※本記事はニチレイが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ニチレイの2026年3月期は、売上高7,161億円(前期比2%増)、営業利益390億円(同2%増)、経常利益401億円(同1%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は273億円(同11%増)で、政策保有株式の売却などにより過去最高を更新した。営業利益は前回計画(395億円)には5億円届かなかった。会社は2026年12月期から決算期を3月末から12月末に変更し、次期(2026年12月期)は国内9か月・海外12か月の変則決算となる。
連結業績(2026年3月期 実績)
食品事業やその他事業の減益を低温物流事業の増益がカバーし、営業利益は前期比7億円増となった。一方、前回計画比では低温物流事業の海外での一過性のマイナス影響などにより5億円未達となった。当期純利益は政策保有株式の売却などにより過去最高を更新した。
| 項目 | 26/3期実績 | 前期比 | 前回計画比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,161億円 | +141億円(+2%) | +161億円(前回計画7,000億円) |
| 海外売上高 | 1,738億円 | +80億円(+5%) | +15億円(前回計画1,723億円) |
| 営業利益(利益率5.4%) | 390億円 | +7億円(+2%) | △5億円(前回計画395億円) |
| 経常利益 | 401億円 | +3億円(+1%) | △2億円(前回計画403億円) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 273億円 | +25億円(+11%) | △7億円(前回計画280億円) |
| EPS | 109.1円 | +11.8円(+12%) | △2.6円(前回計画111.7円) |
| EBITDA | 611億円 | △15億円(△2%) | △4億円(前回計画615億円) |
| ROIC | 7.3% | △0.1pt | △0.3pt(前回計画7.6%) |
| ROE | 10.0% | +0.4pt | 0pt(前回計画10%以上) |

セグメント別の状況(2026年3月期 実績)
加工食品事業は、価格改定や価格対応型商品の投入で収益改善に努めたが、想定外のコスト増が響き営業利益は9億円減益。水産・畜産事業は低収益商材の削減により減収となったが、水産は前期並みの利益を確保、畜産は販売数量減で固定費を回収できず5億円減益となった。低温物流事業は国内での保管・輸配送需要の着実な取り込みやリテール事業の拡大、減価償却方法の変更等も寄与し28億円増益となった。
| セグメント | 指標 | 当期(26/3期) | 前期(25/3期) |
|---|---|---|---|
| 食品 | 売上高 | 4,267億円 | 4,339億円 |
| 食品 | 営業利益(利益率4.7%) | 199億円 | 213億円 |
| 加工食品 | 売上高 | 3,342億円 | 3,116億円 |
| 加工食品 | 営業利益(利益率5.4%) | 179億円 | 188億円 |
| 水産 | 売上高 | 501億円 | 587億円 |
| 水産 | 営業利益(利益率2.8%) | 14億円 | 14億円 |
| 畜産 | 売上高 | 509億円 | 674億円 |
| 畜産 | 営業利益(利益率1.2%) | 6億円 | 11億円 |
| 低温物流 | 売上高 | 3,010億円 | 2,783億円 |
| 低温物流 | 営業利益(利益率6.2%) | 186億円 | 157億円 |
| 不動産 | 売上高 | 50億円 | 52億円 |
| 不動産 | 営業利益(利益率37.9%) | 19億円 | 19億円 |
| その他 | 売上高 | 53億円 | 65億円 |
| その他 | 営業利益(利益率9.0%) | 5億円 | 11億円 |
| 合計 | 売上高 | 7,161億円 | 7,021億円 |
| 合計 | 営業利益(利益率5.4%) | 390億円 | 383億円 |

通期業績予想(2026年12月期・変則決算)
グローバル経営基盤の強化と経営の透明性向上を目的に決算期を3月末から12月末に変更し、2026年12月期の「通期」は国内2026年4月~12月(9か月)、海外2026年1月~12月(12か月)を対象とする変則期間となる。低温物流事業が全体を牽引し増収増益を見込む一方、コスト増が継続する食品事業は前期並みの利益確保に注力する。親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の売却を推進し前期比9%増の252億円を見込む。想定為替レートは米ドル/円157.00、ユーロ/円184.00、バーツ/円4.70。
| 項目 | 26/12期計画(変則) | 前年同期間比 |
|---|---|---|
| 食品|売上高 | 3,431億円 | +18億円(+1%) |
| 食品|営業利益(利益率4.7%) | 162億円 | +2億円(+1%) |
| 低温物流|売上高 | 2,722億円 | +221億円(+9%) |
| 低温物流|営業利益(利益率6.6%) | 179億円 | +19億円(+12%) |
| 不動産|売上高 | 36億円 | △1億円(△3%) |
| 不動産|営業利益(利益率41.7%) | 15億円 | 0億円(+2%) |
| その他|売上高 | 47億円 | +6億円(+16%) |
| その他|営業利益(利益率8.5%) | 4億円 | △0億円(△2%) |
| 売上高合計 | 6,094億円 | +269億円(+5%) |
| (海外売上高合計) | 1,948億円 | +221億円(+13%) |
| 営業利益合計(利益率5.5%) | 338億円 | +14億円(+4%) |
| 経常利益 | 347億円 | +13億円(+4%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 252億円 | +21億円(+9%) |
| EPS | 100.6円 | +8.6円 |
| EBITDA | 547億円 | +43億円(+8%) |
| ROIC | 6.0% | △0.3pt |
| ROE | 8.6% | 0pt |

株主還元
配当方針はDOE4.0%を下限とする累進配当に基づき、安定した増配を実施する。2026年12月期配当は11期連続の増配を予定している。自己株式取得は財務状況やフリー・キャッシュ・フローの見通しなどを総合的に判断し、機動的に実施する。1株当たり年間配当金(円)は2025年3月期46円、2026年3月期47円(いずれも2025年4月1日付の1株につき2株の株式分割後換算。分割前の実際の2025年3月期年間配当金は92円=普通配当82円・特別配当10円)。
| 中期経営計画期間 | 配当金支払額 | 自己株式取得額 | 総還元性向 |
|---|---|---|---|
| WeWill2021(19-21年度) | 177億円 | 100億円 | 43% |
| Compass Rose 2024(22-24年度) | 246億円 | 150億円 | 56% |
| Compass×Growth 2027(計画、25-27年度) | 365億円~ | 開示なし | 開示なし |

中期経営計画目標のアップデート
中期経営計画「Compass×Growth 2027」策定時からの事業環境の大きな変化などを受け、グループ全体では営業利益を下方修正する。食品事業は想定外のコスト高への追加施策を実行するが中計期間内では打ち返せず、営業利益目標を28/3当初目標287億円から27/12修正目標220億円へ下方修正した。低温物流事業は設備投資やM&Aによる海外伸長で売上高目標を3,120億円から3,400億円へ上方修正した一方、営業利益目標は226億円のまま据え置いた。グループ全体では、売上高目標を8,000億円から7,773億円へ、営業利益目標を560億円から452億円へ修正し、M&A目標値は削除、決算期変更も反映した。
新たな経営指針
新社長は「最上位経営目標の再定義」「事業ポートフォリオ戦略の構築」「成長ドライバーの特定」「戦い方の転換」「磨くべき強みと提供価値」の5つの経営論点に向き合い、企業価値・株主価値の最大化を目指す。四半期決算の場などを活用して資本市場との対話を行い、2027年2月の2026年12月期通期決算までに論点への回答を提示する方針。
※本記事はニチレイが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。