※本記事は古野電気が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
古野電気の2026年2月期(通期)は、舶用事業・産業用事業ともに二桁増収を達成し、人財投資などの成長投資を推進しつつ主に舶用事業の売上拡大により増益となった。商船向け市場では新造船向け販売が大きく増加し、換装向け販売も拡大を維持。米州のプレジャーボート向け販売は年間を通じて好調に推移し、保守サービス売上も国内外で着実に拡大した。防衛装備品事業は上期の遅れを挽回し、通期で売上が大きく増加した。資料は「過去最高の売上・利益を3期連続で更新」し、当期純利益は上期における税負担減少の影響も加わり「通期初の10%超え」となったとしている。
連結業績(2026年2月期 実績)
売上高は140,616百万円(前期126,953百万円、+13,663百万円、+10.8%)。販管費増を上回る粗利額の増加により、営業利益は16,246百万円(同+3,064百万円、+23.3%、売上高比11.6%)、経常利益は18,291百万円(同+4,132百万円、+29.2%、売上高比13.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は16,735百万円(同+5,277百万円、+46.1%、売上高比11.9%)と増益率が段階的に拡大した。ROEは20.7%(前期17.2%)、ROICは15.5%(前期12.7%)、自己資本比率は63.2%(前期58.4%)。
| 項目 | 2026年2月期 | 2025年2月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 140,616百万円 | 126,953百万円 | +13,663百万円(+10.8%) |
| 売上総利益(売上高比) | 58,338百万円(41.5%) | 52,969百万円(41.7%) | +5,368百万円(+10.1%) |
| 販売管理費(売上高比) | 42,091百万円(29.9%) | 39,787百万円(31.3%) | +2,303百万円(+5.8%) |
| 営業利益(売上高比) | 16,246百万円(11.6%) | 13,181百万円(10.4%) | +3,064百万円(+23.3%) |
| 経常利益(売上高比) | 18,291百万円(13.0%) | 14,158百万円(11.2%) | +4,132百万円(+29.2%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(売上高比) | 16,735百万円(11.9%) | 11,457百万円(9.0%) | +5,277百万円(+46.1%) |
| 研究開発費(売上高比) | 6,014百万円(4.3%) | 6,303百万円(5.0%) | ▲289百万円(▲4.6%) |
| 設備投資額(売上高比) | 4,708百万円(3.3%) | 4,921百万円(3.9%) | ▲213百万円(▲4.3%) |
| 減価償却費(売上高比) | 3,920百万円(2.8%) | 3,592百万円(2.8%) | +327百万円(+9.1%) |

事業別の状況
舶用事業の売上高は1,211億円(前年同期比+11.5%)、セグメント利益は167.6億円(同+34.3億円)。商船向け市場は好調な需要環境が継続し、プレジャーボート向け市場全体は軟調ながら戦略商品の販売が好調で、保守サービス売上も国内・海外ともに増加した。地域別では、日本243億円(+6.5%、商船向け機器や保守サービスが増加)、米州154億円(+29.2%、今期上市の戦略製品を中心にプレジャーボート向けが増加)、欧州388億円(+8.9%、商船の既存船向け機器・保守サービスが高水準を維持)、アジア354億円(+15.2%、商船の新造船向け機器の販売が増加)、その他73億円だった。産業用事業の売上高は158億円(前年同期比+11.3%)、セグメント利益は7.8億円(同+2.9億円)で、時刻同期製品の海外向け販売が好調に推移し、防衛装備品は売上増加に加え採算改善により増益にも寄与したとしている。内訳はITS・GNSS88億円(+18.8%)、ヘルスケア18億円(▲28.0%、中国市場でのコスト競争激化)、防衛装備品55億円(+22.6%、第4四半期に売上が大きく伸長)。無線LAN・ハンディターミナル事業の売上高は33億円(前年同期比▲10.5%)、セグメント利益は1.3億円(同▲0.7億円)で、文教市場向けの需要環境低調により無線LANアクセスポイントの販売が減少した。
| 区分 | 指標 | 2026年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|---|
| 舶用事業計 | 売上高 | 1,211億円(前年同期比+11.5%) | – |
| 舶用事業計 | セグメント利益 | 167.6億円(前年同期比+34.3億円) | – |
| 日本 | 売上高 | 243億円 | 228億円 |
| 米州 | 売上高 | 154億円 | 119億円 |
| 欧州 | 売上高 | 388億円 | 356億円 |
| アジア | 売上高 | 354億円 | 307億円 |
| その他 | 売上高 | 73億円 | 76億円 |
| 産業用事業計 | 売上高 | 158億円(前年同期比+11.3%) | – |
| 産業用事業計 | セグメント利益 | 7.8億円(前年同期比+2.9億円) | – |
| ITS・GNSS | 売上高 | 88億円 | 74億円 |
| ヘルスケア | 売上高 | 18億円 | 25億円 |
| 防衛装備品 | 売上高 | 55億円 | 45億円 |
| 無線LAN・ハンディターミナル事業 | 売上高 | 33億円(前年同期比▲10.5%) | 37億円 |
| 無線LAN・ハンディターミナル事業 | セグメント利益 | 1.3億円(前年同期比▲0.7億円) | – |

通期業績予想(2027年2月期)
2027年2月期は、売上高148,500百万円(前期比+7,883百万円、+5.6%)、営業利益17,000百万円(同+753百万円、+4.6%、売上高比11.4%)を見込む一方、経常利益は17,000百万円(同▲1,291百万円、▲7.1%、売上高比11.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,000百万円(同▲3,735百万円、▲22.3%、売上高比8.8%)と減益を予想している。資料は、補助金収益の減少や一過性の税効果解消に伴う実効税率の通常化により純利益率は低下するとしつつ、ROEは10%以上(前期20.7%)、ROICも10%以上(前期15.5%)を維持する計画としている。事業別では、舶用事業は世界的な新造船供給制約下でも堅調な需要を背景に前期水準の販売数量を確保する見通しで、売上高1,268億円、セグメント利益172.0億円を計画(地域別:日本245億円、米州155億円、欧州425億円、アジア370億円)。産業用事業は防衛装備品を中心に増収を見込み、売上高179億円、セグメント利益11.0億円を計画(ITS・GNSS89億円、ヘルスケア20億円、防衛装備品70億円)。無線LAN・ハンディターミナル事業は売上高35億円、セグメント利益1.0億円を計画している。
| 項目 | 2027年2月期予想 | 2026年2月期実績 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 148,500百万円 | 140,616百万円 | +7,883百万円(+5.6%) |
| 営業利益(売上高比) | 17,000百万円(11.4%) | 16,246百万円(11.6%) | +753百万円(+4.6%) |
| 経常利益(売上高比) | 17,000百万円(11.4%) | 18,291百万円(13.0%) | ▲1,291百万円(▲7.1%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(売上高比) | 13,000百万円(8.8%) | 16,735百万円(11.9%) | ▲3,735百万円(▲22.3%) |
| 研究開発費(売上高比) | 6,500百万円(4.4%) | 6,014百万円(4.3%) | +485百万円(+8.1%) |
| 設備投資額(売上高比) | 5,000百万円(3.4%) | 4,708百万円(3.3%) | +291百万円(+6.2%) |
| ROE | 10%以上(計画) | 20.7% | – |
| ROIC | 10%以上(計画) | 15.5% | – |

株主還元
2026年2月期の1株当たり配当金は年間160円(第2四半期末75円、期末85円)で、連結配当性向は30.2%。2027年2月期は、当期純利益の減少を見込む中でも1株当たり配当金は年間160円(第2四半期末80円、期末80円)を維持する計画で、連結配当性向は38.9%を予想している。

中期経営計画/トピック
2026~2028年度を対象とする新たな中期経営計画を公表している。トピックスとして、「健康経営銘柄2026」に選定され、「健康経営優良法人(ホワイト500)」に8年連続で認定された。また、日本財団が進める無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」で開発に参画した自律航行システムが、日本郵船発注の自動車専用船に先行搭載されたほか、国際両備フェリーの旅客船「おりんぴあどりーむせと」が国の船舶検査に合格し、一般旅客が乗船する定期船として自動運航機能(自動運転レベル4相当)を活用した商用運航を世界で初めて開始した。このほか、令和7年度近畿地方発明表彰で「水中探知装置」に関する技術により特許庁長官賞・実施功績賞を受賞している。
※本記事は古野電気が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。