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双日、2026年3月期は当期純利益1,036億円 前期比▲70億円の減益で計画未達 2027年3月期は1,300億円を見込む

決算サマリー 2026.08.11
双日、2026年3月期は当期純利益1,036億円 前期比▲70億円の減益で計画未達 2027年3月期は1,300億円を見込む

※本記事は双日が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

双日の2026年3月期は、当期純利益(親会社の所有者に帰属、以下「当期純利益」)が1,036億円となり、前期の1,106億円から▲70億円の減益で着地した。公表見通し1,150億円に対する達成率は90%で計画未達となった。会社は「中計2026で掲げた中長期の利益成長に向けた基盤整備が進む中、赤字・不振事業の見極め、構造改革を実施」し、「一定の損失処理により計画未達・前期比減益」と説明している。2027年3月期は当期純利益1,300億円の見通しを掲げ、勝ち筋ある事業領域・新規投資からの収益貢献を中心に利益成長を図るとしている。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

収益は27,574億円(前期比+2,477億円)、売上総利益は3,675億円(同+207億円)と増加した一方、連結子会社の新規取得により販売費及び一般管理費が▲3,051億円(同▲352億円)に増加し、持分法による投資損益も440億円(同▲56億円)に減少した。この結果、税引前利益は1,156億円(同▲197億円)、当期純利益は1,036億円(同▲70億円)となった。基礎的収益力は1,024億円(同▲203億円)。主な一過性損益は+112億円で、資源が▲126億円(当期:豪州石炭事業減損 等)、非資源が+238億円(当期:ガス小売事業売却益 等)だった。ROEは10.1%(前期11.7%)、ROAは3.1%(同3.7%)、EPSは495円(同514円)。基礎的営業CFは1,364億円(同+12億円)、基礎的CFは▲279億円(同+39億円)となった。

項目25/3期 実績26/3期 実績前期比増減
収益25,097億円27,574億円+ 2,477億円
売上総利益3,468億円3,675億円+ 207億円
販売費及び一般管理費▲ 2,699億円▲ 3,051億円▲ 352億円
その他の収益・費用123億円101億円▲ 22億円
金融収益・費用▲ 35億円▲ 9億円+ 26億円
持分法による投資損益496億円440億円▲ 56億円
税引前利益1,353億円1,156億円▲ 197億円
当期純利益1,106億円1,036億円▲ 70億円
基礎的収益力1,227億円1,024億円▲ 203億円
EPS(一株当たり当期利益)514円495円▲ 19円
ROE11.7%10.1%▲ 1.6%
ROA3.7%3.1%▲ 0.6%
基礎的営業CF1,352億円1,364億円+ 12億円
基礎的CF▲ 318億円▲ 279億円+ 39億円
PLサマリー(2026年3月期 実績 及び 2027年3月期通期見通し)
出典:双日 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.18

財政状態は、総資産が36,480億円(前期末比+5,607億円)、自己資本が10,904億円(同+1,214億円)。自己資本比率は29.9%(同▲1.5%)、ネット有利子負債は10,396億円(同+1,524億円)、ネットDERは0.95倍(同+0.03倍)となった。自己資本の主な増減は、当期純利益+1,036億円、配当支払▲332億円、自己株式の取得▲100億円、為替/FVTOCI+757億円。キャッシュ・フローは、営業活動によるCFが168億円(前期▲167億円)、投資活動によるCFが▲866億円(同▲941億円)、フリーCFが▲698億円(同▲1,108億円)、財務活動によるCFが1,102億円(同1,064億円)だった。

セグメント別の状況(2026年3月期 実績)

セグメント別の当期純利益は、エネルギー・ヘルスケアが319億円(前期比+93億円)と最大の増益となり、省エネ関連事業の新規連結及び取引増加や太陽光発電関連の収益貢献に加え、ナイジェリアでのガス小売事業の売却に伴う利益等が寄与した。その他は166億円(同+94億円)で、さくらインターネット持分一部売却に伴う利益等により増益。航空・社会インフラは155億円(同+33億円)、リテール・コンシューマーサービスは142億円(同+28億円)と増益となった。一方、金属・資源・リサイクルは48億円(同▲244億円)と大きく減益で、豪州原料炭事業における市況下落、生産効率の低迷に加え減損の計上等が要因。自動車は▲53億円(同▲69億円)と赤字に転落し、中南米自動車販売事業は好調に推移したものの豪州中古車事業における減損の計上等が響いた。化学は200億円で横ばい、生活産業・アグリビジネスは59億円(同▲5億円)だった。公表見通し(2025年10月30日公表)に対する達成率は、その他184%、リテール・コンシューマーサービス109%、エネルギー・ヘルスケア106%、化学100%と計画を満たした一方、航空・社会インフラ91%、生活産業・アグリビジネス74%、金属・資源・リサイクル32%と未達のセグメントもあった。

セグメント売上総利益 25/3期売上総利益 26/3期当期純利益 25/3期当期純利益 26/3期当期純利益 前期比増減
自動車655億円660億円16億円▲ 53億円▲ 69億円
航空・社会インフラ269億円275億円122億円155億円+ 33億円
エネルギー・ヘルスケア402億円659億円226億円319億円+ 93億円
金属・資源・リサイクル359億円170億円292億円48億円▲ 244億円
化学652億円725億円200億円200億円0億円
生活産業・アグリビジネス351億円335億円64億円59億円▲ 5億円
リテール・コンシューマーサービス652億円709億円114億円142億円+ 28億円
その他128億円142億円72億円166億円+ 94億円
合計3,468億円3,675億円1,106億円1,036億円▲ 70億円
セグメント別 当期純利益(2026年3月期 実績)
出典:双日 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.20

2027年3月期 通期見通し

2027年3月期は、売上総利益4,400億円(前期比+725億円)、税引前利益1,700億円(同+544億円)、当期純利益1,300億円(同+264億円)を見込む。基礎的収益力は1,650億円(同+626億円)、基礎的営業CFは1,500億円、基礎的CFは▲110億円、EPSは623円、ROEは12%、ROAは3.5%の計画。会社は「足元の中東情勢による影響は限定的と見込む」としている。当期純利益1,036億円から1,300億円への増減内訳としては、構造改革影響を除いた26/3期実績1,150億円をベースに、赤字の改善 約+60億円、中計2026投資からの利益 約+120億円、中計2020/中計2023投資からの利益 約+100億円、既存事業の伸長 約+100億円、構造改革費用(戻し)約▲80億円、その他税金費用等 約▲40億円を見込む。市況前提は、原料炭US$210/t、一般炭US$120/t、原油(Brent)US$70/bbl、為替JPY150/US$、金利(TIBOR)1.45%。

項目26/3期 実績27/3期 見通し増減
売上総利益3,675億円4,400億円+ 725億円
販売費及び一般管理費▲ 3,051億円▲ 3,200億円▲ 149億円
持分法による投資損益440億円480億円+ 40億円
税引前利益1,156億円1,700億円+ 544億円
当期純利益1,036億円1,300億円+ 264億円
基礎的収益力1,024億円1,650億円+ 626億円
基礎的営業CF1,364億円1,500億円+ 136億円
基礎的CF▲ 279億円▲ 110億円+ 169億円
EPS(一株当たり当期利益)495円623円+ 128円
ROE10.1%12%
ROA3.1%3.5%
一株当たり配当金165円180円+ 15円

セグメント別の2027年3月期 当期純利益見通しは、エネルギー・総合インフラ280億円、金属・資源・リサイクル220億円、化学220億円、航空・交通インフラ190億円、リテール・コンシューマーサービス150億円、生活産業・アグリビジネス130億円、その他60億円、自動車50億円。なお、この区分は2026年4月1日付の組織変更に伴い旧組織を簡便的に新組織に組み替えたもので、26/3期実績の数値も組み替え後ベースとなっている(将来公表する数値とは異なる可能性がある)。

セグメント別 売上総利益・当期純利益(2027年3月期 通期見通し)
出典:双日 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.22

株主還元

株主還元方針は「基礎的営業CF(3ヵ年累計)の3割程度を株主還元に充当」「株主資本DOE4.5%とした累進的な配当方針」「機動的な自己株式の取得」の3点。2026年3月期の一株当たり配当金は165円(前期150円)で、2027年3月期は累進的かつ予見性のある安定的な配当方針により前期比+9%増配の180円を予想する。2026年3月期は100億円の自己株式を取得(280万株/取得期間:2025年5月2日~2025年7月31日)したほか、2025年8月29日に1,500万株の自己株式を消却し、発行済株式総数は2.25億株から2.1億株となった。中期経営計画2026の3ヵ年累計見通しでは、株主還元総額約1,300億円(うち自己株式取得約1,050億円)を計画している。

項目23/3期24/3期25/3期26/3期27/3期 予想
一株当たり配当金130円135円150円165円180円
自己株式取得(拠出ベース)0億円426億円240億円100億円
株主還元(一株当たり配当金の推移と自己株式取得の状況)
出典:双日 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.29

中期経営計画2026の進捗

中期経営計画2026「-Set for Next Stage-」では、収益目標(3ヵ年平均)として当期純利益1,200億円超、ROE12%超を掲げる。その先の「Next Stage」(2030年 双日の目指す姿「事業や人材を創造し続ける総合商社」)では、当期利益2,000億円、ROE15%、時価総額2兆円を目標としている。当期は競争優位性や独自性を追求する“KATI”(カチ)モデルのもと、事業の「カタマリ」構築を推進。エネルギーソリューション事業、豪州インフラ開発事業、化学事業などを重点領域とする一方、船舶事業や北米貨車リース事業、国内商業開発運営事業、豪州原料炭事業では外部パートナーとの共創による事業再編を、豪州中古車事業や国内ディーラー事業では見極め・撤退を含む構造改革を進めている。キャッシュ・フロー・マネジメントでは、基礎的営業CFの7割程度を成長投資(含む人材投資)、3割程度を株主還元に充当する計画で、2026年3月期の新規投資は1,770億円、資産入替(回収)は855億円だった。中計2026投資の累計実行済み額は2,800億円(実行予定額6,000億円程度)となっている。

※本記事は双日が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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