※本記事は昭和パックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
昭和パックスが公表した2026年3月期(2025年4月1日~2026年3月31日)決算短信によると、売上高は23,563百万円(前期比1.1%増)、営業利益は1,632百万円(同18.5%増)、経常利益は1,867百万円(同14.8%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の投資有価証券売却益等の影響により1,283百万円(同2.8%減)となった。年間配当金は記念配当10円を含む50円と、前期の40円から増配した。2027年3月期の業績予想は、中東情勢の緊迫化などから合理的な算定が困難として未定としている。
連結業績(2026年3月期 実績)
短信によると、当期の国内経済は期初の関税影響による景気下押しが浅いものにとどまり緩やかに拡大してきたが、中東情勢の緊迫化を受けて先行きは不透明な状況にある。こうした中、同社グループは売上数量が伸び悩む状況が続いたものの、採算の確保に努めて経常利益は増益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の投資有価証券売却益等の影響により減益となったとしている。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 23,563百万円 | 23,316百万円 | 1.1%増 |
| 営業利益 | 1,632百万円 | 1,377百万円 | 18.5%増 |
| 経常利益 | 1,867百万円 | 1,626百万円 | 14.8%増 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,283百万円 | 1,320百万円 | 2.8%減 |
1株当たり当期純利益は292円29銭(前期は297円41銭)、自己資本当期純利益率は5.1%(同5.7%)、売上高営業利益率は6.9%(同5.9%)である。同社単独では売上数量が前年を割り込んだものの増収となり、賃上げによる人件費や投資設備完成による減価償却費などの負担が増加した一方、子会社配当の増配の影響で経常利益および当期純利益は増益となった。連結子会社では、タイ昭和パックス㈱が主要取引先の減産などの影響で減収減益、九州紙工㈱、㈱ネスコ、山陰製袋工業㈱は増収増益となった。
セグメント別の状況
重包装袋セグメントは、主力のクラフト紙袋で業界全体の出荷数量が前期を下回る中、同社の売上数量も減少した。塩や砂糖・甘味などの用途は増加した一方、米麦、合成樹脂、その他鉱産物の用途が大きく減少した。主原材料のクラフト紙は物流費の高騰や労務費の増加などのコスト上昇により値上がりした。セグメントの売上高は前期から増収となった。
フィルム製品セグメントは、産業用で売上数量が増加し、農業用で減少した。マスキングフィルム「HQF」やポリスチレンフィルム「エスクレア」などが増加した。主原材料のポリエチレン樹脂は高水準で推移し、中東情勢緊迫化の影響で価格上昇や一部で供給制約が生じたとしている。セグメントの売上高は増収となった。コンテナーセグメントは、フレキシブルコンテナ「エルコン」の売上数量が減少し、液体輸送用ポリエチレンバッグ「エスキューブ」は新規用途での採用が進んだものの、セグメント全体では減収となった。不動産賃貸セグメントは、前期中の新規賃貸契約により増収となった。
財政状態とキャッシュ・フロー
当期末の総資産は36,921百万円となり、前期末の33,384百万円から3,536百万円増加した。短信は、現金及び預金、有形固定資産、投資有価証券、退職給付に係る資産の増加を主な要因として挙げている。純資産は27,476百万円で、前期末の24,279百万円から3,197百万円増加した。利益剰余金、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整累計額の増加が主な要因である。自己資本比率は72.3%(前期末は70.2%)、1株当たり純資産は6,084円82銭となった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 総資産 | 36,921百万円 | 33,384百万円 |
| 純資産 | 27,476百万円 | 24,279百万円 |
| 自己資本比率 | 72.3% | 70.2% |
| 1株当たり純資産 | 6,084.82円 | 5,341.87円 |
キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが2,085百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが1,271百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが375百万円の支出となった。現金及び現金同等物の期末残高は8,243百万円である。短信は、投資活動では投資有価証券の取得と有形固定資産の取得による支出、財務活動では配当金の支払額と非支配株主への配当金の支払額を主な内訳としている。
配当
2026年3月期の1株当たり年間配当金は50円(中間20円、期末30円)で、前期の40円から増加した。期末配当金30円の内訳は普通配当20円、記念配当10円である。配当金総額は219百万円、配当性向は17.1%、純資産配当率は0.9%となった。2027年3月期の配当予想は年間50円(中間25円、期末25円)である。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 50.00円 | 50.00円 |
| うち中間配当金 | 20.00円 | 25.00円 |
| うち期末配当金 | 30.00円(普通20.00円、記念10.00円) | 25.00円 |
2027年3月期の業績予想
同社は2027年3月期の連結業績予想を開示していない。短信は、中東情勢緊迫化の影響などから、業績見通しの前提となる石油由来の原材料の調達や価格、主要販売先の生産設備の稼働動向を見通すことが困難な状況のため現時点では未定とし、合理的な想定が可能となった時点で速やかに開示するとしている。また、次期は賃上げによる人件費や投資設備完成による減価償却費などの負担が増加し、引き続き利益圧迫要因となることは避けられない見込みとしている。
子会社の売掛債権に関するリスクと後発事象
短信の追加情報によると、連結子会社の㈱ネスコにおいて、同社が納入した原材料を使用して製造された取引先の製品に不具合が発生したことを理由に支払留保の通知があり、期日を経過しても売掛金が入金されない事態となっている。該当の原材料に限らずすべての売掛金について支払がなされない状態が続き、取立不能または取立遅延のおそれが生じている。当期末の対象となる売掛債権残高は381百万円で、ネスコは2022年12月に当該取引先を相手とする訴訟を提起し、現在も係争が継続している。当該売掛債権については内規に基づき貸倒引当金を計上しており、同社は損失の見込額が算定できた時点で速やかに知らせるとしている。
重要な後発事象として、同社は2026年3月25日の取締役会で、連結子会社タイ昭和パックス株式会社について丸紅株式会社及びMarubeni Thailand Co.,Ltdが保有する全株式(議決権所有割合10.0%)を、同社及び連結子会社の山陰製袋工業株式会社が取得することを決議し、2026年4月1日付で株式譲渡契約を締結した。企業結合日は2026年5月15日の予定で、同社グループのタイ昭和パックスに対する議決権所有割合は90.0%から99.8%となる。取得価額は非開示としている。継続企業の前提に関する注記については「該当事項はありません」としている。
本記事は昭和パックスが公表した2026年3月期決算短信をもとに作成しています。決算短信は監査法人の監査対象外です。
※本記事は昭和パックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。