※本記事はクラフティアが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社クラフティア(東証プライム:1959)の2026年3月期は、売上高476,123百万円(前期比+0.5%)、営業利益54,600百万円(同+31.9%)、経常利益58,157百万円(同+30.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益40,053百万円(同+38.7%)となった。売上総利益は87,074百万円(同+23.2%)で、売上高比率は前期の14.9%から18.3%へ上昇した。損益は各段階で2026年1月30日発表の公表値(売上総利益84,500百万円、営業利益51,500百万円、経常利益55,000百万円、当期純利益36,000百万円)を上回った一方、受注高は公表値485,000百万円に対し479,014百万円となった。年間配当は1株当たり220円である。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は476,123百万円で前期比+2,169百万円(+0.5%)。営業利益は資料の億円表記で2025年3月期の414億円から2026年3月期は546億円となった。受注高は479,014百万円(前期比+26,901百万円、+6.0%)、期末の手持工事高は476,049百万円(同+21,990百万円、+4.8%)といずれも前期を上回った。中期経営計画の進捗を示すページでは、連結経常利益の2026年3月期の着地について「当初計画値(475億円)を大きく上回る着地」とされ、「物価上昇を見据えた戦略的受注活動の推進」「技術力強化・生産性の向上」をはじめとする施策の成果として、特に電気・空調衛生の工事利益が向上したと説明されている。(単位:百万円)
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 476,123 | 473,954 | +2,169 | +0.5% |
| 売上総利益 | 87,074 | 70,701 | +16,372 | +23.2% |
| 営業利益 | 54,600 | 41,388 | +13,212 | +31.9% |
| 経常利益 | 58,157 | 44,434 | +13,722 | +30.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 40,053 | 28,883 | +11,169 | +38.7% |
| 受注高 | 479,014 | 452,113 | +26,901 | +6.0% |
| 手持工事高 | 476,049 | 454,059 | +21,990 | +4.8% |

財政状態は、資産合計523,268百万円(前期末比+34,796百万円)、負債合計171,624百万円(同▲4,695百万円)、純資産合計351,644百万円(同+39,491百万円、構成比67.2%)。主な増減要因として、現金預金▲19,753百万円、受取手形・完成工事未収入金等+13,940百万円、投資有価証券+17,718百万円、株主資本+28,017百万円(純利益+40,053、配当金支払▲11,692)が挙げられている。キャッシュ・フローは営業活動12,332百万円、投資活動▲18,143百万円、フリー・キャッシュ・フロー▲5,811百万円、財務活動▲14,307百万円で、現金及び現金同等物の期末残高は50,548百万円となった。
部門別(設備工事業)の状況
設備工事業の部門別売上高は、配電線56,595百万円、電気208,253百万円が前期を上回った一方、空調衛生162,356百万円、太陽光30,319百万円は前期を下回った。部門別受注高は、配電線56,716百万円、電気259,983百万円が増加し、空調衛生158,575百万円、太陽光3,739百万円が減少した。(単位:百万円)
| 部門 | 売上高 2026年3月期 | 売上高 2025年3月期 | 受注高 2026年3月期 | 受注高 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 配電線 | 56,595 | 51,380 | 56,716 | 52,714 |
| 電気 | 208,253 | 200,257 | 259,983 | 206,285 |
| 空調衛生 | 162,356 | 164,934 | 158,575 | 175,439 |
| 太陽光 | 30,319 | 37,802 | 3,739 | 17,675 |

期末手持工事高の部門別内訳は、配電線4,760百万円(前期末4,640百万円)、電気236,908百万円(同185,178百万円)、空調衛生157,589百万円(同160,870百万円)、太陽光76,790百万円(同103,371百万円)。主な手持工事案件として、(仮称)渡辺通二丁目プロジェクト新築工事、新福岡県立美術館新築電気設備工事、八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業に伴う施設建築物等新築工事(南街区)、公立沖縄北部医療センター新築工事(電気)などが挙げられている。発電事業では、太陽光発電がグループ運営案件50ヶ所(発電容量92.0MW、持分相当87.4MW)、持分出資案件57ヶ所(うち建設中1ヶ所、事業全体1,336.1MW、持分相当349.1MW)、風力発電がグループ運営案件5ヶ所(59.0MW、持分相当50.0MW)、持分出資案件5ヶ所(369.2MW、持分相当67.4MW)で、発電容量合計(持分相当)は553.9MW。九州電力送配電による出力抑制は4月から3月の期間で累計129回発令され、前年同期の累計128回と同程度であった。
通期業績予想(2027年3月期 公表値)
2027年3月期の公表値は、売上高500,000百万円(前期比+5.0%)、売上総利益91,500百万円(同+5.1%)、営業利益55,500百万円(同+1.6%)、経常利益59,000百万円(同+1.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益40,500百万円(同+1.1%)、受注高495,000百万円(同+3.3%)。1株当たり当期純利益は572.56円を見込む。部門別の公表値は、売上高が配電線59,500百万円・電気221,000百万円・空調衛生167,000百万円・太陽光34,000百万円、受注高が配電線60,500百万円・電気260,000百万円・空調衛生169,000百万円・太陽光5,500百万円。(単位:百万円)
| 項目 | 2027年3月期 公表値 | 2026年3月期 実績 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 500,000 | 476,123 | +23,876 | +5.0% |
| 売上総利益 | 91,500 | 87,074 | +4,425 | +5.1% |
| 営業利益 | 55,500 | 54,600 | +899 | +1.6% |
| 経常利益 | 59,000 | 58,157 | +842 | +1.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 40,500 | 40,053 | +446 | +1.1% |
| 受注高 | 495,000 | 479,014 | +15,985 | +3.3% |

株主還元
2026年3月期の1株当たり年間配当金は220円(中間90円、期末130円)で、前期の140円(中間65円、期末75円)から増加した。2027年3月期は年間220円(中間110円、期末110円)を予定している。中期経営計画の株主還元方針は「連結配当性向40%目安」「累進配当の実施」で、2026年3月期は「2026年3月期実績を鑑み、配当性向38.9%となる1株あたり年間配当金220円とした」と説明されている。自己株式の取得については「宇久島プロジェクトにおける先行投資の回収状況を踏まえつつ、株価の動向も見極めながら判断したい」とし、株式分割についても並行して検討していくとしている。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(公表値) |
|---|---|---|---|
| 1株当たり当期純利益 | 408.36円 | 566.25円 | 572.56円 |
| 1株当たり配当金(年間) | 140円 | 220円 | 220円 |
| 配当金の内訳 | 中間65円,期末75円 | 中間90円,期末130円 | 中間110円,期末110円 |

中期経営計画・トピック
中期経営計画2025~2029の財務目標は、2029年度の連結経常利益600億円、2029年度のROIC10%以上、中計期間合計の投資総額2,000億円、株主還元は連結配当性向40%目安・累進配当の実施。2026年3月期の実績は、連結経常利益581億円、ROIC12.1%、配当性向38.9%、投資総額241億円。経常利益については「数値(600億円)のローリングについて、検討していく」、ROICについては「利益向上に伴い、累積する株主資本は2027年3月期以降、計画より大きくなっていくことから、宇久島プロジェクトの動向と併せた資本政策が必要」とコメントされている。非財務目標では、従業員数(連結)11,122人(2029年度目標12,000人)、45歳平均年収982万円(同1,000万円)、エンゲージメントスコア72点(目標72点以上)、男性育児休暇取得率101.2%(目標100%)などが示された。
宇久島太陽光発電所については、発電出力480MW、パネル設置面積約280ha(宇久島全土の約10分の1)、年間発電量51.5万MWh(一般家庭約17万3,000世帯相当)の規模。宇久島の交直変換所(HVDC)の建屋が完成し、HVDCシステム機器の搬入・据付作業を進めている。2025年7月にSPCが佐世保市から「市が管轄する海域」の占有許可を取得し、長崎県からの許可取得に向けて協議中。佐世保側の交直変換所建設用地の契約は完了した。工事期間については「工事全体の約7割を占める宇久島島内の工事は進捗している」とする一方、「2027年3月の完成からは遅れるものの、工程上のクリティカルパスである『佐世保側HVDC建屋』の用地の賃貸契約が完了したことから、完成に向けて見通しはクリアになってきている」と説明されている。SPCの事業採算性については、売電開始時期の遅れによるFIT期間(~2040年9月末)短縮への懸念に対し、FIP制度への転換やコーポレートPPAの制度利用、併設用蓄電池など新しいスキームを検討しているとした。
資料では新社名として【株式会社クラフティア】(英文表記 KRAFTIA Corporation)が示され、社名の由来は「K(Kyushu=九州/九電工)」「CRAFT(技術、技能、技巧)」「I(Innovation=革新)」「A(Action=実行)」で、「九州発の歴史や九電工の想いを受け継ぎながら、一人ひとりが技術・技能を磨き、『快適な環境づくり』のために、『技術を革新』し、『技術で実行』する」との説明が付されている。非財務目標の従業員数に関するコメントでも「要員増には、本社移転と社名変更、採用活動の早期化などによる相乗効果があったと推察」とされ、離職率も減少傾向とした。会社概要は、設立1944年(昭和19年)12月1日、資本金125億6,156万円(2026年3月31日現在)、上場市場は東京証券取引所プライム市場・福岡証券取引所(コード1959)、本社は福岡市中央区天神一丁目11番1号 ONE FUKUOKA BLDG.14階、従業員数は連結11,225名[単体7,122名](2026年3月末現在)。
※本記事はクラフティアが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。