稲畑産業

稲畑産業、2026年3月期は増益 経常利益・当期純利益は中期計画目標を超過

決算サマリー 2026.08.30
稲畑産業、2026年3月期は増益 経常利益・当期純利益は中期計画目標を超過

※本記事は稲畑産業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

稲畑産業は、中期経営計画「New Challenge 2026」(NC2026)2年目にあたる2026年3月期の連結業績を発表した。売上高は8,327億円(前期8,378億円)となった一方、営業利益は261億円(前期258億円)、経常利益は277億円(前期261億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は206億円(前期198億円)といずれも増益となった。資料は、各段階の利益でNC2026の2年目見通しを上回り、経常利益・当期純利益はNC2026最終年度(2027年3月期)目標を超過したとしている。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

ROEは9.3%(前期9.7%)、ネットD/Eレシオは0.06倍(前期0.07倍)、自己資本比率は47.3%(前期47.1%)となった。為替レートは150.67円/ドル(前期152.62円/ドル)。資料は、業績を順調に拡大しており、営業利益は6期連続で過去最高を更新している(2027年3月期見通しを含む)としている。

項目2025年3月期実績2026年3月期実績2026年3月期2年目当初計画(2024年5月9日公表)2027年3月期目標(NC2026最終年度)
売上高8,3788,3278,7009,500
営業利益258261255270
営業利益率3.1%3.1%2.9%2.8%
経常利益261277255260
親会社株主に帰属する当期純利益198206195190
ROE9.7%9.3%10%以上10%以上
ネットD/Eレシオ0.07倍0.06倍0.5倍以下0.5倍以下
自己資本比率47.1%47.3%概ね50%前後概ね50%前後
為替レート(円/USD)152.62円150.67円143.00円145.00円
定量目標に対する進捗状況(連結業績)
出典:稲畑産業 2026年3月期 決算説明会資料 P.9

セグメント別の状況

情報電子セグメントは、下期からFPDパネルメーカーの稼働調整や太陽光発電関連材料の販売減少等により、売上高2,393億円・営業利益70.4億円の減収減益となった。化学品セグメントは、自動車部品用原料・塗料インキ接着剤関連・建築資材関連が堅調に推移し、売上高1,251億円・営業利益35.4億円の増収増益となった。生活産業セグメントは、ライフサイエンス関連・食品関連とも総じて好調で、食品関連の収益改善も進み、売上高601億円・営業利益22.1億円の増収かつ大幅増益となった。合成樹脂セグメントは、各分野向けで堅調に推移し、売上高4,079億円・営業利益132.2億円の増収増益となった。

セグメント2025年3月期売上高2026年3月期売上高2025年3月期営業利益2026年3月期営業利益
情報電子2,6402,39384.770.4
化学品1,1821,25129.435.4
生活産業53760111.722.1
合成樹脂4,0154,079130.8132.2
その他111.31.3
合計8,3788,327258.2261.6
定量目標に対する進捗状況(セグメント別)
出典:稲畑産業 2026年3月期 決算説明会資料 P.10

通期業績予想

NC2026最終年度にあたる2027年3月期は、売上高8,900億円、営業利益275億円、経常利益275億円、親会社株主に帰属する当期純利益210億円、EPS393.39円を見通す。売上高はNC2026最終年度目標9,500億円に対し▲600億円の見通しである一方、営業利益は+5億円、経常利益は+15億円、当期純利益は+20億円、いずれも目標を上回る見通しとしている。想定為替レートは155.00円/ドル(目標比+10.00円)。なお、資料は中東情勢悪化による業績への影響を2027年3月期見通しに織り込んでいないと明記している。

項目2026年3月期実績2027年3月期通期見通し2027年3月期目標(NC2026最終年度)目標との差異
売上高8,3278,9009,500▲600
営業利益261275270+5
営業利益率3.1%3.1%2.8%+0.3%
経常利益277275260+15
親会社株主に帰属する当期純利益206210190+20
EPS384.84円393.39円
ROE9.3%10%以上10%以上10%以上
ネットD/Eレシオ0.06倍0.5倍以下0.5倍以下0.5倍以下
自己資本比率47.3%概ね50%前後概ね50%前後概ね50%前後
為替レート(円/USD)150.67円155.00円145.00円+10.00円

株主還元

1株当たり年間配当金は、2022年3月期110円、2023年3月期115円、2024年3月期120円、2025年3月期125円、2026年3月期128円(配当性向33.3%、総還元性向48.8%)と推移した。2027年3月期の配当は9期連続増配となる143円(中間70円、期末73円、配当性向36.4%)を計画している。2026年3月期の自己株式取得額は32億8百万円(1,000千株取得、1,000千株消却)。株主還元の基本方針は、1株当たり配当額について前年度実績を下限とし減配は行わず継続的に増加させる累進配当を継続する。2027年3月期以降は、総還元性向の目安を「概ね50%程度」から「各年度50%以上を原則」に変更するとともに、新たにDOE(株主資本配当率)を導入し配当総額について株主資本の4~4.5%を目安とする方針を追加した。

決算期1株当たり年間配当金配当性向総還元性向
2022年3月期(実績)110円29.4%62.2%
2023年3月期(実績)115円33.5%47.1%
2024年3月期(実績)120円33.1%44.7%
2025年3月期(実績)125円34.4%55.0%
2026年3月期(実績)128円33.3%48.8%
2027年3月期(計画)143円(中間70円、期末73円)36.4%原則50%以上(目安)
株主還元の推移(1株当たり配当金・配当性向・総還元性向)
出典:稲畑産業 2026年3月期 決算説明会資料 P.16

中期経営計画/トピック

本資料は中期経営計画「New Challenge 2026」(NC2026)2年目の進捗と、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を説明するもの。2026年3月期のROEは9.3%(前期9.7%)、株主資本コストは6.5%(前期6.7%)で、スプレッドはやや縮小した。PBRは0.89倍(前期0.83倍)、PERは10.3倍(前期8.7倍、東証プライム卸売業平均17.6倍〔2026年3月末時点、時価総額加重平均〕)、株価は3,950円(前期3,170円)、時価総額は2,121億円(前期1,734億円)であった。資本コストや株価を意識した経営の対応方針として、①成長施策の着実な実行、②ROE10%以上の維持、③資本コストの抑制・低減、④自己株式取得の継続実施、を掲げ、なるべく早期にPBR1倍を常態的に超える株価水準の達成を目指すとしている。政策保有株式は、NC2023期間中の3年間で2021年3月末残高比50%削減を達成済みで、2027年3月末までに同80%削減を目指す(2026年3月期は縮減が進む一方、時価上昇により保有残高は2,330百万円に増加)。デジタル戦略では新基幹システム刷新プロジェクトが計画通り進捗し2026年8月に本稼働予定としている。

ROEと株主資本コストの推移
出典:稲畑産業 2026年3月期 決算説明会資料 P.27

※本記事は稲畑産業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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