※本記事は千趣会が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社千趣会(証券コード:8165、東京証券取引所スタンダード市場)は、2026年2月13日、2025年12月期の連結決算説明資料を公表した。「再生計画(2025年~2027年)」に基づき事業構造改革と業績回復に向けた施策を推進した結果、連結売上高は420億71百万円(前期比37億87百万円の減少)と減収となったものの、収益改善の取組みにより営業損失は25億88百万円(前期は34億59百万円の損失)に縮小した。親会社株主に帰属する当期純利益は、2025年3月28日発表の固定資産売却益の計上により39億40百万円の黒字となり、前期の36億16百万円の損失から黒字転換した。なお、会計方針の変更に伴う遡及適用影響額を前年同期・前期末の数値に反映して表示している。
連結業績(2025年12月期 実績)
売上高は420億71百万円で前期比37億87百万円の減少となった。売上原価は207億38百万円(売上高比49.3%、前期比0.5pt悪化)、売上総利益は213億32百万円(売上高総利益率50.7%、前期比0.5pt低下)となった。販管費は239億21百万円(売上高比56.9%、前期比1.9pt改善)で、主に販売促進費・販売手数料等の注文獲得費の効率化や支払手数料等の固定的な費用の低減によるとしている。この結果、営業損失は25億88百万円(前期は34億59百万円の損失)となり損失幅は縮小し、経常損失も27億37百万円(前期は39億9百万円の損失)に縮小した。親会社株主に帰属する当期純利益は39億40百万円となり、前期の36億16百万円の損失から黒字転換したが、これは2025年3月28日発表の固定資産売却益の計上によるものである。予想対比では、売上高は予想420億円に対し71百万円の上振れ、営業損失は予想27億円に対し1億12百万円縮小、経常損失も予想28億円に対し6,300万円縮小し、売上高・営業損失ともに計画どおりに着地したとしている。当期純利益は予想41億50百万円に対し2億10百万円下回った。
| 項目 | 2025年12月期(当期) | 2024年12月期(前期) | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 42,071百万円 | 45,859百万円 | △3,787百万円 |
| 売上総利益(売上高総利益率) | 21,332百万円(50.7%) | 23,501百万円(51.2%) | △2,169百万円 |
| 販管費(売上高比) | 23,921百万円(56.9%) | 26,961百万円(58.8%) | △3,040百万円 |
| 営業利益(売上高営業利益率) | △2,588百万円(△6.2%) | △3,459百万円(△7.5%) | +871百万円 |
| 経常利益(売上高経常利益率) | △2,737百万円(△6.5%) | △3,909百万円(△8.5%) | +1,172百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,940百万円(9.4%) | △3,616百万円(△7.9%) | +7,556百万円 |
事業別の状況
通信販売事業は、再生計画に基づきターゲットを明確化した世代別事業ドメインへの再編や不採算商品の改廃等を実施した結果、会員数の減少により売上高は359億89百万円(前期比39億44百万円の減少)となったが、販売促進費の効率化により営業損失は30億82百万円(前期は39億33百万円の損失)に縮小した。売上原価率は49.6%(前期比1.2pt上昇)で、在庫適正化に向けたセール強化や販売機を逸した商品の値引き販売が影響した。販管費は212億22百万円(売上高比58.9%、前期比2.5pt改善)となった。ベルメゾンの購入会員数は118.8万人(前期比19.5万人減)で、新規・復活購入会員数は62.1万人(同11.1万人減)、継続購入会員数は56.6万人(同8.5万人減)といずれも減少した一方、客単価は22,415円(前期比375円増)と上昇基調に転じた。ECモールの売上高は前年比103%、リアル店舗は前年比114%といずれも増加した。法人事業は業務受託事業が堅調に推移し、売上高40億7百万円(前期比95百万円増)、営業利益2億53百万円(前期比92百万円増、営業利益率6.3%)と増収増益となった。保険事業は従来チャネルからの新規契約件数が減少し、売上高3億90百万円(前期比122百万円減)、営業利益1億42百万円(前期比120百万円減、営業利益率36.5%)と減収減益となった。その他事業(子育て支援事業)は保育事業の運営が順調に推移し、売上高16億84百万円(前期比183百万円増)、営業利益96百万円(前期比48百万円増、営業利益率5.7%)と増収増益となった。
| 事業 | 指標 | 2025年12月期 | 2024年12月期 |
|---|---|---|---|
| 通信販売事業 | 売上高 | 35,989百万円 | 39,933百万円 |
| 通信販売事業 | 営業利益 | △3,082百万円 | △3,933百万円 |
| 法人事業 | 売上高 | 4,007百万円 | 3,912百万円 |
| 法人事業 | 営業利益 | 253百万円 | 161百万円 |
| 保険事業 | 売上高 | 390百万円 | 512百万円 |
| 保険事業 | 営業利益 | 142百万円 | 263百万円 |
| その他事業(子育て支援事業) | 売上高 | 1,684百万円 | 1,500百万円 |
| その他事業(子育て支援事業) | 営業利益 | 96百万円 | 48百万円 |


財務状態
総資産は261億49百万円(前期末比6億64百万円増)、純資産は170億37百万円(前期末比38億89百万円増)となり、自己資本比率は51.6%から65.2%へ上昇した。資産面では現金及び現金同等物が69億37百万円(前期末比42億83百万円増)となった一方、建物及び構築物(純額)は7億72百万円減少、土地は12億84百万円減少した。負債面では電子記録債務が9億69百万円減少、長期借入金が19億63百万円減少した。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが△30億75百万円(前期は△34億59百万円)、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の売却による収入95億3百万円等により98億54百万円(前期は2億97百万円)、財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入金の返済による支出23億65百万円等により△25億11百万円(前期は△7億10百万円)となった。
| 項目 | 2025年12月期末 | 2024年12月期末 | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 資産合計 | 26,149百万円 | 25,484百万円 | +664百万円 |
| 純資産合計 | 17,037百万円 | 13,147百万円 | +3,889百万円 |
| 自己資本比率 | 65.2% | 51.6% | - |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 6,937百万円 | 2,654百万円 | +4,283百万円 |
通期業績予想(2026年12月期)
会社は、通信販売事業において施策効果の本格的な発現時期を慎重に見極めた結果、再生計画2年目の数値目標であった売上高460億円から450億円へ見直した。売上高450億円(前期比29億29百万円増)、営業利益2億円(前期は25億88百万円の損失。売上高見直しに伴い当初目標の3億円から修正)、経常利益2億円(前期は27億37百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益1億円(前期は39億40百万円の利益)を見込む。ECを主戦場としたビジネスモデルの本格稼働やターゲット別戦略の深化による収益性の向上とコスト構造改革は進展しており、黒字化は確実なものとしていくとしている。
| 項目 | 2026年12月期(予想) | 2025年12月期(実績) | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 45,000百万円 | 42,071百万円 | +2,929百万円 |
| 売上総利益(売上高総利益率) | 23,500百万円(52.2%) | 21,332百万円(50.7%) | +2,168百万円 |
| 販管費(売上高比) | 23,300百万円(51.8%) | 23,921百万円(56.9%) | △621百万円 |
| 営業利益(売上高営業利益率) | 200百万円(0.4%) | △2,588百万円(△6.2%) | +2,788百万円 |
| 経常利益(売上高経常利益率) | 200百万円(0.4%) | △2,737百万円(△6.5%) | +2,937百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 100百万円(0.2%) | 3,940百万円(9.4%) | △3,840百万円 |

株主還元
当社グループは、安定的な配当の維持及び業績に応じた適正な株主還元を基本方針とし、あわせて株主優待制度を併用してきた。しかし、現在4期連続の営業損失を計上していることを踏まえ、限られた経営資源を事業基盤の立て直しと収益性改善に集中させることが将来的な企業価値向上と早期の復配実現に不可欠であるとし、業績に連動しない固定的なコストとなる優待制度から保有株式数に応じた公平な利益配分である現金配当による直接還元へ集約することが適切であるとの結論に至ったとしている。これに伴い、株主還元方針を「配当による直接的な還元」を基本とする方針へ変更し、株主優待制度を廃止することとした。2026年度の配当については、第4四半期を含む通期の業績動向及び財務状況を見極めた上で判断し、公表が可能となった段階で速やかに知らせるとしている。

※本記事は千趣会が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。