※本記事は愛媛銀行が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
愛媛銀行は2025年度(2026年3月期)決算で、資金利益の増加やコンサルティング関連手数料の増加、外貨調達コストの減少を主因にコア業務粗利益が前年度比+43億円増加し、経常利益・当期純利益は過去最高益を更新した。総資産は3兆円、貸出金は2兆円の節目をそれぞれ突破し、連結当期純利益は70億円超の水準となり当行で初めてとなった。2025年度(2026年3月期)は前年度比+10円の増配(創業110周年記念配当2円を含めると+12円)を予定しており、2026年度(2027年3月期)も増配を計画している。
業績(2026年3月期 実績)
単体ベースでは、資金利益は市場金利上昇を受けて増益となったほか、役務取引等利益はコンサルティング関連手数料の増加により、その他業務利益は外貨調達コストの減少により、いずれも増益に寄与した。一方、経費は賃上げ等の人的資本投資やシステム投資により増加し、利ザヤの小さい地方債を中心に債券売却損を計上したものの、堅調な市況を背景とした株式売却益や、貸出資産の良化による信用コストの減少が下支えし、コア業務純益は11年ぶりに100億円を超える水準となった。経常利益・当期純利益は過去最高益を更新した。
| 項目 | 2026年3月期(百万円) | 2025年3月期(百万円) | 前年度比(百万円) |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 62,954 | 60,986 | +1,968 |
| 業務粗利益 | 27,686 | 25,556 | +2,130 |
| コア業務粗利益 | 32,205 | 27,882 | +4,323 |
| 資金利益 | 35,158 | 34,186 | +972 |
| 役務取引等利益 | △837 | △1,204 | +367 |
| 経費 | 21,764 | 21,270 | +494 |
| コア業務純益 | 10,441 | 6,611 | +3,830 |
| 経常利益 | 9,866 | 7,084 | +2,782 |
| 当期純利益 | 6,690 | 5,216 | +1,474 |
| 信用コスト | 589 | 934 | △345 |

(参考)連結ベースの経常利益・当期純利益は次のとおり。
| 項目 | 2026年3月期(百万円) | 2025年3月期(百万円) | 前年度比(百万円) |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 10,665 | 7,835 | +2,829 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7,212 | 5,715 | +1,496 |
コア業務粗利益は前年度比+43億円増加(+15.5%)した。円貨貸出金利息収益や有価証券利息配当金の増加が円貨調達コストの増加をカバーしたほか、米国(ドル)・スイス(フラン)の政策金利低下に伴う外貨調達コストの減少が増益に寄与した。

業容の状況(預金・貸出金)
預金・譲渡性預金(末残)は法人・金融関係の預金を中心に前年度比+764億円増加し、愛媛県内の法人・個人預金や関係の深い自治体の預金といった粘着性のある預金の増強が進んだ。貸出金(末残)はシップファイナンスを中心とした事業性貸出の伸長により前年度比+381億円増加し、総資産は3兆円、貸出金は2兆円の節目をそれぞれ突破した。愛媛県内の資金需要は依然として旺盛としている。
| 項目 | 2026年3月期末(億円) | 2025年3月期末(億円) | 前年度比(億円) |
|---|---|---|---|
| 預金・譲渡性預金(末残) | 27,843 | 27,079 | +764 |
| 貸出金(末残) | 20,207 | 19,826 | +381 |
通期業績予想
2026年度(2027年3月期)の業績予想は、第18次中期経営計画の最終年度目標通りとしている。貸出金残高の増加(貸出金利息)は保守的に試算する一方、調達コストはストレスをかけた想定としており、資金利益はマイナス予想としている。信用コストについては、足元の不透明な中東情勢による影響を踏まえ保守的に見積っている。
| 項目 | 2027年3月期予想(百万円) | 2026年3月期実績(百万円) | 前年度比(百万円) |
|---|---|---|---|
| コア業務粗利益(単体) | 31,900 | 32,205 | △305 |
| 資金利益(単体) | 34,300 | 35,158 | △858 |
| 経費(単体) | 22,100 | 21,764 | +336 |
| コア業務純益(単体) | 9,800 | 10,441 | △641 |
| 経常利益(単体) | 8,600 | 9,866 | △1,266 |
| 当期純利益(単体) | 6,000 | 6,690 | △690 |
| 信用コスト(単体) | 1,400 | 589 | +811 |
| 経常利益(連結・参考) | 9,400 | 10,665 | △1,265 |
| 当期純利益(連結・参考) | 6,500 | 7,212 | △712 |

株主還元
2025年度(2026年3月期)の1株当たり配当金は、過去最高益を背景に前年度比+10円の増配となる44円を予定しており、当初予定していた創業110周年記念配当2円と合わせると前年度比+12円の増配となる見込み。2026年度(2027年3月期)は更なる増配を行い、年間配当48円とすることで、単体で配当性向30%以上とする予定としている。

中期経営計画
第18次中期経営計画(2024~2026年度)は、「当期純利益60億円以上」「ROE4.0%程度」「OHR60%台」「自己資本比率8.0%以上」といった主要計数目標の多くを前倒しで達成した。個別戦略のKPIについても年度計画を概ね達成しており、ROE5.0%以上という10年ビジョンの目標も達成したことから、次期中期経営計画では新たな成長戦略と目標の設定を行う予定としている。
※本記事は愛媛銀行が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。