※本記事は揚羽が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社揚羽は2025年9月期の決算を発表した。売上高は前期比0.9%減の1,547百万円、営業利益は73百万円の損失(前期は1百万円の利益)となり、経常利益・当期純利益も赤字に転じた。即戦力人材の採用費増加や株主優待費用の計上に加え、下期に受注した大型案件の一部が翌期にずれ込んだことが響き、当初業績予想(売上高1,750百万円、営業利益50百万円)を下回る着地となった。会社は2026年9月期に組織体制を再構築し、増収による黒字回復を計画している。
業績(2025年9月期 実績)
売上高は、上期に既存案件の納期対応を優先した影響で下期以降の新規案件獲得が伸び悩み、前期比0.9%減の1,547百万円となった。利益面では、即戦力となる中途社員の採用を前倒しで実施したことによる人件費・採用費の増加に加え、前期にはなかった株主優待費用を新たに計上した結果、売上原価率は47.8%(前期比+0.1pt)となった。販売費及び一般管理費は前期比8.2%増の881百万円となり、営業利益は73百万円の損失(前期は1百万円の利益)、経常利益は76百万円の損失(前期は42百万円の利益)、当期純利益は63百万円の損失(前期は27百万円の利益)となった。第4四半期は採用費を抑制し短納期案件の刈り取りを強化したものの、翌期納品の大型案件の受注が翌期にずれ込んだことなどから、当初業績予想には届かなかった。
| 項目 | 2025年9月期実績 | 2024年9月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,547百万円 | 1,560百万円 | △0.9% |
| 売上原価 | 739百万円 | 744百万円 | △0.7% |
| 売上総利益 | 808百万円 | 816百万円 | △1.1% |
| 販売費及び一般管理費 | 881百万円 | 814百万円 | +8.2% |
| 営業利益 | △73百万円 | 1百万円 | 開示なし |
| 経常利益 | △76百万円 | 42百万円 | 開示なし |
| 当期純利益 | △63百万円 | 27百万円 | 開示なし |

事業領域別の状況
コーポレート支援領域ではコーポレートブランディング、インナーブランディングが前期を上回った一方、サステナビリティブランディングは前期の大型案件の反動により大きく減少した。サステナビリティブランディングは2026年9月期よりコーポレートコミュニケーションに統合される予定。リクルーティング支援領域は映像案件が減少したものの、グラフィック案件・Webサイト制作案件が堅調で、前期比の減少幅は小幅にとどまった。
| 事業領域 | 2025年9月期 | 2024年9月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| コーポレートブランディング | 485百万円 | 415百万円 | +16.9% |
| インナーブランディング | 466百万円 | 372百万円 | +25.3% |
| サステナビリティブランディング | 68百万円 | 239百万円 | △71.5% |
| リクルーティング支援 | 526百万円 | 533百万円 | △1.4% |

財務状態
2025年9月期末の総資産は1,310百万円(前期末比+17百万円)。現金及び預金は前期末に納品した大型案件の回収と新規融資150百万円の実行により868百万円(前期末比+286百万円)に増加した。負債合計は新規融資の実行により408百万円(+71百万円)に増加した一方、純資産は当期純損失の計上により901百万円(△54百万円)に減少した。自己資本比率は68.8%、1株当たり純資産は629.11円である。
| 項目 | 2025年9月期末 | 2024年9月期末 |
|---|---|---|
| 流動資産 | 1,218百万円 | 1,228百万円 |
| 固定資産 | 91百万円 | 64百万円 |
| 総資産 | 1,310百万円 | 1,292百万円 |
| 負債合計 | 408百万円 | 336百万円 |
| 純資産 | 901百万円 | 955百万円 |
2026年9月期業績予想
会社は2026年9月期より、従来のコーポレート領域をコーポレートコミュニケーション、インナーブランディング、プロダクト&サービス・マーケティング、リクルーティング支援の4領域に再編する。新体制のもと、通期では前期比19.6%増となる過去最高の売上高1,850百万円を計画し、増収効果による黒字回復を見込む。新規採用は欠員補充にとどめ、既存社員の定着に注力する方針としている。
| 項目 | 2025年9月期実績 | 2026年9月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,547百万円 | 1,850百万円 | +19.6% |
| 売上原価 | 739百万円 | 856百万円 | +15.9% |
| 売上総利益 | 808百万円 | 993百万円 | +22.9% |
| 販売費及び一般管理費 | 881百万円 | 943百万円 | +7.0% |
| 営業利益 | △73百万円 | 50百万円 | 開示なし |
| 経常利益 | △76百万円 | 48百万円 | 開示なし |
| 当期純利益 | △63百万円 | 32百万円 | 開示なし |

株主還元
配当への言及は資料にない。会社は上場1周年を記念した特別株主優待を実施しており、2025年3月31日時点で100株以上を保有する株主にQUOカード5,000円分を贈呈済み(2025年6月贈呈)。加えて、2026年3月31日時点で100株以上を1年以上継続保有する株主にQUOカード5,000円分を2026年6月ごろに贈呈する予定。本特別株主優待は今回限りの実施だが、会社は今後も事業展開を勘案し継続的に株主還元策を検討していく方針としている。

トピックス
2025年9月期は「AI最適化型デジタルマーケティング支援サービス」の提供を開始した。生成AI時代のブランド認知・顧客獲得支援を目的に、調査・分析、戦略策定、施策実行、検証・改善の4フェーズでAI検索最適化(AIO)・大規模言語モデル最適化(LLMO)を支援する。自社オウンドメディアでの実証実験では、メディアサイト全体の検索エンジンでの表示回数が約130%に増加し、「ブランディング」関連キーワードの検索順位が22位から2位に上昇したという。
※本記事は揚羽が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。