲11.9% |
| 海外(メディア・エージェント) | 売上高 | 25.9億円 | 27.2億円 | +5.0% |
| 海外(メディア・エージェント) | 営業利益 | 3.0億円 | 4.9億円 | +63.1% |
| ITエンジニア派遣 | 売上高 | 34.1億円 | 37.4億円 | +9.5% |
| ITエンジニア派遣 | 営業利益 | 3.3億円 | 7.6億円 | +131.9% |
| 営業代行サービス | 売上高 | 19.8億円 | 17.8億円 | ▲10.0% |
| 営業代行サービス | 営業利益 | 1.7億円 | 2.2億円 | +24.5% |

構造改革の進捗
当社は非正社員領域中心のengage/エンゲージ事業をカカクコム社へ承継(効力発生日:2026年4月1日)し、新会社「株式会社エンゲージ」に当社は14.9%の持分を保有して引き続き事業価値向上に関与する。あわせてback checkを買収し、2025年10月からASHIATOとの統合でリファレンスチェック市場において業界No.1となった。また「エン PeopleX」を設立し、AI時代における中長期の成長エンジンと位置づける。コスト面では、構造改革期(2025年4月〜)において広告宣伝費・人件費の圧縮を進めており、従業員数(単体)は2025年4月の2,497名から2026年3月に2,014名(うちengage事業承継影響で▲235名)、2027年3月計画で1,757名(2025年4月比▲740名)となる見込み。
通期業績予想(2027年3月期計画)
2027年3月期は、売上高500.0億円(前期比▲15.4%、engage事業承継の影響を除くと▲3.9%)、営業利益28.0億円(同▲29.3%)、経常利益34.0億円(同▲18.7%)を計画。エン転職では減収を見込むもののエージェントや海外では増収を計画し、コスト削減を進めつつも既存事業の改善や成長戦略投資の加速により営業利益・経常利益は減益を見込む。一方、engage事業承継による特別利益の発生により、当期純利益は54.6億円(同+108.8%)と増益を計画している。
| 項目 | 26.3期通期(実績) | 27.3期通期(計画) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 59,093百万円 | 50,000百万円 | ▲15.4% |
| 原価 | 9,478百万円 | 8,892百万円 | ▲6.2% |
| 売上総利益 | 49,615百万円 | 41,107百万円 | ▲17.1% |
| 販管費 | 45,652百万円 | 38,307百万円 | ▲16.1% |
| 営業利益 | 3,962百万円 | 2,800百万円 | ▲29.3% |
| 経常利益 | 4,191百万円 | 3,406百万円 | ▲18.7% |
| 当期純利益 | 2,616百万円 | 5,464百万円 | +108.8% |

株主還元
2027年3月期は配当性向50.0%、1株当たり配当額68.3円を計画している。投資項目と資金配分では、成長投資/構造改革(M&A、提携、改革推進等)に100+α億円、設備投資(IT投資、プロダクト開発等)に40億円、株主還元に13億円を配分する方針。ROEは「直近3期平均14%程度」を維持する方針としており、株主資本コストは概ね9%〜10%前後としている。
| 項目 | 27.3期(計画) |
|---|---|
| 1株当たり配当額 | 68.3円 |
| 配当性向 | 50.0% |
| 株主還元(キャッシュ・アロケーション計画額) | 13億円 |
| 成長投資/構造改革 | 100+α億円 |
| 設備投資(IT投資) | 40億円 |

中期経営計画/トピック
当社は構造改革を通じて「過去最高利益」の達成を目指す。2027年3月期計画のROEは16%(前期実績7.7%)、計画営業利益は28億円(前期実績39億円)。今後のマイルストーンとして、2027年3月期前半に既存事業の不採算事業改善・縮小とAI×HR領域での本格サービス提供、後半に主要サービスの改善と既存サービスとの連携を進め、2028年3月期には事業ポートフォリオの確立とAI×HR領域での競争優位確立を目指し、中期経営計画を策定する予定。
※本記事はエンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。