ニッチツ

ニッチツ、2026年3月期は減収減益 当期純利益19.6%減

決算サマリー 2026.08.28
ニッチツ、2026年3月期は減収減益 当期純利益19.6%減

※本記事はニッチツが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

ニッチツ(東証スタンダード市場、証券コード7021)は2026年3月期(2026年5月14日公表)の決算説明資料を発表した。連結売上高は93億8,100万円(前期比4.8%減)、営業利益は2億2,000万円(同18.2%減)、経常利益は2億1,800万円(同0.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億9,400万円(同19.6%減)となった。売上高は小幅減収、利益は輸送費や設備新設に伴う費用増等により減益。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

売上高は、資源関連事業において半導体関連需要が本格的回復に至らず減収となったが、好調な舶用機器部門を中心に機械関連事業が堅調に推移し、全体では前期比4.8%減にとどまった。営業利益は、資源関連事業では高単価製品の販売増により黒字転換した一方、機械関連事業における不採算工事の発生、輸送費や鋼材自動加工ライン新設に伴う費用等の増加により、全体では前期比18.2%減。経常利益は受取配当金の増加、休廃止鉱山管理費の減少により前期比0.9%増となった。当期純利益は政策保有株式売却益の減少、工場改修等に係る固定資産処分損の計上により前期比19.6%減となった。2026年3月期のEBITDAは886百万円と前期(808百万円)水準を上回る実績となり、実質営業キャッシュフローは818百万円と前期に続き高水準を維持した。投資キャッシュフローは大型設備投資の実施により前期比増加の△1,116百万円となった。

項目2026年3月期(当期)2025年3月期(前期)増減額増減率
売上高9,381百万円9,850百万円△469百万円▲4.8%
営業利益220百万円270百万円△49百万円▲18.2%
経常利益218百万円216百万円1百万円0.9%
当期純利益194百万円241百万円△47百万円▲19.6%

セグメント別の状況

機械関連事業は、舶用機器の設計・製作、空気予熱器ほかの一般産業機械等の設計・製作、プラント関連機器の製作及び機械装置の据付・施工・監理を行う。舶用機器部門はハッチカバーが売上伸長、船殻ブロックも順調に推移した一方、輸送費や鋼材自動加工ライン新設に伴う費用増等により利益が圧迫され、前期大型工事の剥落や不採算工事の発生もあり、売上高6,492百万円(前期比0.5%減)・営業利益108百万円(同49.1%減)となった。資源関連事業(ハイシリカ〈精製珪石粉等〉の製造・仕入・販売)は、主力の半導体封止材用途や光学関連需要が盛り上がりに欠け半導体関連向けガラスの需要鈍化により減収となったが、高単価製品の販売増により収支は改善し、売上高1,948百万円(前期比5.5%減)・営業利益51百万円(前年同期の赤字から黒字転換)となった。不動産関連事業(オフィスビルの賃貸)は賃貸ビルの稼働状況が順調に推移した一方メンテナンス工事が計画的に増加し、売上高143百万円(前期比2.2%増)・営業利益32百万円(同4.5%減)。素材関連事業(耐熱塗料の製造・販売及びライナテックス〈高純度天然ゴム〉の仕入・加工・販売)は、耐熱塗料部門の工業用・設備用需要が低調に推移したこと等により、売上高797百万円(前期比29.1%減)・営業利益28百万円(同14.2%減)となった。

区分指標2026年3月期(当期)2025年3月期(前期)
機械関連事業売上高6,492百万円6,523百万円
機械関連事業営業利益108百万円212百万円
資源関連事業売上高1,948百万円2,062百万円
資源関連事業営業利益51百万円△15百万円
不動産関連事業売上高143百万円140百万円
不動産関連事業営業利益32百万円34百万円
素材関連事業売上高797百万円1,125百万円
素材関連事業営業利益28百万円33百万円
全社(連結)売上高9,381百万円9,850百万円
全社(連結)営業利益220百万円270百万円
ニッチツ 2026年3月期決算実績
出典:ニッチツ 2026年3月期決算説明資料 P.4
ニッチツ セグメント別業績・概要
出典:ニッチツ 2026年3月期決算説明資料 P.6

通期業績予想

2027年3月期の連結業績予想は、売上高8,800百万円、営業利益230百万円(前期比+10百万円)、当期純利益120百万円(前期比△74百万円)、ROE1.0%。機械関連事業の舶用機器部門は、船殻ブロックが堅調を維持する一方でハッチカバーはやや低調に推移する見込み。産業機器部門では重電・製鉄機械関連で一定の受注を確保済み。資源関連事業(ハイシリカ部門)については、主力の半導体封止材関連用途及び半導体関連向けガラスとも需要回復の遅れを見込む。「シン・ニッチツ2025」に続く新たな経営計画については、極めて不透明かつ流動的な事業環境にあって、その動向を十分に見極めつつ策定を図るとしている。

項目2027年3月期(予想)2026年3月期(実績)
売上高8,800百万円9,381百万円
営業利益230百万円220百万円
当期純利益120百万円194百万円
ROE1.0%開示なし
ニッチツ 2027年3月期連結業績予想
出典:ニッチツ 2026年3月期決算説明資料 P.10

株主還元

株主還元については、配当による株主還元と自己株取得による資本構成適正化を基本とし、株主還元水準の安定的向上を図る方針。2024年11月11日公表の対応で、株主還元指標を従前の配当性向30%から総還元性向40%を目安とする方針に変更した。2027年3月期の配当予想は中間配当15円、年間配当予想30円(前年同期比5円減)。「シン・ニッチツ2025」期間(2023年度~2025年度)の3年間累計では、配当金205百万円、自己株式取得199百万円(株式給付信託〈BBT〉への追加拠出を含む)の株主還元を実施した。株主優待制度(保有株式数100株以上で1,000円分のQUOカードを進呈)も導入しており、総株主数(2026年3月末)は2024年3月末比15.1%増加した。

区分2025年3月期2026年3月期2027年3月期(予想)
中間配当金15円17円15円
期末配当金20円18円開示なし
年間配当金合計35円35円30円(前年同期比5円減)
ニッチツ 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(株主還元強化)
出典:ニッチツ 2026年3月期決算説明資料 P.16

中期経営計画「シン・ニッチツ2025」振り返り

「シン・ニッチツ2025」(2023年度~2025年度、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画)の経営指標(KPI)実績は、売上高が2023年3月期実績8,024百万円、2024年3月期実績8,286百万円、2025年3月期実績9,850百万円、2026年3月期当初計画9,700百万円に対し2026年3月期実績9,381百万円。営業利益は2023年3月期実績△38百万円、2024年3月期実績325百万円、2025年3月期実績270百万円、2026年3月期当初計画500百万円に対し2026年3月期実績220百万円。自己資本利益率(ROE)は2023年3月期実績△5.1%、2024年3月期実績2.4%、2025年3月期実績2.2%、2026年3月期当初計画3%に対し2026年3月期実績1.7%。投下資本利益率(ROIC)は同様に2023年3月期実績△3.0%、2024年3月期実績2.6%、2025年3月期実績1.7%、2026年3月期当初計画3%に対し2026年3月期実績1.3%。自己資本比率は2023年3月期実績69%、2024年3月期実績70%、2025年3月期実績70%、2026年3月期当初計画70%に対し2026年3月期実績71%。資料は、売上高について機械関連事業は国内造船所の好調な受注環境を背景にほぼ想定通りに推移した一方、資源関連事業(ハイシリカ部門)は半導体市場の需要回復の鈍さより想定を大きく下回ったこと、営業利益については機械関連事業で利益率改善が進まず、ハイシリカ部門は売上計画の未達を主因に利益計画も未達となったことを挙げている。参考値として、機械関連事業売上高は4,743百万円(2023年3月期)から6,492百万円(2026年3月期)、資源関連事業(ハイシリカ部門)売上高は2,112百万円(2023年3月期)から1,948百万円(2026年3月期)に推移した。この3年間の実質営業キャッシュフロー累計は2,166百万円、現預金等手元資金活用は1,458百万円、設備投資実績累計(完成ベース)は3,220百万円で30億円を上回る設備投資を実施し、松浦工場(機械関連)での60トンジブクレーン更新・鋼材自動加工ライン新設、江迎工場(資源関連)での新型高性能ミル導入等を行った。資本コストや株価を意識した経営の実現に向けては、ROE・ROIC目標として2027年度ROE5%(ROIC5%)、2030年度ROE8%を掲げている。株価は22年度末の1,256円から25年度末は2,228円となり22年度末比77%上昇、出来高は22年度より約8割増加した一方、PBRは継続して1倍を下回る水準、ROEは2%前後にとどまっている。

※本記事はニッチツが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

Articles

株主優待

記事がありません。

個人投資家・企業様各位

目次