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ダイセル、2026年3月期は減収減益 COC減損で純利益102億円 2027年3月期は増益へ

決算サマリー 2026.08.14
ダイセル、2026年3月期は減収減益 COC減損で純利益102億円 2027年3月期は増益へ

※本記事はダイセルが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

ダイセルの2026年3月期は、売上高5,796億円(前期比1.2%減)、営業利益421億円(同31.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益102億円(同79.4%減)となった。セイフティ事業のインフレータ販売増加が寄与した一方、マテリアル事業のアセテート・トウ販売減少や、ドイツで建設中の環状オレフィン・コポリマー(COC)第2プラントの減損損失324億円の計上が響いた。2027年3月期は売上高5,950億円(同2.7%増)、営業利益425億円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益320億円(同214.3%増)を見込む。

目次

連結業績(当期 実績)

2026年3月期の売上高は5,796億円(前期比1.2%減)。セイフティ事業で中国・インドを中心に自動車エアバッグ用インフレータの販売が増加した一方、マテリアル事業のアセテート・トウはローカル顧客の在庫調整により販売が減少し、全体では減収となった。営業利益は421億円(同31.0%減)。セイフティ事業の米国拠点の生産性改善や中国でのコストダウンが貢献したものの、マテリアル事業の前期からの繰越在庫影響やエンジニアリングプラスチックの新プラント稼働による減価償却費増加などが減益要因となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、ドイツで建設中のCOC第2プラントの減損損失324億円の計上により102億円(同79.4%減)となった。EBITDAは854億円(同16.6%減)。

項目当期前期増減
売上高5,796億円5,865億円△69億円(△1.2%)
営業利益421億円610億円△189億円(△31.0%)
経常利益451億円623億円△172億円(△27.6%)
親会社株主に帰属する当期純利益102億円495億円△393億円(△79.4%)
EBITDA854億円1,024億円△170億円(△16.6%)

セグメント別の状況

セグメント別に見ると、セイフティ事業は自動車エアバッグ用インフレータの販売数量増加により増収増益(売上高1,042億円、営業利益61億円)。メディカル・ヘルスケア事業とスマート事業も増収増益となった。一方、マテリアル事業はアセテート・トウの販売減少や酢酸市況の低下により減収減益(売上高1,613億円、営業利益150億円)。エンジニアリングプラスチック事業は増収となったものの、新プラント稼働に伴う減価償却費増加などにより減益(売上高2,547億円、営業利益192億円)となった。

セグメント指標当期前期
メディカル・ヘルスケア売上高162億円144億円
メディカル・ヘルスケア営業利益4億円3億円
スマート売上高377億円373億円
スマート営業利益5億円△8億円
セイフティ売上高1,042億円976億円
セイフティ営業利益61億円39億円
マテリアル売上高1,613億円1,834億円
マテリアル営業利益150億円296億円
エンジニアリングプラスチック売上高2,547億円2,480億円
エンジニアリングプラスチック営業利益192億円270億円
その他事業売上高54億円58億円
その他事業営業利益9億円10億円
セグメント別 売上高・営業利益
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.9

通期業績予想

2027年3月期は、エンジニアリングプラスチックや自動車エアバッグ用インフレータの販売数量増加などにより増収を計画。アセテート・トウのローカル市場での競争激化に起因する販売価格の低下や原料のパルプ価格上昇の影響などにより、営業利益は微増益の計画。経常利益は政策保有株式売却に伴う受取配当金の減少や持分法による投資利益の減少などにより減益を計画する一方、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に計上した減損損失の反動もあり増益の見通し。なお、2027年3月期業績予想には中東情勢悪化の影響を織り込んでいない。また2027年3月期からはセグメント区分を変更し、ハイパフォーマンスポリマーズ・ライフサイエンスなどの区分が新設される。

項目予想前期(実績)
売上高5,950億円(+2.7%)5,796億円
営業利益425億円(+1.0%)421億円
経常利益430億円(△4.7%)451億円
親会社株主に帰属する当期純利益320億円(+214.3%)102億円
EBITDA870億円(+1.9%)854億円
2027年3月期業績予想 セグメント別 売上高・営業利益(新セグメント)
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.23

株主還元

2026年3月期の配当は、中間30円・期末30円(計画)の年間60円/株とし、前期と同額を維持(前回発表予想から変更なし)。また2025年11月から2026年3月にかけて137億円(1,009万株)の自己株式取得を実施した。2027年3月期は1,080万株の自己株式消却を決定。配当予想は2026年5月22日発表予定の中期戦略公表にあわせて開示するとしており、還元の基本方針(総還元性向40%以上かつDOE4%以上)に変更はない。

項目2026年3月期2025年3月期
中間配当(円/株)30円
期末配当(円/株)30円(計画)
年間配当(円/株)60円(前期と同額)60円
自己株式取得137億円(1,009万株、取得期間2025年11月~2026年3月)
株主還元・配当実績の推移
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.29

COC第2プラント減損とトピック

2026年3月26日、ドイツの連結子会社TOPAS Advanced Polymers GmbHが建設中のCOC(環状オレフィン・コポリマー)第2プラントについて、需要拡大の遅れや建設費高騰による投資額増加を踏まえ、324億円の減損損失を計上したことを開示した。建設は継続し、2027年度中の稼働を目指す。既存プラント(生産能力1万5千トン)の稼働率は80%まで回復し、環境対応包装分野・医療分野での需要回復が続いている。第2プラント投資は2033年度に回収完了を見込む。また、2026年3月期までに約7割の構造改革を完了しており、富山フィルタートウ株式会社の完全子会社化(2025年4月)、ポリスチレン事業撤退、ダイセルパックシステムズ株式会社の譲渡、オプティカルレンズ事業撤退(いずれも2026年3月)、ポリプラスチックス株式会社との一体化(2026年4月)などを実施した。

COC第2プラント減損の概要
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.3

※本記事はダイセルが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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