※本記事はヤマタネが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社ヤマタネは2026年3月期の連結決算を発表した。売上高は前期比+9.6%の886億7400万円、営業利益は同+55.1%の58億6400万円、経常利益は同+50.2%の54億8100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同+77.8%の54億9800万円となった。食品カンパニーにおけるコメ販売単価の上昇や適宜適切な価格転嫁、物流カンパニーにおける海外引越の取扱増加に加え、投資有価証券売却益や受取配当金の増加などが増益に寄与した。2027年3月期は、コメ販売事業での需給緩和による差益圧縮や人的資本・DX投資を見込み、営業利益41億1000万円(同▲29.9%)、当期純利益44億円(同▲20.0%)の減益を予想する。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の連結業績は、売上高886億7400万円(前期比+9.6%)、営業利益58億6400万円(同+55.1%、営業利益率6.6%)、経常利益54億8100万円(同+50.2%)、EBITDA103億8400万円、親会社株主に帰属する当期純利益54億9800万円(同+77.8%)となった。ROEは9.0%(前期5.6%)、ROICは3.4%(同2.4%)に上昇した。増収は食品カンパニーにおけるコメ販売単価の上昇、物流カンパニーにおける海外引越の取扱増加が主因。増益は、コメ販売事業での需給逼迫に伴う適宜適切な価格転嫁、倉庫事業におけるコスト増の価格転嫁に加え、受取配当金の増加、投資有価証券売却益、事業拠点移転に伴う受取補償金、山種不動産の吸収合併などが寄与した。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 80,922百万円 | 88,674百万円 | +7,751百万円(+9.6%) |
| 営業利益(営業利益率) | 3,780百万円(4.7%) | 5,864百万円(6.6%) | +2,083百万円(+55.1%) |
| 経常利益 | 3,650百万円 | 5,481百万円 | +1,831百万円(+50.2%) |
| EBITDA | 8,062百万円 | 10,384百万円 | +2,321百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,091百万円 | 5,498百万円 | +2,406百万円(+77.8%) |
| ROE | 5.6% | 9.0% | – |
| ROIC | 2.4% | 3.4% | – |

カンパニー別業績(2026年3月期 実績)
カンパニー別では、物流カンパニーは売上高260億7900万円(前期比+4.6%)、営業利益23億6900万円(同+45.8%)となった。国際業務で海外引越の取扱件数が前期を上回ったほか、YDM・キョクトウの業績寄与や物流不動産の流動化により増収増益となった。食品カンパニーは売上高562億8200万円(同+13.5%)、営業利益40億2700万円(同+71.3%)となり、コメ需給の逼迫に伴う価格転嫁や政府備蓄米の精米作業受託による生産効率向上、農産ベストパートナー・しん力の業績寄与が寄与した。うちコメ関連事業は売上365億円(前期比+60億円)、営業利益30億8000万円(同+16億1000万円、営業利益率8.4%)、ショクカイは売上197億円(同+6億円)、営業利益9億4000万円(同+6000万円、営業利益率4.7%)となった。情報カンパニーは売上高17億600万円(同▲2.6%)、営業利益6800万円(同+46.9%)となり、大口の開発請負案件減少で減収となったが、前期のWindows10保守切れ対応に伴う一括購入がなくなったことで増益となった。不動産カンパニーは売上高46億400万円(同▲1.1%)、営業利益20億4300万円(同+7.0%)となり、山種不動産吸収合併時の登録免許税一時費用の剥落等により増益となった。
| カンパニー | 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 物流 | 売上高 | 24,927百万円 | 26,079百万円 | +1,151百万円(+4.6%) |
| 物流 | 営業利益 | 1,625百万円 | 2,369百万円 | +743百万円(+45.8%) |
| 食品 | 売上高 | 49,586百万円 | 56,282百万円 | +6,696百万円(+13.5%) |
| 食品 | 営業利益 | 2,351百万円 | 4,027百万円 | +1,676百万円(+71.3%) |
| 情報 | 売上高 | 1,752百万円 | 1,706百万円 | ▲45百万円(▲2.6%) |
| 情報 | 営業利益 | 46百万円 | 68百万円 | +21百万円(+46.9%) |
| 不動産 | 売上高 | 4,655百万円 | 4,604百万円 | ▲50百万円(▲1.1%) |
| 不動産 | 営業利益 | 1,908百万円 | 2,043百万円 | +134百万円(+7.0%) |
| 調整 | 営業利益 | ▲2,151百万円 | ▲2,644百万円 | ▲492百万円(▲22.9%) |
| 合計 | 売上高 | 80,922百万円 | 88,674百万円 | +7,751百万円(+9.6%) |
| 合計 | 営業利益 | 3,780百万円 | 5,864百万円 | +2,083百万円(+55.1%) |

財政状態・キャッシュ・フローの状況
2026年3月末の資産合計は1,776億円、負債合計は1,140億円、純資産は635億円となった。株価上昇等によるその他有価証券評価差額金の増加や当期純利益の計上により、自己資本比率は35.8%(前期末比+0.8ポイント)に上昇した。連結キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが81億5400万円(前期比+23億5700万円)のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが▲33億2900万円(同+66億9800万円)、財務活動によるキャッシュ・フローが▲18億3100万円(同▲46億9500万円)となり、現金及び現金同等物の期末残高は79億7600万円(前期末比+29億9400万円)となった。
通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、売上高985億6000万円(前期比+11.1%)、営業利益41億1000万円(同▲29.9%、営業利益率4.2%)、経常利益36億1000万円(同▲34.1%)、EBITDA85億8500万円(同▲17.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益44億円(同▲20.0%)を見込む。ROEは6.9%、ROICは2.4%を予想する。コメ販売事業では売上高が増加する一方、需給緩和による差益の圧縮に加え、人的資本投資やDX投資を中心とした基盤整備を進めることから、営業利益は減益を見込む。
| 項目 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 88,674百万円 | 98,560百万円 | +9,885百万円(+11.1%) |
| 営業利益(営業利益率) | 5,864百万円(6.6%) | 4,110百万円(4.2%) | ▲1,754百万円(▲29.9%) |
| 経常利益 | 5,481百万円 | 3,610百万円 | ▲1,871百万円(▲34.1%) |
| EBITDA | 10,384百万円 | 8,585百万円 | ▲1,799百万円(▲17.3%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5,498百万円 | 4,400百万円 | ▲1,098百万円(▲20.0%) |
| ROE | 9.0% | 6.9% | – |
| ROIC | 3.4% | 2.4% | – |
カンパニー別業績予想(2027年3月期)
カンパニー別予想では、物流カンパニーは売上高263億9000万円(前期比+1.2%)、営業利益23億円(同▲2.9%)を見込む。前期M&Aした会社の業績が通年で寄与する一方、物流不動産の流動化益の減少により増収減益を見込む。食品カンパニーは売上高643億2000万円(同+14.3%)、営業利益19億2000万円(同▲52.3%)を見込み、政府備蓄米の精米受託が精米販売へシフトし販売数量は増加するものの、需給緩和による差益圧縮により増収減益を見込む。うちコメ関連事業は売上434億円(前期比+69億円)、営業利益11億1000万円(同▲19億7000万円、営業利益率2.5%)、ショクカイは売上208億円(同+11億円)、営業利益8億1000万円(同▲1億3000万円、営業利益率3.9%)を見込む。情報カンパニーは売上高17億8000万円(同+4.3%)、営業利益7000万円(同+2.2%)を見込み、客先常駐案件の獲得や運用支援業務の拡大、ST君事業の収益改善により増収微増益を見込む。不動産カンパニーは売上高60億7000万円(同+31.8%)、営業利益26億円(同+27.3%)を見込み、所有物件の流動化に加え、前期竣工した西立川自動車教習所の賃料が通期で寄与することで増収増益を見込む。

株主還元
2026年3月期の期末配当は1株につき40円と決議し、年間配当金は75円(前期52.5円から+22.5円の増配)となった。連結配当性向は29.4%、DOE(株主資本配当率)は2.7%となった。2027年3月期の年間配当は現時点で1株につき85円を予想し、連結配当性向40.6%、DOEは2.8%を見込む。中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」では総還元性向70〜80%(総還元額70〜80億円程度)を財務・資本政策の方針として掲げており、2026年3月期は自己株式26億円取得もあわせて実施した結果、総還元額42億円、総還元性向86%となった。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 52.5円 | 75円 | 85円 |
| 連結配当性向 | 35.1% | 29.4% | 40.6% |
| DOE | – | 2.7% | 2.8% |

中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」
「ヤマタネ2028プラン」1年目の進捗として、カンパニー制導入による部門別収益管理の徹底、事業間シナジー創出、政策保有株式の縮減(2030年までに純資産対比20%以下に削減、スケジュール通り進捗中)などに取り組んでいる。資本政策では、業績好調に伴う当期純利益増を見込み事業収益を上方修正するとともに、株主還元額の増額を検討し、資本配分計画(キャッシュの調達と配分)における株主還元枠を従来の70〜80億円から80〜100億円に見直した。ROE7.5%以上の必達に向けた株主価値の最大化を推進するとしている。
※本記事はヤマタネが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。