※本記事は東海旅客鉄道が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
JR東海は2026年3月期(2025年度)決算において、連結営業収益2兆62億円(前期比109.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益5,528億円(同120.6%)と、営業収益・各利益ともに過去最大を記録し、単体・連結ともに増収増益となった。運輸収入は大阪・関西万博の開催効果やインバウンド需要の増加等により2024年度比111%となった。一方、2027年3月期の業績予想は、大阪・関西万博による増収効果の剥落や物価高騰・労務費上昇の影響により、単体・連結ともに減収減益を見込む。株主還元については、2025年度期末配当を1株当たり16円(年間32円)とする案を株主総会に提案するとともに、200億円の自己株式取得を決議した。
連結業績(当期 実績)
2025年度の連結営業収益は2兆62億円(前期比109.5%、+1,743億円)となった。内訳(外部顧客への売上高)は運輸業16,416億円(同110.1%)、流通業1,744億円(同106.9%)、不動産業555億円(同107.2%)、その他1,345億円(同106.5%)と、全セグメントで増収した。営業費は物件費の増等により1兆1,760億円(同104.2%)に増加したものの、営業利益は8,301億円(同118.1%)、経常利益は7,809億円(同120.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,528億円(同120.6%)と、営業収益・各利益ともに過去最大を更新した。
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 20,062億円 | 18,318億円 | +1,743億円(109.5%) |
| 営業費 | 11,760億円 | 11,290億円 | +469億円(104.2%) |
| 営業利益 | 8,301億円 | 7,027億円 | +1,273億円(118.1%) |
| 経常利益 | 7,809億円 | 6,492億円 | +1,316億円(120.3%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5,528億円 | 4,584億円 | +944億円(120.6%) |

セグメント別の状況
セグメント情報(セグメント間取引を含む)によると、2025年度は運輸業の営業収益16,539億円(前期比110.1%)、セグメント利益(営業利益)7,674億円(同118.1%)をはじめ、流通業(営業収益1,830億円、利益158億円)、不動産業(営業収益957億円、利益252億円)、その他(営業収益2,919億円、利益244億円)と、全セグメントで増収増益となった。2026年度の業績予想では、運輸業の営業収益16,210億円(前期比98.0%)、セグメント利益6,510億円(同84.8%)など、運輸業を中心に減収減益を見込む。
| セグメント | 指標 | 当期 | 前期 |
|---|---|---|---|
| 運輸業 | 営業収益 | 16,539億円 | 15,022億円 |
| 運輸業 | セグメント利益(営業利益) | 7,674億円 | 6,497億円 |
| 流通業 | 営業収益 | 1,830億円 | 1,714億円 |
| 流通業 | セグメント利益(営業利益) | 158億円 | 156億円 |
| 不動産業 | 営業収益 | 957億円 | 866億円 |
| 不動産業 | セグメント利益(営業利益) | 252億円 | 228億円 |
| その他 | 営業収益 | 2,919億円 | 2,726億円 |
| その他 | セグメント利益(営業利益) | 244億円 | 155億円 |

通期業績予想
2026年度(2027年3月期)の運輸収入は、大阪・関西万博による増収効果(約460億円と推計)の剥落を織り込みつつ、2025年度の好調なトレンドを踏まえ2025年度比+1%の伸びが継続すると想定し、通期で2025年度比98%の1兆5,540億円としている。この結果、連結営業収益は1兆9,930億円(前期比99.3%)、営業利益7,020億円(同84.6%)、経常利益6,530億円(同83.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益4,470億円(同80.9%)と減収減益を見込む。単体では営業利益6,590億円(前期比85.1%)、当期純利益4,210億円(同82.1%)を見込む。
| 項目 | 予想 | 前期(実績) |
|---|---|---|
| 営業収益(連結) | 19,930億円 | 20,062億円 |
| 営業利益(連結) | 7,020億円 | 8,301億円 |
| 経常利益(連結) | 6,530億円 | 7,809億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(連結) | 4,470億円 | 5,528億円 |

株主還元
株主還元の基本方針は、長期にわたる安定的な経営基盤の確保・強化と中央新幹線計画等の内部留保確保を図りつつ、安定配当を継続することとしている。2025年度の期末配当は、昨年4月公表の予想どおり1株当たり16円とする案を株主総会に提案し、年間配当は32円となる予定。次期(2026年度)の配当予想は中間・期末ともに1株当たり16円(年間32円)としている。また、2026年4月28日開催の取締役会において200億円の自己株式取得を決議し、取得する株式は全数消却する。なお、2025年度には約1,100億円の自己株式を取得した。
| 項目 | 当期(2025年度) | 次期(2026年度)予想 |
|---|---|---|
| 中間配当 | 16円 | 16円 |
| 期末配当 | 16円(株主総会提案) | 16円 |
| 年間配当 | 32円 | 32円 |
| 自己株式取得 | 約1,100億円(実績) | 200億円(決議、全数消却) |

中央新幹線計画/トピック
中央新幹線計画では、2025年度に山梨県駅(仮称)の工事着手や大深度地下シールドトンネルの本格掘進開始等が進み、本体工事契約締結は82件(品川~名古屋間延長約286kmのうち約9割)、用地取得状況・発生土活用先確定状況はいずれも約85%となった。2025年度の設備投資実績は3,067億円(計画3,500億円)で、2014年度からの累計は2兆3,361億円、2026年度は3,670億円を計画している。南アルプストンネル静岡工区については、3月26日開催の静岡県専門部会をもって対話が必要な項目の対話に区切りがつき、5月26日から大井川流域市町等で説明会を開催予定とするなど、地域理解に向けた取組みを継続している。また、業務改革では10~15年で定常的コストを800億円削減する目標のもと、2025年度実績(累計)は約300億円、2026年度計画(累計)は約450億円としている。
※本記事は東海旅客鉄道が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。