※本記事は加藤製作所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
加藤製作所の2026年3月期(2025年4月~2026年3月)は、国内向け大型建設用クレーンの販売再開や油圧ショベルの一部製品における弾力的な販売施策により売上高56,335百万円(前期比6.4%増)となった。一方、在庫調整に伴う工場稼働率の低下や資材価格・物流費の上昇により製造原価率が悪化し、営業利益は△2,320百万円(前期903百万円)と営業損失に転じ、経常利益も△1,841百万円(前期1,401百万円)の損失となった。もっとも、中国子会社の持分譲渡に伴う子会社株式売却益7,224百万円などの特別利益を計上したことで、親会社株主に帰属する当期純利益は4,526百万円(前期△6,033百万円の損失)となり黒字に転じた。2027年3月期は、売上高61,000百万円(前期比8.3%増)を見込むとともに、営業利益600百万円、経常利益120百万円と損益の黒字転換を見込む一方、当期純利益は0百万円としている。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の連結業績は、売上高56,335百万円(前期比6.4%増)、売上原価50,510百万円(原価率89.7%、前期は83.8%)、売上総利益5,824百万円(同32.3%減)、販管費8,145百万円(同5.8%増)となった。営業利益は△2,320百万円(前期903百万円)、経常利益は△1,841百万円(前期1,401百万円)となり、いずれも損失に転じた。特別損益は6,541百万円(前期△7,000百万円)となり、税前利益4,699百万円(前期△5,598百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,526百万円(前期△6,033百万円)となった。資料は、原価率悪化の要因として在庫調整に伴う工場稼働率の低下、資材価格・物流費の上昇を挙げている。特別損益では、中国子会社の持分譲渡に伴う子会社株式売却益7,224百万円、欧州子会社の業況を踏まえた減損損失△566百万円を計上したとしている。ROEは10.4%(前期△12.7%)、ROICは△3.3%(前期0.9%)となった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 56,335百万円(100.0%) | 52,932百万円(100.0%) | 3,403百万円 | 6.4% |
| 売上原価 | 50,510百万円(89.7%) | 44,332百万円(83.8%) | 6,177百万円 | 13.9% |
| 売上総利益 | 5,824百万円(10.3%) | 8,599百万円(16.2%) | △2,774百万円 | △32.3% |
| 販管費 | 8,145百万円(14.5%) | 7,695百万円(14.5%) | 449百万円 | 5.8% |
| 営業利益 | △2,320百万円(△4.1%) | 903百万円(1.7%) | △3,224百万円 | - |
| 経常利益 | △1,841百万円(△3.3%) | 1,401百万円(2.6%) | △3,243百万円 | - |
| 特別損益 | 6,541百万円(11.6%) | △7,000百万円(△13.2%) | 13,541百万円 | - |
| 税前利益 | 4,699百万円(8.3%) | △5,598百万円(△10.6%) | 10,298百万円 | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,526百万円(8.0%) | △6,033百万円(△11.4%) | 10,559百万円 | - |

セグメント(製造拠点)別状況
同社は日本セグメント、欧州セグメント、その他セグメントの3区分で製造拠点別の業績を開示している。日本セグメント(製造拠点:茨城・群馬、主要製品:建設用クレーン・油圧ショベル等)の売上高は51,899百万円(前年同期比11.2%増)、営業利益は△2,231百万円となった。欧州セグメント(製造拠点:イタリア、主要製品:油圧ショベル等)の売上高は1,130百万円(同58.7%減)、営業利益は57百万円となった。その他セグメント(製造拠点:なし、仕向け地:中国など、主要製品:油圧ショベル等)の売上高は4,378百万円(同8.5%減)、営業利益は△239百万円となった。トピックスとして、国内では大型建設用クレーンの販売再開や油圧ショベル等の弾力的な販売、米国向け油圧ショベルの需要低迷継続、欧州の建機需要の低迷継続とイタリア子会社への増資実施、中国子会社1社の持分譲渡実施を挙げている。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 売上高 | 51,899百万円 | 11.2% |
| 日本 | 営業利益 | △2,231百万円 | - |
| 欧州 | 売上高 | 1,130百万円 | △58.7% |
| 欧州 | 営業利益 | 57百万円 | - |
| その他 | 売上高 | 4,378百万円 | △8.5% |
| その他 | 営業利益 | △239百万円 | - |

品目別・仕向け地別の売上動向
主要品目別では、建設用クレーンの売上高が38,849百万円(前年同期比15.9%増、売上構成比69.0%)となり、国内売上高が29,673百万円から35,443百万円(同19.9%増)に伸びた一方、海外売上高は3,405百万円(同13.7%減)となった。油圧ショベル等は16,265百万円(同11.4%減、構成比28.9%)となり、海外売上高が8,629百万円(同19.6%減)に減少した一方、国内売上高は7,636百万円(同0.2%増)とほぼ横ばいだった。仕向け地別(日本除く)の海外売上高合計は12,088百万円(同18.0%減)となり、アジア4,290百万円(同25.0%減)、欧州4,304百万円(同8.5%減)、北・中南米2,915百万円(同12.6%減)などが減少した。

通期業績予想と実績値との差異
会社が2026年2月13日に公表した前回発表予想(売上高57,000百万円、営業利益△500百万円、経常利益△1,000百万円、親会社株主当期純利益5,800百万円)に対し、2026年3月期の実績値は売上高56,335百万円、営業利益△2,320百万円、経常利益△1,841百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,526百万円となった。資料は、売上高は在庫製品の弾力的販売の加速により前回発表予想に近い水準で着地した一方、営業利益・経常利益は在庫水準の適正化を目的とした販売施策の推進と工場稼働の抑制、資材価格・物流費の上昇、新機種開発費用の計上等により前回発表予想を下回ったとしている。親会社株主に帰属する当期純利益についても、中国子会社の持分譲渡に伴う特別利益を計上したものの上記要因により前回発表予想を下回ったとしている。なお、配当予想に変更はないとしている。
| 項目 | 前回発表予想(2026年3月期) | 2026年3月期実績値 |
|---|---|---|
| 売上高 | 57,000百万円 | 56,335百万円 |
| 営業利益 | △500百万円 | △2,320百万円 |
| 経常利益 | △1,000百万円 | △1,841百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5,800百万円 | 4,526百万円 |
| 1株当たり配当金(中間) | 35円 | 35円 |
| 1株当たり配当金(期末) | 35円 | 35円 |
| 1株当たり配当金(年間) | 70円 | 70円 |
通期業績予想(2027年3月期)
会社は2027年3月期の連結業績予想として、売上高61,000百万円(前期比8.3%増)、営業利益600百万円、経常利益120百万円、当期純利益0百万円を見込んでいる。資料は、地政学リスクによる不透明な事業環境が続くとしつつ、新型油圧ショベルシリーズの国内投入、インド事業の操業開始、米国市場の需要回復を増収要因に挙げる一方、資材価格・物流費のさらなる上昇懸念や財務体質改善のための弾力的な販売戦略の継続により、損益面は中期経営計画で描いていた水準には届かない見通しとしている。1株当たり配当金は中間35円・期末35円・年間70円を計画している。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 61,000百万円 | 56,335百万円 | 8.3% |
| 営業利益 | 600百万円 | △2,320百万円 | - |
| 経常利益 | 120百万円 | △1,841百万円 | - |
| 当期純利益 | 0百万円 | 4,526百万円 | - |
| 1株当たり配当金(年間) | 70円 | 70円 | - |

株主還元
1株当たり配当金は、2026年3月期(中間35円・期末35円・年間70円)、2027年3月期予想(中間35円・期末35円・年間70円)といずれも年間70円を計画・実施している。会社は前回発表予想からの配当予想の変更はないとしている。
トピック
会社は、インドのAction Construction Equipment Ltd.との合弁会社ACE KATO Pvt.Ltd.(資本金20億インドルピー、当社出資比率50%)を設立し、2027年3月期の上期から移動式クレーンの生産を開始する予定としている。また、2026年7月から油圧ショベル新シリーズ4機種の販売を開始する予定で、希望販売価格21.5百万円~30百万円(税別)、販売目標200台~400台/年としている。
※本記事は加藤製作所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。