※本記事は三晃金属工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
三晃金属工業は2026年3月期(資料表記はFY2025)の通期決算説明資料を公表した。売上高は工事の比較的順調な進捗及び成型品販売の増収により、前期比3.7%増収の470億円となった。一方で経常利益は、増収による利益増はあったものの、工事原価及び製造・施工強化対策費用の増加等による売上総利益率の低下により7.1%減益の38億円となり、ROEは9.7%を計上した。受注残高は屋根工事・製品販売ともに増加し、前期比+9億円(+2.5%増)の364億円となり過去最高を更新している。
業績ハイライト(2026年3月期 実績)
事業環境について資料は、当事業年度の需要の前提となる2025年度の全国非住宅鉄骨造着工床面積が前期比4.8%減少し、そのうち当社工事物件に関係する工場・倉庫では前期比11.9%減少したこと、諸資材価格が総じて高い水準で推移したことを挙げている。業績は売上高470億円(前期比+17億円)に対し、売上総利益は97.6億円(前期比-1.5億円)、売上総利益率は20.7%と前期比1.2%低下した。資料は売上総利益について、増収による利益増はあったものの工事原価の上昇により156百万円(1.6%)の減益と説明している。販売費及び一般管理費は60億円(前期比+2億円)、当期純利益は26.5億円(前期比-2.9億円)となった。
| 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 対前期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 470 | 453 | +17 |
| 売上総利益 | 97.6 | 99.1 | -1.5 |
| 売上総利益率 | 20.7% | 21.9% | -1.2% |
| 販売費及び一般管理費 | 60 | 58 | +2 |
| 経常利益 | 38 | 41 | -3 |
| 当期純利益 | 26.5 | 29.4 | -2.9 |
| ROS(売上高経常利益率) | 8.2% | 9.1% | -0.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.7% | 11.3% | -1.6% |
経常利益の増減分析では、前期の41.4億円に対し、増収効果+3.7億円(+9%)、売上利益率悪化による利益減-5.3億円(-13%)、本社移転関連コストの計上等の一般管理費増加-1.8億円、営業外収益増加+0.4億円により、当期は38.4億円(前期比7.1%減益)となったと示されている。

工事・販売別の状況(受注高・売上高・受注残高)
受注高は、需要前提となる全国非住宅鉄骨造着工床面積が前期比で大きく減少する中、改修ニーズ捕捉による改修工事、成型品販売の受注増により479億円を計上し高いレベルを継続した。内訳は工事400億円、販売79億円。売上高は工事396億円、販売74億円の計470億円で、工事の比較的順調な進捗及び成型品販売の増収により前期比17億円(3.7%)の増収となった。受注残高は工事336億円、販売28億円の計364億円で、屋根工事・製品販売ともに増加し過去最高を更新した。
| 区分 | 指標 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) |
|---|---|---|---|
| 工事 | 受注高 | 400 | 413 |
| 販売 | 受注高 | 79 | 66 |
| 合計 | 受注高 | 479 | 479 |
| 工事 | 売上高 | 396 | 388 |
| 販売 | 売上高 | 74 | 65 |
| 合計 | 売上高 | 470 | 453 |
| 工事 | 受注残高 | 336 | 332 |
| 販売 | 受注残高 | 28 | 23 |
| 合計 | 受注残高 | 364 | 355 |

財政状態・キャッシュ・フロー
総資産は、流動資産(電子記録債権、現金預金)および流動負債(電子記録債務)の減少等により9億円減少の405億円となった。自己資本は276億円、自己資本比率は68.1%と前期比2.7%上昇している。キャッシュ・フローは営業26億円、投資△9億円、財務△21億円。資料では投資CFは定期性預金(6ヶ月)の預け入れによる支出95億円を除いて表示しており、財務CFは前期配当金に加え中間配当の実施初年度により大幅増加したと説明されている。
2027年3月期 通期業績予想
2027年3月期の事業環境について資料は、新築需要は引き続き減少の見通しであること、人手不足に起因する前工程の遅延や建設コスト高騰による建設計画の中止・延期、中東情勢の影響による資材調達懸念や調達価格上昇など先行きは一段と不透明であることを挙げている。業績予想は売上高が前期レベルの470億円、経常利益は市場環境悪化及び将来に向けた労務費の増加と品質向上のための生産設備関連費用の増加等を織り込み、2.4億円(6.3%)減益の36億円としている。なお資料には、中東地域における地政学的リスクの高まりやサプライチェーンの混乱による資材の調達難、原油価格の高騰等の影響額は合理的な算定が困難なため本業績予想に織り込んでいない旨が記載されている。
| 項目 | 2027年3月期 予想 | 2026年3月期 実績 | 対前期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 470 | 470 | – |
| 営業利益 | 35 | 38 | -3 |
| 経常利益 | 36 | 38.4 | -2.4 |
| 当期純利益 | 24.5 | 26.5 | -2 |
| ROS(売上高経常利益率) | 7.7% | 8.2% | -0.5% |

株主還元
2024年度より配当性向目安を30%から50%に見直しており、同方針により2025年度は69円/年配当、2026年度は64円/年配当を予定している。中間配当は上記の内数として、2025年度34円、2026年度30円を予定する。なお2025年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を実施しており、資料では過年度についても株式分割後と仮定して表示している。
| 期 | 1株当たり配当金 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2022 | 37 | 30.1% |
| FY2023 | 40 | 29.7% |
| FY2024 | 76 | 49.8% |
| FY2025 | 69 | 50.3% |
| FY2026(予定) | 64 | 50.4% |

2027年3月期の当社方針
資料は当社方針として、営業面では技術提案を中心に設計織込み営業を強化し、競争力のある商品と工法を市場に投入してさらに受注を拡大すること、工事面では引き続き高レベルの期首受注残高を維持しており工事施工の確実な実行に注力することを挙げている。加えて、資材・労務・物流・設備等のコストアップの転嫁と一層のコスト低減強化、「施工品質」と「製造品質」の向上(2026年4月に品質管理部を新設)、現場生産性の向上を進め「業界最高レベルの商品力・営業力・工事力」による好循環を創出するとしている。
※本記事は三晃金属工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。