※本記事は八十二銀行が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社八十二長野銀行(東証プライム:8359)が公表した「2025年度 決算 会社説明会」資料(2026年5月28日)によると、2026年3月期の連結経常利益は前期比+176億円の815億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同+165億円の645億円となり、いずれも過去最高益となりました。同行は2026年1月1日に八十二銀行と長野銀行の合併により発足しています。資料の表記に従い、本記事の「2025/3」は八十二銀行、「2026/3」は八十二長野銀行の計数です(長野銀行の最終決算は2025年12月期の変則決算)。
連結業績(2026年3月期 実績)
連結では、八十二長野銀行単体の資金利益および株式等関係損益が増加したこと等により、経常利益が前期比+176億円の815億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は経常利益の増益に伴い前期比+165億円の645億円です。これまでの最高益は経常利益638億円(2024年度)、当期純利益479億円(2024年度)でした。
| 項目(億円) | 2026/3(八十二長野・連結) | 2025/3(八十二・連結) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 連結粗利益 | 1,280 | 1,132 | 147 |
| 資金利益 | 1,167 | 1,043 | 124 |
| 役務取引等利益 | 203 | 177 | 25 |
| 特定取引利益 | 4 | 2 | 2 |
| その他業務利益 | ▲95 | ▲91 | ▲4 |
| 営業経費 | 811 | 725 | 85 |
| 与信関係費用 | 3 | 15 | ▲12 |
| 株式等関係損益 | 350 | 305 | 44 |
| 金銭の信託運用損益 | ▲3 | ▲2 | ▲0 |
| 経常利益 | 815 | 638 | 176 |
| 特別損益 | ▲16 | 10 | ▲26 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 645 | 479 | 165 |
八十二長野銀行単体では、業務粗利益1,100億円(前期比+137億円)、経費718億円(同+104億円)、コア業務純益545億円(同+77億円)となりました。資金利益は国内業務部門の貸出金利息および有価証券利息配当金の増加により前期比+156億円の1,114億円。経常利益は758億円(同+158億円)、当期純利益は665億円(同+205億円)で、いずれも過去最高益(これまでの最高益は経常利益599億円、当期純利益459億円=いずれも2024年度)となりました。なお2025年度より投資事業組合会計処理を変更しており、その結果、資金利益は約56億円減少となりますが、臨時費用も同額減少となるため経常利益には影響ありません(「八十二銀行」単体)。

部門別・グループ会社別の状況
資金利益は、国内業務部門が利回り改善による貸出金利息および有価証券利息配当金の増加を主因として前期比+142億円の978億円、国際業務部門が預貸金粗利ざや拡大などから前期比+15億円の136億円となりました(単体)。国内業務部門の預貸金粗利ざや(貸出金利回-預金利回)は0.92%(前期比+0.16pt)です。役務取引等利益は、シンジケートローンや投資信託関連の手数料が増加したことにより127億円(前期比+23億円)となりました。経費は、合併に伴うシステム関連費用等の増加および八十二みらい財団への寄付により物件費が前期比+74億円、合併による人員増加およびベースアップ等により人件費が同+24億円となりました。与信関係費用は、ランクダウン先数は増加したものの個別貸倒引当金の戻入により▲3億円となりました。グループ会社では、長野銀行が国債等債券売却損の減少等により最終利益が黒字化(純利益506百万円)、八十二証券も堅調な株式相場の下支えもあり黒字化(同166百万円)しました。
| グループ法人名 | 出資比率 | 2026/3 経常利益(百万円) | 2026/3 純利益(百万円) | 2025/3 経常利益(百万円) | 2025/3 純利益(百万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 長野銀行(変則決算:2025年12月期) | 100.0% | 665 | 506 | ▲1,513 | ▲1,501 |
| 八十二証券 | 100.0% | 204 | 166 | ▲292 | ▲504 |
| 八十二リース | 100.0% | 691 | 495 | 875 | 624 |
| ながぎんリース | 100.0% | 356 | 237 | 264 | 159 |
| 八十二カード | 100.0% | 150 | 98 | 158 | 106 |
| 長野カード | 100.0% | ▲84 | ▲107 | ▲51 | ▲74 |
| 八十二信用保証 | 100.0% | 2,061 | 1,362 | 2,116 | 1,419 |
| 八十二キャピタル | 41.0% | 247 | 247 | 218 | 166 |
| 八十二スタッフサービス | 100.0% | 30 | 22 | 33 | 21 |
| やまびこ債権回収 | 99.0% | 7 | ▲41 | 147 | 104 |
| 八十二オートリース | 100.0% | 1,130 | 749 | 1,078 | 714 |
| 八十二アセットマネジメント | 100.0% | 97 | 67 | 83 | 56 |
| 八十二インベストメント | 100.0% | 17 | 11 | 23 | 14 |
| 八十二Link Nagano | 100.0% | ▲30 | ▲62 | 35 | 34 |

2026年度 業績予想
2026年度(2027年3月期)は、連結経常利益1,060億円(前期比+245億円)、親会社株主に帰属する当期純利益730億円(同+85億円)を見込み、いずれも最高益見込みとしています。単体では経常利益1,010億円(同+252億円)、当期純利益700億円(同+35億円)の予想です。前提は政策金利が年度末時点「1.25%」です。
| 項目(億円) | 2027/3(予想) | 2026/3(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 連結 経常利益 | 1,060 | 815 | 245 |
| 連結 親会社株主に帰属する当期純利益 | 730 | 645 | 85 |
| 単体 業務粗利益(A) | 1,294 | 1,100 | 194 |
| 単体 資金利益 | 1,181 | 1,114 | 67 |
| 単体 役務取引等利益 | 133 | 127 | 6 |
| 単体 経費(C) | 702 | 718 | ▲ 16 |
| 単体 コア業務純益(A-B-C) | 639 | 545 | 94 |
| 単体 経常利益 | 1,010 | 758 | 252 |
| 単体 当期純利益 | 700 | 665 | 35 |
| 単体 与信関係費用 | 50 | ▲3 | 53 |

株主還元
2026年3月期の1株当たり年間配当額は60.0円(記念配当5円含む)で6期連続増配、年間配当額は273億円、自己株式取得額は100億円、株主還元額は373億円、連結配当性向は42.4%、株主還元率は57.8%となりました。2027年3月期は年間配当65.0円(中間30.0円)、年間配当額295億円、自己株式取得額100億円、株主還元額395億円を見込んでいます。2026年2月20日公表の株主還元方針では、連結配当性向40%以上を目安とし、配当金の維持または増加を目指すこと、自己株式取得は市場環境などを考慮のうえ機動的に実施することを掲げています。
| 項目 | 八十二 2025/3 | 八十二長野 2026/3 | <予想> 2027/3 |
|---|---|---|---|
| 年間配当額 | 195億円 | 273億円 | 295億円 |
| 1株当たり配当額(年間) | 42.0円 | 60.0円(記念配当5円含む) | 65.0円 |
| 中間期配当額 | 13.0円 | 20.0円 | 30.0円 |
| 自己株式取得額 | 205億円 | 100億円 | 100億円 |
| 株主還元額 | 400億円 | 373億円 | 395億円 |
| 当期純利益(連結) | 479億円 | 645億円 | 730億円 |
| 配当性向(連結) | 41.4% | 42.4% | 40.4% |
| 株主還元率(連結) | 83.5% | 57.8% | 54.1% |

財務健全性・資産の状況
2026年3月末の総資産は13兆4,327億円(前期末比+8,998億円)、預金残高は9兆5,685億円(同+8,746億円)、貸出金残高は6兆7,886億円(同+7,625億円)です。総自己資本比率(国際統一基準)は連結16.72%(前期末比+0.43%)、単体15.22%(同▲0.43%)で、劣後債などの資本調達を実施していないため単体の総自己資本比率・Tier1比率・普通株式等Tier1比率はいずれも15.22%と同値です。不良債権は合計1,322億円、不良債権比率は1.91%(前期1.73%)、貸倒引当金は458億円となりました。有価証券評価損益は、国内金利の上昇により債券の評価損失が拡大したものの国内株価が上昇したため前期比+1,949億円(NET)の6,157億円です。
中期経営計画(第1次 中期経営計画:2026年度〜2028年度)
2026年2月20日公表の「八十二グループ 第1次 中期経営計画」(2026年度〜2028年度)は、長期ビジョン2035「魅力ある未来を地域と共に創る」の実現に向けた最初の3ヵ年と位置付けられ、「総合コンサルティンググループに進化し、お客さまに質の高い機能提供を行う」ことを掲げています。2028年度の経営目標は連結ROE 8.0%以上(2025年度実績6.1%)、計数計画は連結当期純利益850億円以上(同645億円)、預金・NCD平均残高100,000億円(同91,363億円)、貸出金平均残高71,000億円(同62,912億円)、役務関連利益210億円(同171億円)です。投資面では3年累計200億円のシステム投資と1,500億円のM&A戦略投資枠を設定しています。PBRについては2025年度実績0.7倍から『1倍』超を目指し、ROE改善を重要なドライバーと位置付けています。
※本記事は八十二銀行が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。