※本記事は太陽誘電が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
太陽誘電の2026年3月期連結業績は、売上高3,553億円(前期比4.1%増)、営業利益200億円(同91.2%増)となった。AIサーバーや自動車向けを中心にコンデンサの売上が拡大し、販売数量増加による操業度効果が増益に大きく寄与した。経常利益は241億円(同129.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は148億円(同535.9%増)と大幅増益。2027年3月期は売上高3,840億円(同8.1%増)、営業利益300億円(同50.0%増)を計画し、増収増益基調が続く見通し。
連結業績(当期 実績)
AIサーバーや自動車向けの需要増によりコンデンサの売上が拡大し、インダクタもメモリモジュール向けなどで増収に寄与した。販売数量の増加による操業度効果が増益要因となった一方、為替変動により売上高で41億円、営業利益で40億円の減益影響が発生。期末の為替レートが149円台から159円台へ円安に進んだことで48億円の為替差益を計上し、経常利益は241億円となった。アルミニウム電解コンデンサなどの減損損失21億円、通信用デバイスを中心とした事業構造改善費用15億円などの特別損失計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は148億円となった。
| 項目 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 355,341百万円 | 341,438百万円 | +4.1% |
| 営業利益 | 19,996百万円 | 10,459百万円 | +91.2% |
| 営業利益率 | 5.6% | 3.1% | -2.5pt |
| 経常利益 | 24,129百万円 | 10,517百万円 | +129.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14,806百万円 | 2,328百万円 | +535.9% |
| 研究開発費 | 14,474百万円 | 15,042百万円 | △3.8% |
| 設備投資額 | 40,416百万円 | 64,158百万円 | △37.0% |
製品別(セグメント)の状況
製品別では、コンデンサがAIサーバーや自動車向けを中心に前期比8.5%増収の2,517億71百万円となった。インダクタもメモリモジュールやゲーム機器向けで前期比4.5%増の643億19百万円。一方、複合デバイスは選択と集中による撤退・譲渡アイテムの販売終了などで前期比35.6%減、その他も1.5%減となった。用途別売上構成では、情報インフラ・産業機器の構成比が26%に上昇し、自動車(30%台)と合わせた構成比は56%まで上昇した。
| 製品 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| コンデンサ | 251,771百万円 | 232,066百万円 | +8.5% |
| インダクタ | 64,319百万円 | 61,546百万円 | +4.5% |
| 複合デバイス | 14,796百万円 | 22,986百万円 | △35.6% |
| その他 | 24,453百万円 | 24,838百万円 | △1.5% |
| 売上高合計 | 355,341百万円 | 341,438百万円 | +4.1% |

需要動向・受注状況
第4四半期のコンデンサ受注高は前四半期比26%増と大幅に拡大し、受注残高も前四半期比47%増と急増した。全社のBBレシオは1.25、コンデンサは1.31といずれも1を大幅に上回り、AIサーバーを含む情報インフラ・産業機器や通信機器向けなど幅広い用途で旺盛な需要が続いている。
通期業績予想
2027年3月期は、AIサーバー・自動車向けの高付加価値商品の需要拡大が続くとみて、売上高3,840億円(前期比8.1%増)、営業利益300億円(同50.0%増)を計画している。経常利益270億円(同11.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益180億円(同21.6%増)を見込む。為替レートは1米ドル150.00円を前提とし、感応度は1円の変動で売上高19億円、営業利益9億円の影響を想定。中東情勢の影響による資源価格高騰や原材料・部材費の上昇を業績予想に反映する一方、メモリの供給制約・価格高騰による需要減の影響は主要供給先であるハイエンド機器では限定的とみている。製品別ではコンデンサが前期比12.0%増収の2,820億円を計画し、2027年3月期より「複合デバイス」を「その他」に統合する。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 384,000百万円 | 355,341百万円 | +8.1% |
| 営業利益 | 30,000百万円 | 19,996百万円 | +50.0% |
| 営業利益率 | 7.8% | 5.6% | -2.2pt |
| 経常利益 | 27,000百万円 | 24,129百万円 | +11.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 18,000百万円 | 14,806百万円 | +21.6% |

株主還元
配当性向30%、DOE3.5%を基本方針とし、業績や健全な財務状態の維持などを総合的に勘案して利益還元を行う方針。2027年3月期の1株当たり配当金額予想は前期と同額の90円を維持し、配当性向62.5%、DOE3.8%の水準となる見込み。2026年3月期実績の配当金額は90円(配当性向76.0%、DOE3.8%)だった。自己株式取得は2026年3月期・2027年3月期予想ともに実施なし(2022年3月期は50億円実施)。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 2025年3月期(実績) |
|---|---|---|---|
| 1株当たり配当金額 | 90円 | 90円 | 90円 |
| 配当性向 | 62.5% | 76.0% | 482.1% |
| DOE | 3.8% | 3.8% | 3.8% |
| 自己株式取得額 | – | 0億円 | 0億円 |


※本記事は太陽誘電が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。