※本記事は日産自動車が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日産自動車の2025年度(2026年3月期)決算は、売上高12兆79億円(前期比6,253億円減)、営業利益580億円(前期比118億円減、営業利益率0.5%)となった。減損損失3,662億円を含む特別損益の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は5,331億円の赤字となったが、前期の6,709億円の赤字からは1,378億円改善した。Re:Nissanに基づく固定費・変動費のコスト削減や生産拠点の再編が進捗し、自動車事業フリーキャッシュフローは下期に黒字化した。2026年度は売上高13兆円、営業利益2,000億円、当期純利益200億円への黒字転換を見込んでいる。
連結業績(当期実績)
特別損益には減損損失3,662億円を含む。経常利益は11億円(前期2,102億円)、税金等調整前当期純利益は4,404億円の赤字。通期平均の為替レートは1ドル151円、1ユーロ175円。
| 項目 | 前期(24年度) | 当期(25年度) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 126,332 | 120,079 | -6,253 |
| 営業利益(億円) | 698 | 580 | -118 |
| 営業利益率 | 0.6% | 0.5% | -0.1ポイント |
| 営業外損益(億円) | 1,404 | -569 | - |
| 経常利益(億円) | 2,102 | 11 | -2,091 |
| 特別損益(億円) | -6,238 | -4,415 | - |
| 税金等調整前当期純利益(億円) | -4,136 | -4,404 | -268 |
| 税金費用(億円) | -2,465 | -863 | - |
| 少数株主利益(億円) | -108 | -64 | - |
| 当期純利益(親会社株主に帰属、億円) | -6,709 | -5,331 | +1,378 |
| 為替レート(ドル/円) | 153 | 151 | -2 |
| 為替レート(ユーロ/円) | 164 | 175 | +11 |
地域別販売実績
小売販売台数は全地域で前年を下回り、合計3,151千台(前期比5.8%減、中国除くベースでも5.7%減)となった。地域別では日本が13.5%減と最も大きく減少し、中国も6.3%減。北米は0.9%減にとどまった。
| 地域 | 前期(24年度・千台) | 当期(25年度・千台) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 中国 | 697 | 653 | -6.3% |
| 日本 | 461 | 399 | -13.5% |
| 北米 | 1,303 | 1,291 | -0.9% |
| 欧州 | 351 | 317 | -9.7% |
| その他 | 535 | 491 | -8.1% |
| 合計 | 3,346 | 3,151 | -5.8%(中国除き-5.7%) |
自動車事業の状況とRe:Nissanの進捗
Re:Nissanでは、固定費2,500億円の削減目標に対し25年度累計で2,000億円超(四半期進捗:300億円超→800億円超→1,600億円超→2,000億円超)を達成。変動費でも550億円のコスト削減を実現した。生産拠点は17拠点から10拠点へ統廃合し、生産能力を350万台から250万台に削減(中国除く、27年度までに完了予定)。10か月で7拠点の再編を発表し、うち6拠点は26年度内に統廃合する。エンジニアリングコスト(時間当たり労務費)は18%削減を達成(目標20%)。人員は27年度までに20,000人の規模適正化を計画し、自主退職プログラムを米国・英国・日本で導入した。マーケティング効率は前年比14%改善。自動車事業フリーキャッシュフローは下期に黒字化(下期+1,120億円)し、自動車事業営業利益(関税影響除き)も計画を前倒しして黒字化した。期末の自動車事業ネットキャッシュは1.17兆円を維持している。
| 項目 | 前期(24年度) | 当期(25年度) |
|---|---|---|
| 売上高(自動車事業及び消去、億円) | 113,711 | 106,899 |
| 営業利益(自動車事業、億円) | -2,159(-1.9%) | -2,399(-2.2%) |
| 自動車事業フリーキャッシュフロー(億円) | -2,428 | -4,808(下期:+1,120) |
| 自動車事業ネットキャッシュ(期末、億円) | 14,984 | 11,704 |
| 研究開発費(億円) | 5,667 | 4,537 |
通期業績予想(2026年度)
2026年度は連結営業利益の黒字化を見込み、売上高13兆円、営業利益2,000億円(営業利益率1.5%)、当期純利益200億円を計画。為替レート前提は1ドル150円、1ユーロ175円。自動車事業フリーキャッシュフロー・営業利益(関税影響除き)は黒字を見込み、期末自動車事業ネットキャッシュは1兆円を上回る見通し。Re:Nissan最終年度の取り組みも着実に進捗させる計画。小売販売台数は3,300千台(前期比+4.7%、中国除き+3.7%)、生産台数は2,950千台(前期2,903千台)を見込む。
| 項目 | 25年度実績 | 26年度見通し | 対前年 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 120,079 | 130,000 | +9,921 |
| 営業利益(億円) | 580 | 2,000 | +1,420 |
| 営業利益率 | 0.5% | 1.5% | +1.0ポイント |
| 当期純利益(億円) | -5,331 | 200 | +5,531 |
| 為替レート(ドル/円) | 151 | 150 | -1 |
| 為替レート(ユーロ/円) | 175 | 175 | - |
| 一株当たり配当金(円) | 0 | 0 | - |
株主還元
一株当たり配当金は25年度実績・26年度見通しともに0円(無配)としている。
商品投入トピック
25年度は中国のN7・N6 PHEV、欧州のマイクラEV・キャシュカイe-POWER、米国のセントラ、日本のルークス・新型リーフなど新型車を投入した。26年度もエルグランド、キックス、ムラーノなど新型モデルの投入を計画している。
※本記事は日産自動車が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。