※本記事は岩手銀行が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
岩手銀行の2026年3月期は、単体当期純利益89億円(前年度比+21億円)となり過去最高益を更新した。連結当期純利益も89億円(前年度比+19億円)となったが、資料はグループ会社化に伴う負ののれん益を計上した2017年3月期(101億円)に次ぐ水準としている。貸出金平残の増加や利回り改善により資金利益が順調に推移したことがボトムラインを牽引した。2027年3月期は単体当期純利益99億円(同+9億円)とさらなる過去最高益更新を計画し、連結当期純利益は100億円(同+10億円)を見込む。
業績(2026年3月期 実績)
単体のコア業務粗利益は408億円(前年度比+58億円、+16.5%)。貸出金利息・有価証券利息はともに増加し、金利上昇による利回り改善で資金利益は374億円(同+58億円、+18.5%)となった。経費は賃上げによる人件費増加、システム管理費や営繕費など物件費の増加により241億円(同+7億円、+3.3%)に増加し、コア業務純益は167億円(同+50億円、+42.9%)となった。与信費用は大口先繰入により13億円(同+5億円、+68.7%)に増加した。有価証券関係損益は円債や外債ファンドの損切りなどによる売却・償還損195億円を計上した一方、株式等関係益167億円を計上したことで△28億円(前年度△14億円)となった。
| 項目(連結) | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前年度比 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 128億円 | 97億円 | +30億円(+31.4%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 89億円 | 69億円 | +19億円(+27.8%) |
| ROE(株主資本ベース) | 4.7% | 3.7% | +0.9pt |
| 項目(単体) | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前年度比 |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 715億円 | 437億円 | +278億円(+63.7%) |
| コア業務粗利益 | 408億円 | 350億円 | +58億円(+16.5%) |
| 資金利益 | 374億円 | 315億円 | +58億円(+18.5%) |
| 経費 | 241億円 | 233億円 | +7億円(+3.3%) |
| コア業務純益 | 167億円 | 116億円 | +50億円(+42.9%) |
| 有価証券関係損益 | △28億円 | △14億円 | △13億円(△91.2%) |
| 与信費用 | 13億円 | 8億円 | +5億円(+68.7%) |
| 経常利益 | 127億円 | 95億円 | +31億円(+33.1%) |
| 当期純利益 | 89億円 | 68億円 | +21億円(+30.6%) |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は預金利息や人件費等が増加するが、短期プライムレート引上げ効果や有価証券関係損益の改善により増益を予想している。単体は過去最高益の更新を計画し、連結ROE(純資産ベース)は前年度比+0.3ptの5.0%を見込む。
| 項目 | 区分 | 2027年3月期 予想 | 2026年3月期 実績 | 対比 |
|---|---|---|---|---|
| コア業務粗利益 | 単体 | 410億円 | 408億円 | +2億円(+0.5%) |
| コア業務純益 | 単体 | 155億円 | 167億円 | △12億円(△7.2%) |
| 経常利益 | 単体 | 143億円 | 127億円 | +15億円(+12.4%) |
| 当期純利益 | 単体 | 99億円 | 89億円 | +9億円(+10.3%) |
| 経常利益 | 連結 | 145億円 | 128億円 | +16億円(+12.8%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 連結 | 100億円 | 89億円 | +10億円(+12.1%) |
| ROE(純資産ベース) | 連結 | 5.0% | 4.7% | +0.3pt |

株主還元
株主還元方針は累進的配当を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向40%以上とするとともに、市場動向・業績見通しなどを勘案のうえ柔軟かつ機動的な自己株式の取得を実施するとしている。2026年4月1日付で株式分割(1対4)を実施しており、2027年3月期の配当は株式分割前ベースで232円(前期比増配)を予定、株式分割後ベースでは58円となる。
| 決算期 | 1株あたり配当金 | 配当性向 | 連結当期純利益 |
|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 80円 | 32% | 53億円 |
| 2025年3月期 | 125円 | 30% | 69億円 |
| 2026年3月期 | 208円 | 40% | 89億円 |
| 2027年3月期(予定) | 232円(株式分割前ベース)/58円(株式分割後ベース) | 40% | 100億円 |

中期経営計画
前中期経営計画(第21次中期経営計画)の最終年度目標(2026年3月期)に対し、連結当期純利益は89億円(目標70億円)、連結ROEは4.7%(目標4.0%以上)、連結自己資本比率は11.17%(目標10%程度)、単体OHRは59.0%(目標60%台)、顧客向けサービス業務利益(単体)は33.5億円の黒字(目標+10億円の黒字化)となり、資料は「利益関連の主要計数目標は達成」としている。新たに開始した第22次中期経営計画(地域価値共創プラン・The 2nd)の主要財務目標(2029年3月期)は、連結ROE(東証基準)6%以上、連結当期純利益130億円以上、単体OHR50%台半ば、ROA(コア業務純益ベース)0.5%以上、ROA(連結経常利益ベース)0.4%以上。長期財務目標(2033年3月期)は連結ROE7.5%以上・連結当期純利益180億円以上にアップデートしており、当初策定時(2023年3月策定)は連結ROE5%以上・連結当期純利益100億円であった。資料はさらに2036年3月期までに連結ROE9%以上を見据えるとしている。

※本記事は岩手銀行が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。