※本記事は日本光電工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日本光電工業は2026年5月15日、2026年3月期(2025年4月~2026年3月)の連結決算を発表した。売上高は前期比4.3%増の235,099百万円、営業利益は同9.5%減の18,745百万円となり、増収減益となった。海外事業は北米を中心に全地域で増収し二桁成長を達成した一方、国内は現地仕入品やアボット製品の減少に加え、賃上げ対応や研究開発投資、M&Aに伴う償却費の増加により販管費が増加し、営業利益を押し下げた。経常利益は為替差益もあり前期比10.7%増の22,544百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同2.9%増の14,513百万円となった。
連結業績(2026年3月期 実績)
国内売上高は144,406百万円(前期比0.6%減)となった。AEDは代理店での在庫調整もあり減収となったが、診断情報システムや臨床情報システムが二桁成長し、自社の消耗品・サービスも堅調に推移した。海外売上高は90,693百万円(同13.1%増)となり、北米がけん引し二桁成長した。売上総利益は121,726百万円(同3.9%増、利益率51.8%)、販管費は102,981百万円(同6.8%増、比率43.8%)となった。販管費増加の主な費目は、給料手当+27.1億円、のれん償却費+9.3億円、減価償却費+8.7億円、研究開発費+6.2億円としている。為替差損益は前期の差損9億円から当期は差益34億円に転じた。特別損失として早期割増退職金等24億円を計上した。
| 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 235,099百万円 | 225,424百万円 | +4.3% |
| 国内売上高 | 144,406百万円 | 145,237百万円 | -0.6% |
| 海外売上高 | 90,693百万円 | 80,187百万円 | +13.1% |
| 売上総利益(利益率) | 121,726百万円(51.8%) | 117,157百万円(52.0%) | +3.9% |
| 販管費(比率) | 102,981百万円(43.8%) | 96,444百万円(42.8%) | +6.8% |
| 営業利益(利益率) | 18,745百万円(8.0%) | 20,713百万円(9.2%) | -9.5% |
| 経常利益 | 22,544百万円 | 20,373百万円 | +10.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14,513百万円 | 14,098百万円 | +2.9% |

商品群別(連結)の状況
商品群別(連結)の売上高は、生体計測機器53,636百万円(前期比14.4%増、粗利率45%)、生体情報モニタ84,258百万円(同0.8%減、粗利率64%)、治療機器56,286百万円(同5.8%増、粗利率44%)、その他40,918百万円(同1.3%増、粗利率47%)となった。参考として医療機器は115,996百万円(同2.4%増)、消耗品・サービスは119,103百万円(同6.2%増)であった。生体計測機器はアドテック社を含む脳神経系群がけん引し海外で大幅増収となったほか、国内でも診断情報システムが二桁成長した。生体情報モニタは国内で医用テレメータ・送信機が減収となった一方、臨床情報システムは二桁成長、海外はアジア州他で二桁成長したものの北米・欧州では好調だった前期を下回った。治療機器は国内でアボット製品のアブレーションカテーテルに加えAED・除細動器が減収となったが、海外では人工呼吸器が北米・欧州・中南米で大幅増収となった。
| 商品群 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 生体計測機器 | 53,636百万円 | 46,874百万円 | +14.4% |
| 生体情報モニタ | 84,258百万円 | 84,965百万円 | -0.8% |
| 治療機器 | 56,286百万円 | 53,184百万円 | +5.8% |
| その他 | 40,918百万円 | 40,400百万円 | +1.3% |
| 合計 | 235,099百万円 | 225,424百万円 | +4.3% |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期の業績予想は、売上高232,500百万円(前期比1.1%減)、国内売上高133,500百万円(同7.6%減)、海外売上高99,000百万円(同9.2%増)、営業利益23,500百万円(同25.4%増)、経常利益23,500百万円(同4.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,000百万円(同3.4%増)としている。海外売上高比率は38.6%から42.6%に上昇する見通し。国内売上高の減少は主にアボット製品の取り扱い終了(前期236億円から次期23億円へ)によるもので、資料はこの影響を除くと国内は増収の見込みとしている。中東情勢の影響として売上高18億円減、営業利益12億円減(売上の減少、輸送費の上昇)を業績予想に織り込み済みとしている。経営環境について、国内では2026年6月に診療報酬改定(本体+3.09%増)が予定されているほか、2026年度の地域医療介護総合確保基金は960億円(医療)としている。海外では米国での関税や公的医療保険の予算削減案などの政策動向、中国での国産品基準・優遇措置の施行等が挙げられている。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 232,500百万円 | 235,099百万円 | -1.1% |
| 国内売上高 | 133,500百万円 | 144,406百万円 | -7.6% |
| 海外売上高 | 99,000百万円 | 90,693百万円 | +9.2% |
| 売上総利益(利益率) | 129,000百万円(55.5%) | 121,726百万円(51.8%) | +6.0% |
| 販管費(比率) | 105,500百万円(45.4%) | 102,981百万円(43.8%) | +2.4% |
| 営業利益(利益率) | 23,500百万円(10.1%) | 18,745百万円(8.0%) | +25.4% |
| 経常利益 | 23,500百万円 | 22,544百万円 | +4.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 15,000百万円 | 14,513百万円 | +3.4% |

株主還元
2026年3月期の年間配当金は32円(連結配当性向35.9%)、2027年3月期は33円(同35.4%)を予想している。2026年3月期には自己株式取得50億円を実施し、連結総還元性向は70%となった。目標として連結総還元性向35%以上を掲げ、業績の伸長に応じた安定的な増配を方針としている。自己株式保有比率は2026年3月末時点で6.4%(1,098万株、従業員株式給付信託の保有株式を含む)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年間配当金(2026年3月期実績) | 32円(連結配当性向35.9%) |
| 年間配当金(2027年3月期予想) | 33円(連結配当性向35.4%) |
| 自己株式取得(2026年3月期) | 50億円(連結総還元性向70%) |
| 連結総還元性向目標 | 35%以上 |

中期経営計画の進捗
当社は中期経営計画(Phase II:2024年4月~2027年3月)において、2027年3月期の経営目標値として売上高2,560億円、営業利益385億円(営業利益率15%)、親会社株主に帰属する当期純利益250億円、ROE12%を掲げている。これに対し2027年3月期の業績予想は売上高2,325億円、営業利益235億円(営業利益率10.1%)、当期純利益150億円であり、目標に対し売上高で235億円、営業利益で150億円下回る見通しとなっている。資料は要因として、アボット製品終了や現地仕入品の抑制効果による国内売上の未達(差異235億円)、中国の景気低迷・反腐敗運動の長期化、中近東・アフリカおよび欧州における地政学リスク・法規制対応の遅れによる海外実質売上の未達(63億円)、原価の増加(関税・原材料価格上昇等、△46億円)、M&A関連費用(△41億円)、販管費の増加(賃上げ対応・物価上昇、△10億円)を挙げている。営業利益率は24年3月期の8.8%から26年3月期に3.0%pt(前期比+2.2%pt)へ改善し、27年3月期は4.5%pt(前期比+1.5%pt)への改善を計画している。長期ビジョンでは2030年3月期の目標水準として営業利益率15%、海外売上高比率45%を掲げている。
※本記事は日本光電工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。