※本記事はゼンリンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ゼンリンは2026年3月期の決算説明資料を公表した。売上高は642億77百万円で前期比0.1%減の3期ぶり減収(前期同水準)、EBITDA・営業利益はいずれも3期ぶりの減益となった。一方、政策保有株式縮減に伴う投資有価証券売却益の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は27億38百万円と前期比5.1%増となった。
業績(2026年3月期 実績)
売上高は、公共ソリューション事業で住宅地図データの提供や受託案件が増加したものの、モビリティソリューション事業で前期に計上した一過性売上の反動減に加えカーナビゲーション用データの販売が低調に推移し、全体として減収(前期同水準)となった。損益面では、売上構成変化や人件費の増加などによりEBITDA・営業利益は減益。経常利益は持分法による投資損益や為替影響等により微減にとどまった。
| 項目 | 前期実績(2025年3月期) | 当期実績(2026年3月期) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 64,363 | 64,277 | △86(△0.1%) |
| 営業費用 | 60,440 | 60,775 | +334(+0.6%) |
| EBITDA | 9,578 | 9,137 | △440(△4.6%) |
| EBITDAマージン | 14.9% | 14.2% | △0.7pt |
| 営業利益 | 3,923 | 3,502 | △420(△10.7%) |
| 営業利益率 | 6.1% | 5.4% | △0.7pt |
| 経常利益 | 3,936 | 3,866 | △69(△1.8%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,606 | 2,738 | +132(+5.1%) |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 5.3% | 5.5% | +0.2pt |
事業別の状況
事業別売上高(億円)では、公共ソリューション事業が消防署通信指令システムのリプレイスによる住宅地図データの提供や国勢調査の大型受託案件などにより前期および業績予想を上回り大幅増収となった。一方、モビリティソリューション事業は前期に計上した過年度の数量報告過少分の反動減(約4億円)、当社データ採用モデルの自動車販売台数減少、海外子会社における受託ビジネスの縮小などにより前期比10.3%の減収となった。マーケティングソリューション事業はクライアントの販促活動縮小により前期比減収・業績予想未達、インフラソリューション事業はAPIサービスが堅調に推移するものの前期計上案件の反動減や新規顧客開拓の遅延により前期比減収・業績予想未達となった。プロダクトソリューション事業はGISパッケージ等ストック商材が堅調に推移し前期比増収となったが、住宅地図帳などフロー商材の減少により業績予想は未達となった。
| 事業 | 当期実績(2026年3月期) | 前期比 | 業績予想比 |
|---|---|---|---|
| 売上計 | 642億円 | △0億円(△0.1%) | △12億円(△1.9%) |
| プロダクトソリューション | 146億円 | +6億円(+4.4%) | △3億円(△2.4%) |
| マーケティングソリューション | 64億円 | △1億円(△2.7%) | △2億円(△3.5%) |
| 公共ソリューション | 98億円 | +15億円(+18.6%) | +13億円(+15.9%) |
| インフラソリューション | 174億円 | △2億円(△1.5%) | △13億円(△6.9%) |
| モビリティソリューション | 158億円 | △18億円(△10.3%) | △6億円(△4.1%) |

2027年3月期 通期業績予想
2027年3月期は、モビリティソリューション事業で引き続き厳しい事業環境が続くと見込まれるものの、GISパッケージなどストック型サービスやソリューション売上の拡大、新商材の投入により全体として増収を見込む。増収に伴う売上原価の増加や高度時空間データベース構築に向けた成長投資、ベースアップの継続による人件費の増加などにより、EBITDAは増益、営業利益は前期微増(前期同水準)を見込む。当期純利益は、前期に投資有価証券売却益を計上した反動で減益となる見通し(当期は特別利益への計画織り込みなし)。中長期経営計画(ZGP2030)の目標比では、モビリティソリューション事業が目標比で大幅減収となるほか、インフラソリューション事業も新規顧客開拓の遅延により目標比で大幅減収となる見込みで、EBITDA・営業利益は目標比で大幅減益となる見通し。
| 項目 | 前期実績(2026年3月期) | 当期予想(2027年3月期) | 前期比 | ZGP2030目標(2027年3月期) | 目標比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 64,277 | 66,000 | +1,722(+2.7%) | 68,000 | △2,000(△2.9%) |
| 営業費用 | 60,775 | 62,400 | +1,624(+2.7%) | 62,500 | △100(△0.2%) |
| EBITDA | 9,137 | 9,500 | +362(+4.0%) | 11,500 | △2,000(△17.4%) |
| EBITDAマージン | 14.2% | 14.4% | +0.2pt | 16.9% | △2.5pt |
| 営業利益 | 3,502 | 3,600 | +97(+2.8%) | 5,500 | △1,900(△34.5%) |
| 営業利益率 | 5.4% | 5.5% | +0.1pt | 8.1% | △2.6pt |
| 経常利益 | 3,866 | 3,900 | +33(+0.9%) | 非開示 | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,738 | 2,500 | △238(△8.7%) | 4,000 | △1,500(△37.5%) |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 5.5% | 5.1% | △0.4pt | 8.0% | △2.9pt |

株主還元
利益還元の基本方針は、中長期経営計画における利益成長に基づき安定的・継続的な配当の実施に加え、機動的な自己株式の取得を実施するというもの。1994年9月の福証上場以来、普通配当の減配なし。2026年3月期以降、DOE目標を従来の3%以上から5%以上に引き上げた(2026年3月期は5.1%の予定)。2026年3月期は中間配当21.00円、期末配当21.00円(予定)、年間合計42.00円(予定)で、5期連続の増配となる見込み。2027年3月期は中間配当21.00円、期末配当21.00円(予想)、年間合計42.00円(予想)を見込む。(参考)総還元性向は2026年3月期実績で82.3%、2026年3月期~2027年3月期の2年間累計予想では約86%(自己株式取得含まず)。
| 区分 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|
| 中間配当 | 13.50円 | 21.00円 | 21.00円(予想) |
| 期末配当 | 20.00円 | 21.00円(予定) | 21.00円(予想) |
| 年間合計 | 35.00円 | 42.00円(予定) | 42.00円(予想) |
| DOE | 4.3% | 5.1%(予定) | 5%以上(目標) |

中期経営計画(ZGP2030)
中長期経営計画ZGP2030の1st Stage(2026年3月期実績・2027年3月期業績予想)は、当初予想・目標を下回る見通し。1st Stageの成長投資を2nd Stageの収益拡大に繋げることで、最終年度(2030年3月期)の当初指標(売上高・各利益)は据え置く方針。株主還元は配当をDOE5%以上とし、2nd Stageでの利益成長を含めZGP2030の5年間累計総還元性向100%を目指す。1st Stageのキャッシュインフローは想定を下回る見通しであるが、手元資金の活用などにより2nd Stageでの収益拡大に向け必要な成長投資は当初予定通り実行するとしている。

※本記事はゼンリンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。