※本記事は酉島製作所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
酉島製作所は2026年5月14日、2025年度(2026年3月期)の連結決算を発表した。受注高は949億円(前期比▲0.7%)、売上高は929億円(同+7.4%)となった。営業利益は50億円(同▲7.4%)と減益だったが、経常利益は52億円(同+15.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は60億円(同+46.3%)と増加した。当期純利益の増加には有価証券売却益28億円の計上が寄与した。
連結業績(2026年3月期 実績)
受注高は生成AIの発展に伴う電力需要急増を背景に発電向けが伸びた一方、海水淡水化向けが若干減少し、前期比では小幅な減少となった。売上高は929億円(前期比+64億円、+7.4%)と過去最高を更新した。営業利益は案件構成変化による利益率の低下や製造コストの増加などにより50億円(同▲4億円、▲7.4%)となった。経常利益は、前期▲14億円だった為替差損益が当期▲5億円に改善したことなどにより52億円(同+7億円、+15.6%)に増加。特別損益は有価証券売却益+28億円を含む28億円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は60億円(同+19億円、+46.3%)となった。ROEは10.2%(前期比+2.7pt)。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2025年3月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 949億円 | 956億円 | ▲7億円(▲0.7%) |
| 売上高 | 929億円 | 865億円 | +64億円(+7.4%) |
| 売上総利益(売上総利益率) | 243億円(26.2%) | 235億円(27.2%) | +8億円(▲1.0pt、+3.4%) |
| 販管費 | 193億円 | 181億円 | +12億円(+6.6%) |
| 営業利益(営業利益率) | 50億円(5.4%) | 54億円(6.2%) | ▲4億円(▲0.8pt、▲7.4%) |
| 営業外損益 | 2億円 | ▲9億円 | +11億円 |
| 経常利益 | 52億円 | 45億円 | +7億円(+15.6%) |
| 特別損益 | 28億円 | 14億円 | +14億円(+100%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 60億円 | 41億円 | +19億円(+46.3%) |
| ROE | 10.2% | 7.5% | +2.7pt |
分野別(ポンプ・プロジェクト・サービス)の状況
酉島製作所はポンプ・プロジェクト・サービスの3分野と国内・海外市場別に業績を管理している。2025年度は発電分野向け需要の伸びが海水淡水化分野向けの売上減少をカバーし、分野構成のバランスが改善した。分野別売上高はポンプ389億円(前期比+40億円、+11.5%)、プロジェクト236億円(同▲20億円、▲7.8%)、サービス300億円(同+46億円、+18.1%)、その他4億円(同▲1億円、▲20.0%)。受注高はポンプ437億円(前期311億円)、プロジェクト242億円(同316億円)、サービス264億円(同326億円)、その他5億円(同3億円)。
| 区分 | 当期売上高(2026年3月期) | 前期売上高(2025年3月期) |
|---|---|---|
| ポンプ | 389億円 | 349億円 |
| プロジェクト | 236億円 | 256億円 |
| サービス | 300億円 | 254億円 |
| その他 | 4億円 | 5億円 |


通期業績予想
2026年度(2027年3月期)の連結業績予想は、受注高960億円(前期比+11億円、+1.2%)、売上高955億円(同+26億円、+2.8%)、営業利益52億円(同+2億円、+4.0%)。一方、経常利益は想定為替レート1ドル=155.0円(前期末レートは1ドル=159.88円)に基づく為替差損益の悪化を見込み44億円(同▲8億円、▲15.4%)、特別損益の減少もあり親会社に帰属する純利益は38億円(同▲22億円、▲36.7%)を計画している。中東情勢の不確実性により新規プロジェクトの受注遅延リスクがあり、受注高は900億円まで下振れる可能性があるとしている。
| 項目 | 2027年3月期計画 | 2026年3月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 960億円 | 949億円 | +11億円(+1.2%) |
| 売上高 | 955億円 | 929億円 | +26億円(+2.8%) |
| 売上総利益(売上総利益率) | 261億円(27.3%) | 243億円(26.2%) | +18億円(+1.1pt、+7.4%) |
| 販管費 | 209億円 | 193億円 | +16億円(+8.3%) |
| 営業利益(営業利益率) | 52億円(5.4%) | 50億円(5.4%) | +2億円(0pt、+4.0%) |
| 営業外損益 | ▲8億円 | 2億円 | ▲10億円 |
| 経常利益 | 44億円 | 52億円 | ▲8億円(▲15.4%) |
| 特別損益 | 5億円 | 28億円 | ▲23億円(▲82.1%) |
| 親会社に帰属する純利益 | 38億円 | 60億円 | ▲22億円(▲36.7%) |
| ROE | 6.2% | 10.2% | ▲4.0pt |
| 1株当たり当期利益 | 144.39円 | 224.94円 | ▲80.55円(▲35.8%) |

株主還元
配当方針は、中長期の価値創造に向けた投資を優先しつつ、累進配当を基本方針として減配せず継続的な増配を目指すというもの。純資産配当率(DOE)3.0%および連結配当性向35%を目安に実施するとしている。2026年3月期の1株当たり年間配当金は前回予想から+1円の63円(増配)、2027年3月期は64円(予定、前期比+1円)を計画している。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(計画) |
|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 63円(増配) | 64円(予定) |
| 配当性向 | 28% | 43.5% |
| DOE(純資産配当率) | 2.9% | 2.7% |

中期経営計画/トピック
同社は2021年5月策定の中期経営計画「Beyond110」のもと、2025年度から2029年度を「STEP期間」と位置づけている。STEP期間最終年度となるFY2029の目標として、売上高1,000億円、営業利益100億円(営業利益率10%)、ROE10%を掲げている。なお、この計画目標はオーガニック・グロースによる達成を見込むものとしており、後述の新日本造機の連結子会社化完了後には、M&Aによる成長を反映した修正計画を公表するとしている。また、稼働台数(インストールベース)の蓄積によるサービス事業拡大を通じ、FY2029にはサービス売上を350億円まで伸ばす計画としている。
2026年2月10日、酉島製作所は住友重機械工業株式会社より新日本造機株式会社の株式100%を取得することに合意した。新日本造機は蒸気タービン・プロセスポンプの製造・販売事業を展開する企業で、2025年12月期の連結売上高は19,167百万円。株式譲渡の実行日は2026年7月1日(予定)としている。
※本記事は酉島製作所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。