※本記事は中村屋が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
中村屋は2026年5月15日、2026年3月期の決算を発表した。売上高は373億51百万円(前年比+0.3%)とほぼ横ばいだったが、不採算商品の削減や工場稼働率の平準化によるコスト低減が奏功し、一過性費用5.5億円を吸収しながら営業利益は13億24百万円(同+23.7%)と期初計画(6億60百万円)を大幅に上回った。経常利益は15億99百万円(同+25.2%)、当期純利益は9億18百万円(同+3.7%)となった。
業績(当期 実績)
売上総利益率は37.4%(前期36.8%)に改善し、販管費は12億65百万円(同+0.2%)とほぼ横ばいで推移した。売上高は中華まんの堅調や業務用食品の取引先拡大が菓子事業見直しの影響を吸収し微増収となった一方、営業利益は生産効率の改善と主力商品である中華まんの価格改定が寄与し、期初計画・修正計画(営業利益12億円)をいずれも上回った(以下、単位は百万円)。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 37,351 | 37,248 | +0.3% |
| 売上総利益 | 13,977 | 13,699 | +2.0% |
| 販売費及び一般管理費 | 12,654 | 12,628 | +0.2% |
| 営業利益 | 1,324 | 1,070 | +23.7% |
| 経常利益 | 1,599 | 1,277 | +25.2% |
| 当期純利益 | 918 | 885 | +3.7% |

セグメント別(事業別)の状況
事業別にみると、菓子事業は贈答用菓子の戦略的縮小や不採算商品の絞り込みにより売上高262億20百万円(前年比△2.3%)と減収となったが、採算改善によりセグメント利益は26億73百万円(利益率10.2%、前年9.5%)に増益した。食品事業は業務用食品における大手小売との取り組み深化が奏功し、売上高102億19百万円(同+7.6%)、セグメント利益6億44百万円(同+42.1%、利益率6.3%)と増収増益を確保した。不動産賃貸事業は一部店舗の賃料改定の影響で売上高9億13百万円(同△0.5%)、セグメント利益4億28百万円(同△5.5%)とわずかに減収減益となった。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 菓子 | 売上高 | 26,220 | 26,834 |
| 菓子 | セグメント利益(利益率) | 2,673(10.2%) | 2,545(9.5%) |
| 食品 | 売上高 | 10,219 | 9,497 |
| 食品 | セグメント利益(利益率) | 644(6.3%) | 453(4.8%) |
| 不動産賃貸 | 売上高 | 913 | 917 |
| 不動産賃貸 | セグメント利益(利益率) | 428(46.9%) | 453(49.4%) |

通期業績予想
会社は2027年3月期の業績予想として、売上高377億円(前年比+0.9%)、営業利益14億円(同+5.8%)、経常利益16億円(同+0.1%)、当期純利益9億50百万円(同+3.5%)を見込む。商品・販路の絞り込みや主要取引先の販売期間短縮による減収影響を新商品・新事業の拡大で補い増収を確保する方針。利益面では地政学リスクに伴う原材料価格や販売関連費用の上昇を厚めに織り込む一方、不採算商品の削減や前期計上した一過性費用の消滅により増益を確保する計画である。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期(実績) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 37,700 | 37,351 | +0.9% |
| 営業利益 | 1,400 | 1,324 | +5.8% |
| 経常利益 | 1,600 | 1,599 | +0.1% |
| 当期純利益 | 950 | 918 | +3.5% |

株主還元
中村屋は株主に対する長期にわたる安定的かつ継続的な配当を重視する方針を掲げる。2026年3月期は1株当たり配当金を75円とし、前期の70円から増配した。2027年3月期は利益がほぼ横ばいの見通しであることから、配当金は75円で据え置く予定である。
| 年度 | 配当金(円) | 配当性向(%) |
|---|---|---|
| 2024年3月期(実績) | 60 | 87.9 |
| 2025年3月期(実績) | 70 | 45.9 |
| 2026年3月期(実績) | 75 | 47.1 |
| 2027年3月期(予定) | 75 | 45.5 |

成長戦略・トピック
エグゼクティブ・サマリーでは、中華まんの春夏需要創造や販路拡大、業務用食品の取引先拡販、高付加価値商品の提供による収益改善を伴った売上・利益の成長を目指す方針が示された。あわせて法人向けの新規事業モデルとして、スープを提供するオフィス常設型の社食サービスを2025年11月に開始し、2026年3月時点で採用実績26社・提供品目8品目まで拡大、2026年12月末までに100社導入を目指す。また2026年5月には家庭用レトルト食品など14品目について11.5~11.8%の価格改定を実施する。
※本記事は中村屋が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。