※本記事はインバウンドテックが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社インバウンドテックは2026年3月期(通期)の決算説明資料を公表した。マルチリンガルCRM事業とセールスアウトソーシング事業を展開する同社の当期は、売上高2,133百万円(前期比16.2%減)、営業利益△171百万円(前期21百万円から192百万円の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益△232百万円(前期△414百万円から182百万円改善)となった。官公庁等の入札業務の受注が期ずれしたことや一時費用の発生が響いた一方、特別損益の改善により純損失は前期より縮小した。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は前期比16.2%減の2,133百万円、営業利益は前期の21百万円から192百万円悪化し△171百万円、経常利益は前期の15百万円から211百万円悪化し△196百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は△232百万円で、前期の△414百万円からは182百万円改善した。売上高は期初計画2,600百万円に対し達成率82.0%、営業利益は計画135百万円に対し306百万円下振れた。マルチリンガルCRM事業における官公庁等の入札業務は第4四半期以降順調に受注が進んだものの、受注した業務の大半が2027年3月期開始として期ずれしたことに加え、人件費の高騰で原価環境が厳しく推移した。また、簡易株式交付による株式会社FWの子会社化に伴う外部アドバイザー・弁護士等の費用75百万円、貸倒引当金の繰入15百万円が一時費用として発生した。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 | 2026年3月期(計画) | 計画比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,133百万円 | 2,544百万円 | △411百万円(-16.2%) | 2,600百万円 | 82.0% |
| 営業利益 | △171百万円 | 21百万円 | △192百万円 | 135百万円 | △306百万円 |
| 経常利益 | △196百万円 | 15百万円 | △211百万円 | 105百万円 | △301百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △232百万円 | △414百万円 | +182百万円 | 60百万円 | △292百万円 |

セグメント別の状況
マルチリンガルCRM事業の売上高は前期比8.3%減の1,640百万円、セグメント利益は前期比40.1%減の181百万円となった。競合の参入増加や人件費高騰に伴う官公庁等の入札業務の期末付近での受注の期ずれ、ヘルスケアBPO事業の案件獲得が計画に至らなかったことなどにより、拠点・人材の維持に係る固定コストをカバーしきれず減益となった。セールスアウトソーシング事業の売上高は前期比31.0%減の527百万円、セグメント利益は前期比4.9%減の116百万円となった。東京電力グループ向けの営業業務は予定に近い形で進捗したが、ソフトバンクモバイルにおける契約勧奨業務が期中で終了し、新規案件の立ち上げでカバーできなかったことが影響した。連結の売上総利益は343百万円(売上総利益率16.1%)で前期の425百万円(16.7%)から低下した。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| マルチリンガルCRM事業 | 売上高 | 1,640百万円 | 1,788百万円 | △148百万円(-8.3%) |
| マルチリンガルCRM事業 | セグメント利益 | 181百万円 | 302百万円 | △121百万円(-40.1%) |
| セールスアウトソーシング事業 | 売上高 | 527百万円 | 764百万円 | △237百万円(-31.0%) |
| セールスアウトソーシング事業 | セグメント利益 | 116百万円 | 122百万円 | △6百万円(-4.9%) |

キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは84百万円(前期75百万円、+9百万円)で、税金等調整前当期純利益の減少はあったものの減価償却費・のれん償却額の発生や未払金の増加などにより前年同期より収入が増加した。投資活動によるキャッシュ・フローは△78百万円(前期△143百万円)で、事業譲渡による収入や敷金及び保証金の回収収入があった一方、固定資産の取得及び事業譲受による支出があり、前年同期より支出は65百万円減少した。財務活動によるキャッシュ・フローは△76百万円(前期△225百万円)で、既存借入金の返済があった一方、自己株式取得に係る預託金の返還などから前年同期より支出が224百万円減少した。フリー・キャッシュ・フローは6百万円(前期△69百万円)となり、現金及び現金同等物の期末残高は1,336百万円(前期比5.0%減)となった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期差異 |
|---|---|---|---|
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 84百万円 | 75百万円 | +9百万円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △78百万円 | △143百万円 | +65百万円 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 6百万円 | △69百万円 | +75百万円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △76百万円 | △225百万円 | +149百万円 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 1,336百万円 | 1,407百万円 | △71百万円(-5.0%) |
通期業績予想(2027年3月期)
2026年6月、簡易株式交付の手続により株式会社FWを完全子会社化し、FWの完全子会社である株式会社ウェブクルーを孫会社とする新たなグループ体制を構築する予定である。現時点ではFWを連結した業績の見通しを精査中であり、連結売上高を除く2027年3月期の連結業績予想値の算出が困難なことから未定としている。連結業績予想の開示時期は精査完了後とし、2026年11月中旬公表予定の2027年3月期第2四半期(中間期)決算短信での公表を予定している。売上高については、2026年3月期の2,133百万円に対し、セールスアウトソーシング事業の既存案件拡大(+68百万円)・新規案件開始(+212百万円)、マルチリンガルCRM事業の前期スポット案件終了(△550百万円)・期ずれ受注残(+310百万円)・日本語/多言語案件増(+77百万円)・AI関連事業の成長展開(+50百万円)、FWの子会社化に伴う増加(+4,000百万円)を見込み、2027年3月期は6,300百万円を見通している。
| 増減要因 | 事業 | 金額 |
|---|---|---|
| 既存案件の拡大 | セールスアウトソーシング | +68百万円 |
| 新規案件の開始 | セールスアウトソーシング | +212百万円 |
| 前期中で終了したスポット案件等 | マルチリンガルCRM | △550百万円 |
| 期ずれによる前期からの受注残 | マルチリンガルCRM | +310百万円 |
| 日本語・多言語案件の売上増 | マルチリンガルCRM | +77百万円 |
| AI関連事業の成長展開 | マルチリンガルCRM | +50百万円 |
| FWの子会社化に伴う売上増 | マルチリンガルCRM | +4,000百万円 |

株主還元
配当予想については、2027年3月期の連結業績予想と併せて、FWを連結した業績見通しの精査完了後に公表予定であり、現時点では未定としている。なお、資産の部では自己株式の取得などにより流動資産が減少したことが開示されている。
グループ再編・トピックス
当社は簡易株式交付により、株式会社FWの普通株式1株に対し当社普通株式1,384株を割当交付する(交付株式総数379,216株、うち新株発行242,916株、自己株式136,300株)。これにより株式会社FWは当社の完全子会社となり、FWの完全子会社である株式会社ウェブクルーは当社の孫会社となる。株式交付によりFWの株主であった株式会社光通信の当社株式保有比率は27.6%(グループ保有含む)、同社代表取締役の藤島義琢氏は5.0%となる。ウェブクルーは「保険」「引越し」「自動車」「シニア」「通信制」など多様な分野の比較サイトを運営し、2,200万人を超えるユーザー利用によるデータベースを保有する企業である。このほか、当期は株式会社日本旅行との業務提携(2025年8月14日、インバウンド事業・教育事業・製薬業界支援・自治体BPO事業等で協業)、ナルネットコミュニケーションズとの協業による整備工場向けAIコミュニケーション基盤の共同開発(2026年3月11日)、株式会社シップス360からのモバイルプロモーション関連事業の譲受(2025年6月30日)など、AI活用支援やグループ外連携の取り組みを進めた。

※本記事はインバウンドテックが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。