※本記事は日本ガイシ(NGK)が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
NGK株式会社(旧日本ガイシ、2026年4月1日付で商号変更)は2026年3月期通期決算を発表した。売上高は前期比8%増の6,701億円、営業利益は同17%増の950億円、経常利益は同22%増の952億円となり、売上高・営業利益・経常利益はいずれも過去最高を更新した。親会社株主に帰属する当期純利益はNAS電池の製造・販売活動終了に伴う事業構造改革費用200億円を計上したものの、投資有価証券売却益132億円も寄与し、前期比9%増の599億円となった。27年3月期は売上高7,100億円、営業利益1,070億円、経常利益1,050億円、当期純利益820億円を見込み、増収増益で過去最高をさらに更新する見通し。
連結業績(当期 実績)
エンバイロメント事業では、関税率引き上げを見越した自動車関連製品の駆け込み需要等により増収。デジタルソサエティ事業ではAI用途の半導体需要拡大や一部客先の在庫積み増しにより半導体製造装置用製品の需要が拡大し、増収・増益となった。エネルギー&インダストリー事業では、がいしの国内外需要は堅調に推移した一方、エナジーストレージはNAS電池の製造・販売活動の終了を2025年10月に意思決定した。為替相場は1ドル=151円(前期152円)、1ユーロ=175円(前期164円)で、為替影響は売上高で+53億円、営業利益で+1億円のプラスにとどまった。
| 項目 | 26年3月期(当期) | 25年3月期(前期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,701億円 | 6,195億円 | +8% |
| 営業利益 | 950億円 | 812億円 | +17% |
| 経常利益 | 952億円 | 782億円 | +22% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 599億円 | 549億円 | +9% |

セグメント別(事業別)の状況
事業セグメントはエンバイロメント(自動車関連製品・産業プロセス等)、デジタルソサエティ(半導体製造装置用製品・電子デバイス・金属等)、エネルギー&インダストリー(がいし・エネルギープラント・エナジーストレージ等)の3区分。なお2027年3月期の期首より産業プロセス(EP系列)をエンバイロメントからエネルギー&インダストリーへ移管する区分変更を実施しており、2026年3月期の実績も新区分に組み替えて表示している。エンバイロメントは自動車関連製品の堅調と高付加価値品シフトで増収、デジタルソサエティはAI向け半導体需要拡大により大幅増収・増益、エネルギー&インダストリーはNAS電池の事業構造改革費用計上等の影響を受けた。
| セグメント | 指標 | 26年3月期(実績) | 27年3月期(予想) |
|---|---|---|---|
| エンバイロメント | 売上高 | 3,915億円 | 4,000億円 |
| エンバイロメント | 営業利益 | 670億円 | 670億円 |
| デジタルソサエティ | 売上高 | 2,054億円 | 2,450億円 |
| デジタルソサエティ | 営業利益 | 281億円 | 360億円 |
| エネルギー&インダストリー | 売上高 | 732億円 | 650億円 |
| エネルギー&インダストリー | 営業利益 | 3億円 | 40億円 |

27年3月期 通期業績予想
為替前提は1ドル=150円、1ユーロ=175円。AI用途を中心とする半導体需要拡大の継続により、半導体製造装置用製品やハイセラムキャリアの需要増加を見込み、売上高・各利益とも過去最高を見込む。当期純利益は、前年度のNAS電池関連特別損失がなくなることに加え、清算完了を進める海外子会社の法人税軽減影響等を見込み前期比+37%。なお中東情勢の悪化を受けた電力・ガス価格上昇によるコスト増分約20億円を27年3月期業績予想に反映済みで、市況悪化リスクについては不確実性が高いため現時点では予想に織り込んでいない。
| 項目 | 27年3月期(予想) | 26年3月期(実績) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,100億円 | 6,701億円 | +6% |
| 営業利益 | 1,070億円 | 950億円 | +13% |
| 経常利益 | 1,050億円 | 952億円 | +10% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 820億円 | 599億円 | +37% |

株主還元
配当方針を見直し、純資産配当率(DOE)の目途をこれまでの3.0%から3.5%に、連結配当性向の目途をこれまでの30%から35%以上に、それぞれ引き上げた。27年3月期の1株当たり利益(EPS)予想は290.67円で、年間配当は前期比+26円増配の106円(中間53円・期末53円)を予定。あわせて、名古屋証券取引所の自己株式立会外買付取引(N-NET3)により自己株式取得(取得しうる株式の総数650万株上限、発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合2.3%、株式の取得価額の総額330億円上限で過去最高額)を実施し、取得した自己株式は全株消却予定(消却予定日2026年6月1日)。
| 項目 | 26年3月期(実績) | 27年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 80円 | 106円 |
| 配当性向 | 38.8% | 36.5% |
| EPS | 206.32円 | 290.67円 |
| 自己株式取得(上限) | – | 650万株/330億円 |

中期経営計画・トピック
2030年度業績目標として売上高9,000億円、営業利益1,500億円(営業利益率16.7%)、当期純利益1,000億円、ROE12%を掲げる。新事業創出プログラム「NV1000」では2030年度の新事業売上高1,000億円以上を目指す。事業ポートフォリオ管理に用いるNGK版ROIC(営業利益÷(売掛債権+棚卸資産+固定資産))の社内ハードルレートを10%から12%へ引き上げるとともに、2026年度から事業再生・撤退検討プロセスを導入し、不採算事業・製品への対応方針を明確化した。また2026年4月1日付で商号を「日本ガイシ株式会社」から「NGK株式会社」に変更した。
※本記事は日本ガイシ(NGK)が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。