※本記事は神鋼商事が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
神鋼商事は2026年3月期の連結決算を発表した。建設向け鋼板の取扱減や鋼材価格の下落により売上高6,081億円(前期比▲90億円、▲1.5%)と減収となり、営業利益116億円(同▲16億円、▲12.5%)、経常利益110億円(同▲7億円、▲6.3%)と減益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は83億円(同▲3億円、▲3.2%)で、政策保有株式売却益により減少幅は3億円にとどまった。配当は中間53円・期末53円の合計106円とした。2027年3月期は増収増益を計画し、創立80周年を記念して年間配当を130円(記念配当26円含む)とする計画。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は6,081億円(前期6,172億円、前期比▲90億円、▲1.5%)。国内の化学・産業機械・カーボンニュートラル分野で設備投資が堅調に推移し機械販売・メンテナンスサービスは増加したが、自動車生産台数が前年度並みにとどまる中で建設向け鋼板の取扱いが減少し、鋼材価格下落の影響も重なり減収・減益となった。売上総利益は395億円(同▲9億円、▲2.3%)、販売管理費は279億円(同+7億円、+2.6%)、営業利益は116億円(同▲16億円、▲12.5%)、経常利益は110億円(経常利益率1.8%、前期1.9%、同▲7億円、▲6.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は83億円(同▲3億円、▲3.2%)、1株当たり当期純利益(EPS)は313.65円(同▲10.6円、▲3.3%)だった。なお、2025年4月1日を効力発生日として1株を3株に分割しており、前期のEPSを含め本資料の1株当たり指標は3分割調整後の数値で統一されている。2026年3月期の期初公表値との比較では、売上高6,370億円に対し▲289億円、営業利益119億円に対し▲3億円、経常利益120億円に対し▲10億円、当期純利益92億円に対し▲9億円、EPS348.00円に対し実績が下回った。収益性の低下によりROE(8.7%、前年比▲1.0pt)やROIC(5.1%、同▲1.0pt)は悪化した一方、自己資本の積み上げや総資産の増加抑制により、健全性を示す自己資本比率は25.8%(同+2.2pt)に上昇した。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,081億円 | 6,172億円 | ▲90億円(▲1.5%) |
| 売上総利益 | 395億円 | 404億円 | ▲9億円(▲2.3%) |
| 販売管理費 | 279億円 | 272億円 | +7億円(+2.6%) |
| 営業利益 | 116億円 | 132億円 | ▲16億円(▲12.5%) |
| 経常利益 | 110億円(1.8%) | 118億円(1.9%) | ▲7億円(▲6.3%、▲0.1pt) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 83億円 | 86億円 | ▲3億円(▲3.2%) |
| 1株当たり当期純利益(EPS) | 313.65円 | 324.24円 | ▲10.6円(▲3.3%) |
ユニット(事業)別の状況
神鋼商事は金属本部(鉄鋼・アルミ・銅・原料の各ユニット)と機械・溶接本部(機械・溶接の各ユニット)で構成される。2026年3月期の経常利益110億円のうち、金属本部が75億円(構成比67%)、機械・溶接本部が37億円(同33%)を占めた。鉄鋼ユニットは建材分野の需要低迷による鋼板の減少に加え鋼材価格下落の影響も重なり、経常利益47億円(前期56億円)へ減益。アルミ・銅ユニットは地金上昇による増益影響があったものの自動車向けアルミ板の取扱数量減少等により、経常利益28億円(同31億円)へ減益。原料ユニットはバイオマス燃料の取扱い減少の影響はあったが貸倒引当金の減少により、経常利益は▲1億円(同2億円)となった。機械ユニットはヒートポンプや非汎用圧縮機等の機械販売に加えメンテ・サービスも好調に推移し、経常利益31億円(同23億円)へ増益。溶接ユニットは溶接材料の価格上昇があったが取扱量が減少し、経常利益6億円(同7億円)へ減益。2027年3月期は、鉄鋼ユニットで鋼材価格下落や自動車向け・建設向け鋼板の販売減少により39億円へ、原料ユニットは取引先バイオマス発電所の操業停止や豪州炭鉱の操業不調により9億円へ、それぞれ増減が見込まれる一方、機械ユニットはカーボンニュートラル関連の非汎用圧縮機・ヒートポンプ等脱炭素関連機器の取扱い増加により31億円と前年並みを見込む。
| ユニット | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(見通し) | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 鉄鋼(金属本部) | 47億円 | 39億円 | ▲8億円 | ▲17.7% |
| アルミ・銅(金属本部) | 28億円 | 27億円 | ▲1億円 | ▲4.8% |
| 原料(金属本部) | ▲1億円 | 9億円 | +10億円 | - |
| 金属本部 小計 | 75億円 | 75億円 | ▲0億円 | ▲0.2% |
| 機械(機械・溶接本部) | 31億円 | 31億円 | +1億円 | +1.8% |
| 溶接(機械・溶接本部) | 6億円 | 9億円 | +3億円 | +41.1% |
| 機械・溶接本部 小計 | 37億円 | 40億円 | +3億円 | +8.6% |
| その他 | ▲2億円 | 0億円 | +2億円 | - |
| 合計(連結経常利益) | 110億円 | 115億円 | +5億円 | +4.3% |


通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、グローバル日系自動車生産が前年並みを想定される中、鋼材価格が下期にかけて上昇、アルミ・銅地金価格が高水準を維持、半導体装置関連が回復に向かうとの見通しから、売上高6,860億円(前期比+779億円)を計画する。経常利益はカーボンニュートラル関連の機械・設備需要が旺盛であること等から115億円(同+5億円)、営業利益は121億円(同+5億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は90億円(同+7億円)を計画している。自己資本比率は26.0%(同+0.2pt)、ROEは9.0%(同+0.3pt)、ROICは5.9%(同+0.8pt)と、いずれも改善を見込む。
| 項目 | 2027年3月期(計画) | 2026年3月期(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,860億円 | 6,081億円 | +779億円 |
| 営業利益 | 121億円 | 116億円 | +5億円 |
| 経常利益 | 115億円 | 110億円 | +5億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 90億円 | 83億円 | +7億円 |
| 自己資本比率 | 26.0% | 25.8% | +0.2pt |
| ROE | 9.0% | 8.7% | +0.3pt |
| ROIC | 5.9% | 5.1% | +0.8pt |

株主還元
配当方針は「連結配当性向30%以上、または1株あたり配当100円のいずれか高い方とする」としている。2026年3月期の年間配当金は中間53円、期末53円の合計106円(配当性向33.8%)。2027年3月期の年間配当金は、創立80周年を記念し、普通配当104円に記念配当26円を加えた年間130円(中間65円、期末65円、前期比+24円、配当性向見通し38.2%)を計画している。なお、2025年4月1日を効力発生日として1株を3株に分割しており、2015年度以降の配当金・配当性向の推移は3分割調整後の数値で統一されている。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(計画) |
|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 106円(中間53円、期末53円) | 130円(中間65円、期末65円、うち創立80周年記念配当26円) |
| 配当性向 | 33.8% | 38.2%(見通し) |

中期経営計画・トピック
神鋼商事は2024年度(2025年3月期)を初年度、2026年度(2027年3月期)を最終年度とする中期経営計画を推進している。最終年度の目標数値の進捗は、連結経常利益が当初計画145億円に対し見通し115億円、ROEが当初計画10.0%以上に対し見通し9.0%、ROICが当初計画6.5%に対し見通し5.9%と、いずれも当初計画を下回る見通しとなっている一方、自己資本比率は当初計画21%以上に対し見通し26.0%と計画を上回っている。政策保有株式については、2027年3月期までに連結純資産に対する政策保有株式の割合を15%以下とし、将来的には10%以下を目指す縮減方針を掲げており、2026年3月期は4銘柄24億円を売却し、2026年3月末の保有残高の連結純資産比率は18.2%となった。バランスシートでは、フリーキャッシュフローの創出により外部有利子負債を534億円に圧縮し、D/Eレシオは0.5倍(NET D/Eレシオ0.36倍)に改善した。成長投資として、アルミニウムの国内資源循環・石炭代替バイオマス燃料製造等への投資を決定しており、石炭代替燃料製造事業(ブラック・ペレット事業、愛媛県西条市、2026年7月竣工予定、年間生産量30,000mt)、アルミ資源循環ビジネス(Vesper Metals株式会社によるアルミ・ゾルバ屑の高度選別、2027年10月稼働予定、年間生産量15,000mt、売上高目標約61億円)、建材用アルミサッシ屑の高度選別事業(富山県射水市、2026年5月量産開始予定、年間生産量7,200mt、売上高目標約27億円)を進めている。神鋼商事は2026年、創立80周年を迎えた。
※本記事は神鋼商事が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。