双葉電子工業

双葉電子工業、2026年3月期は減収で営業損失拡大 特別利益により当期純利益は黒字転換

決算サマリー 2026.08.21
双葉電子工業、2026年3月期は減収で営業損失拡大 特別利益により当期純利益は黒字転換

※本記事は双葉電子工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

双葉電子工業は2026年3月期の連結決算で、売上高42,982百万円(前期比△5,134百万円)の減収となった。生産器材における市況低迷や価格競争の激化、電子機器における蛍光表示管事業の終息や有機ELディスプレイの事業スキーム変更の影響などが響き、営業利益は△2,280百万円、経常利益は△683百万円といずれも前期から赤字幅が拡大した。一方、当期純利益は子会社の不動産売却益や清算益の計上により2,522百万円の黒字に転換した。2027年3月期は増収を見込むものの、政策保有株式売却益がある一方で減損損失等の計上を見込み、当期純利益は△3,900百万円の赤字を予想している。

目次

連結業績(当期実績)

売上高は、生産器材において需要低迷や主力製品モールドベースの価格競争激化への対応が遅れたことに加え、電子機器ではアウトセルタッチセンサーのラストバイ収束などにより、前期比5,134百万円減少した。売上総利益は構造改革によるコスト削減効果があったものの、減収とタッチセンサーの在庫関連損益の悪化により悪化した。営業利益は為替差益が生じたものの営業損失の拡大により赤字幅が拡大し、経常利益も同様に赤字幅が拡大した。当期純利益は、一部子会社の不動産売却の実現と子会社の清算益の発生により黒字転換した。なお、構造改革により前期までのコスト削減効果48億円に加え、当4Q営業利益ではさらに8億円のコスト削減を実現し、一部子会社の不動産売却で売却益34億円を計上した。当4Qまでの米国関税負担コストは概ね価格転嫁が実現できており、営業利益への影響は軽微とした。

項目当期(2026年3月期)前期(2025年3月期)増減額
売上高42,98248,116△5,134
売上総利益6,9238,868△1,945
営業利益△2,280△1,292△988
経常利益△683△206△477
当期純利益2,522△2812,804
業績ダイジェスト(売上高・営業利益・経常利益・当期純利益の状況)
出典:双葉電子工業 2026年3月期 連結決算説明資料 P.2

セグメント別業績状況

電子機器セグメントは売上高15,414百万円(前期比△2,076百万円、△11.9%)、営業利益△1,322百万円(前期比△402百万円)となった。複合モジュールは蛍光表示管の事業終息に伴うモジュール出荷減少や需要鈍化により減収、産業用ラジコン機器はFA用途の受注減少により減収、ホビー用ラジコン機器はアジア・国内市場での新製品需要の一巡により減収となった。一方、ロボティクス製品は北米UAV関連向けの産業用サーボが順調に推移し増収となった。有機ELディスプレイは自社生産・販売からの事業スキーム変更の過渡期により減収した(自社生産は終了)。

生産器材セグメントは売上高27,596百万円(前期比△3,049百万円、△10.0%)、営業利益△959百万円(前期比△587百万円)となった。国内では自動車関連市況の回復遅れや価格競争の影響により金型用器材・プレート製品の販売が低調に推移し減収、海外では主力の韓国市場で自動車・家電向けの低迷や安価な中国製品の輸入増加、価格競争の影響、中国生産拠点の再編による計画的な売上減少などにより減収となった。中国における生産拠点再編による人件費・経費の減少効果があったものの、営業損失は拡大した。

セグメント指標当期(2026年3月期)前期(2025年3月期)増減額増減率
電子機器売上高15,41417,491△2,076△11.9%
電子機器営業利益△1,322△920△402
生産器材売上高27,59630,645△3,049△10.0%
生産器材営業利益△959△371△587
セグメント別業績状況(電子機器)の営業利益差異分析
出典:双葉電子工業 2026年3月期 連結決算説明資料 P.5
セグメント別業績状況(生産器材)の営業利益差異分析
出典:双葉電子工業 2026年3月期 連結決算説明資料 P.6

通期業績予想

2027年3月期は、電子機器でのEMS既存顧客の深耕化、IRC(産業用ラジコン機器)での建機・農機市場向け拡販、生産器材での半導体産業を中心とした需要回復を主因に、連結売上高45,000百万円(前期比2,017百万円増)への増収を見込む。営業利益は電子機器でEMSの増収効果と品種構成の改善により収益性向上を図る一方、IRCでは開発費等の固定費増加により減益、生産器材では韓国子会社の清算と適正売価政策による変動費比率改善効果を見込み、連結全体では△1,300百万円(前期比980百万円改善)と赤字幅の縮小を予想する。経常利益は為替差損の計上見込みなどにより△850百万円と赤字幅が拡大する見通し。当期純利益は、特別利益として政策保有株式の売却益を見込む一方、設備投資や全社基幹システムの更新に伴う減損損失等の計上を見込み、△3,900百万円の赤字を予想している。なお、中東情勢の緊迫化による影響は現時点で合理的な見積りが困難なため、発生済みの影響を除き業績見通しの前提に含めていない。

項目当期実績(2026年3月期)次期計画(2027年3月期)増減額
売上高(連結合計)42,98245,0002,017
営業利益(連結合計)△2,280△1,300980
電子機器 売上高15,41416,8001,385
電子機器 営業利益△1,322△600722
生産器材 売上高27,59628,200603
生産器材 営業利益△959△700259
経常利益△683△850△166
当期純利益2,522△3,900△6,422
2027年3月期の業績見通し(連結合計・セグメント別)
出典:双葉電子工業 2026年3月期 連結決算説明資料 P.8

連結貸借対照表の状況

2026年3月期末の資産合計は108,884百万円(前期末比7,793百万円増)となった。現預金は在庫適正化政策の実施や不動産売却により36,189百万円に増加、棚卸資産は在庫適正化政策の実施や売上高減少に伴う原材料・製品の減少により11,981百万円に減少した。固定資産は投資有価証券評価差額の計上などにより46,809百万円に増加した。自己資本はその他有価証券評価差額金の増加や当期純利益の計上による利益剰余金の増加により83,793百万円となり、自己資本比率は77.0%(前期末76.3%)、1株当たり純資産は1,975.55円(前期末1,819.33円)となった。

項目当期末(2026年3月期末)前期末(2025年3月期末)増減額
資産合計108,884101,0907,793
現預金36,18931,2854,903
棚卸資産11,98113,967△1,985
自己資本83,79377,1676,625
自己資本比率(%)77.076.3
1株当たり純資産(円)1,975.551,819.33

株主還元

配当性向30%を目安とし、当期の財務状況を踏まえた株主還元を実施するとしている。また、資本効率向上に向けて政策保有株式の縮減を進め、得られた資金を成長投資と株主還元の両立に活用する方針を示している。

中期経営計画・トピック

中期経営計画については、黒字転換を見込んで策定したものの、事業環境の変化により2026年3月期の売上高・営業利益は計画未達の見通しとなった。重点施策の進捗では、構造改革を計画に沿って遂行し2023年度比のコスト削減効果56億円を達成した一方、事業基盤の見直しは推進したものの当初想定していた成長軌道への転換にはなお課題を有するとの評価を示した。IRC(産業用ラジコン機器)では建設機械向け無線リモコンの顧客開発を進め2025年度下期に量産出荷を開始、ロボティクス製品では産業用サーボの海外展示会出展や国内連携強化を進めたほか、ドローンは消防への機体納入や自治体向けPoC案件を継続した。成形・生産合理化機器では射出成形AIシステムで協業する株式会社MAZINと資本提携し、金型のスマート化に向けた北米展開を推進した。活動トピックとして、韓国子会社の事業再編では、モールドベースを手がける株式会社原振精工が2026年1月に事業を停止し起信精機・起信メガテックへ集約したほか、双葉電子部品韓国株式会社を2026年3月に解散し固定費削減と事業運営体制の見直しを実施した。また、全社基幹システムの刷新について、Fit-to-Standardを前提としたグローバル統一基盤への移行を検討しており、2026年度第1四半期に意思決定を予定している。

※本記事は双葉電子工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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