※本記事はハウス食品グループ本社が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ハウス食品グループ本社は2026年5月12日、2026年3月期(26.3期)通期決算を発表した。売上高は3,170億円(前期比+16億円、+0.5%)、営業利益は182億円(同△18億円、△8.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は74億円(同△51億円、△41.1%)。下期は増収増益に転換したが、通期では事業コスト上昇の影響が大きく増収減益となった。米国キーストーン社では新拠点計画の見直しに伴う減損損失を計上した。
連結業績(26.3期 実績)
売上高は前期比+16億円(+0.5%)の3,170億円。デリカシェフの事業譲渡影響を除くと約2%の増収となった。営業利益は前期比△18億円(△8.8%)の182億円、EBITDAは318億円(同△21億円)、経常利益は195億円(同△19億円)。親会社株主に帰属する当期純利益は74億円(同△51億円、△41.1%)で、米国キーストーン社ののれん・顧客関連無形資産等の減損損失75億円が影響した。
| 項目 | 26.3期実績 | 25.3期実績 | 対前期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,170億円 | 3,154億円 | +16億円 |
| 営業利益 | 182億円 | 200億円 | △18億円 |
| EBITDA | 318億円 | 339億円 | △21億円 |
| 経常利益 | 195億円 | 214億円 | △19億円 |
| 当期純利益 | 74億円 | 125億円 | △51億円 |

セグメント別業績
香辛・調味加工食品事業は売上高1,321億円(前期比+7億円)、営業利益128億円(同+0億円)。上期は価格改定影響等で減益だったが、下期は増収増益に転換した。健康食品事業は売上高169億円(同△2億円)、営業利益15億円(同△9億円)で、「C1000」や乳酸菌事業が伸長した一方、ゼリー製品が苦戦し事業コスト上昇の吸収に至らなかった。海外食品事業は売上高634億円(同+10億円)、営業利益34億円(同+3億円)で、中国カレー事業の成長回帰がけん引したが、米国大豆事業の損益構造改革は道半ばとした。外食事業は売上高655億円(同+45億円)、営業利益34億円(同△2億円)で、国内CoCo壱番屋の価格改定効果等により増収も事業コスト上昇で減益となった。その他食品関連事業は売上高501億円(同△43億円)、営業利益9億円(同△3億円)で、グループの経営資源を成長領域に集中させるためデリカシェフの事業譲渡を実行した。
| セグメント | 売上高(26.3期) | 売上高 対前期 | 営業利益(26.3期) | 営業利益 対前期 |
|---|---|---|---|---|
| 連結 | 3,170億円 | +16億円 | 182億円 | △18億円 |
| 香辛・調味加工食品事業 | 1,321億円 | +7億円 | 128億円 | +0億円 |
| 健康食品事業 | 169億円 | △2億円 | 15億円 | △9億円 |
| 海外食品事業 | 634億円 | +10億円 | 34億円 | +3億円 |
| 外食事業 | 655億円 | +45億円 | 34億円 | △2億円 |
| その他食品関連事業 | 501億円 | △43億円 | 9億円 | △3億円 |
| 調整(消去) | △110億円 | △2億円 | △38億円 | △6億円 |

通期業績予想(27.3期計画)
27.3期(2027年3月期)の連結業績予想は、売上高3,225億円(前期比+55億円)、営業利益185億円(同+3億円)、経常利益197億円(同+2億円)、親会社株主に帰属する当期純利益170億円(同+96億円)。ROEは6.0%(同+3.5pt)を計画する。八次中期計画の当初目標(27.3期売上高3,600億円、営業利益270億円、ROE7.0%)に対しては、売上高で△375億円、営業利益で△85億円、ROEで△1.0ptのギャップがあるとして目標を修正した。なお、中東情勢の影響(15~30億円程度の調達コスト増の可能性)は27.3期計画には織り込んでいない。
| 項目 | 27.3期予想 | 対前期 | 八次中計目標比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,225億円 | +55億円 | △375億円 |
| 営業利益 | 185億円 | +3億円 | △85億円 |
| 経常利益 | 197億円 | +2億円 | - |
| 当期純利益 | 170億円 | +96億円 | - |
| ROE | 6.0% | +3.5pt | △1.0pt |

株主還元
26.3期の期末配当は46円(従来予想24円から増配)とし、年間配当金は70円(従来予想48円から増額)に変更する。27.3期からは利益配分に関する基本方針を変更し、DOE(純資産配当率)3%以上を目安とした累進配当を原則とするほか、機動的な自己株式取得等の株主還元を実施する方針とした。27.3期の年間配当金は1株あたり100円を計画する。また、2026年5月11日開催の取締役会で上限260億円の自己株式取得を決議した。
| 区分 | 24.3期 | 25.3期 | 26.3期(予) |
|---|---|---|---|
| 中間配当金 | 23円 | 24円 | 24円 |
| 期末配当金 | 24円 | 24円 | 46円(予) |
| 合計配当金 | 47円 | 48円 | 70円(予) |
| 連結配当性向 | 26.0% | 36.4% | 87.8%(予) |
| 総還元性向 | 37.4% | 84.4% | 223.2% |

第八次中期計画進捗を踏まえた構造改革
第八次中期計画の2年間の進捗は、26.3期実績が売上高3,170億円、営業利益182億円、ROS5.8%、ROIC4.1%、ROE2.5%となり、27.3期の中計当初目標(売上高3,600億円、営業利益270億円、ROS7.5%、ROIC6.0%、ROE7.0%)に対してギャップが生じた。これを踏まえ、(1)スパイス系VCへの経営資源集中による成長加速、(2)社長直轄の組織改革プロジェクトによるグループ本社体制の見直し(27.3期中に新体制案を策定)、(3)利益成長と自己資本マネジメントの両輪によるROE向上、の3つを柱とする「構造改革」を実行する。27.3期はグループの収益基盤を再構築する1年と位置付け、財務戦略も含めROE6%への改善を計画する。
※本記事はハウス食品グループ本社が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。