※本記事は四国電力が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
四国電力は2026年3月期(2025年度)の決算を発表した。連結売上高は7,618億円(前期比10.5%減)、経常利益は678億円(同25.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は508億円(同25.6%減)となり、減収減益となった。1株当たり当期純利益は247円(前期332円、▲85円)。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は、小売販売収入が燃料費調整額の減などにより294億円減少したほか、卸販売収入が容量確保契約金額の減などにより560億円減少し、前期比895億円減の7,618億円となった。営業費用は、人件費の減(▲95億円)、燃料費の減(▲286億円)、購入電力料の減(▲514億円)などにより前期比683億円減の6,940億円。経常利益の変動要因は、退職給付に係る数理計算上の差異償却(+109億円)があったものの、水力発電量の減少やFIT関係の需給調整収支の悪化などによる需給収支の悪化(▲217億円)、修繕費など諸費用の増加(▲132億円)が押し下げ、前期比238億円減の678億円となった。燃料費調整額の期ずれ影響は、前期(2025年3月期)の約35億円の差益から、当期(2026年3月期)は約50億円の差益に拡大した。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比175億円減の508億円。自己資本比率は27.4%(前期26.0%、+1.4pt)、有利子負債(社債・借入金)は9,272億円(前期8,992億円、+280億円)。
| 項目 | 前期(2025年3月期) | 当期(2026年3月期) | 増減 | 伸び率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 8,513 | 7,618 | ▲895 | ▲10.5% |
| 営業費用(億円) | 7,623 | 6,940 | ▲683 | ▲9.0% |
| 営業利益(億円) | 890 | 678 | ▲212 | ▲23.8% |
| 営業外損益(億円) | 25 | 0 | ▲25 | ▲98.3% |
| 経常利益(億円) | 916 | 678 | ▲238 | ▲25.9% |
| 法人税ほか(億円) | 232 | 170 | ▲62 | ▲26.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 683 | 508 | ▲175 | ▲25.6% |
| 1株当たり当期純利益(円) | 332 | 247 | ▲85 | ― |
| 自己資本比率(%) | 26.0 | 27.4 | +1.4pt | ― |
| 有利子負債(社債・借入金)(億円) | 8,992 | 9,272 | +280 | ― |

セグメント別の状況
セグメント別の経常利益(内部取引消去前)は、電気事業が434億円(前期674億円、▲240億円)で、発電・販売事業が348億円(同413億円、▲65億円、水力の減や修繕費の増などによる)、送配電事業が85億円(同261億円、▲176億円、接続供給託送収益の減や需給調整収支の悪化などによる)。電気事業以外の事業は257億円(前期246億円、+11億円)で、情報通信事業が112億円(同106億円、+6億円、FTTH加入者数やデータセンター契約数の増による売上増などから)、エネルギー事業が53億円(同56億円、▲3億円、LNG販売利益の減)、建設・エンジニアリング事業が51億円(同54億円、▲3億円、前期に利益率の高い請負工事が重なった反動減)、その他事業が39億円(同29億円、+10億円、製造事業の売上増)。売上高は発電・販売事業が6,301億円(前期7,096億円、▲795億円)、送配電事業が2,305億円(前期2,520億円、▲215億円)、情報通信事業が527億円(前期503億円、+24億円)、エネルギー事業が270億円(前期266億円、+4億円)、建設・エンジニアリング事業が589億円(前期552億円、+37億円)、その他事業が422億円(前期359億円、+63億円)。
| セグメント | 指標 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 電気事業(計) | 経常利益 | 434億円 | 674億円 | ▲240億円 |
| 発電・販売事業 | 売上高 | 6,301億円 | 7,096億円 | ▲795億円 |
| 発電・販売事業 | 経常利益 | 348億円 | 413億円 | ▲65億円 |
| 送配電事業 | 売上高 | 2,305億円 | 2,520億円 | ▲215億円 |
| 送配電事業 | 経常利益 | 85億円 | 261億円 | ▲176億円 |
| 電気事業以外の事業(計) | 経常利益 | 257億円 | 246億円 | +11億円 |
| 情報通信事業 | 売上高 | 527億円 | 503億円 | +24億円 |
| 情報通信事業 | 経常利益 | 112億円 | 106億円 | +6億円 |
| エネルギー事業 | 売上高 | 270億円 | 266億円 | +4億円 |
| エネルギー事業 | 経常利益 | 53億円 | 56億円 | ▲3億円 |
| 建設・エンジニアリング事業 | 売上高 | 589億円 | 552億円 | +37億円 |
| 建設・エンジニアリング事業 | 経常利益 | 51億円 | 54億円 | ▲3億円 |
| その他事業 | 売上高 | 422億円 | 359億円 | +63億円 |
| その他事業 | 経常利益 | 39億円 | 29億円 | +10億円 |
| 調整額 | 経常利益 | ▲13億円 | ▲5億円 | ▲8億円 |
| 連結 | 経常利益 | 678億円 | 916億円 | ▲238億円 |

電源の状況(伊方発電所3号機)
原子力利用率は81%(前期77%、+4pt)。資料の経年推移データによれば、伊方発電所3号機は「稼働」「仮処分で停止」「稼働」「仮処分、特重工事で停止」の期間を経て、2023年度以降は「稼働」の区分が続いており、2026年度(見通し)も「稼働」とされている。
2026年度(2027年3月期)業績予想
2026年度の連結業績予想は、売上高9,250億円、営業利益370億円、経常利益400億円、親会社株主に帰属する当期純利益300億円、1株当たり当期純利益147円。前提諸元は、原子力利用率91%(前期実績81%)、石炭CIF価格170ドル/t(同121ドル/t)、原油CIF価格95ドル/b(同71ドル/b)、為替レート160円/ドル(同151円/ドル)。電力販売予想は、小売販売電力量221億kWh(同229億kWh)、卸販売電力量168億kWh(同115億kWh)、総販売電力量389億kWh(同343億kWh)。経常利益の変動要因(前期比278億円減)は、需給収支の好転(+25億円)があったものの、退職給付に係る数理計算上の差異償却(▲133億円)、委託費や固定資産除却費などの諸費用の増(▲161億円)、電気事業以外の事業の利益減(▲9億円)による。燃料費調整額の期ずれ影響は、当期(2026年3月期)の約50億円の差益から、次期(2027年3月期)は約135億円の差損に転じる見通しとしている。
| 項目 | 前期実績(2026年3月期) | 当期予想(2027年3月期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 7,618 | 9,250 | +1,632 |
| 営業利益(億円) | 678 | 370 | ▲308 |
| 経常利益(億円) | 678 | 400 | ▲278 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 508 | 300 | ▲208 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 247 | 147 | ▲100 |
| 総販売電力量(億kWh) | 343 | 389 | +46 |
| 自己資本(億円) | 4,745 | 4,880 | +135 |
| 設備投資額(億円) | 1,269 | 1,260 | ▲9 |

株主還元
四国電力は、安定的な配当の実施を株主還元の基本とし、業績水準や財務状況、中長期的な事業環境などを総合的に勘案して判断するとしている。2025年度の期末配当は、配当予想通り1株当たり25円(年間50円)を実施する(期末配当は2026年6月開催予定の株主総会決議で正式決定)。これに加え、2025年度に自己株式32億円(186万株)を取得した。2026年度の配当予想は、中間27.5円、期末27.5円、年間合計55円としている。
| 区分 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|
| 中間配当 | 20円 | 25円 | 27.5円 |
| 期末配当 | 20円 | 25円(株主総会で正式決定予定) | 27.5円 |
| 年間合計 | 40円 | 50円 | 55円 |

中期経営計画2030
中期経営計画2030の経営目標として、2026-2030年度通期のROE8%、2030年度のROIC3.5%、2030年度の経常利益650億円を掲げている。株主還元については、2026-2030年度通期でDOE2.5%を目安とした安定的な配当と、戦略的な自己株式取得を方針としている。
※本記事は四国電力が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。