通期・四半期とも見出し構成や粒度は前年と変わらず、万博対応や工事進捗・新規開業など期中に起きた出来事の内容が入れ替わった。
調査の概要
本記事は、東証プライム市場の時価総額上位500社を対象に、決算短信の「経営成績等の概況」相当部分の記載がどう変化したかを調べた調査の一部で、東海旅客鉄道分です。
通期: 2025年3月期決算短信 と 2026年3月期決算短信(開示日: 2025年4月30日 → 2026年4月28日)
四半期: 2026年3月期 第1四半期決算短信 と 2027年3月期 第1四半期決算短信(開示日: 2025年7月29日 → 2026年7月31日)
ここでいう定性文とは、決算短信のうち「1. 経営成績等の概況」相当の見出しから、次の大見出しの手前までの記述を指します。文字数は、タイトル名(『』)を除外し、空白を除いて計測しています。
通期決算短信の比較
文字数: 7,050字 → 6,625字(前期比-6%、減少)
見出し構成の変化: 変化なし
粒度の判定: 同等
セグメント情報注記: あり(668字) → あり(664字)
変化の型: 出来事型
増えた要素
- 大阪・関西万博対応の輸送を完遂
- 中央新幹線総工事費が7.04兆円から11.0兆円に増加する見通しへの対応
- 静岡県との大井川水資源補償に関する確認書・自然環境保全協定の締結
- 「LINEからEX」新サービスの開始
- 「しなの」「ひだ」「南紀」の全席指定席運行化
- ワンマン運転(画像認識活用の安全確認支援装置)の開始
減った要素
- 東海道新幹線開業60周年の記念企画・キャンペーン群
- 高山本線全線開通90周年・御殿場線90周年の記念企画
- 台湾高速鐵路股份有限公司との新型車両調達に関する技術コンサルティング契約締結の言及
要約: 大阪・関西万博対応や中央新幹線工事費増加への対応、静岡県との協定締結など新たな出来事の説明に置き換わり、前年にあった周年記念企画の記述は減った。文字数はわずかに減少したが、見出し構成・粒度は前年同様。
四半期決算短信の比較
文字数: 4,618字 → 4,255字(前期比-7.9%、減少)
見出し構成の変化: 変化なし
粒度の判定: 同等
セグメント情報注記: あり(44字) → あり(44字)
変化の型: 出来事型
増えた要素
- 南アルプストンネル山梨工区の本坑品川方貫通
- 第一首都圏トンネル梶ヶ谷工区の立坑間接続
- 上級クラス座席「Supreme Class」導入準備
- 新型特急車両385系量産先行車の走行試験開始
- 「ぴよりん」15周年記念TOICAの発売
- 名古屋駅「ぴよりんvillage」・岡崎駅東口商業施設・「NAKAGAWA CANAL DOORS」の開業
減った要素
- 静岡県との「対話を要する事項」水資源関連の対話完了の言及
- 「コートヤード・バイ・マリオット京都四条烏丸」開業準備の言及
要約: 工事の進捗(トンネル貫通等)や新サービス・新規開業施設など、当四半期に起きた個別の出来事の入れ替わりが中心で、粒度・構成は前年同期と同等。
定性文の全文(前期・今期)
通期 2025年3月期
出典: 東海旅客鉄道 2025年3月期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2025年4月30日(https://www2.jpx.co.jp/disc/90220/140120250423521461.pdf)
1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全の確保を最優先に、サービスの一層の充実、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化に取り組みました。その上で、生活様式や働き方の変化によりニーズが多様化していることや、労働力人口の減少により業務のあり方の変革が求められていることなど、当社を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、飛躍的に進化しているAIを含め最新のICT等の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力の再強化に取り組みました。東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、N700Sの投入を進めるとともに、既存のN700Aタイプに対してN700Sの一部機能を追加する改造工事を完了しました。さらに、脱線・逸脱防止対策等の地震対策や大規模改修工事を進めました。加えて、豪雨時における最適な運転規制に繋げるための取組みを進めました。在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めました。営業施策については、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約・チケットレス乗車サービスである「EXサービス」について、一昨年開始した「EX旅パック」、「EX旅先予約」、最大1年先の指定席の予約が可能なサービス等を活用して、ご利用の拡大を図りました。また、各種事業者や沿線自治体と連携しながら、ご自身の「推し」に会いに行く「推し旅」をさらに充実させて提案する「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、東海道新幹線を号車単位で貸し切り、車内でオリジナルイベント等を実施できる「貸切車両パッケージ」を販売しました。さらに、「そうだ 京都、行こう。」、「いざいざ奈良」、「会いにいこう」等のキャンペーンを展開するとともに、東海道新幹線開業60周年にあたり、記念企画を実施しました。超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)による中央新幹線については、工事実施計画の認可を受けた品川・名古屋間について、用地取得等を進めるとともに、関東車両基地(仮称)の工事に着手したほか、大深度地下をシールドマシンで掘削する第一首都圏トンネル梶ヶ谷工区及び東百合丘工区で本格的な掘進を開始するなど、沿線各地で工事を進めました。引き続き、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視し、コストを十分に精査しつつ、各種工事を精力的に進めます。なお、南アルプストンネル静岡工区においては、静岡県等の理解が得られず、トンネル掘削工事に着手できない状態が続いています。こうした中、大井川の水資源への影響及び南アルプスの環境保全について、国土交通省の「リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議」の報告書を踏まえて、静岡県等と対話を重ねており、国土交通省の「リニア中央新幹線静岡工区モニタリング会議 」において、静岡県との対話の状況等を報告しています。また、昨年11月に、事前に地質・湧水等の状況を把握するために山梨県側から進めていた高速長尺先進ボーリングが県境を越え、静岡県内に入りました。さらに、昨年6月に続いて、1月に社長が静岡県知事と面会し、丁寧かつスピード感を持って対話を進めていくという認識を双方で共有しました。加えて、昨年11月に大井川流域8市2町首長との意見交換会を行い、3月から、大井川の水を守るための取組みに関する説明会を開始しています。引き続き、静岡工区のトンネル掘削工事の早期着手に向けて、地域の理解と協力を得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に取り組みます。一方、超電導リニア技術については、高温超電導磁石の営業車両への投入を前提に、山梨リニア実験線における走行試験と小牧研究施設における検証を進めるとともに、最新のICTを活用した効率的な運営体制の実現に向けた開発において、AI等による画像やビッグデータの分析システムの改良・実証等を進めるなど、一層のコストダウンとブラッシュアップに取り組みました。また、中央新幹線の開業に向けて期待感を醸成するため、SNSによるキャンペーン等も活用しながら、超電導リニアの体験乗車を実施するとともに、主に小学生を対象に、ワークショップ、クイズラリー、体験乗車を組み合わせたイベントを初めて開催しました。高速鉄道システムの海外展開については、米国における高速鉄道プロジェクトについて着実に取り組みました。また、台湾高速鉄道について技術コンサルティングを進めるとともに、台湾高速鉄道を運営する台湾高速鐵路股份有限公司と、N700Sをベースとした新型高速鉄道車両の調達に関する技術コンサルティング契約を新たに締結しました。さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めました。鉄道以外の事業については、JRセントラルタワーズとJRゲートタワーを一体的に運営し、収益の拡大を図るとともに、JRセントラルタワーズ開業25周年にあたり、これまでのご愛顧に感謝を示す記念キャンペーン等を実施しました。また、三島駅、新横浜駅、岐阜駅、名古屋駅等の駅商業施設の拡張・リニューアルや静岡駅近隣の高架下開発を進めるなど、競争力、販売力の強化に取り組みました。さらに、当社グループの共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」について、駅売店等を対象施設に追加するなど利便性の向上を図りました。加えて、東海道新幹線「こだま」号の業務用室を活用した荷物輸送サービス「東海道マッハ便」を開始しました。上記の結果、当期における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、前期比4.4%増の638億5千2百万人キロとなりました。また、営業収益は前期比7.1%増の1兆8,318億円、経常利益は前期比18.7%増の6,492億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比19.3%増の4,584億円となりました。これをセグメントごとに示すと次のとおりです。
① 運輸業東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行うとともに、多くのお客様に予め座席を確保して安心してご利用いただくため 、全ての「のぞみ」の3号車を自由席から指定席に変更しました。また、N700Sの投入を進めるとともに、既存のN700Aタイプに対してN700Sの一部機能を追加する改造工事を完了しました。さらに、脱線防止ガードの敷設をはじめとする、東海道新幹線全線を対象とした脱線・逸脱防止対策等の地震対策を進めるとともに、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を進め、トンネルと鋼橋の工事を完了しました。加えて、ハザードマップ等を踏まえ、鉄道設備の浸水対策を進め、予定していた全ての対策を完了するとともに、豪雨時における最適な運転規制に繋げるために、営業線盛土の一部区間において、実際の降雨時における土中の水の分布を詳細に把握するモニタリングを実施しました。このほか、新大阪駅で車両とプラットホームの段差・隙間対策を完了するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、通勤型電車315系の投入を進め、これまで投入してきた名古屋地区に加えて、静岡地区にも投入しました。さらに、TOICAについて、2路線15駅に導入し、ご利用エリアを拡大しました。加えて、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めるとともに、名古屋駅を発着する313系への車内防犯カメラの整備を進めました。このほか、名古屋駅で東海道本線下りホーム及び中央本線ホームへの可動柵設置工事を進めるとともに、刈谷駅でホームの拡幅、可動柵設置等に向けた工事を進め、このうち、名古屋駅の東海道本線下りホームについて、昨年度の6番線ホームでの可動柵の使用開始に続いて、5番線ホームで可動柵の使用を開始するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。新幹線・在来線共通の取組みとしては、駅の吊り天井の脱落防止対策や駅のプラットホーム上家の耐震補強工事といった地震対策を進めるとともに、自然災害や不測の事態等の異常時に想定される様々な状況に適切に対応するため、実践的な訓練を繰り返し実施しました。営業施策については、「EXサービス」について、一昨年開始した「EX旅パック」、「EX旅先予約」、最大1年先の指定席の予約が可能なサービス等を活用して、ご利用の拡大を図りました。また、各種事業者や沿線自治体と連携しながら「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、「貸切車両パッケージ」を販売し、企業の報奨旅行等、様々な形でご利用いただきました。さらに、京都、奈良、東京、飛騨等の観光資源を活用した各種キャンペーンを展開するとともに、「会いにいこう」キャンペーンを展開しました。東海道新幹線開業60周年にあたっては、イベントの実施等によりこれまでのご愛顧への感謝を示すとともに、中央新幹線を含む将来の高速鉄道の進化に対する期待感の醸成に取り組み、他社と連携した企画の実施等により、グループ会社とも連携しながら収益の拡大を図りました。高山本線全線開通90周年及び御殿場線90周年にあたっても、沿線自治体等と連携しながら記念企画を実施しました。加えて、東急株式会社と、静岡県の観光振興と地域活性化を目的としたクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS ~SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN~」を運行し、株式会社オリエンタルランドとは、東海道新幹線の特別編成「Wonderful Dreams Shinkansen」を運行しました。訪日外国人に対しては、国や地域ごとの旅客動向や商品のご利用の分析を進め、より効果的な宣伝を展開するとともに、旅行会社との連携強化により、東海道新幹線開業60周年にあわせた旅行商品の拡充や、販路の拡大を進めるなど、営業施策を強化しました。このほか、東海道新幹線車内における個室タイプの「ビジネスブース」の本格的な導入を完了するとともに、「エクスプレス予約」法人会員に対する、東海道・山陽・九州新幹線におけるCO 排出量実質ゼロ化サービス「GreenEX」の導入企業を拡大しました。2当期における輸送実績(輸送人キロ)は、東海道新幹線は前期比4.7%増の552億1千万人キロ、在来線は前期比2.9%増の86億4千2百万人キロとなりました。バス事業については、安全の確保を最優先として顧客ニーズを捉えた商品設定を行い、収益の確保に努めました。上記の結果、当期における営業収益 は前期比6.7%増の1兆5,022億円、営業利益は前期比
16.1%増の6,497億円となりました。② 流通業「タカシマヤ ゲートタワーモール」において開業以来最大規模となるリニューアルを完了するなど、収益力の強化に取り組みました。また、駅売店等について、土産品、弁当等をワンストップで購入できるように集約・大型化するとともに、多様なニーズに対応した商品を取り揃えることで、便利で魅力ある店舗づくりを進めました。さらに、駅やホテルの人気商品やオリジナル鉄道グッズ等を取り揃えた多彩なオンラインショップが集うショッピングサイト「JR東海MARKET」では、東海道新幹線開業60周年の記念商品を販売するとともに、サイト開設3周年の記念企画として、新幹線電気軌道総合試験車923形0番代(ドクターイエロー(T4編成))の引退特集を開催するなど、商品力の強化に取り組みました。上記の結果、当期における営業収益は前期比6.7%増の1,714億円、営業利益は前期比13.1%増の156億円となりました。
③ 不動産業三島駅、新横浜駅、岐阜駅、名古屋駅等の駅商業施設の拡張・リニューアルや静岡駅近隣の高架下開発を進めるなど、競争力、販売力の強化に取り組みました。また、社宅跡地等の開発について、稲沢市内の宅地分譲「セントラルガーデン・ステージ稲沢駅前Ⅱ」の販売、名古屋市内のガレージ付き賃貸住宅「Avance G 野立」の賃貸等を進めました。さらに、駅構内や駅直結ビルにおけるワークスペース「EXPRESS WORK」の拡充を進めました。上記の結果、当期における営業収益は前期比4.1%増の866億円、営業利益は前期比12.9%増の228億円となりました。
④ その他ホテル業については、高品質なサービスの提供に努めるとともに、「ホテルアソシア新横浜」において東海道新幹線開業60周年を記念した特別な部屋を販売するなど、需要の喚起に向けた取組みを進めました。旅行業については、京都、奈良、東京、飛騨等の各方面へ向けた魅力ある旅行商品に加えて、「推し旅」キャンペーン等に関する新たな旅行商品を販売するとともに、「貸切車両パッケージ」を販売しました。鉄道車両等製造業については、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。上記の結果、当期における営業収益は前期比6.8%増の2,726億円、営業利益は前期比0.7%増の155億円となりました。次期についても、鉄道の原点であり、全ての施策の大前提となる安全の確保を最優先として、社員一人ひとりが日々の業務に真摯に取り組むとともに、訓練等を通じて能力・技術を向上させます。その上で、生活様式や働き方の変化によりニーズが多様化していることや、労働力人口の減少により業務のあり方の変革が求められていることなど、当社を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、飛躍的に進化しているAIを含め、最新のICT等の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力の再強化に取り組みます。また、これまで蓄積してきた知識や経験を活かすとともに、当社グループの「ありたい姿」を踏まえて「自由に考え、大いに議論し、粘り強くやり抜く」という企業文化を作り上げ、過去のやり方に捉われることなく前例のないことにも挑戦しながら、中長期的な観点で各種施策を力強く推進します。これらにより、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という「経営理念」を高いレベルで実現します。以上を踏まえ、次期の業績予想については、以下のとおりとします。売上高 1兆8,650億円 (当期比 1.8%増)営業利益 6,670億円 (当期比 5.1%減)経常利益 6,080億円 (当期比 6.4%減)親会社株主に帰属する4,230億円 (当期比 7.7%減)当期純利益
(2)当期の財政状態の概況期末の資産残高は、前期末から3,814億円増加し10兆3,233億円、負債残高は、前期末から534億円減少し5兆6,647億円、純資産残高は、前期末から4,348億円増加し4兆6,585億円となりました。なお、長期債務残高は、前期末から675億円減少し4兆7,786億円となりました。期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前期末から4,270億円減少し3,947億円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、6,245億円の資金の増加となりました。前期が6,728億円の資金の増加であったことと比べ、当社の運輸収入は増加したものの、法人税等の支払額が増加したことなどから、483億円の減少となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フローは、9,560億円の資金の減少となりました。前期が4,365億円の資金の減少であったことと比べ、資金運用による支出が増加したことなどから、5,194億円の減少となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フローは、955億円の資金の減少となりました。前期が1,251億円の資金の減少であったことと比べ、社債の償還による支出が減少したことなどから、295億円の増加となりました。
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当当社は、社会的使命の強い鉄道事業を経営の柱としていることから、長期にわたる安定的な経営基盤の確保・強化に取り組むとともに中央新幹線計画等の各種プロジェクトを着実に推進するための内部留保を確保し、配当については安定配当を継続することを基本方針としています。この方針に基づき、当期の期末配当については、東海道新幹線・在来線ともにご利用が堅調に推移したことなどを踏まえ、昨年4月に公表した配当予想1株当たり15円を1円増額し、16円とする予定です。また、次期の配当については、上記の基本方針に則って実施していく予定です。配当支払いについては、従来どおり毎年3月31日及び9月30日を基準日とする年2回の配当を継続することとし、変更は予定していません。
通期 2026年3月期
出典: 東海旅客鉄道 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2026年4月28日
1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全の確保を最優先に、サービスの一層の充実、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化に取り組みました。その上で、生活様式や働き方の変化によりニーズが多様化していることや、労働力人口の減少により業務のあり方の変革が求められていることなど、当社を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、飛躍的に進化しているAIを含め最新のICT等の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力の再強化に取り組みました。東海道新幹線については、2025年日本国際博覧会(以下「大阪・関西万博」という。)に対応した輸送を完遂するとともに、「のぞみ12本ダイヤ」、さらには3月のダイヤ改正以降は一部時間帯において「のぞみ」を1時間に最大13本運転するダイヤを活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、N700Sの投入を進めるとともに、地震対策や大規模改修工事、降雨時における最適な運転規制に繋げるための取組み等を進めました。在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、通勤型電車315系について、全車両の投入を完了しました。さらに、地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めました。営業施策については、「EXサービス」について、ご利用の拡大を図りました。また、様々な事業者や沿線自治体と連携しながら、ご自身の「推し」に関するコンテンツを楽しんでいただく「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、東海道新幹線を号車単位で貸し切り、車内でオリジナルイベント等を実施できる「貸切車両パッケージ」を販売しました。さらに、「そうだ 京都、行こう。」等のキャンペーンを展開しました。超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)による中央新幹線については、工事実施計画の認可を受けた品川・名古屋間について、用地取得等を進めるとともに、山梨県駅(仮称)の工事に着手し、品川・名古屋間の全ての駅の工事を進めることとなりました。また、大深度地下をシールドマシンで掘削する第一首都圏トンネル小野路工区、第一中京圏トンネル名城工区等で本格的な掘進を開始し、長野県の伊那山地トンネル戸中・壬生沢工区と坂島工区では山梨リニア実験線を除いて初めて隣接する工区で本坑同士が貫通するなど、沿線各地で工事を進めました。こうした中、昨年10月に、物価等高騰や難工事への対応等に伴い品川・名古屋間の総工事費が7.04兆円から11.0兆円に増加する見通しとなり、これを受け、一定の前提を置いて試算した結果、工事資金を確保し、健全経営と安定配当を堅持できることを確認しました。引き続き、プロジェクトの完遂に向けて、健全経営と安定配当を堅持し、コストを十分に精査しつつ、柔軟性を発揮しながら着実に取り組むとともに、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視しながら各種工事を精力的に進めます。なお、南アルプストンネル静岡工区においては、トンネル掘削工事に着手できていない状況ですが、大井川の水資源への影響及び南アルプスの環境保全について、静岡県等と対話を重ね、静岡県が示した「対話を要する事項」については、3月に全ての項目の対話が終了しました。また、1月に、大井川の中下流域の水資源の利用に影響が生じた場合の補償等に関する確認書を、国土交通省立会いのもとで静岡県と締結しました。さらに、2月に静岡県とヤード用地造成等の準備工事に関する自然環境保全協定を締結し、準備工事に着手しました。加えて、昨年7月に続いて2月に大井川流域8市2町首長との意見交換会を開催するとともに、昨年3月及び4月に続いて、昨年11月から1月にかけて大井川の水を守るための取組みに関する説明会を開催しました。引き続き、静岡工区のトンネル掘削工事の早期着手に向けて、地域の理解と協力を得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に取り組みます。一方、超電導リニア技術については、高温超電導磁石の営業車両への投入を前提に、山梨リニア実験線における走行試験と小牧研究施設における検証を進めるとともに、最新のICTを活用した効率的な運営体制の実現に向けた開発において、AI等による画像やビッグデータの分析システムの改良・実証等を進めるなど、一層のコストダウンとブラッシュアップに取り組みました。また、山梨リニア実験線において新しいL0系改良型試験車である中間車1両を投入し、それにより得られるデータも活用しながら営業車両の仕様策定と設計の深度化を進めました。さらに、中央新幹線の開業に向けて期待感を醸成するため、超電導リニアの体験乗車を開催しました。加えて、小学生以下のお子様を対象に、超電導リニアに使用しているパーツの展示と超電導リニアの体験乗車を組み合わせたイベント等を初めて開催しました。高速鉄道システムの海外展開については 、米国における高速鉄道プロジェクトに 取り組みました。また、台湾における高速鉄道について、N700Sをベースとした新型車両導入や各種設備更新に伴う技術コンサルティングを進めました。さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めました。鉄道以外の事業については、JRセントラルタワーズとJRゲートタワーを一体的に運営し、収益の拡大を図るとともに、JRセントラルタワーズ開業25周年に当たり、これまでのご愛顧に感謝を示す記念キャンペーン等を実施しました。また、魅力ある駅店舗づくりや駅商業施設の拡張・リニューアルを進めました。さらに、当社グループの共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」について、グループ事業と鉄道事業の双方の収益拡大を図るためのキャンペーン等を実施しました。加えて、東海道新幹線の業務用室を活用した荷物輸送サービス「東海道マッハ便」の内容を拡充しました。上記の結果、当期における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、前期比9.2%増の697億2千4百万人キロとなりました。また、営業収益は前期比9.5%増の2兆62億円、経常利益は前期比20.3%増の7,809億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比20.6%増の5,528億円となりました。これをセグメントごとに示すと次のとおりです。
① 運輸業東海道新幹線については、大阪・関西万博に対応した輸送を完遂するとともに、「のぞみ12本ダイヤ」、さらには3月のダイヤ改正以降は一部時間帯において「のぞみ」を1時間に最大13本運転するダイヤを活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、N700Sの投入を進めました。さらに、脱線防止ガードの全線への敷設をはじめとする脱線・逸脱防止対策等の地震対策を進めるとともに、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を進めました。加えて、新たな降雨運転規制の指標として長時間降雨の影響をより適切に評価できる土壌雨量を導入するとともに、豪雨時における最適な運転規制に繋げるために、営業線盛土の一部区間において、実際の降雨時における土中の水の分布を詳細に把握するモニタリングを実施するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行うとともに、より多くのお客様に安心してご利用いただくため、ご利用が集中する期間において「しなの」、「ひだ」、「南紀」を全席指定席で運行することとし、本年度の年末年始期間に開始しました。また、通勤型電車315系について、全車両の投入を完了しました。さらに、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めるとともに、名古屋駅を発着する313系への車内防犯カメラの整備を進めました。加えて、名古屋駅の中央本線ホームで可動柵の使用を開始するとともに、刈谷駅でホームの拡幅、可動柵設置等に向けた工事を進め、下りホームの拡幅を完了しました。このほか、車両側面にカメラを設置した315系4両編成に、お客様の接近等を検知する画像認識技術を活用した安全確認支援装置を搭載し、ワンマン運転を開始するとともに、TOICAのエリア拡大及びモバイルICサービスの開始、「ひだ」を対象とするチケットレス乗車サービスの開始、QRコード決済の飯田線の天竜峡駅・宮木駅間への導入、「お客様サポートサービス」の東海道本線の沼津駅・興津駅間への導入といった取組みを進めるなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。新幹線・在来線共通の取組みとしては、駅の吊り天井の脱落防止対策や駅のプラットホーム上家の耐震補強工事といった地震対策を進めるとともに、自然災害や不測の事態等の異常時に想定される様々な状況に適切に対応するため、実践的な訓練を繰り返し実施しました。営業施策については、「EXサービス」について、会員登録をすることなく「LINE」上で新幹線を予約し、「PayPay」で決済いただけるサービス「LINEからEX」を開始するとともに、「EX旅パック」、「EX旅先予約」で予約できる旅行商品等を充実させました。また、「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、「貸切車両パッケージ」を販売しました。さらに、京都、奈良、東京、静岡、飛騨等の魅力ある観光素材の開発に取り組むとともに、「そうだ 京都、行こう。」、「いざいざ奈良」、「#東京ゾクゾク」、「会いにいこう」等のキャンペーンを展開しました。加えて、東急株式会社と、クルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS」をこれまで運行してきた静岡県に加えて愛知県・岐阜県でも運行し、株式会社オリエンタルランドとは、東海道新幹線の特別編成「Wonderful Dreams Shinkansen」を運行しました。このほか、東海道新幹線の出張利用を促すとともに、MICEを誘致するなど、ビジネス需要の獲得に向けた取組みを進めました。訪日外国人に対しては、国や地域ごとの旅客動向や商品のご利用の分析を進め、より効果的な宣伝を展開するとともに、旅行会社との連携による販路の拡大を進めました。大阪・関西万博の開催に当たっては、関西方面の旅行商品等を拡充するとともに、訪日外国人に対して当社沿線の魅力を発信しました。当期における輸送実績(輸送人キロ)は、東海道新幹線は前期比10.2%増の608億6千万人キロ、在来線は前期比2.6%増の88億6千4百万人キロとなりました。バス事業については、安全の確保を最優先として、顧客ニーズを捉えた商品設定を行いました。上記の結果、当期における営業収益 は前期比10.1%増の1兆6,539億円、営業利益は前期比
18.1%増の7,674億円となりました。② 流通業「ジェイアール名古屋タカシマヤ」において、開業25周年の記念キャンペーン等を実施するとともに、和洋酒売場を拡張・リニューアルし、日本最大級の品揃えの洋酒売場「ワインメゾン」を開業しました。また、駅店舗について、品揃えの充実により便利で魅力ある店舗づくりを進めました。上記の結果、当期における営業収益は前期比6.8%増の1,830億円、営業利益は前期比1.3%増の158億円となりました。
③ 不動産業東京駅、浜松駅、名古屋駅、京都駅等の駅商業施設の拡張・リニューアルや名古屋駅近辺等の高架下開発を進めました。また、社宅跡地等、当社グループ保有土地の有効活用を進めました。さらに、駅構内や駅直結ビルにおけるワークスペース「EXPRESS WORK」の拡充を進めました。上記の結果、当期における営業収益は前期比10.4%増の957億円、営業利益は前期比10.5%増の252億円となりました。
④ その他ホテル業については、高品質なサービスの提供に努めるとともに、需要の喚起に向けた取組みを進めました。また、「コートヤード・バイ・マリオット京都四条烏丸」を開業しました。旅行業については、各方面へ向けた魅力ある旅行商品や、「推し旅」キャンペーン等に関する旅行商品、「貸切車両パッケージ」を販売しました。鉄道車両等製造業については、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。上記の結果、当期における営業収益は前期比7.1%増の2,919億円、営業利益は前期比57.0%増の244億円となりました。次期については、大阪・関西万博の開催に伴う増収効果がなくなり、また、労務費の上昇等、厳しい経営環境が続くものの、引き続き、鉄道の原点であり、全ての施策の大前提となる安全の確保を最優先として、社員一人ひとりが日々の業務に真摯に取り組むとともに、訓練等を通じて能力・技術を向上させます。その上で、生活様式や働き方の変化、労働力人口の減少等、当社を取り巻く環境が変化していることを踏まえ、AIを含め最新のICT等の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力のさらなる強化に取り組みます。日本の大動脈輸送の維持・発展に不可欠な中央新幹線については、品川・名古屋間の総工事費が増加する見通しとなったことを踏まえ、プロジェクト管理機能を強化し、早期実現に向けて取り組みます。これらについて「自由に考え、大いに議論し、粘り強くやり抜く」ことで、当社グループの総力を挙げて「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念を高いレベルで実現します。以上を踏まえ、次期の業績予想については、以下のとおりとします。売上高 1兆9,930億円 (当期比 0.7%減)営業利益 7,020億円 (当期比 15.4%減)経常利益 6,530億円 (当期比 16.4%減)親会社株主に帰属する4,470億円 (当期比 19.1%減)当期純利益
(2)当期の財政状態の概況期末の資産残高は、前期末から5,528億円増加し10兆8,761億円、負債残高は、前期末から747億円増加し5兆7,395億円、純資産残高は、前期末から4,780億円増加し5兆1,366億円となりました。なお、長期債務残高は、前期末から102億円減少し4兆7,684億円となりました。期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前期末から241億円減少し3,705億円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、7,481億円の資金の増加となりました。前期が6,245億円の資金の増加であったことと比べ、当社の運輸収入が増加したことなどから、1,236億円の増加となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フローは、6,214億円の資金の減少となりました。前期が9,560億円の資金の減少であったことと比べ、資金運用による支出が減少したことなどから、3,346億円の増加となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フローは、1,508億円の資金の減少となりました。前期が955億円の資金の減少であったことと比べ、自己株式の取得による支出が増加したことなどから、553億円の減少となりました。
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当当社は、社会的使命の強い鉄道事業を経営の柱としていることから、長期にわたる安定的な経営基盤の確保・強化に取り組むとともに中央新幹線計画等の各種プロジェクトを着実に推進するため内部留保を確保し、配当については安定配当を継続することを基本方針としています。この方針に基づき、当期の期末配当については、昨年4月に公表した配当予想どおり1株当たり16円とする予定です。また、次期の配当については、上記の基本方針に則って実施していく予定です。配当支払いについては、従来どおり毎年3月31日及び9月30日を基準日とする年2回の配当を継続することとし、変更は予定していません。
四半期 2026年3月期 第1四半期
出典: 東海旅客鉄道 2026年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2025年7月29日(https://www2.jpx.co.jp/disc/90220/140120250725520772.pdf)
1.経営成績等の概況(1)当四半期連結累計期間の経営成績の概況当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全の確保を最優先に、サービスの一層の充実、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化に取り組みました。その上で、生活様式や働き方の変化によりニーズが多様化していることや、労働力人口の減少により業務のあり方の変革が求められていることなど、当社を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、飛躍的に進化しているAIを含め最新のICT等の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力の再強化に取り組みました。東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、2025年日本国際博覧会(以下「大阪・関西万博」という。)の開催も踏まえ、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、N700Sの投入を進めるとともに、地震対策や大規模改修工事、降雨時における最適な運転規制に繋げるための取組み等を進めました。在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、通勤型電車315系の投入を進めるとともに、地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めました。営業施策については、「EXサービス」について、ご利用の拡大を図りました。また、様々な事業者や沿線自治体と連携しながら、ご自身の「推し」に関するコンテンツを楽しんでいただく「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、東海道新幹線を号車単位で貸し切り、車内でオリジナルイベント等を実施できる「貸切車両パッケージ」を販売しました。さらに、「そうだ 京都、行こう。」等のキャンペーンを展開しました。超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)による中央新幹線については、工事実施計画の認可を受けた品川・名古屋間について、用地取得等を進めるとともに、大深度地下をシールドマシンで掘削する第一中京圏トンネル坂下西工区で本格的な掘進を開始し、長野県の伊那山地トンネル戸中・壬生沢工区と坂島工区では山梨リニア実験線を除いて初めて隣接する工区で本坑同士が貫通するなど、沿線各地で工事を進めました。引き続き、プロジェクトの完遂に向けて、健全経営と安定配当を堅持し、コストを十分に精査しつつ、柔軟性を発揮しながら着実に取り組むとともに、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視しながら各種工事を精力的に進めます。なお、南アルプストンネル静岡工区においては、静岡県等の理解が得られず、トンネル掘削工事に着手できない状態が続いています。こうした中、大井川の水資源への影響及び南アルプスの環境保全について、国土交通省の「リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議」の報告書を踏まえて、静岡県等と対話を重ねており、静岡県が示した「対話を要する事項」のうち、6月に水資源に関する全ての項目の対話が完了しました。引き続き、残る項目の対話を進め、静岡工区のトンネル掘削工事の早期着手に向けて、地域の理解と協力を得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に取り組みます。一方、超電導リニア技術については、高温超電導磁石の営業車両への投入を前提に、山梨リニア実験線における走行試験と小牧研究施設における検証を進めるとともに、最新のICTを活用した効率的な運営体制の実現に向けた開発において、AI等による画像やビッグデータの分析システムの改良・実証等を進めるなど、一層のコストダウンとブラッシュアップに取り組みました。また、中央新幹線の開業に向けて期待感を醸成するため、小学生以下のお子様を対象に、超電導リニアに使用しているパーツの展示と超電導リニアの体験乗車を組み合わせたイベントを初めて開催しました。高速鉄道システムの海外展開については、米国における高速鉄道プロジェクトについて、着実に取り組みました。また、台湾における高速鉄道について、N700Sをベースとした新型車両導入や各種設備更新に伴う技術コンサルティングを進めました。さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めました。鉄道以外の事業については、JRセントラルタワーズとJRゲートタワーを一体的に運営し、収益の拡大を図るとともに、JRセントラルタワーズ開業25周年に当たり、これまでのご愛顧に感謝を示す記念キャンペーン等を実施しました。また、魅力ある駅店舗づくりや駅商業施設の拡張・リニューアルを進めました。さらに、当社グループの共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」について、グループ事業と鉄道事業の双方の収益拡大を図るためのキャンペーン等を実施しました。加えて、東海道新幹線の業務用室を活用した荷物輸送サービス「東海道マッハ便」について、サービス対象駅を拡大しました。上記の結果、当第1四半期連結累計期間における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、前年同期比
10.3%増の169億3千1百万人キロとなりました。また、営業収益は前年同期比9.9%増の4,782億円、経常利益は前年同期比21.2%増の2,075億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比
21.2%増の1,452億円となりました。これをセグメントごとに示すと次のとおりです。
① 運輸業東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、大阪・関西万博の開催も踏まえ、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、N700Sの投入を進めました。さらに、脱線防止ガードの全線への敷設をはじめとする脱線 ・逸脱防止対策等の地震対策を進めるとともに、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を進めました。加えて、新たな降雨運転規制の指標として長時間降雨の影響をより適切に評価できる土壌雨量を導入するとともに、豪雨時における最適な運転規制に繋げるために、営業線盛土の一部区間において、実際の降雨時における土中の水の分布を詳細に把握するモニタリングを実施するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、通勤型電車315系の投入を進めました。さらに、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めるとともに、名古屋駅を発着する313系への車内防犯カメラの整備を進めました。加えて、名古屋駅で中央本線ホームへの可動柵設置工事を進め、7番線ホームで可動柵の使用を開始するとともに、刈谷駅でホームの拡幅、可動柵設置等に向けた工事を進め、下りホームの拡幅を完了しました。このほか、「お客様サポートサービス」を東海道本線の沼津・興津駅間に導入するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。新幹線・在来線共通の取組みとしては、駅の吊り天井の脱落防止対策や駅のプラットホーム上家の耐震補強工事といった地震対策を進めるとともに、自然災害や不測の事態等の異常時に想定される様々な状況に適切に対応するため、実践的な訓練を繰り返し実施しました。営業施策については、「EXサービス」について、「EX旅パック」、「EX旅先予約」で予約できる旅行商品等を充実させました。また、「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、「貸切車両パッケージ」を販売しました。さらに、京都、奈良、東京、静岡、飛騨等の魅力ある観光素材の開発に取り組むとともに、「そうだ 京都、行こう。」、「いざいざ奈良」、「#東京ゾクゾク」、「会いにいこう」等のキャンペーンを展開しました。加えて、東急株式会社と、静岡県の観光振興と地域活性化を目的としたクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS ~SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN~」を運行し、株式会社オリエンタルランドとは、東海道新幹線の特別編成「Wonderful DreamsShinkansen」を運行しました。このほか、東海道新幹線の出張利用を促すとともに、MICEの誘致に取り組むなど、ビジネス需要の獲得に向けた取組みを進めました。訪日外国人に対しては、国や地域ごとの旅客動向や商品のご利用の分析を進め、より効果的な宣伝を展開しました。大阪・関西万博の開催に当たっては、関西方面の旅行商品等を拡充するとともに、訪日外国人に対して当社沿線の魅力を発信しました。当第1四半期連結累計期間における輸送実績 (輸送人キロ)は、東海道新幹線は前年同期比
11.4%増の146億9千5百万人キロ、在来線は前年同期比3.5%増の22億3千5百万人キロとなりました。バス事業については、安全の確保を最優先として、顧客ニーズを捉えた商品設定を行いました。上記の結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は前年同期比10.8%増の3,992億円、営業利益は前年同期比20.6%増の2,093億円となりました。
② 流通業開業25周年を迎えた「ジェイアール名古屋タカシマヤ」において、記念キャンペーン等を実施しました。また、駅店舗について、品揃えの充実により便利で魅力ある店舗づくりを進めました。上記の結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は前年同期比5.4%増の433億円、営業利益は前年同期比7.6%減の32億円となりました。
③ 不動産業東京駅、浜松駅、名古屋駅等の駅商業施設の拡張・リニューアルや名古屋駅近辺等の高架下開発を進めました。また、社宅跡地等、当社グループ保有土地の有効活用を進めました。さらに、駅構内や駅直結ビルにおけるワークスペース「EXPRESS WORK」の拡充を進めました。上記の結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は前年同期比17.1%増の238億円、営業利益は前年同期比12.7%増の69億円となりました。
④ その他ホテル業については、高品質なサービスの提供に努めるとともに、需要の喚起に向けた取組みを進めました。また、「コートヤード・バイ・マリオット京都四条烏丸」の開業に向けた準備を進めました。旅行業については、各方面へ向けた魅力ある旅行商品や、「推し旅」キャンペーン等に関する旅行商品、「貸切車両パッケージ」を販売しました。鉄道車両等製造業については、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。上記の結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は前年同期比8.6%増の577億円、営業利益は前年同期比357.2%増の23億円となりました。
(2)当四半期連結累計期間の財政状態の概況当第1四半期連結会計期間末 の資産残高は、前連結会計年度末から539億円減少し10兆2,693億円、負債残高は、前連結会計年度末から1,759億円減少し5兆4,888億円、純資産残高は、前連結会計年度末から1,219億円増加し4兆7,804億円となりました。なお、長期債務残高は、前連結会計年度末から0億円増加し4兆7,786億円となりました。
(3)連結業績予想等の将来予測情報に関する説明通期の業績予想については、2025年3月期決算発表時から変更はありません。
四半期 2027年3月期 第1四半期
出典: 東海旅客鉄道 2027年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕、開示日 2026年7月31日(https://www2.jpx.co.jp/disc/90220/140120260729501422.pdf)
1.経営成績等の概況(1)当四半期連結累計期間の経営成績の概況当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全の確保を最優先に、サービスの一層の充実、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化に取り組みました。その上で、生活様式や働き方の変化、労働力人口の減少等に加え、物価高騰が続く厳しい経営環境を踏まえ、新しい発想による「収益の拡大」とAIを含め最新のICT等の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」の2つを柱とした経営体力のさらなる強化に取り組みました。東海道新幹線については、一部時間帯において「のぞみ」を1時間に最大13本運転するダイヤを活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、N700Sの投入を進めるとともに、地震対策や大規模改修工事、豪雨時における最適な運転規制に繋げるための盛土の強化等を進めました。在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めました。営業施策については、「EXサービス」について、ご利用の拡大を図りました。また、様々な事業者や沿線自治体と連携しながら、ご自身の「推し」に関するコンテンツを楽しんでいただく「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、東海道新幹線を号車単位で貸し切り、車内でオリジナルイベント等を実施できる「貸切車両パッケージ」を販売しました。さらに、「そうだ 京都、行こう。」等のキャンペーンを展開しました。超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)による中央新幹線については、工事実施計画の認可を受けた品川・名古屋間について、用地取得等を進めるとともに、南アルプストンネル山梨工区で本坑の品川方が貫通し、第一首都圏トンネル梶ヶ谷工区では都市部トンネルとして初めて非常口となる立坑間が繋がるなど、沿線各地で工事を進めました。引き続き、プロジェクトの完遂に向けて、健全経営と安定配当を堅持し、コストを十分に精査しつつ、柔軟性を発揮しながら着実に取り組むとともに、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視しながら各種工事を精力的に進めます。なお、南アルプストンネル静岡工区においては、5月に大井川流域8市2町首長との意見交換会を開催するとともに、5月及び6月に大井川流域8市2町及び静岡市において、大井川の水資源や南アルプスの環境保全に関する当社の取組み等について説明会を開催しました。引き続き、静岡工区のトンネル掘削工事の早期着手に向けて、地域の皆様に理解を深めていただけるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に取り組みます。一方、超電導リニア技術については、高温超電導磁石の営業車両への投入を前提に、山梨リニア実験線における走行試験と小牧研究施設における検証を進めるとともに、最新のICTを活用した効率的な運営体制の実現に向けた開発において、AI等による画像やビッグデータの分析システムの改良・実証等を進めるなど、一層のコストダウンとブラッシュアップに取り組みました。また、L0系改良型試験車(M10)を活用した技術開発等により営業車両の仕様策定と設計の深度化を進めました。高速鉄道システムの海外展開については、台湾における高速鉄道について、N700Sをベースとした新型車両導入や各種設備更新に伴う技術コンサルティングを進めました。また、米国における高速鉄道プロジェクトに取り組みました。さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めました。鉄道以外の事業については、JRセントラルタワーズとJRゲートタワーを一体的に運営し、収益の拡大を図るとともに、魅力ある駅店舗づくりや駅商業施設 の拡張・リニューアルを進めました。また、当社グループの共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」について、グループ事業と鉄道事業の双方の収益拡大を図るためのキャンペーン等を実施しました。さらに、ひよこ型のスイーツ「ぴよりん」の15周年を記念したTOICAを発売するなど、グループ事業と鉄道事業で連携した取組みを進めました。上記の結果、当第1四半期連結累計期間における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、前年同期比
0.4%増の169億9千3百万人キロとなりました 。また、営業収益は前年同期比3.0%増の4,927億円、経常利益は前年同期比0.5%増の2,085億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比
1.8%減の1,426億円となりました。これをセグメントごとに示すと次のとおりです。
① 運輸業東海道新幹線については、一部時間帯において「のぞみ」を1時間に最大13本運転するダイヤを活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、N700Sの投入を進めるとともに、上級クラス座席「Supreme Class」の導入に向けた準備を進めました。さらに、脱線防止ガードの全線への敷設をはじめとする脱線・逸脱防止対策等の地震対策を進めるとともに、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を進めました。加えて、豪雨時における最適な運転規制に繋げるために盛土等を強化するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、新型特急車両385系量産先行車を新製し、走行試験を開始しました。さらに、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めるとともに、名古屋駅を発着する313系への車内防犯カメラの整備を進めました。加えて、名古屋駅2番線ホームへの可動柵設置に向けた設計を進めるとともに、刈谷駅でホームの拡幅、可動柵設置等に向けた工事を進めるなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。東海道新幹線・在来線共通の取組みとしては、駅の吊り天井の脱落防止対策や駅のプラットホーム上家の耐震補強工事といった地震対策を進めるとともに、自然災害や不測の事態等の異常時に想定される様々な状況に適切に対応するため、実践的な訓練を繰り返し実施しました。営業施策については、「EXサービス」について、「EX旅パック」、「EX旅先予約」で予約できる旅行商品等を充実させました。また、「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、「貸切車両パッケージ」を販売しました。さらに、京都、奈良、東京、静岡、飛騨等の魅力ある観光素材の開発に取り組むとともに、「そうだ 京都、行こう。」、「いざいざ奈良」、「#東京ゾクゾク」等のキャンペーンを展開しました。加えて、東急株式会社とクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS」を静岡県・愛知県・岐阜県で運行し、株式会社オリエンタルランドとは東海道新幹線の特別編成「Sparkling Dreams Shinkansen」を運行しました。このほか、東海道新幹線の出張利用を促すとともに、MICEを誘致するなど、ビジネス需要の獲得に向けた取組みを進めました。訪日外国人に対しては、国や地域ごとの旅客動向や商品のご利用の分析を進め、沿線自治体等と連携して「Golden Route with the Shinkansen」キャンペーンなど、より効果的な宣伝を展開したほか、旅行会社とともに販売促進に取り組みました。当第1四半期連結累計期間における輸送実績 (輸送人キロ)は、東海道新幹線は前年同期比
0.4%増の147億5千6百万人キロ、在来線は前年同期比0.1%増の22億3千6百万人キロとなりました。バス事業については、安全の確保を最優先として、顧客ニーズを捉えた商品設定を行いました。上記の結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は前年同期比1.3%増の4,043億円、営業利益は前年同期比2.4%減の2,043億円となりました。
② 流通業「ジェイアール名古屋タカシマヤ 」において、食料品売場のリニューアルを進めました。また、駅店舗について、品揃えの充実により便利で魅力ある店舗づくりを進めました。上記の結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は前年同期比8.6%増の470億円、営業利益は前年同期比33.8%増の42億円となりました。
③ 不動産業名古屋駅で「ぴよりんvillage」を開業するなど、駅商業施設の拡張・リニューアルを進めました。また、岡崎駅東口の商業施設の開業や既存社宅を活用したリノベーション開発等、当社グループが保有する土地・建物の有効活用を進めました。さらに、名古屋駅付近の中川運河沿いに複合施設「NAKAGAWA CANAL DOORS」を開業しました。上記の結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は前年同期比5.9%減の224億円、営業利益は前年同期比3.4%増の71億円となりました。
④ その他ホテル業については、高品質なサービスの提供に努めるとともに、需要の喚起に向けた取組みを進めました。また、「コートヤード・バイ・マリオット京都駅」の開業、「ヒルトン高山リゾート」、「コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅」のリブランド開業に向けた準備を進めました。旅行業については、各方面へ向けた魅力ある旅行商品や、「推し旅」キャンペーン等に関する旅行商品、「貸切車両パッケージ」を販売しました。鉄道車両等製造業については、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。上記の結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は前年同期比5.1%増の606億円、営業利益は前年同期比57.1%増の36億円となりました。
(2)当四半期連結累計期間の財政状態の概況当第1四半期連結会計期間末 の資産残高は、前連結会計年度末から719億円減少し10兆8,042億円、負債残高は、前連結会計年度末から1,890億円減少し5兆5,504億円、純資産残高は、前連結会計年度末から1,171億円増加し5兆2,537億円となりました。なお、長期債務残高は、前連結会計年度末から0億円増加し4兆7,684億円となりました。
(3)連結業績予想等の将来予測情報に関する説明通期の業績予想については、2026年3月期決算発表時から変更はありません。
本記事は各社が開示した決算短信の記載を機械的に抽出・比較し、AIが要約したものです。数値・表現は原資料をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。