※本記事は名村造船所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
名村造船所は2026年3月期(2026年6月公表)の決算説明資料を発表した。連結売上高は1,590億円(前期比0.1%減)、営業利益は281億円(同4.7%減)、経常利益は295億円(同0.1%増)となった。前期(2025年3月期)は売上高・利益ともに過去最高を記録しており、2026年3月期はこれとほぼ同水準の実績。当期純利益は法人税等の増加により216億円(同17.7%減)となった。資機材価格の高騰や人件費上昇があったものの、ハンディ型撒積運搬船から大型撒積運搬船なども建造するプロダクトミックス体制への移行が順調に進捗、全社一丸となった原価削減活動の効果に加え円安基調が利益を押し上げたとしている。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の売上高平均レートは151.80円/米ドルとなり、前年同期比1.80円の円安進行。決算期末レートは159.88円/米ドル(前期末比10.36円の円安)。総資産は2,661億円(前期末比571億円増)、自己資本比率は51.3%(同1.3ポイント上昇)、有利子負債比率は15.4%(同1.6ポイント低下)となった。
| 項目 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,590億円 | 1,592億円 | △2億円 | △0.1% |
| 営業利益 | 281億円 | 295億円 | △14億円 | △4.7% |
| 経常利益 | 295億円 | 295億円 | 0億円 | 0.1% |
| 当期純利益 | 216億円 | 262億円 | △47億円 | △17.7% |
セグメント別(事業別)の状況
新造船事業は、ハンディ型撒積運搬船と大型撒積運搬船等のプロダクトミックス建造体制への移行が順調に進捗したことに加え円安進行により増収増益。修繕船事業は、主力の国内艦艇工事量が前期に比べ大幅に減少したことにより減収減益となった。受注残高(連結)は、新造船事業が4,221億円(前期比7.1%増、大型撒積運搬船10隻・ハンディ型撒積運搬船5隻を受注し受注残は3年超を確保)、修繕船事業が102億円(同92.1%増)、鉄構・機械事業が80億円(同48.1%増)となった。函館どつくの連結P/Lは売上高337億円(前期比5.5%減)・営業利益47億円(同26.5%減)、佐世保重工業の連結P/Lは売上高160億円(前期比6.4%増)・営業利益11億円(同52.3%減)となった。
| 区分 | 指標 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) |
|---|---|---|---|
| 新造船 | 売上高 | 1,256億円 | 1,229億円 |
| 新造船 | 営業利益 | 286億円 | 276億円 |
| 修繕船 | 売上高 | 205億円 | 230億円 |
| 修繕船 | 営業利益 | 16億円 | 36億円 |
| 鉄構・機械 | 売上高 | 63億円 | 62億円 |
| 鉄構・機械 | 営業利益 | 3億円 | 1億円 |
| その他 | 売上高 | 66億円 | 71億円 |
| その他 | 営業利益 | 9億円 | 8億円 |
| 消去又は全社 | 営業利益 | △33億円 | △27億円 |
| 計 | 売上高 | 1,590億円 | 1,592億円 |
| 計 | 営業利益 | 281億円 | 295億円 |


通期業績予想
2027年3月期は、ハンディ型撒積運搬船の連続建造から、大型撒積運搬船の連続建造を中心として高付加価値の大型LPG船とのプロダクトミックス建造体制への移行期となり、売上高は増収の予想。利益についてはインフレや人件費増、課税負担等を織り込み当期と同水準を見込む。売上計上予定の対象となる未ヘッジ外貨は670百万米ドル、為替前提は155円/米ドル。函館どつくは全社一丸となって生産性向上と経営の効率化を進め、収益改善と積極的な設備投資により事業基盤の強化に取り組むとしている。佐世保重工業は継続的な人員の増強と設備投資の実施、積極的な営業展開により持続的な増収・増益を目指すとしている。
| 区分 | 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|---|
| 連結 | 売上高 | 1,700億円 | 1,590億円 |
| 連結 | 営業利益 | 290億円 | 281億円 |
| 連結 | 経常利益 | 300億円 | 295億円 |
| 連結 | 当期純利益 | 220億円 | 216億円 |
| 函館どつく | 売上高 | 349億円 | 337億円 |
| 函館どつく | 営業利益 | 48億円 | 47億円 |
| 函館どつく | 経常利益 | 45億円 | 48億円 |
| 函館どつく | 当期純利益 | 29億円 | 33億円 |
| 佐世保重工業 | 売上高 | 188億円 | 160億円 |
| 佐世保重工業 | 営業利益 | 14億円 | 11億円 |
| 佐世保重工業 | 経常利益 | 15億円 | 14億円 |
| 佐世保重工業 | 当期純利益 | 15億円 | 15億円 |

株主還元
配当の基本方針は、企業価値拡大への挑戦、グループの経営基盤の強化、安定的かつ継続的な配当による株主還元。2026年3月期の配当は、中間20円・期末20円の合計40円とする期初予想から、中間20円・期末30円(10円増配)の合計50円に修正した。2027年3月期は、当期実績と同水準の利益見込み、財務体質の改善状況等を勘案し、中間30円・期末30円の合計60円とする予定。連結配当性向は2025年3月期13.2%、2026年3月期16.1%、2027年3月期(予想)18.9%。
| 区分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|
| 中間配当金 | - | 20円 | 30円 |
| 期末配当金 | - | 30円 | 30円 |
| 年間配当金合計 | - | 50円 | 60円 |
| 連結配当性向 | 13.2% | 16.1% | 18.9% |

※本記事は名村造船所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。