※本記事はTOTOが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
TOTO(証券コード5332)が2026年4月30日に公表した2026年3月期 決算説明資料によると、当期(2025年度)の連結売上高は7,374億円(前年比102%)、営業利益は538億円(同111%)と増収増益となり、資料では「厳しい事業環境の中、売上・営業利益共に過去最高値」と説明されています。経常利益は607億円(同121%)、親会社株主に帰属する当期純利益は403億円(同331%)でした。事業別では日本住設事業・海外住設事業が減収減益、新領域事業(セラミック)が増収増益で、全ての事業が計画を達成したとしています。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は前期比+130億円の7,374億円、営業利益は+53億円の538億円で、営業利益率は6.7%から7.3%へ0.6pt改善しました。期初計画(売上高7,345億円、営業利益490億円)に対しても、売上高+29億円、営業利益+48億円と計画を上回る着地です。親会社株主に帰属する当期純利益は、中国大陸事業の構造改革費用(特別損失)が前期341億円から当期152億円に減少したことなどもあり122億円から403億円へ増加しました。なお当期純利益への為替影響額は+49億円で、為替影響を除いた前年差は+232億円(291%)と記載されています。指標面ではROEが2.4%から7.7%へ、TOTO版ROICが4.8%から6.9%へ改善しています。
| 項目(単位:億円) | 2024年度 | 2025年度 | 前年差(前年比) | 2025年度計画 | 計画差(計画比) |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,245 | 7,374 | +130(102%) | 7,345 | +29(100%) |
| 営業利益 | 485 | 538 | +53(111%) | 490 | +48(110%) |
| 営業利益率 | 6.7% | 7.3% | +0.6pt | 6.7% | +0.6pt |
| 経常利益 | 504 | 607 | +103(121%) | 500 | +107(121%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 122 | 403 | +281(331%) | 290 | +113(139%) |
| ROA | 6.0% | 6.6% | +0.5pt | 6.2% | +0.4pt |
| ROE | 2.4% | 7.7% | +5.3pt | 5.7% | +2.0pt |
| TOTO版ROIC | 4.8% | 6.9% | +2.1pt | 6.1% | +0.8pt |
全社営業利益の増減要因では、住設事業の売上減や外部調達コスト増の影響はあったものの、新領域事業(セラミック)の売上増(+125億円)や価格改定(+102億円)、コストリダクション(+18億円)等の効果で増益になったと説明されています。
セグメント別の状況
日本住設事業は売上高4,797億円(前年差▲17億円、99.7%)、営業利益203億円(同▲16億円、93%)と減収減益。ただし需要別では、リモデルが売上高3,468億円(前年比101%)と伸長し、下期は新商品を中心に増収となりました(新築は売上高1,329億円、前年比97%)。海外住設事業は売上高1,901億円(▲24億円、99%)、営業利益77億円(▲14億円、85%)で、中国大陸事業の不調をカバーできず減収減益となりました。新領域事業(セラミック)は売上高674億円(+171億円、134%)、営業利益289億円(+85億円、142%)と、旺盛な先端半導体市況を背景に静電チャック・AD部材の販売増で大幅増収増益となっています。対象事業期間は日本住設事業・新領域事業が2025年4月〜2026年3月、海外住設事業が2025年1月〜12月(インドは2025年4月〜2026年3月)です。
| セグメント | 指標(単位:億円) | 2024年度 | 2025年度 | 前年差(前年比) |
|---|---|---|---|---|
| 日本住設事業 | 売上高 | 4,813 | 4,797 | ▲17(99.7%) |
| 日本住設事業 | 営業利益 | 219 | 203 | ▲16(93%) |
| 海外住設事業 | 売上高 | 1,925 | 1,901 | ▲24(99%) |
| 海外住設事業 | 営業利益 | 90 | 77 | ▲14(85%) |
| 新領域事業(セラミック) | 売上高 | 503 | 674 | +171(134%) |
| 新領域事業(セラミック) | 営業利益 | 204 | 289 | +85(142%) |
| その他 | 売上高 | 3 | 3 | +0 |
| その他 | 営業利益 | ▲29 | ▲31 | ▲2 |
| 合計 | 売上高 | 7,245 | 7,374 | +130(102%) |
| 合計 | 営業利益 | 485 | 538 | +53(111%) |

海外住設事業の地域別状況
米州事業はウォシュレットの伸長がけん引し売上高756億円(前年比107%)と増収、営業利益は48億円(前年差▲4億円)と成長投資や関税影響により減益ながら計画(35億円)を上回る着地となりました。現地通貨ベースでは売上高505百万ドル(109%)、営業利益42百万ドル(▲1百万ドル)です。アジア事業は台湾地域やベトナム等の好調により売上高549億円(109%)、営業利益102億円(+20億円)と増収増益。欧州事業はウォシュレット等の販売増で売上高57億円(116%)、営業利益▲4億円(+4億円)と赤字幅が縮小し、現地通貨ベースでは売上高34百万ユーロ(113%)、営業利益1百万ユーロで2年連続の通期黒字を継続しています。中国大陸事業は売上高539億円(81%)、営業利益▲69億円(▲34億円)と減収赤字ですが、衛生陶器2工場閉鎖の完了など事業構造改革は計画通り推進中とされています。
| 地域 | 指標(単位:億円) | 2024年度 | 2025年度 | 前年差(前年比) |
|---|---|---|---|---|
| 米州事業 | 売上高 | 705 | 756 | +51(107%) |
| 米州事業 | 営業利益 | 52 | 48 | ▲4(93%) |
| アジア事業 | 売上高 | 502 | 549 | +47(109%) |
| アジア事業 | 営業利益 | 82 | 102 | +20(124%) |
| 欧州事業 | 売上高 | 49 | 57 | +8(116%) |
| 欧州事業 | 営業利益 | ▲8 | ▲4 | +4 |
| 中国大陸事業 | 売上高 | 669 | 539 | ▲131(81%) |
| 中国大陸事業 | 営業利益 | ▲36 | ▲69 | ▲34 |
| 合計 | 売上高 | 1,925 | 1,901 | ▲24(99%) |
| 合計 | 営業利益 | 90 | 77 | ▲14(85%) |

2027年3月期 通期業績予想
2027年3月期(2026年度)は、売上高7,850億円(前年比106%)、営業利益600億円(同112%)と「2期連続の過去最高売上高・営業利益」を目指す計画です。営業利益率は7.6%(前年差+0.4pt)を見込みます。一方、経常利益は585億円(96%)と減益計画で、為替影響額▲41億円を織り込んでおり為替影響を除くと+19億円(103%)とされています。親会社株主に帰属する当期純利益は460億円(114%)の計画です。事業別では日本住設事業が増収減益、海外住設事業と新領域事業が増収増益の計画で、地域別では全地域で2桁増収、中国大陸事業の黒字化(営業利益15億円)も寄与するとしています。なお2026年度計画のセグメント別・地域別の営業利益は、共通費の配賦方法を一部見直したベースで前期実績が組み替えられています(2025年度:日本住設219億円、海外住設63億円、新領域287億円、その他▲31億円)。また中東情勢による営業利益への年間影響額▲約70億円を計画に織り込んでいます。
| 項目(単位:億円) | 2025年度(実績) | 2026年度(計画) | 前年差(前年比) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,374 | 7,850 | +476(106%) |
| 営業利益 | 538 | 600 | +62(112%) |
| 営業利益率 | 7.3% | 7.6% | +0.4pt |
| 経常利益 | 607 | 585 | ▲22(96%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 403 | 460 | +57(114%) |
| ROA | 6.6% | 7.2% | +0.6pt |
| ROE | 7.7% | 8.5% | +0.8pt |

株主還元
2025年度の年間配当は、期末を計画から10円増配した結果、中間50.0円・期末60.0円の年間110.0円(配当性向45.3%)となりました。2026年度はさらに10円増配し、中間60.0円・期末60.0円の年間120.0円(配当性向42.9%)を計画しており、資料では「25年度、26年度と2年連続の増配予定」としています。財務面では2025年度末の自己資本比率63.8%(対前年▲0.3P)、DEレシオ0.14倍で、2026年度計画は自己資本比率65%、DEレシオ0.13倍。財務規律は自己資本比率50%以上・DEレシオ0.5倍以下とし、現状は財務規律から乖離しているとして負債活用も含めた資本政策をWILL2030 STAGE3に向け策定・実行していくとしています。政策保有株式は連結純資産比率で2025年度末実績9.5%(計画10%未満)まで縮減し、2030年度末は5%未満を計画しています。
中期経営計画「WILL2030」と主なトピック
グループの成長戦略に変化はないとし、ベースセグメント(日本、中国大陸)を軌道修正しつつ、成長セグメント(米州、アジア・オセアニア、欧州、セラミック)をより一層伸長させて2030年のゴールを目指す方針です。日本住設事業については、営業利益が漸減傾向で「対策を講じなければ2030年には赤字転落リスクあり」と認識し、2030年に営業利益率8%以上、全社のTOTO版ROIC 12%以上への寄与を目標に構造改革を推進します。中国大陸事業は構造改革により2026年度の黒字化(営業利益15億円)と2030年度に向けた安定基盤構築を目指します。セラミック事業は2025年度に売上高674億円まで拡大し、静電チャックは2025年メーカー別世界シェアNo.2。今後もさらなる増産体制に向けた大規模投資(約300億円、現時点の計画)を予定しています。設備投資額は2025年度432億円から2026年度527億円、減価償却費は343億円から374億円、研究開発費は263億円から305億円へ増加する計画です。

※本記事はTOTOが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。