※本記事はバルテス・ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
バルテス・ホールディングス株式会社の2026年3月期(2025年4月~2026年3月)連結業績は、売上高11,939百万円(前年同期比+10.6%)と過去最高を更新した。一方、生成AIテストツール開発投資の影響で販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は923百万円(同▲0.4%)、経常利益921百万円(同▲1.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益573百万円(同▲1.2%)と、いずれも前期並みの水準にとどまった。AI投資額(3.0億円、計画比76.2%)による損益影響を除いた「AI投資前営業利益」は12.0億円となり、前期実績(9.2億円)・当初計画(10.5億円)をともに上回っている。2027年3月期は、新中期経営計画に基づき生成AIテストツール開発へ4億円以上を投資する計画のもと、売上高14,160百万円(同+18.6%)、営業利益970百万円(同+5.0%)の増収増益を見込む。
業績(2026年3月期 実績)
営業体制整備の効果により案件数は7,489件(前年同期比+1,846件、うちツール案件数+764件)と順調に増加し、通期売上高は過去最高を更新した。ソフトウェアテストの単価(月間)は852千円(同+42千円)に上昇し、稼働エンジニア数(2026年3月末時点)は1,342名(正社員・契約社員・ビジネスパートナー合計で前年同期比+132名、うち正社員+29名)となった。一方、生成AIテストツール開発投資に伴う研究開発費の増加(+159百万円)や株主優待制度導入による費用増(▲78百万円)等により販管費は2,736百万円(前年同期比+19.9%)に拡大し、売上高増加・売上総利益率改善の効果を相殺したことで、営業利益は前期比▲0.4%の923百万円となった。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前年増減 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,795百万円 | 11,939百万円 | +1,144百万円 | +10.6% |
| 営業利益 | 927百万円 | 923百万円 | ▲3百万円 | ▲0.4% |
| EBITDA | 1,182百万円 | 1,210百万円 | +28百万円 | +2.4% |
| 経常利益 | 930百万円 | 921百万円 | ▲9百万円 | ▲1.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 580百万円 | 573百万円 | ▲7百万円 | ▲1.2% |
| 1株当たり当期純利益 | 28.81円 | 28.91円 | - | - |

セグメント別の状況
2026年3月期はソフトウェアテスト、開発、セキュリティの3セグメント体制。主力のソフトウェアテスト事業は売上高10,245百万円(前年同期比+12.4%)と拡大した一方、生成AIテストツール開発費用の計上等により営業利益は864百万円(同▲19.3%、利益率8.4%)に低下した。開発事業はタビュラ社グループイン等の影響もあり大幅に改善し、売上高1,990百万円(同+12.0%)、営業利益91百万円(前期は営業損失75百万円)と黒字転換した。セキュリティ事業も売上高294百万円(同+34.1%)、営業利益38百万円(同+230.6%)と大きく伸長した。
| セグメント | 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| ソフトウェアテスト | 売上高 | 9,112百万円 | 10,245百万円 | +12.4% |
| 開発 | 売上高 | 1,777百万円 | 1,990百万円 | +12.0% |
| セキュリティ | 売上高 | 219百万円 | 294百万円 | +34.1% |
| 連結消去 | 売上高 | △314百万円 | △590百万円 | - |
| 合計 | 売上高 | 10,795百万円 | 11,939百万円 | +10.6% |
| ソフトウェアテスト | 営業利益(利益率) | 1,071百万円(11.8%) | 864百万円(8.4%) | ▲19.3%(▲3.4pt) |
| 開発 | 営業利益(利益率) | △75百万円(▲4.3%) | 91百万円(4.6%) | -(+8.9pt) |
| セキュリティ | 営業利益(利益率) | 11百万円(5.3%) | 38百万円(13.1%) | +230.6%(+7.8pt) |
| 連結消去 | 営業利益 | △79百万円 | △71百万円 | - |
| 合計 | 営業利益(利益率) | 927百万円(8.6%) | 923百万円(7.7%) | ▲0.4%(▲0.9pt) |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、新中期経営計画に基づき生成AIテストツール開発へ4億円以上の投資を見込む一方、新中期経営計画の2期目目標を通期目標として据え置き、売上高14,160百万円(前期比+18.6%)、営業利益970百万円(同+5.0%)、経常利益950百万円(同+3.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益610百万円(同+6.4%)の増収増益を計画している。投資対象は、生成AIテストツール開発、同ツールのマーケティング強化、AI人材を含むハイクラス人材の採用強化の3点としている。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) | 対2026年3月期増減 | 対2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 11,939百万円 | 14,160百万円 | +2,220百万円 | +18.6% |
| 営業利益 | 923百万円 | 970百万円 | +46百万円 | +5.0% |
| AI投資前営業利益(参考) | 1,203百万円 | 1,370百万円 | +166百万円 | +13.8% |
| EBITDA | 1,210百万円 | 1,270百万円 | +59百万円 | +4.9% |
| 経常利益 | 921百万円 | 950百万円 | +28百万円 | +3.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 573百万円 | 610百万円 | +36百万円 | +6.4% |
| 1株当たり当期純利益 | 28.91円 | 30.76円 | - | - |

株主還元
配当は、順調な利益成長が見込めることから安定・継続的な還元を目的に普通配当を実施する方針で、2026年3月期・2027年3月期予想ともに1株当たり4円としている。また、生成AIテストツール開発投資への株主理解を得つつ中長期保有を促す目的で、継続保有要件を満たす株主を対象に半期ごとに7,500円分(年間15,000円分)のQUOカードを進呈する株主優待制度を導入している。
| 項目 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり配当金 | 4円 | 4円 |
| 株主優待 | 年間15,000円分QUOカード進呈(継続保有要件あり) | 同左 |

生成AIテストツール開発投資・中期経営計画
2025年2月に生成AIテストツール開発への3年間で12億円の投資方針を発表し、同年6月には投資計画を盛り込んだ新中期経営計画を公表した。2026年3月期は投資が順調に進捗し、生成AIテスト設計ツール「TestScape」を2026年3月に正式リリース、AI仕様書診断ツール「クインスペクト」もβ版をリリースした。AI関連投資額は通期で304百万円(うち損益影響は約2.7億円)となり、計画(年4億円)に対する進捗率は76.2%だった。当初の新中期経営計画で掲げた2026年3月期目標は売上高120.0億円・営業利益6.5億円だったが、実績は売上高119.4億円・営業利益9.2億円となり、営業利益は計画を大きく上回った(達成率142.1%)。新中期経営計画では、生成AIテストツール開発(3か年計12億円)に加え、BS戦略投資(3か年計25億円)、配当(3か年計2.4億円)を計画しており、主力のソフトウェアテスト事業を「人に依存しないビジネスモデル」へ転換することを目指している。
※本記事はバルテス・ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。