※本記事は古河電気工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
古河電気工業は2026年5月12日、2026年3月期(25年度)通期決算を発表した。データセンタ関連製品の需要増加により増収増益となり、売上高1兆3,076億円(前年比+9%)、営業利益639億円(同+36%、前回予想比+79億円ですべてのセグメントが予想を上回った)を計上した。経常利益759億円(同+56%)、親会社株主に帰属する当期純利益725億円(同+117%)となり、25中計の各財務目標をすべて達成した。2027年3月期(26年度)は、データセンタ関連製品の伸長を主因に売上高1兆4,600億円(同+12%)、営業利益950億円(同+49%)を予想している。
連結業績(当期 実績)
銅建値平均は1,695円/kgで前年から+217円上昇、為替は151円/米ドルで前年から▲2円の円高となった。特別損益は+291億円で、退職給付制度改定益等により特別利益が198億円から402億円に増加した。
| 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 13,076億円 | 12,018億円 | +1,058億円 |
| 営業利益 | 639億円(利益率4.9%) | 470億円(利益率3.9%) | +168億円(+1.0pt) |
| 経常利益 | 759億円(利益率5.8%) | 485億円(利益率4.0%) | +274億円(+1.8pt) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 725億円(利益率5.5%) | 334億円(利益率2.8%) | +392億円(+2.8pt) |
セグメント別(旧セグメント区分)の状況
旧セグメント区分(インフラ/電装エレクトロニクス/機能製品/サービス・開発等)でみると、情報通信ソリューションがデータセンタ関連製品等の売上増により営業利益が前年比+159億円・前回予想比+18億円と大きく伸長し、その他の全セグメントも前回予想を上回った。
| セグメント | 売上高(当期) | 営業利益(当期) | 営業利益 前年比 |
|---|---|---|---|
| インフラ計 | 3,709億円 | 214億円 | +157億円 |
| 情報通信ソリューション | 2,293億円 | 118億円 | +159億円 |
| エネルギーインフラ | 1,416億円 | 96億円 | ▲2億円 |
| 電装エレクトロニクス計 | 7,651億円 | 339億円 | +13億円 |
| 自動車部品・電池 | 3,978億円 | 280億円 | +4億円 |
| 電装エレクトロニクス材料 | 3,673億円 | 59億円 | +9億円 |
| 機能製品 | 1,611億円 | 154億円 | +13億円 |
| サービス・開発等 | 422億円 | ▲67億円 | ▲13億円 |

通期業績予想(2027年3月期・26年度)
2027年3月期は水冷モジュール製品の量産開始(26年6月予定)、ローラブルリボンケーブル・MTフェルール・光半導体製品(DFBレーザチップ等)の売上伸長、銅箔の製品ミックス転換などデータセンタ関連製品の伸長が牽引する見通し。なお、中東情勢緊迫化に伴う原材料費(主に合成樹脂)・輸送費の上昇や顧客需要変化の影響は、現時点で合理的な算出が困難なため業績予想には未反映としている。
| 項目 | 予想(2027年3月期) | 前期実績(2026年3月期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 14,600億円 | 13,076億円 | +12%(+1,524億円) |
| 営業利益 | 950億円(利益率6.5%) | 639億円(利益率4.9%) | +49%(+311億円、+1.6pt) |
| 経常利益 | 1,000億円(利益率6.8%) | 759億円(利益率5.8%) | +32%(+241億円、+1.0pt) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 820億円(利益率5.6%) | 725億円(利益率5.5%) | +13%(+95億円、+0.1pt) |

セグメント別(新セグメント区分)の26年度予想
2026年度より6つの新セグメント(光ソリューション/情報コンポーネント/エネルギーインフラ/自動車電装システム/メタルソリューション/サービス・開発等)に再編する。データセンタ市場向け需要の拡大により、光ソリューション(水冷モジュール、ローラブルリボンケーブル等)は売上高2,400億円(前年比+431億円)・営業利益270億円(同+163億円)、情報コンポーネント(高周波基板用銅箔、光半導体関連製品等)は売上高3,100億円(同+1,120億円)・営業利益390億円(同+231億円)と大幅増収増益を予想する。一方、自動車電装システムは固定費増加や中国での競争激化により営業利益が前年比▲34億円の230億円を見込む。

株主還元
安定的かつ継続的な株主還元を基本方針とし、従来は親会社株主に帰属する当期純利益の30%を目途とした業績連動配当を実施してきたが、ビジョン2030の期間(26年度~30年度)は企業価値向上に向けた投資を進めたうえで、株主資本の3.5%を目途としたDOEに基づく安定配当を行う方針に変更する。25年度(2026年3月期)の期末配当は1株当たり210円を予定しており、2026年2月9日公表の160円から50円増加した。26年度(2027年3月期)の年間配当は1株当たり220円を予想し、中間配当の再開を予定している。また、2026年7月1日を効力発生日として普通株式1株につき10株の株式分割を実施する(株式分割を考慮する場合、1株当たり年間配当金は22円)。
| 項目 | 2024年3月期(FY23) | 2025年3月期(FY24) | 2026年3月期(FY25予定) | 2027年3月期(FY26予想) |
|---|---|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 60円 | 120円 | 210円 | 220円 |
| 配当性向 | 64.9% | 25.4% | 20.4% | 18.9% |

中期経営計画(25中計)の達成状況
25中計(2022年5月26日公表、FY25目標)に対する2026年3月期実績は、ROIC(税引後)12.2%(目標6%以上)、ROE19.1%(目標11%以上)、Net D/Eレシオ0.6(目標0.8以下)、自己資本比率39.1%(目標35%以上)、売上高1.3兆円(目標1.1兆円以上)、営業利益639億円(目標580億円以上)、親会社株主に帰属する当期純利益725億円(目標370億円以上)となり、すべての財務目標を達成した。設備投資額は567億円(前年比+181億円)、研究開発費は284億円(前年比+30億円)で、2027年3月期はそれぞれ1,500億円、300億円を計画している。
※本記事は古河電気工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。