三陽商会

三陽商会、2026年2月期は減収営業減益 純利益は増益

決算サマリー 2026.08.21
三陽商会、2026年2月期は減収営業減益 純利益は増益

※本記事は三陽商会が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

株式会社三陽商会は2026年2月期の連結決算を発表した。売上高は584.5億円(前期比97%、前期差20.8億円減)、営業利益は13.0億円(前期差14.2億円減)、経常利益は14.4億円(前期差13.9億円減)と減収減益になった一方、当期純利益は41.1億円(前期差1.1億円増)と増益を確保した。2027年2月期は売上高600.0億円、コア営業利益23.0億円を計画している。

目次

連結業績(2026年2月期 実績)

売上高は584.5億円(前期比97%、前期差20.8億円減)、売上総利益は356.0億円(前期差22.1億円減)、販管費は343.0億円(前期差8.0億円減)となった。売上総利益率は60.9%(前期差1.6pt低下)、販管費率は58.7%(前期差0.7pt上昇)。営業利益は13.0億円(前期差14.2億円減、営業利益率2.2%)、経常利益は14.4億円(前期差13.9億円減、経常利益率2.5%)と減益になったが、当期純利益は41.1億円(前期差1.1億円増、当期純利益率7.0%)、ROEは10.3%(前期差0.3pt上昇)となった。

項目前期実績当期計画当期実績前期差計画差
売上高(億円)605.3583.0584.5-20.8+1.5
売上総利益(億円)378.1356.0356.0-22.10
販管費(億円)350.9344.0343.0-8.0-1.0
営業利益(億円)27.212.013.0-14.2+1.0
経常利益(億円)28.313.014.4-13.9+1.4
当期純利益(億円)40.141.041.1+1.1+0.1

販管費は前期差で8.0億円減少したが、売上連動の販売手数料の減少(-9.0億円)を除いた実質前期差は+1.0億円で、固定性経費の抑制を継続した内容となっている。

項目2025年2月期実績2026年2月期実績前期差
販売費(百万円)23,98823,011-977
社員人件費(百万円)4,4734,49420
宣伝販促費(百万円)1,7681,751-17
設備費(百万円)1,3671,568201
物流費(百万円)1,3421,36625
管理費(百万円)2,1542,107-47
販管費計(百万円)35,09234,297-795
2026年2月期 連結PL実績のスライド
出典:2026年2月期 決算説明資料 P.3

チャネル別売上の状況

チャネル別の売上高(構成比)は、百貨店が361.2億円(構成比61.8%、前期比92%)、EC・通販が89.0億円(構成比15.2%、前期比108%)、アウトレットが78.5億円(構成比13.4%、前期比108%)、直営店が34.7億円(構成比5.9%、前期比98%)、その他が21.2億円(構成比3.6%、前期比89%)となった。実店舗(百貨店・直営店・アウトレットの合計)は前期比95%と苦戦し、特に百貨店は一部百貨店の閉店・改装に伴う売場数減少を受けて前期比92%となった。EC及びアウトレットはセール販売が伸長し、前期比108%となった。

チャネル当期売上高(百万円)構成比前期比
百貨店36,11761.8%92%
直営店3,4715.9%98%
EC・通販8,89515.2%108%
アウトレット7,84713.4%108%
その他2,1183.6%89%
総計58,448100.0%97%
チャネル別売上実績の一覧スライド
出典:2026年2月期 決算説明資料 P.6

売上高不振の要因と対応

売上高不振の要因として、イレギュラーな気象条件(春先の低気温とその後の急激な気温上昇、記録的な猛暑による秋冬商戦の初動遅れとプロパー販売期間の短縮化等)に加え、国内外政治経済情勢の不透明感や恒常的な物価上昇、消費マインドの冷え込みによる百貨店を中心とした中高級品市場の低迷、インバウンド売上の不振(特に免税売上構成比が高いBLUE LABEL/BLACK LABEL CRESTBRIDGEが影響)を挙げている。ブランド軸ではBLUE LABEL/BLACK LABEL CRESTBRIDGE合計で8.2億円の減収、BAKER STREETはブランド切替後の認知度不足等により8億円の減収、婦人服はAMACA以外が低調で4.9億円の減収となった。チャネル軸では百貨店が29.9億円の減収(前期比92%)で、電鉄系百貨店の閉店・売場縮小や百貨店のラグジュアリー優先方針によるNBアパレルフロアの減床、既存店舗の複合ショップ化の影響を除き前期同期比17店舗の減少等が影響した一方、その他のチャネルは9.1億円の増収となった。

売上高不振の要因分析スライド
出典:2026年2月期 決算説明資料 P.12

通期業績予想(2027年2月期 計画)

2027年2月期は売上高600.0億円(前期比103%)、売上総利益372.0億円(前期比105%)、販管費351.0億円(前期比102%)を計画。本社土地一部譲渡及び本社ビル建て替えの影響を除いた指標として新たに「コア営業利益」を導入し、23.0億円(コア営業利益率3.8%)を計画する。営業利益は21.0億円(前期比162%)、経常利益は20.0億円(前期比139%)、当期純利益は40.2億円(前期比98%)を計画している。計画には政策保有株式縮減方針に基づく投資有価証券の売却並びに本社土地一部譲渡及び本社ビル建て替えの予定を含む。

項目前期実績(2026年2月期)当期計画(2027年2月期)前期差前期比
売上高(億円)584.5600.0+15.5103%
売上総利益(億円)356.0372.0+16.0105%
販管費(億円)343.0351.0+8.0102%
コア営業利益(億円)23.0
営業利益(億円)13.021.0+8.0162%
経常利益(億円)14.420.0+5.6139%
当期純利益(億円)41.140.2-0.998%
2027年2月期 連結PL計画のスライド
出典:2026年2月期 決算説明資料 P.14

株主還元

資料には具体的な配当金額の記載はないが、政策保有株式の売却や自己株式取得等を通じた資本効率化を進めているとしている。2026年2月期末の自己資本は409.03億円(前期末差+16.2億円)、自己資本比率は68.3%(前期同月差-0.6pt)、負債資本倍率(DER)は0.18倍となった。

トピック:本社土地一部譲渡・本社ビル建て替え

同社は4月3日付で本社ビルの土地の一部(723.21㎡、東京都新宿区四谷本塩町14番7の一部及び同14番18)の譲渡を決定済みで、譲渡益は28億円(予定)、引渡期日は2027年8月(予定)。譲渡益は2028年2月期連結決算に特別利益として計上する予定。あわせて本社ビル建て替えを行う予定で、これに伴う仮移転費用等は販管費として計上され営業利益の減少要因となる見込みであり、現時点の概算費用を2027年2月期計画の営業利益算出時に反映している。本社ビル建て替えは人的資本への投資強化方針に基づくもので、従業員の労働環境改善や働き方改革の推進を通じた業務効率化・生産性向上を図るとしている。

※本記事は三陽商会が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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